安全問題研究会~鉄道を中心とした公共交通を通じて社会を考える~

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「汽車旅と温泉を愛する会」で公開中の携帯動画について

2009-01-31 21:49:33 | 運営方針・お知らせ
携帯で撮影した動画を投稿できる“Kyte“(カイト)なるサイトが登場しました。

おなじみのYoutubeは、携帯で撮影した動画形式(拡張子が3G2)のものは投稿できなかったので、初めての本格的携帯動画投稿サービスだと思います。ビデオカメラを持っていなくても、気軽に動画を投稿できるので、動画撮影の入門用として、今後伸びそうなサービスです。

さて、この“Kyte”のオープンに伴い、「汽車旅と温泉を愛する会」で公開中の携帯動画を、今後“Kyte”に移転します。ここを使えば、自分がレンタルしているサーバー容量を節約でき、鉄道サウンドライブラリ(走行音)など他のコンテンツ用に振り向けることができるためです。

(恐らくいないとは思いますが)「汽車旅と温泉を愛する会」で公開中の携帯動画に直接リンクを張っている方は、今後、予告なく動画を移転することがありますので、もし突然画像が再生できなくなった場合には、トップページから入り直してください。

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キハ65形解体の危機

2009-01-30 20:06:09 | 鉄道・公共交通/趣味の話題
往年の国鉄ディーゼルカー「キハ65形」解体の危機(産経新聞)

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 日本の高度経済成長を牽引(けんいん)し、車体の塗装と座席の状態が全国で唯一、旧国鉄時代のまま残る急行型気動車「キハ65形」が四国で解体の危機に瀕(ひん)している。昨年10月で定期運行を終えた車両は現在工場で保管。JR四国には鉄道ファンから「思い出の車両を何とか残してほしい」との希望が多数寄せられる一方、保存コストなどから「廃車、解体の方向」とすることに同社内でも異論があるといい、産業遺産とも言える昭和の名列車の運命が注目されている。

 クリーム色に赤い縁取りの塗装と、内部のクロスシートが特徴のキハ65形は急行形車両のキハ58系の発展型として昭和44年に開発された。全盛期には全国の非電化路線で運用され、電化区間の短い四国には全製造数の約半数にあたる43両が配置された。

 国鉄民営化後はJR各社で塗装の変更や車両内部の改造などが進み、電化の促進と車両の老朽化で順次引退。中国地方で昨年6月に姿を消したのに続いて、JR四国は10月、キハ65形を含む同型系統の保有車両計11両を同社管内から引退させた。

 これを機に、愛媛県西条市の四国鉄道文化館(尾崎俊館長)では昨年11月、キハ65形1両を同社から借り受け、一般展示を始めた。展示が決まると同館には保存を望む声や問い合わせが相次ぎ、市民や全国各地からファンが駆けつけた。

 多くのファンに惜しまれつつ展示は今月6日で終了し、7日朝に香川県多度津町のJR四国多度津工場に回送された。現在は解体の時を待っている状態だという。

 同館を訪れた松山市の矢野浩司さん(44)は「これまで生きてきた道のりを一緒に歩んできたキハ65形。里帰りでよく利用した思い出がこみ上げてくる」と語った。

 こうした“キハ65形人気”に、同社広報室は「ホームページや電話で保存を望む意見はいただいている」とするが、保存には費用負担や用地確保など課題が多く、買い取り手が現れたとしても輸送コストだけで数百万円を要するなど、保存は容易ではないという。

 一方で関係者によると、歴史的な価値を考慮して同社上層部でも解体をめぐって論議が交わされており、公式見解も「基本的には解体。しかし再検討の余地はある」と含みを持たせている。

 同館の尾崎館長は「JRが解体を決めるのなら仕方ないが、鉄道文化館の周辺整備が進めばぜひ車両を留置したい」と話している。

【キハ65形】床下に大出力のエンジンを1基搭載し、空スペースに電源装置を搭載することにより、出力を低下させずに冷房電源を確保できる。山岳線区の冷房促進を目的に投入され、昭和47年までに計104両が製造されたが、その後改造や廃車が進み、現在はJR西日本が山陰線で改造車両を臨時列車「エーデル鳥取」号として運用しているほか、JR九州が久大線で観光用として数両を運行するのみとなっている。
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こんな文章を書いてしまうくらい、国鉄系気動車が大好きな私。せめて1両くらいは文化遺産として残してやれないかという思いはある。

キハ65系の功績は、いくら強調してもしすぎることはない。何しろこの車両が開発されるまで、急行形気動車は小出力エンジン2基が基本だったから、大出力を確保しようとすれば電源用エンジンを搭載できず冷房が使えなかった。かといって1基を冷房用エンジンに充てれば、今度は走行用に使えるエンジンが1基(180馬力)となり、勾配線区では十分走ることができなかった。

それが、DD51型のエンジンを基本に開発された500馬力のエンジンを1基搭載したキハ65型の登場により、大出力を維持しながら気動車急行の全面冷房化が可能となったのだ。

