安全問題研究会~鉄道を中心とした公共交通を通じて社会を考える~

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続・栗東新駅問題

2007-10-31 21:53:59 | 鉄道・公共交通/交通政策
引き続き栗東新駅(びわこ栗東駅)建設中止問題について取り上げる。

そもそも私はこの手の大型公共事業になんでも反対というわけではない。新駅設置に妥当性があれば建設してもかまわないと思っている。問題は正確な需要予測の他、利便性、地元住民の意向、費用対効果などを総合的に判断して決められるものである。鉄道とは公共インフラそのものだからだ。

かつて佐藤栄作内閣の時、大蔵大臣を務めていた田中角栄が、山陰新幹線(ほぼ現在の山陰本線に相当するルート)の建設を考えつき、佐藤首相に持って行ったことがある。田中蔵相は佐藤首相にこう言った。「山陰新幹線を造りましょう。そうすれば、総理の地元の萩(山口県)にも新幹線の駅ができます」。

黙って話だけ聞いていればいかにもバラ色の未来が待ち受けていそうな内容だ。だが、鉄道省の官僚出身で、全国の鉄道事情を知り尽くしていた佐藤首相は、田中蔵相のこの提案に対し、「タヌキでも乗せるつもりか」と言って即座に却下したという。

長野新幹線が開通するときも「安中榛名」駅の妥当性がかなり議論された。なにせ当時、駅前には民家すらなかったからである。「開通当初は全列車通過ではないか」「乗客はタヌキだけらしい」。地元ではそんな噂が飛び交っていた。今、安中榛名駅前はわずかながら宅地開発も進み、駅として多少は機能するようになった。

駅をどこに造るべきか、どこに造るべきでないかは、これらの先行事例から考えてもケース・バイ・ケースで難しい判断を迫られることが多い。
乗客にとって駅とは列車に乗降するための場所でしかないが、列車を運行する鉄道側から見れば、信号制御や列車のコントロールを行う場所であったり、列車の入れ換えをする場所であったりする。また事故などの非常時には、救助や復旧作業の拠点としての役割をも負っている(この意味からすれば、いわゆる無人駅と呼ばれているものは単に乗降のため列車を一時停車させる場所に過ぎないのだから、駅などと呼ぶこと自体がおこがましく、停留所とでも呼んだ方がいい)。

乗降客がいなくとも、鉄道を運行する側にとって運転取扱の拠点であったり、非常時の拠点として機能させたいという思惑がある場合、それは駅となりうる。安中榛名のようなケースであっても、JR自身がみずからの資金で駅前開発をすることによって、そこを地域の拠点として育てようという戦略をきちんと持った上で臨むなら、それも駅を設ける合理的な理由になりうる(JRがそうした本業以外のビジネスを手がけることの是非という別の問題はあるが)。長野新幹線の場合、東海道新幹線と比べて列車本数が少ないから、駅間距離を短くすることによって列車の速度がダウンしても、それがダイヤに与える影響は限定的である。

では、びわこ栗東駅はどうか?
京都、米原という拠点駅に両側を挟まれた栗東駅は運転取扱上の拠点にはなり得ない。非常時の拠点としての機能も、京都か米原に持たせる方が合理的である。駅前開発をすると言っても、近くに工場があり、中途半端に開発が行われている栗東の場合地元が思うとおりに開発することはできない。これが安中榛名とも異なる点である。中途半端に絵が描かれた紙の上に絵を描き足してきれいにするのは、白紙に一から絵を描くよりもずっと難しいのである。
費用対効果や利便性については前のエントリで考察したとおりである。効果は限りなくゼロに等しい。

こう考えると、栗東新駅は列車を運行する鉄道事業者側から見てもメリットに乏しいと言うことがわかる。JR東海が、「地元がカネを負担する請願駅なら造ってやってもいいが、地元自治体間で合意が取り付けられず、揉めるようなら造らない」という立場に徹したのも、民間企業としては妥当な判断だと言えよう。

結論として、やはり栗東新駅は計画自体が無謀だったと言うしかない。

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栗東新幹線新駅、建設中止決定

2007-10-28 20:17:26 | 鉄道・公共交通/交通政策
栗東新幹線新駅、地元協議決裂で建設中止確定(朝日新聞)

