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アベノマスクはやはり利権だった! 最後に社名公表「疑惑の1社」驚愕の事実をすべて明かす

2020-04-29 00:30:13 | 原発問題/一般
(この記事は、当ブログ管理人が「レイバーネット日本」に発表した記事をそのまま掲載しています。)

 新型コロナウィルスの感染拡大以降、こちらも世界的に深刻化する一方のマスク不足。これまで「感染者が着用するもの」だという意識で、予防的着用の習慣がなかった欧米諸国までが、アジア諸国と同様、予防的着用をするようになったこともあいまって、事態は国際的な奪い合いにまで発展している。世界各国が増産を始めているが、全人類が1人1日1枚着用すると仮定しても、1日100億枚生産されなければ足りないことになる。当然ながら世界のマスク生産力は到底この水準には及んでいない。世界的なマスク不足は楽観的に見ても数ヶ月、最悪の場合数年は続くと覚悟しなければならないだろう。

 日本政府も、ネットでのマスクの高価転売に対し、国民生活安定緊急措置法に基づき統制に乗り出している。石油危機を受けて1973年に制定された、半世紀近く前の古めかしい法律を活用せねばならないほどの危機なのだが、それでも需要に対し供給がまったく追いつかないため、最優先でマスクを配布すべき医療機関などですら、マスク入手は次第に困難になりつつある。

 そんな中、安倍政権が突如として打ち出した布製マスク(いわゆる「アベノマスク」)の全世帯2枚配布の方針に基づいて、製造を受注した業者は4社とされ、そのうち3社は興和(愛知県、契約額54億8000万円)、伊藤忠商事(東京都、同28億5000万円)、マツオカコーポレーション(広島県、同7億6000万円)と早々に公表された。しかし、残る1社についてはなぜかこの3社との同時公表とはならず、遅れることになった。何かと横並びが多い政界、官界で「1社のみ社名公表遅延」というのは異例中の異例だ。当然、この遅延は「利権ではないか」などと憶測を呼ぶことになった。

 4月27日の菅義偉官房長官の記者会見で、残る1社が「ユースビオ」(福島市)であることが明らかにされた。2007年4月から2013年3月まで、東日本大震災・福島第1原発事故を挟んで6年間福島に住んだ筆者にとっても初めて聞く名前だが、それもそのはずで、木質バイオマス事業参入のため、3年前に設立された若い企業であることもわかった。こんな設立から間もない、名前も聞いたことのない企業を誰がどんな経緯で首相官邸とつないだのか。嫌でもそこに利権の臭いを感じざるを得ない。

 そこで今回、「ユースビオ」社について、レイバーネット日本報道部と安全問題研究会は直ちに独自調査を行った。その結果判明したのは、案の定というべき事実だった。

 ●脱税経営者の企業へ発注

 独自に入手した登記簿によると、ユースビオ社の設立は平成29(2017)年8月24日。「再生可能エネルギー生産システム」「バイオガス発酵システム」の研究開発及び販売などを目的としている。バイオガス発酵システムとは、畜産廃棄物を堆肥など再利用可能な資源に再生処理する際に発生するメタンガスなどをエネルギー源として利用するためのシステムだ。熱源としての利用の他、発電装置を組み合わせれば発電や売電も可能になる。原発事故後の福島「復興」の一環として、国も福島県も再生可能エネルギー事業に多額の補助金を投じている。原発事故後の新たな福島の利権として、再エネ周辺には魑魅魍魎が跋扈しているのだ。

 ユースビオ社は樋山茂なる人物が社長(代表取締役)を務める。所在地の住所は「福島市西中央5丁目54-6」だが、ここには同社だけでなく「株式会社アスティア」「株式会社あづま荒川エコファーム」「技研通信工業株式会社」など、11もの企業が置かれていることになっている。これらの会社のすべてが実体を伴っているとは思えず、ほとんどがいわゆるペーパーカンパニーだろう。



 そして、この11社の中でもとりわけ注目すべきなのが「株式会社樋山ユースポット」だ。代表者は樋山茂。ユースビオ社と同じである。この会社に関しては、2018年にある「事件」を起こしている。当時の記事をご紹介しよう。