その後、このエンジンの改良型がキハ181系やキハ183系にも搭載され、その後の気動車特急高速化にも大きな役割を果たした。キハ181系やキハ183系がいまだ健在であることから考えても、その性能の良さがおわかりいただけるだろう。

最後に、いつも当ブログをご覧いただいている読者の方へサービス。
キハ65系と同じ系列のエンジンを搭載しているキハ181系のエンジン音をアップロードしたので、興味のある方は、その大迫力のサウンドを体験してほしい。2006年2月4日、特急「はまかぜ」に乗車した際に録音したものである。

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京品ホテルに強制執行

2009-01-29 21:18:19 | その他社会・時事
<京品ホテル>従業員立ち入り禁止の強制執行 東京・品川(毎日新聞)

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 東京・品川駅前の老舗「京品(けいひん)ホテル」(港区)廃業に反対する従業員労働組合が自主営業を続けていた問題で、東京地裁は25日、従業員らをホテル施設から退去させ、立ち入り禁止とする強制執行を行った。今月15日の仮処分決定に伴うもので、執行の際に労組と警官らが激しいもみ合いとなり、組合側によると3人がけがをし、うち1人が救急車で病院に運ばれた。

 前夜からの徹夜組も含め組合員や支援者約300人が午前5時ごろ、強制執行を止めるためホテル入り口の歩道でスクラムを組むと、間もなく警視庁のパトカーなどが到着。前を通る第一京浜国道の3車線のうちホテル側2車線が交通規制される中、午前7時過ぎに地裁の執行官らが立ち退きを求めたが、組合側が拒否した。

 このため、午前9時過ぎに警視庁の機動隊員ら約200人が組合員らを次々と列から引き離した。「暴力反対」「帰れ」などの怒号が飛び交い騒然となったが、約30分でほぼ全員がホテルから退去させられた。

 その後会見した東京ユニオンの渡辺秀雄委員長は「私たちが(反対の)旗を降ろさない限り問題は絶対解決しない。解雇を撤回させる」と闘争継続を表明。従業員が加入する同ユニオン京品支部の金本正道支部長は「こんな悔しい思いのまま終わらせる訳にはいかない。必ず、必ず戻ってきます」と涙ながらに訴えた。

 一方、ホテルの日本料理店で9年間働いた佐藤光子さん(75)は、約3カ月間自主営業を続けた仲間が目の前で手荒く排除されていくのが悔しかった。自主営業中は連日満員。存続を求める署名も7万人分集まった。「これほど愛されたのになぜ廃業するのか」。

 会社側は「裁判所の力で違法状態は是正された。世間をお騒がせし、深くおわびする」との談話を出した。

 この問題は、ホテルを経営していた「京品実業」が昨年10月20日、多額の債務による経営悪化などを理由に廃業、131人の従業員のうち正社員39人とパート社員30人を解雇したのがきっかけ。債権者が破たんした米証券大手のリーマン・ブラザーズの日本法人の子会社だったため、従業員らは「ホテルは赤字でなく、土地転売を目的とした不当解雇だ」と反発し、24日までホテルと飲食店の自主営業を続けた。

 しかし、京品実業側が立ち入り禁止などの仮処分を申請し、東京地裁が15日に認めた。組合側は執行停止などを申し立てたが、却下された。【東海林智、工藤哲】
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1月15日に強制執行を認める仮処分命令が出されており、執行は間違いなしと見られていたが、この強制執行にはどうしても釈然としないものが残る。

確かに、建物の所有権は京品実業にあり、自主営業をしている労働組合の行為は「不法占拠」ではある。しかし、別の報道によれば、倒産はバブル期の副業で失敗したせいであり、本業のホテル業では黒字を出していた。「営業利益の出ているホテルを廃業するのはおかしい」という従業員側の主張はもっともであり、建物売却以外の方法で債務を返済する道もあったのではないかと思われる。

解雇回避の努力をすべきであるのにそれを怠り、もっとも安易な倒産整理の道を選んだ経営者もさることながら、そうした企業倫理を問うこともせず、「使用者による事業の決定は、事業者が自由に行い得る」(蓮井俊治裁判官)とした裁判官の決定も、あまりに机上の空論だと当ブログは考える。この裁判官は法律書は読めても企業倫理とは何か、従業員の生活をどうすべきか、といったことに考えが及ばなかったらしい。勉強しかできないおぼっちゃま秀才はこれだから困る。

ついでに言えば、京品実業を支配しているのは倒産したリーマン・ブラザーズだった。この恥ずべき金融ブローカー集団は、額に汗して働くことなど何一つせず、他人が額に汗して作り上げた経済価値を強奪することを生業とするもっとも堕落した連中であり、金融資本主義が生んだ鬼っ子である。