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滋賀県栗東市(りっとうし)に計画された東海道新幹線新駅の建設中止が24日、確定した。県と関係6市が話し合う新駅設置促進協議会の会合がこの日、県庁であり、凍結・中止を主張する県と、推進を求める栗東市などとの対立の根は深く、合意に達しなかった。歩み寄りがないまま、合意期限の31日を迎える見通し。昨年7月に「新駅凍結」を掲げて当選した嘉田由紀子知事の最大の公約が実現する。

 県と関係6市は今年4月、JR東海と覚書を締結。10月末までに推進か中止かの結論を出すことになっており、それまでに結論が出なければ工事協定などは解除され、新駅事業は自動的に中止されることになっていた。

 この日の会合には嘉田知事と国松正一・栗東市長ら6市長が出席。県側は、中止に合意しないとする各市の意向を踏まえ、31日に協定は終了する▽土地区画整理事業は栗東市と協議する場を設ける▽同市が負担した工事費の精算は県と市で協議する――などとする報告案を示した。

 しかし、国松市長は「いかなる案でも(凍結・中止となる)報告は了としない」と発言。最後まで両者の歩み寄りは見られず、結論を出す期限の31日を待たずに中止が決まった。

 新駅は事業費約250億円のうち240億円を県や栗東市などが負担する請願駅。昨年5月に着工されたが、同7月の知事選で凍結を訴えた嘉田知事が当選。推進を求めてきた県議会自民党が今年5月、「知事の解決策を支持する」と転換し、中止の流れになっていた。

 中止決定で今後の焦点は、新駅設置を前提とした予定地周辺の土地区画整理事業の見直しや地域振興策などに移る。

 嘉田知事は「土地区画整理事業など残された課題について、誠意をもって対応していきたい」とコメント。一方、国松市長は「私の力不足で県の方針転換をさらに転換させることができなかった。市民におわびしたい」と話した。JR東海関西広報室は「正式な話は来ておらず、現時点でコメントすることはない」としている。
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嘉田知事の当選はもちろん建設凍結へ大きな1歩となったが、その後も建設推進派だった県議会自民党が、県議選で27議席から16議席へと大きく議席を減らした挙げ句建設中止へ方針転換したこと、新駅建設のための栗東市の市債発行が最高裁で差し止められたことが決め手となったようだ。
地元の栗東市長選では推進派の国松市長が当選したが、建設反対派が「中止」を訴える候補と「一時凍結」を訴える候補の2人に分裂、2人の反対派候補を合わせた得票では推進派市長を上回っていたから、選挙結果から見る限り地元の意思は建設中止だったことになる。

鉄道ファンの立場から見ても、地元に利益がある新駅建設だとはどうしても思えなかった。第一こんなところに新駅なんて作って、どうやって列車を停めるのだ?

どう考えても停車するのは「こだま」のみ。
その上栗東新駅は駅の位置が最悪だ。京都、米原の両駅に近すぎ、ここに駅を作ってしまうと駅間距離が近すぎる京都~米原間では「こだま」は最高速度ではまず走れない(駅間距離が20~30km程度しかない名古屋~岐阜羽島間、熱海~三島~新富士間などを見ればそのことは理解できる)。「こだま」はさらに遅くなり、足を引っ張られて「のぞみ」「ひかり」の速度も低下する。
新駅が草津駅に併設される形であれば、草津線方面への乗換回数が減り、利便性が増すメリットもあるだろうが、栗東新駅にはそれすらなく、草津線方面へ行くのにも乗換回数は現行と変わらない。さらに、「こだま」が最高速度で走れないこと、「こだま」の本数が1時間1本であること等を考えれば、駅での待ち時間、通過列車の待避時間等も含めた実質的な所要時間では、120km運転の新快速が日中ほぼ10数分間隔で走る在来線のほうが早くなる可能性さえあるのだ。費用対効果でいえば、効果は限りなくゼロに近い。ハッキリ言えば「百害あって一利なし」。