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◆「毎日新聞」2018年2月23日付記事より

 消費税約3100万円を免れたとして、仙台国税局は22日、電気通信機器修理業「樋山ユースポット」(福島市西中央5)と、同社の樋山茂社長(56)を消費税法違反(過少申告ほ脱)などの疑いで福島地検に昨年12月19日付で告発したと発表した。

 国税局によると、同社は従業員に支払った給与を、他の会社への外注費と偽装。偽の外注費分の消費税を、国などに本来納めるべき消費税から差し引く手口で、16年3月までの4年間で消費税計約3100万円を免れた疑いがある。
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 安倍政権発足時、5%だった消費税の税率は8%、そして10%へと、この間2倍になった。その重税に市民が苦しむ中、樋山ユースポット社と樋山茂社長は消費税脱税で摘発されていたのだ。まともな仕事はせず、脱法行為の足がついたら会社を畳み、素知らぬ顔をして別の名前でまた会社を立ち上げる。同じ住所に刻まれている11もの会社名は、そうした「樋山流錬金術」の足跡である可能性を示している。

 本来ならこれだけでも税金が原資となる政府契約の相手方としての資質を欠いている。だが単にそれだけなら筆者はわざわざレイバーネットにこんな記事を書くほどの労は執らない。この後の調査で出てきたのはさらに驚くべき事実だ。

 ●復興副大臣へ「献金」

 その公式資料はネットの片隅から見つかった。埼玉県選挙管理委員会が平成28(2016)年2月8日に受理した前年度、すなわち2015年の政治資金収支報告書だ(注1)。

 この資料の、PDFファイルのページ数で66ページ中45ページ目に問題の記載がある。政治団体「若松かねしげ市民フォーラム」に対し、「会社社長」樋山茂を名乗る人物から12万円、「会社役員」樋山尚子を名乗る人物から12万円、計24万円の寄付が行われている。2人は同じ住所で親族とわかる。夫婦の可能性もある。「若松かねしげ市民フォーラム」は、若松謙維(かねしげ)参院議員(公明、比例)の政治団体である。寄付を行ったのは、茂氏が2015年7月6日、尚子氏が同年7月29日である。若松議員は、2015年10月から復興副大臣に就任し2016年8月まで務めた。樋山茂、尚子両氏による寄付が行われたわずか3か月後の就任である。

 さらに樋山ユースポット社は、全村避難の象徴となった福島県飯舘村での「復興」事業に関連して「ふくしま産業復興企業立地補助金」を受けている。この補助金は、「企業立地を加速し、当該地域での生産拡大及び継続的な雇用創出を行う企業」に対する支援を行うことを目的として、原発事故直後の2011年第3次補正予算で1700億円が措置され、2017年3月までに375社に1563億円が交付された(注2)。通常、民間企業の設備投資などに対する補助金は「企業のモラルハザード防止」などを理由に最大でも2分の1程度とされることがほとんどだが、この補助金は1件あたり200億円を上限に最大4分の3まで補助率を上げることが認められている。企業にとって「手厚い」制度のため申請件数が多かった。これだけ支援が手厚いと、不正を行う企業も現れる。実際、福島県白河市内の事業に関し、虚偽の申請でこの補助金2億5千万円をだまし取ったとして、2017年に大阪府岸和田市の企業が摘発されている(注3)。

 ここで樋山ユースポット社に関してもう一度思い出していただきたいことがある。(1)補助金を受給した時期、(2)国税局から告発された際の摘発理由、(3)脱税を行っていた時期だ。(1)に関して言えば、申請を希望する企業への事前説明や受付、交付事務などこの補助金に関する実務上の窓口を担う福島県の資料によると、平成27(2015)年3月12日時点で交付対象になった事業として樋山ユースポット社の名前が登場しており(注4)、同社は遅くともこの時点ですでに補助金を受給していたことになる。