私と仕事上のつきあいがある地元の中小企業のある社長が私にこう訴えかけてきたことがある。「なあ君、おかしいと思わないか。額に汗して働く者よりも、冷や汗を手に握りながらギャンブルにいそしむ連中の方が巨万の富を得る世の中なんて。こちとらどこの工事を請け負っても、買い叩かれ、利益も出ない状態で四苦八苦しているというのに」。資本主義体制の中でも、心ある経営者たちはこの事態を真剣に憂えているのだ。

額に汗して働く者から経済価値を強奪し、そのあげくに世界経済を大混乱に陥れてきた金融ファンドなど出ていけ。それが当ブログの主張である。死にぞこないの金融ファンドのために、従業員を強制執行で追い出してまで追い銭をくれてやる必要などどこにあろう。私たちはむしろ、世間知らずのおぼっちゃま秀才裁判官とは全く逆の要求をする--「お前たちこそ出て行け」と。怠け者で強欲で恥知らずの金融ファンドにとどめを刺し、リーマン・ブラザーズの葬式を出してやることこそ、今、私たちがなすべき仕事なのだ。

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JR伯備線作業員死傷:事故3年、労使で再発防止誓う

2009-01-28 22:51:43 | 鉄道・公共交通/安全問題
JR伯備線作業員死傷:事故3年、労使で再発防止誓う 安全碑に献花、追悼 /鳥取(毎日新聞鳥取版)

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 江府町のJR伯備線で06年1月24日、保線区員が特急にはねられ5人が死傷した事故から3年経った24日、JR西日本米子支社の川上優支社長ら幹部約30人が日野町根雨の根雨駅構内に事故後建立された「安全碑」に献花、犠牲者3人の冥福を祈った。労働組合も独自に追悼と安全の集会を開いた。

 JR西本社(大阪市)から国広敏彦・施設部長も参列し、全員で黙とう。川上支社長は献花した後、「改めて事故の重大性と安全の重要性を感じた。安全対策に終わりはなく、もう事故は起こさない」と語った。

 一方、JR西労組米子地本(土岡勉委員長、1428人)は倉橋源太郎・中央執行委員長を含む約160人が「安全碑」前で献花し、安全運行を誓った。さらに米子市の米子コンベンションセンターで集会を開き、福知山線と伯備線の両事故以降に行われた会社側の安全対策について検証、意見交換した。

 JR西労米子地本(生田幸広委員長、30人)と各地の地本関係者ら約60人が事故発生時間の午後1時18分、江府町武庫の事故現場で献花。日野町内で開いた集会では、同事故以降も保線作業の危険なケースが多いことなどが報告された。【小松原弘人】

1月25日朝刊
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この事故が起きて以降、JR西日本現役社員の話を聞く機会に恵まれたが、それによると、JR西日本は保線作業の際、単線区間の片側にしか見張り要員を配置していなかったそうで、事故は起こるべくして起きたということができる。見張りは両側に配置するのが当然ではないか。

事故の背景には保線作業の人減らしという要因も絡んでいるが、JR西日本は減員によって保線作業時の安全性が低下することは織り込み済みだったようだ。その証拠に、JR西日本は人減らしによる安全性低下を防ぐため「作業区間防護用ATS地上子」なる持ち運び式のATS地上子を導入したが、重すぎて運搬に2人必要であるため、使われずに放置されているという。このように、JR西日本の安全対策は、どこかちぐはぐなままだ。

労働組合が安全問題に取り組むのは良いことである。保線作業に実際に携わるのは社員なのだから、社員が率先して労働災害根絶に取り組むのが一番だし、社員にとって安全性の高い鉄道が乗客にも安全性の高い鉄道であることは間違いないからである。JRの各労組は精力的に安全対策に取り組み、会社をリードするくらいであってほしいと思う。

それにしても、JR西労組(JR連合系)・JR西労(JR総連系)が安全対策に取り組んでいる中で、国労西日本は何をしているのだろうか。この事故で死亡した保線作業員の中には、国労組合員もいたというのに…。

自分たちの組合員を失っておきながら、安全対策にも取り組めないような労働組合に価値があるとは、私にはとても思えない。

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年金記録、瞬時に修正

2009-01-27 23:41:25 | 日記
…というわけで、社会保険事務所に行ってきた。
東京など大都市では、社会保険事務所で受付を待つだけで1日つぶれることもあるようだが、ここ白河は待ち客もおらず、のどかなもんである。

入口で「ねんきん特別便を受け取ったが、記載に誤りがあるので確認したい」と用件を告げると、受付嬢が担当者を呼びに行く。この間、十数秒。

若い男性職員に「学生時代、自分で掛金を納付していたころの国民年金の記録がない」というと、「お待ちください。確認します」という。

この間1分ほどだろうか。
「あなたのお名前でもう1件別の記録が見つかりました。これが、未記載となっている記録に間違いありません。統合しますので、書類に署名をしてください」と言われ、署名する。