こんなものに240億円もかけるなんて、血税をドブに捨てるようなものだ。嘉田知事ではないが、それこそもったいないの一言に尽きる。地元の面子のためだけの無駄な公共事業だということがこれほど露骨にわかる例もないだろう。

嘉田知事が以前、「ガイアの夜明け」(テレビ東京系)に出演したとき、地元の建設推進、反対両派の意見を聴いた後、司会者の役所広司が「(栗東新駅)推進派はオッサンばっかり」と言っていたのがなぜか今も印象に残っている。まるで田舎の土建屋政治と言わんばかりだが、事実なのだから仕方がないだろう。

当ブログ管理人は、建設中止決定を素直に喜びたい。

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日本シリーズ

2007-10-27 19:17:38 | 芸能・スポーツ
オレ竜“3度目の正直”日本一に自信(スポーツニッポン) - goo ニュース

…というわけで日本シリーズである。私はもともとプレーオフに反対なので、イマイチ盛り上がる気にならない。

私自身は巨人ファンではないが、G党にしてみれば今年は納得がいかないだろう。
日本シリーズにはやはりペナントを制した者が行くべきであり、自分の好き嫌いや贔屓チームがどこであれその原則を曲げてはならないと思うのだが…。

なにはともあれ、私は中立の立場でじっくり観戦することにしよう。

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350円の両替に315円!

2007-10-25 22:28:22 | その他社会・時事
銀行手数料に逆上し逮捕 350円の両替に315円(朝日新聞) - goo ニュース

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銀行で350円を5円玉に両替しようとして、手数料の高さに怒って行員のネクタイを引っ張ったとして、兵庫県警甲子園署は25日、同県西宮市の新聞販売所アルバイト従業員の男(28)を暴行容疑で現行犯逮捕した。

 調べでは、男は同日午後2時40分ごろ、同市甲子園口2丁目の三菱東京UFJ銀行甲子園支店の窓口で、350円を5円玉70枚に両替するよう依頼。「手数料が315円かかる」と言われて逆上し、窓口の職員に詰め寄ったうえ、止めに入った男性行員(53)のネクタイを引っ張った疑い。

 同行のホームページによると、持参もしくは持ち帰る硬貨の多い方が50枚以内であれば無料だが、51枚以上は手数料がかかるという。
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怒る気持ちもわかる。暴力はいけないが。
もともと自分の金であるものを両替するのに、何で手数料など取られねばならんのだ?

でもねぇ、銀行が庶民の敵なのはなにも昨日今日始まったことではないのだから、この男性も、もうちょっと頭を使うべきだった。「1回」の両替で51枚以上硬貨を持ち帰ると有料、50枚以下なら無料なのだから、2回に分けて両替すれば良いだけのことだ。
それ以外にも、「今のところは」両替手数料無料の郵便局(ゆうちょ銀行)を使うなり、方法はいろいろあるだろうに。

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都営地下鉄 初の黒字

2007-10-24 23:25:39 | 鉄道・公共交通/交通政策
都営地下鉄 初の黒字 大江戸線乗客増 1年前倒し(産経新聞) - goo ニュース

戦前から地下鉄建設をしている東京メトロ(旧営団)に比べ、利用客の少ない新興開発地の路線を高いカネ払って作ったのが都営地下鉄だ。それだけに、メトロ=黒字、都営=大赤字の構図だと思っていたが、どうやら沿線人口増加などを背景に都営も黒字に転換したらしい。

東京都はもともと、経営成績の良い営団との地下鉄統合を望んできた。終戦直後は営団との統合をGHQに要望したことさえあったという。だがその都度、運輸省の反対などで実らず、統合はできないまま帝都高速度交通営団は民営化。事実上、営団の「勝ち逃げ」民営化という側面も見え隠れしていた。
黒字転換したとはいえ巨額の建設費債務を抱える都営と、2009年にも上場し、政府保有株式を売却する計画がある東京メトロとの統合が実現することはないのではないだろうか。