 (2)に関しては、上で紹介した毎日新聞の記事のとおり「従業員に支払った給与を、他の会社への外注費と偽装。偽の外注費分の消費税を、国などに本来納めるべき消費税から差し引く手口」だった。そして(3)に関して言えば、「2016年3月までの4年間」とあるから2013年から2016年までの期間であることがわかる。つまり樋山ユースポット社は、福島県内で「生産拡大及び継続的な雇用創出を行う企業」に対して支給される補助金を片手で受けながら、ほぼ同じ時期にもう片手では雇用(つまり労働者)をダシにして消費税を脱税していたことになるのである。

 最後にもう一度、全体像をまとめておこう。樋山ユースポット社が雇用維持を名目とした国の補助金を片手で受けながら、もう片手で「雇用」をダシにして消費税脱税を繰り返していたさなかの2015年10月、若松議員は復興副大臣に就任した。その就任の「前祝い」でもするかのように、2015年7月、樋山茂・尚子両氏から若松議員への寄付が行われた。そんな「前科」のある樋山茂なる人物が今度は「ユースビオ」社を設立。この会社に対して「アベノマスク」の発注が行われた--。

 少々複雑ではあるが、解きほぐしていくとこのような構図が見えてくる。ネットの片隅に眠るように置かれていた埼玉県選管の政治資金収支報告書、そして数々の公的資料が明らかにした「アベノマスク疑惑」の全容である。

 若松元復興副大臣に関しては、仙台国税局によって脱税摘発が行われる2018年2月まで、その事実を知るすべはなかったのだからまだ同情の余地もあろう。だが、消費脱税と若松元復興副大臣への寄付の事実が公表されていながら、いわく付きの人物が経営する企業にアベノマスクを発注した今回の事件に関して安倍首相にはまったく同情の余地はない。多くの人命がかかったこの未曾有の危機にあっても、政策判断上の基準が「お友達か、そうでないか」以外にない政権を戴いていることは、日本の市民にとってコロナそのもの以上に多くの悲劇をもたらすだろう。「新型コロナ危機は安倍政権による人災である」--そのように断罪される日は、意外に早く訪れそうな気がする。

注1)埼玉県選挙管理委員会公表「収支報告書」

注2)レポート「東日本大震災後の中小企業支援と今後の課題―これからの中小企業政策に求められるもの―」(参院経済産業委員会調査室)

注3)「震災復興補助金2.5億円詐取の疑い、会社役員2人逮捕」(2017年7月20日付「朝日新聞」)

注4)「産業復興の現状とこれまでの取組」(復興庁)。この資料のPDFページ数で67ページ中41ページに樋山ユースポット社の記載がある。

 (文責:黒鉄好) 

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ポスト・コロナの新世界を展望する 「変わるかどうか」ではなく「どう変わるか」が問題だ

2020-04-25 12:52:48 | その他社会・時事
(この記事は、当ブログ管理人が月刊誌「地域と労働運動」2020年5月号に発表した原稿をそのまま掲載しています。)

 ●異様な高揚感

 1月に中国・武漢で発生した新型コロナウィルスは瞬く間に世界人類を覆った。メディアで報道されているのは明けても暮れても感染者数や死者数のニュースばかりだ。

 人類史的に見れば100年に一度の危機的な情勢の中で、こんなことを書くのは不謹慎のそしりを免れないと思うが、今、筆者はなぜか異様な精神的高揚感の中にある。昨年春あたりからずっと、睡眠薬が手放せないほどの精神的不調にあったのが、ここ2か月くらいは急回復し集中力も増してきている。睡眠薬をそろそろやめてもいいと考え始めているくらいなのだ。

 この高揚感の原因ははっきりしないが、この間ずっと筆者を悩ませてきた忌まわしい安倍政権、日本人の誰も終わらせ方がわからなくなりつつあるこの異常な長期政権にはっきりと終わりの兆しが出てきたことが、少なくともその要因のひとつではあろう。

 最近「サル化する世界」という刺激的なタイトルの著書を出版し、発売わずか2日で早くも重版に達したという内田樹(たつる)神戸女学院大学名誉教授は指摘する。「70%が反対する政策であっても、30%が支持すれば実施できるという成功体験に自民党は慣れ過ぎた。国民を分断して敵味方に分けて、味方を優遇して敵を冷遇するというネポティズム〔筆者注・縁故主義〕政治しか彼らは知らない」。内田名誉教授は「自民党がかつてのような国民政党としてもう一度党勢を回復するということはない。安倍政権が終わった時に同時に自民党という政党も終わる」と予測する(注1)。