再び奥に引っ込む係員。1分も経たずに、国民年金が追加された記録に書き換えられた。係員に礼を言い、すがすがしい気持ちで社会保険事務所を出る。

社会保険庁の職員が全員こんなきびきびした働きぶりであれば、年金記録問題は起きなかったであろうし、起きたとしてもここまで大きくならなかったと思う。

マスコミで批判されている怠惰な社会保険庁職員と、同じ組織に身を置きながらなぜこうも違うのだろうかと、ふと思う。

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やっと届いたねんきん特別便

2009-01-26 21:46:09 | 日記
今日、遅れに遅れていたねんきん特別便がやっと届いた。が、

……違ってる。思いっきり。

就職後の年金記録はこれでいいが、学生時代に自分で年金を支払って掛けていた期間(1号年金期間)がすっぽり抜け落ちている! おいおい…

私、確かに払ったんですけど。学生時代のうち1年は掛金免除を受け、残り2年はバイト料から自分で払ってるんですけど。

訂正を出さねばならないが、掛金免除を受けた期間をどう書いたらいいのか解らない。あす、偶然だが社会保険事務所に行く用事があるので、聞いてくることにしよう。

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赤旗、21年ぶり部数増

2009-01-25 21:42:36 | その他社会・時事
赤旗、21年ぶり部数増=共産(時事通信)

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 共産党の機関紙「しんぶん赤旗」(日曜版含む)の2008年の発行部数が、21年ぶりに前年を上回ったことが24日、分かった。志位和夫委員長が派遣労働の実態を国会で取り上げるなど、労働・雇用問題への積極姿勢が評価され、部数増につながったと同党は分析している。

 同党によると、赤旗の発行部数は1980年の党大会で報告された355万部をピークに減少傾向が続き、06年の党大会時には164万部に落ち込んだ。しかし、08年は増勢に転じ、同年5月から12月まで8カ月連続で前月比で増加したという。ただ、実際の部数は、次期衆院選後に開く党大会までは公表しないとしている。 
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う~ん、増加、それも21年ぶりの増加というのであれば、なぜ総選挙直前の今発表しないのだろう。選挙に向け党内の士気も上がると思うのだが。

勿体つけて部数の発表を総選挙後の党大会へ先送りする様子を見ると、本当は増えていないのではないか、という気がする。社会情勢としては、増えて当然の時期だけに、党内に与える影響を考慮して、選挙が終わるまでは発表できないのではないかと考えてしまう。

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農林漁業への就職希望が殺到

2009-01-24 20:55:54 | その他社会・時事
<農林漁業>就職希望が殺到 農水省窓口に1カ月で3千件(毎日新聞)

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 雇用情勢が悪化する中、農林漁業への就職を希望する人が急増している。農林水産省や関連団体が、派遣切りなどの雇用問題に対応するため08年12月24日に設けた窓口への相談件数は、20日までで3000件を突破した。後継者不足に悩む農林漁業にとっては、不況の深刻化が思わぬ「追い風」となっている形で、この機会に人材を確保しておこうという農業法人や林業組合などからの求人も1900件近くに達している。

 農水省は雇用問題への緊急対策として、本省や全国7カ所の地方農政局、39カ所の農政事務所などのほか、都道府県や関係団体なども常設の窓口を設置し、就労希望者を対象に相談会などを開いている。同省の集計では、これらの窓口に20日までに寄せられた相談件数は計3149件で、希望職種は林業が最多で農業、漁業の順という。求人は林業855件、農業837件、漁業195件の計1887件に上る。

 就農希望者をあっせんするため、全国農業会議所(地方の農業委員会の全国組織)が常設している全国新規就農相談センターも、8~21日の相談件数は258件で、通常の2倍程度のペースになっている。これまでに23の農業法人に就職が決まった47人は、すべて家電メーカーで「派遣切り」に遭った人など失業者だった。昨年末に100人規模で求人した日本養豚生産者協議会によると、今月23日までに応募した88人の2割近くが派遣を打ち切られた人だという。

 大阪市で9、10日に開かれた全国森林組合連合会の相談会には、昨年より8割多い1254人が詰めかけた。同連合会は定期的に就職相談会を開いているが、「今年は農林業に縁の薄い文系学生の就労希望も増えている」と話す。

 新規就農者数はバブル崩壊後の90年代も増加傾向を示したが、03年に8万人を突破した後は横ばい状態で、引退する高齢者の穴を埋められない状態が続いている。農水省は「就労希望者を農山漁村に定着させることが今後の課題」と話している。【工藤昭久】
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農村からどんどん担い手が減り、歯を食いしばって残った者たちが支えている農業に未来なんてあり得ないように思えるが、農民作家の山下惣一さんはその状況を見て「農業に明日はない。しかし明後日がある」と言った。いつまでが明日で、いつからが明後日なのか、彼が明確に期限を予測したわけではないが、もう少し時間が経ってから振り返ったとき、「2008~2009年が明日と明後日の境界線だった」と総括されることになるのではないかという気がしている。

なぜなら、つい数年前まで農業の新卒採用に当たる「新規学卒就農者」は年間で2000人程度と言われてきたのだ。それが、大不況による「雇用崩壊」の影響とはいえ、わずか1ヶ月で希望者が3000人というのはそれこそ驚天動地の出来事なのである。