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神田うのの結婚式で大黒摩季が新曲披露

2007-10-23 22:39:37 | 芸能・スポーツ
神田うの ド派手披露宴

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そんなうのの思いに友人たちも応えた。親友で、同日午前に明治神宮で執り行われた挙式に両家に交じって出席した美川が「愛の讃歌」で祝福。華道家の假屋崎省吾(48)が生け花で会場を彩り、歌手の大黒摩季(37)はこの日のためにバラード「Forever Rose」を書き下ろし新郎新婦にささげた。
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大黒摩季の「新曲」披露というには語弊があるかもしれない。なんせこの曲はまだシングルリリースされるかどうかすらわからないからだ。
神田うのの披露宴はビデオに録画しておいた。当然、"Forever Rose"も聞いたが、うん、いい曲だ。
幸せを感じる中にもどこか切なくて、必死に背伸びして何かをつかもうとするようなメッセージ性の強い歌詞が昔の大黒摩季を彷彿とさせる。その歌詞の上に、他人の幸せを落ち着いて祝福できる境地に達した大黒摩季の新たな力を感じさせるものが加わっている。

過去のエントリで私は、「コレデイイノ?」を酷評した挙げ句、次の曲もこの調子なら大黒摩季と距離を置くと宣言したが、この曲を聴く限りではその必要はなさそうである。
神田うのだけにこの曲を独占させるなんてもったいないと思わせてくれる出来映えになっている。なんとかこの曲、シングルリリースしてくれないかなぁ。
ああ、なんだかファンクラブに戻りたくなってきた…

ちなみに、結婚で神田うのは「西村うの」になるそうだ。
『もし自分が宇野という姓の男性と結婚したら「宇野うの」になってしまう。だから絶対自分は宇野さんという男性とは結婚できない』って、以前どこかのテレビ番組で言ってたっけ。
何はともあれ、ご結婚おめでとうございます。

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笑止千万の「消費者主権」

2007-10-22 22:18:24 | その他社会・時事
20日に放送されたNHKの「日本の、これから」を見た。
毎回、一般視聴者を登場させ、硬派な政治問題を議論させる番組で、今回は農業問題が取り上げられた。

テレビを見ている視聴者も携帯電話で投票に参加できるが、今回、輸入自由化に反対する意見が視聴者投票で9割近くを占めた。一方、スタジオでの投票は生産者側のほぼ全員が自由化反対なのに対し、消費者側はほぼ全員に近い人が自由化賛成。なんてわかりやすい投票結果なんだろうと感心する反面、あまりにもみんなの意見がひとつにまとまりすぎていて、ある種の作為も感じる。生産者側は自由化反対、消費者側は自由化賛成でなければならないという制作サイドの先入観があり、それに沿って出演者の人選が行われたのではないかと勘ぐりたくなるような投票結果だ。

ただ、自由化「反対」側が農業の多面的価値(環境保全など)、食料安全保障、文化の維持、国民の健康保持など多種多様な観点から論を展開したのに対し、「賛成」側がよりどころにしたのは消費者主権の他、消費者の選択の自由と経済性(競争で価格が安くなる)のみ。
自由化論者の代表として、最近あちこちで言論活動を繰り広げている本間正義・東京大学教授がひたすら自由化論を唱えるのが滑稽だった。ちなみにこの本間正義氏、「内閣府・経済財政諮問会議グローバル化改革専門調査会委員」の肩書きも持つ。その肩書き通り、ひたすら規制を撤廃し、生産性の悪い農業などつぶしてしまえと主張する経済界の腰巾着である。

消費者主権? 笑わせるのもいい加減にしてくれ。
毎日毎日、テレビを見ても新聞を見てもトップニュースは食品偽装である。不二家に始まり、ミートホープ、赤福に比内地鶏偽装事件。
消費者の選択の自由は、選択するための正しい情報が提供されて初めて成り立つ。賞味期限も産地も偽物の情報だらけなのに、それで消費者に判断しろなんてどだい無理な話だ。