第1次産業から第2次産業へ、そして経済のサービス化による第3次産業を経て、いま時代はぐるりと1周し、装いも新たに再び第1次産業の時代が来るのだろうか。

もとより、「他に雇ってくれるところがないから」というだけの理由で入ってくる若者たちが農業で続けていけるかと問われれば、答えはおそらく否だろう。お天道様とともに起き、夜とともに眠る生活は、一見簡単なようで実際は難しいものだ。ましてや、農業に従事すれば雨の日でも田畑に出なければならないし、稲の出穂期は10日~2週間程度しかないのだから、「今日は面倒だから来週やるよ」なんていう奴にはまず勤まらない。それでも、意欲のある若者は是非農業の門を叩いてほしいと私は思う。

最後に、農業と農村の現状について2003年に私が書いた文章をご紹介して本エントリーを締めくくろう。この文章は、私が自由に書かせてもらっているあるメディアにコラムとして執筆したものの再掲である。6年近く前のものだが、今でも全く同様に通用するし、私の考えも当時からほとんど変わっていない。

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冷夏から見えるニッポン(2003年8月執筆)

 天候不順のことしの夏。日照不足と低温の影響が最も深刻な東北の太平洋側や北海道では、すでに「平成の大凶作」「100年に1度」「おじいちゃん、おばあちゃんも知らないほどの冷害」といわれた1993年の気象データさえ塗り替えられるものが出ているというからただ事ではない。震度6強の地震に見舞われた宮城では、被災者の避難場所にストーブが焚かれる日もあったという。実際、私自身、コミケ(同人誌即売会のことで、私の趣味のひとつ)参加のため東京入りしたお盆の3日間、明け方は震えるほど寒く、街では長袖やカーディガン姿の女性を大勢見た。食料調達のため訪れたコンビニでも売れているのはアイスクリームではなくおでん、清涼飲料水ではなくホット缶コーヒーだった。お盆明け後こそ気候は持ち直し、暑さも戻ってきたが、こうなるともはや冷夏を通り越して「寒夏」というべきかもしれない。

 10回以上も「やませ」が吹いた東北の太平洋側では当然のごとく農作物に影響が出ている。やませとは、山を背にして吹く風の意味であり、オホーツク海から流れ込む湿った冷たい空気である。しばしば深刻な冷害に苦しんできた東北の農民は、飢餓風、凶作風などと呼び、恐れてきた。

 稲の生育にとって最も重要なのは、穂が成長する2週間である。「穂ばらみ期」と呼ばれるこの2週間が、稲の生育を決定的に左右する。この期間に日照と高温に恵まれれば、あとは少々天候不順でも構わない。逆にこの期間に日照不足と低温に襲われれば、その後天候が持ち直し、稲の背丈は伸びても穂がつかず、あるいは穂がついても中身は空っぽという状態になることも多い。かくして「実るほど頭を垂れる稲穂」はすっくと立ったまま農民を見下ろし続けることになり、農家に実りの秋は訪れない。

 穂ばらみ期は地域によっても違うし、品種によっても違う。第一「今がわたしの穂ばらみ期です」などと稲が教えてくれるわけもないから、結局各々の農家が経験から判断することになるが、概ね7月下旬から8月中旬あたりの時期であることが多い。今年の夏は、ちょうどこの時期に日照不足、異常低温、そして台風のトリプルパンチに襲われたため、不安が大きくなっているのだ。

 ところで、農家、とりわけ北国の農家にとって冷害は日常茶飯事である。農民たちはいつも為す術を持たず、手を拱いていたわけでは決してなく、むしろ知恵を絞って冷害回避に努めてきたのだ。私が今の職場に入ったとき、労働組合の新入組合員セミナーなる行事で田んぼに入る体験をしたことがあるが、田んぼの水は暖かい。冷たいやませが吹いていても、田んぼの水は別世界のように暖かいのである。農家に充分な人手があった昔なら、冷たい風から稲を守るため、稲が頭まですっぽり覆われるほどに田んぼに暖かい水を引く、きめ細かな水管理をしていたものだ。ところが今はどうか? 農業生産額の対GDP比は3%を割り込み、今やパチンコ産業の総生産額よりも低いという有様である。全国に300万人いる農家のうち200万人が65歳以上で、さすがに70歳になれば続々と引退を迎えるだろう。日本の農業がジイちゃん、バアちゃん、カアちゃんの「3ちゃん農業」と揶揄された時代さえ遠い過去となり、農家は人手不足によって稲をやませから守るための水管理も充分にできなくなりつつある。東京・練馬で野菜を栽培しているある農民は、中学生当時、家業を継ぐために農業高校(東京都内に今でも5校ある)に進学したいと担任の教師に申し出たら、何も「そんなところ」に行かなくても…と言われ絶句したという。「戦後の日本は国を挙げて農業を辱めてきたのだ」と彼は語っている。

 今、私は1993年の大冷害は単なる天災ではなかったと確信している。近年の温暖化傾向に慢心して、冷害に弱く倒伏しやすいササニシキを勧めた関係者にも被害を大きくした責任がある。そこには日本の農業の構造的欠陥に加え、誤った営農指導という人災の側面もかいま見える。それでも、都会に働き手を奪われる中で田舎に残り、「国を挙げての陵辱」に歯を食いしばって耐えてきた篤農こそが日本の米を守ってきたのだ!