自由化賛成論者が最後のよりどころにした「自由化する方が価格が安くなる」も極めて怪しい。
そもそも日本の商業がまだ大資本に牛耳られるようになる前は、町の八百屋さんや魚屋さん、肉屋さんが流通の中心的役割を果たしていた。そこでは農産物はセリに掛けられ、需給を反映して価格が設定された。不作で高くなることがある反面、豊作なら安くなることもあったし、お客さんが「お宅のお野菜はいつも新鮮で美味しいわ」とお世辞のひとつも言えば、「お客さん、いいこと言うねぇ。じゃあ今日は負けとくよ」と値切ってもらうこともできた。
地域社会のゲマインシャフト的結びつきの中、人間対人間の交渉で価格が決定されていた。それに対して、大資本が流通を牛耳る現在、農産物もメーカー・産地と大手流通業者との直接取引が主流となった結果、セリによる価格調整機能は失われ、消費者はメーカー・産地と販売店が協議して決める価格を一方的に押しつけられる存在に変わった。消費者は、今より昔の方が価格決定権を持っていたのである。

経済界の腰巾着が主張するような農産物の自由化を受け入れるなら、農産物についても同じ事が起きる。「資本は集積すればするほど消費者を重要な決定から遠ざける」という経済学の原則が、農産物にも貫徹されるようになるのだ。
価格決定権を奪われ、賞味期限や産地を見極めようにも偽装された情報しか与えられない状態で、消費者がメーカーの言うがままに偽物を高い価格で押しつけられる社会が「消費者主権」とは、冗談にもほどがある。

農業が他産業と違うのは、直接国民の生命を担う基幹産業だということである。その価値はいくら強調してもし過ぎることはないし、カネなどで計ってはいけないものである。それを自由化せよと主張することは、国民の命をカネで売り飛ばせと主張するに等しい。
このような主張を繰り広げる人物こそ真の売国奴であり、国民の敵である。このような売国奴を委員に据えている経済財政諮問会議の胡散臭さもここに極まったといえるだろう。
農業自由化など、決してしてはならない。

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土・日出勤

2007-10-21 22:55:05 | 日記
20~21日、土日にもかかわらず出勤だった。業務の一般公開のためである。
2日分の代休が一応、もらえることにはなっているけれど、なかなか会議や行事続きでうまく休めそうな日がない。
代休、いつ取るかなぁ。

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ホームページの一時停止のお知らせ

2007-10-18 22:24:22 | 運営方針・お知らせ
当ブログ管理人のサイト「罪団法人 記者旅と温泉を愛する会」がwebデータを置いているiswebサーバーのメンテナンスに伴い、下記日時でサイトの閲覧ができなくなりますので、お知らせします。

・2007年10月28日(日)2:00 ~ 6:30(予定)

この時間帯、「罪団法人 汽車旅と温泉を愛する会」の全コンテンツが閲覧できません。
掲示板「汽車旅と温泉を愛する会 ラウンジ」及び当ブログは閲覧できます。掲示板への書き込み、当ブログへのトラックバックもできます。

なお、メンテナンス時間は変更されることがあります。その際は改めてお知らせします。

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山陽、九州両新幹線直通運転へ

2007-10-17 23:06:42 | 鉄道・公共交通/趣味の話題
山陽、九州両新幹線直通運転へ=新大阪~鹿児島中央約4時間 (時事通信) - goo ニュース

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 JR西日本の山崎正夫、JR九州の石原進両社長は17日、JR九州本社(福岡市)で記者会見し、2011年春の九州新幹線の全線開通に合わせ、山陽新幹線との直通運転を決定したと発表した。所要時間は、山陽新幹線の新大阪からだと、熊本まで今より約30分短縮され約3時間20分、鹿児島中央まで約1時間短縮され約4時間で、乗り換えなしで結ばれる。

 山陽新幹線の既存車両は急傾斜のある九州地域には対応できないなどの問題があったが、「N700系」をベースに九州でも高速走行が可能な新車両(8両編成)を開発する。投資額は、JR西は新車両152両の製作とシステム整備などで約1000億円、JR九州は新車両98両を中心に約400億円。 
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九州人の私にとって、嬉しいニュースだ。もっとも、現在の山陽新幹線のエリアにいる私にメリットがあるわけではないが。
鉄道はネットワークになって初めて力を発揮する交通機関である。新幹線であれ在来線であれ、ネットワークを生かす方向で各社が知恵を絞るのであれば大歓迎である。開通時はぜひ全線通しで乗ってみたいと思っている。

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