 農業の新卒採用に当たる「新規学卒就農者」は今、毎年2000人程度でしかない。統計学上は誤差の範囲として切り捨てられそうな弱々しい数字である。無慈悲なリストラに明け暮れる日本企業によって、切り捨てられるどころか初めから一顧だにされない若い労働力が行き場もなくさまよっているにもかかわらず、農業に就きたいと考える若者は皆無に等しい。それは、「国を挙げての陵辱」と決して無関係ではないだろう。

 社会的に意義のある仕事がしたいと思っている若者諸君!「人はパンのみにて生きるにあらず」と偉い神様はおっしゃった。でも人はパンがなければ生きられないことも事実である。それに、あらゆる産業にとって最も大きな財産は「ひと」つまり人材である。その「ひと」が生きるための食料を作りながら環境保全の役割を果たす農業が、社会的に意義のない仕事だなどということがどうしてあるだろうか? 命を懸け、すべてを犠牲にして会社に尽くしたサラリーマンが、最後はリストラの名の下にごみのようにうち捨てられているそのときに、農村では果実さえ得られるのだ。カネのためにではなく、自らの喜びのために働く。これこそすべての鎖から解放された労働者階級の真の姿なのだ。だから若者諸君、農業に来ないか? もちろんここでも困難は多い。でも、困難に打ち勝って入った企業でリストラと賃下げに苦しむくらいなら、果実の得られる農村で大自然と一緒に仕事をしてみないか?

 農村は、きっと君たちを待っている。

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イージス艦事故、「海自側に主因」の裁決

2009-01-22 23:20:35 | 鉄道・公共交通/安全問題
イージス艦衝突:海自側に「安全の徹底を」海難審判裁決

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 海上自衛隊のイージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」が昨年2月に衝突した事故の海難審判で、横浜地方海難審判所(織戸孝治審判長)は22日、あたごの所属部隊、第3護衛隊(当時は第63護衛隊)に対し、安全航行の指導徹底を求める勧告をするとの裁決を出した。審判所は「あたごが動静監視を十分に行わず、清徳丸の進路を避けなかったことが事故の主因」と判断した。裁決が確定すれば、海自組織に対する勧告が初めて発令される。裁決は一方で、事故時の当直士官、長岩友久・前水雷長(35)ら個人4人への勧告は見送った。【池田知広、吉住遊、杉埜水脈】

 刑事裁判の被告に当たる指定海難関係人は▽長岩・前水雷長▽前艦長の舩渡(ふなと)健1佐(53)▽交代前の当直士官、後潟(うしろがた)桂太郎・前航海長(36)▽安宅(あたか)辰人・前船務長(44)▽第3護衛隊--の1組織、4個人が指定されていた。

 裁決は、長岩・前水雷長について「当直についた際、他船の動静を十分監視しなければならない」と指摘。こうした、あたご側の監視不十分について「乗組員の教育訓練に当たり第3護衛隊が、艦橋と戦闘指揮所(CIC)の連絡・報告体制、見張り体制を十分に構築していなかった」と、勧告する理由を述べた。

 一方で長岩・前水雷長には「勧告しない」、後潟・前航海長ら3人の行為については「発生原因とならない」として、個人4人への勧告は見送った。ともに業務上過失致死容疑などで横浜地検へ書類送検された長岩・前水雷長と後潟・前航海長に関し、裁決の判断が分かれたことは、地検の処分や起訴後の公判に微妙な影響を与える可能性がある。

 また、漁船側についても「衝突を避けるための協力動作をとらなかったことも(事故の)一因」と述べた。

 事故は昨年2月19日午前4時6分に千葉・野島崎沖で発生。衝突で清徳丸は船体中央部で分断され、船長の吉清(きちせい)治夫さん(当時58歳)と長男哲大(てつひろ)さん(当時23歳)が行方不明になり、同5月に死亡認定された。

 あたご側は審判で、清徳丸があたごの後方を通り過ぎる進路をとっていたが、事故直前に大きく右転したため危険が生じたと反論。事故後も再発防止策を練り、教育・訓練していることから「勧告するまでもない」としていた。これに対し裁決は「あたご側主張の進路は合理性に欠ける」と退けた。
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船舶の交通方法を定めた海上衝突予防法は、「二隻の動力船が互いに進路を横切る場合において衝突するおそれがあるときは、他の動力船を右げん側に見る動力船は、当該他の動力船の進路を避けなければならない」(第15条)と定めている。当時、相手を右舷側に見る位置にあったのはイージス艦「あたご」だった。同艦の責任は免れず、裁決は妥当と判断する。

自衛隊側は、海難審判が始まって以降も「回避しなかった漁船の責任」と主張し、海難審判庁理事官(検察官に相当)と対立を深めていたとされるが、組織として責任を認めようとしない傲慢さに当ブログは怒りを表明する。20年前の1988年にも、やはり海上自衛隊の潜水艦「なだしお」と釣り船「第一富士丸」の衝突事故があったが、この際も「第一富士丸」を右舷側に見ていた「なだしお」に回避義務があったにもかかわらず、同艦は回避措置を取らなかった。難を逃れて生還した「第一富士丸」船長の「軍艦は絶対に避けてくれない」という言葉を、私は今も忘れない。

海上衝突予防法は「千九百七十二年の海上における衝突の予防のための国際規則に関する条約に添付されている千九百七十二年の海上における衝突の予防のための国際規則の規定に準拠して、船舶の遵守すべき航法、表示すべき灯火及び形象物並びに行うべき信号に関し必要な事項を定めることにより、海上における船舶の衝突を予防し、もつて船舶交通の安全を図ることを目的とする」(第1条)と立法目的をうたっている。この法律が他の法律と違うのは、条約の実施法としての性格を持っている点にある。考えてみれば、海は世界全体の物であり、領海という概念はあるにせよ、ある1国の独占物ではないから、そのために条約という形で国際社会が統一的な航海ルールを設けているわけである。海上衝突予防法は、海上衝突予防条約を日本国内の船舶に適用させるためのルールということができる。

今回、自衛隊がこの法律を無視する姿勢を取ったことは、事実上「自衛隊は国際条約を守らない」と宣言したことになるわけで、海自には猛省を促したいところだが、一方では「そもそも自衛隊に法令遵守なんてできるのか」という根本的な疑問も当ブログは持っている。なぜなら、防衛省・自衛隊は、その存在自体が憲法に違反しているわけであり、生い立ちからして違憲と考えられる組織に法令遵守なんてできるわけもないと思われるからだ。

今回の事件が明らかにしたのは、自衛隊の「最新鋭イージス艦」は漁船を探知する能力もろくに持ち合わせていないということだ。これで「外敵」を発見しようだなんて、冗談も休み休みにしてほしい。

こんなことを書くと、「イージス艦のことなんて何も知らないくせに、偉そうなことを言うな」などと軍事オタク諸君に揶揄されそうだが、そんな軍事オタク諸君こそ、「装備さえ作れば防衛できる」と考えているおめでたい連中である。いくら高いカネをかけて艦船を建造しようとも、自衛隊員たちのこの弛緩ぶりでは壮大な税金の無駄遣いに終わることは目に見えている。

もうひとつ、この事件が教えてくれたのは、「軍隊は国家権力や特定支配層は守ってくれるが、庶民のことは守ってくれない」という事実である。この事実を知ってしまった以上、私たちは何も恐れることはない。今、我々がなすべきことは、無駄なイージス艦の建造など中止し、こんなところで無駄遣いされているカネを、きちんと国民生活に振り向けられるよう政治の転換を図ることだと考えるが、いかがだろうか。

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北海道で「列車あわや衝突」の重大インシデント

2009-01-17 23:48:31 | 鉄道・公共交通/安全問題
列車あわや追突 信号故障か 250メートル前停止 JR函館線(北海道新聞)

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JR北海道は十五日、函館線上り線の江部乙駅-滝川駅間で、普通列車が走行中、前方に停車中の貨物列車を発見、約二百五十メートル手前で停止するトラブルがあったと発表した。普通列車の乗客四十四人にけがはなかった。同社は信号が故障した可能性があるとみて原因を調べる一方、事故につながる恐れのある重大インシデント(事案)として国土交通省に報告。同省運輸安全委員会は十六日に鉄道事故調査官二人を派遣する。

 JR北海道で重大インシデントは初めて。

 同社によると、十五日午後二時三十六分ごろ、旭川駅発岩見沢駅行きの普通列車(三両編成)が滝川駅から約一・四キロ北の地点で、黄色の注意信号を確認。徐行運転したところ、前方に北旭川駅発札幌貨物ターミナル駅行きの貨物列車(十二両編成)が停止しているのを発見し、急ブレーキをかけた。

 当時、普通列車は時速十キロで走行、貨物列車は滝川駅構内が除雪作業中だったため、停止して待機していたという。その後、貨物列車は滝川駅構内に入り、普通列車は約二十分の遅れが出た。

 通常、列車の前方に別の車両がある場合、赤信号が表示されるが、JR北海道が今回の事故後に現場の信号を確認し、後続の列車が同じ区間を通行した際も黄色のままで、赤に変わらなかったといい、同社は原因を詳しく調べている。

 同社広報部は「非常に重大な事象を発生させ、深くおわび申し上げます。国の調査に協力するとともに、信頼回復に向けて再発防止に取り組みます」としている。
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JR函館線ニアミス 原因は信号誤配線 2年前交換、点検でも見落とす(北海道新聞)

 JR函館線の江部乙駅-滝川駅間で十五日、普通列車が前方の貨物列車の約二百五十メートル手前で停止したトラブルで、JR北海道は十六日、記者会見を行い、現場の信号機の配線にミスがあり、赤信号が点灯しなかったことが原因と発表した。この信号機は二年前に交換されており、この際に誤って配線した可能性が高いという。当時の点検記録では特に異常はなく、同社は検査方法にも問題があったとみて調べている。

 同社はこの信号機を交換し、道内の約二千九百カ所の信号の緊急点検を行ったが、異常はなかった。

 同社によると、普通列車がブレーキをかける前に黄色だった信号機を確認したところ、内部に四つある端子板のうち、二つの端子板で配線の誤りを発見。信号機は黄色のままで、赤が点灯できない状態だった。

 信号機本体は二〇〇七年一月下旬、外注の民間業者が交換しJRが点検を行ったが、記録上は異常がなかった。その後も年一回の定期点検を行っていたが、点検項目には赤信号の点灯の確認は入っておらず、二年間も信号の異常が続いていたとみられる。JRは今回のように二つの列車が接近する事態はまれなため、異常をつかめなかったとみている。

 トラブルが起きた当時、JRの指令センターでは信号の異常を確認できず、普通列車の男性運転士(23)が貨物列車の約四百メートル手前で障害物らしきものがあるのを発見して時速四十キロから十キロに減速し、直後に貨物列車と確認、ブレーキで衝突を回避していた。

 また、トラブルの発表は発生から約八時間も後だった。幅口堅二工務部長は「お客さまの信頼を損ね、申し訳ない」と陳謝した。

 一方、国土交通省運輸安全委員会の鉄道事故調査官二人は十六日午後、現地入りした。
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記事の中の『通常、列車の前方に別の車両がある場合、赤信号が表示される』というのは非常におおざっぱな表現だ。実際には直前の閉塞区間に列車がいる場合には赤、2つ先の閉塞区間に列車がいる場合には黄が表示されるというのが大原則である。

JR線のほとんどは閉塞区間が600m以上である。記事では、後続の列車が先行する貨物列車を400m手前で発見したとしており、これが事実であれば、やはり赤信号が表示されていなければならない区間だったということができる。

さて、この事故を報じた北海道新聞が、1月17日付紙面で、この重大インシデントに関する社説を掲げ、JR北海道の姿勢を批判している。この社説が、私の言いたいことをほとんど主張してくれているので、今回はこの社説をご紹介して終わりにする。
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社説 JR函館線 赤信号が点灯せずとは(1月17日)

 JR函館線で、普通列車が先行の列車に追突しそうになるトラブルがあった。

 信号機の配線に誤りがあり、正常に点灯しない状態になっていた。

 けが人はなかったとはいえ、国土交通省運輸安全委員会は「重大事故につながりかねない事案」とみて、現地調査に乗り出した。

 安全設備の不備は、人命をあずかる鉄道事業者としてあってはならないことだ。

 JR北海道は、信号機の不具合の原因を洗い出し、早急に再発防止策を取らねばならない。

 トラブルは、旭川駅発岩見沢駅行きの普通列車が、滝川駅まで一・四キロ北の地点で起こった。

 駅構内が除雪作業中のため、先行の貨物列車が停車して待機していた。そこに、普通列車が接近した。

 通常ならば、赤信号が自動的にともり、後続列車に停止を指示する仕組みになっている。

 ところが、信号は注意を促す黄色のままだった。普通列車の運転士が危険を察知し、手動ブレーキで緊急停止した。列車間の距離は約二百五十メートルしかなかった。

 問題の信号機は二〇〇七年一月、外注先の民間業者が設置した。JR北海道によると、内部にある四つの端子板のうち、二つの端子板で配線が誤っていたという。

 なぜ、JRは配線の誤りに気付かなかったのか。

 信号機はコンピューターで制御されているが、正常に作動しているように記録されていた。JRによる年一回の定期点検でも、配線の誤りが見過ごされてきた。

 信号の異常が、二年間も続いていたことに驚く。JRの確認作業が不十分だったことは否めない。

 JRは、今回のように二つの列車が接近することはなく、異常をつかめなかったと説明している。

 事故が起こらなかったのは、偶然にすぎないということだろう。

 JRは、道内にある約二千九百カ所の信号の緊急点検を行った。誤作動の有無について、入念なチェックがさらに必要だ。信号機の不具合の改善策も示してもらいたい。

 民営化後のJR北海道は、コストダウンのために保安要員を減らしてきた。信号機などの安全管理を、外注先に任せがちになっていないか。検証を急ぐべきだ。

 二〇〇七年十二月には、JR千歳線でレールの破断が見つかり列車が全面停止している。防護無線の不具合から、札幌圏の全列車が停止するトラブルもあった。

 基本的な安全対策で費用や人員の投入をおろそかにしてはならない。大事故が起こってからでは遅い。

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