 インドネシアでスハルト長期独裁政権を支えた与党「ゴルカル」は、「ゴルカルおよび政党に関する法律」によってインドネシアでは他の政党と明確に区別されていた。ゴルカルは政党ではなく、さまざまな業界の利害を代表しつつその調整を図る「職能団体」であるとされ、その特別性のゆえに他の政党が拠点を結成してはならないとされた地方町村部にも組織を置くことが認められていた。国会でも議席の特別配分枠を与えられるなどの優遇措置と引き替えにスハルト政権を支える義務を負っていた。

 朝鮮民主主義人民共和国を支配する朝鮮労働党は、全国民を「核心層」(党・政府の核心的支持層)、「敵対層」(党・政府への反対層)、「動揺層」(政治経済社会情勢によって揺れ動く両者の中間層)に三分して支配していると、朝鮮情勢に詳しい重村智計(としみつ)元毎日新聞論説委員は指摘する。朝鮮の全人口に占める比率は「核心層」30%、「動揺層」50%、「敵対層」20%だという。朝鮮労働党も30%の「核心層」だけを固めて残り70%を統治しているのだ(注2)。

 独裁的な政治体制の下では、強い政治的決意で政府与党を支持する勢力が30%程度存在すれば社会を統治できることは、ゴルカルや朝鮮労働党の実例が示している。自民党1党支配体制の下で選挙も議会も司法も形骸化し、党内からの安倍後継者も反対者も現れず、30%程度に過ぎない「核心層」を固めて統治する安倍政権のスタイルは、いつの間にか朝鮮やスハルト時代のインドネシアとそっくりになっている。実現を目指すべき政策も消え、所属議員に多額の献金をしていた理美容業界を、小池百合子東京都知事の提唱した営業自粛要請の対象から除外するよう頑強に抵抗するなど、自民党の「職能団体」化も極限まで来ている。筆者の目には自民党が「日本版ゴルカル」に見えて仕方ないのだ。そのゴルカルが、スハルト政権崩壊の後を追うように雲散霧消していったことを考えると、内田さんの予測は案外いい線を行っているのではないかと筆者は思うのである。

 今日のような時代の大きな変わり目には、物事の細部は大きな意味を持たないことが少なくなく、内田さんのように時代の潮流を読む大きな目を持っているほうがいい。

 ●テロリストも真っ青のクルーズ船対応

 筆者に安倍政権の「終わりの予感」を抱かせたのは、なんといっても2月、横浜港に入港した豪華クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」をめぐる対応であった。このクルーズ船に関しては、浴びせるようなラッシュ報道があったので詳細は繰り返さないが、安倍政権の対応はわざわざ感染者を濃密で閉鎖的な船内空間に捨て置き、感染を極大化させる最悪の対応にほかならない。筆者は職業柄、動物の感染症を研究するため、細菌やウィルスを培養後、隔離して顕微鏡などでその生態を観察する研究者らと話すこともあるが、細菌やウィルス数を隔離して研究可能なレベルにまで増やすため、小さな試験管やシャーレに閉じ込めて培養することが多い。安倍政権のクルーズ船対応は、小さな試験管やシャーレに細菌やウィルスを閉じ込める培養施設のやり方とそっくりなのである。しかも、あろうことか安倍政権は「ウィルス培養シャーレ」と同じ状態に長期間置かれ、感染の危険性が極大化された乗客に対し、下船時の検査で陰性だったという理由だけで経過観察もせず、電車などの公共交通機関を使って帰宅するのを認めてしまった。

 もし、東京オリンピックを「破壊」するため、直前に東京でひと騒ぎ起こしてやろうと細菌・ウィルステロを計画したものの、どうすれば最も効果的に実行できるかわかりかねていたテロリストが世界のどこかにいるとしたら、安倍政権がわざわざその手ほどきをしたにも等しい。「安倍、サンキューな」とこの地球のどこかでテロリストが微笑んでいるかもしれない。安倍政権と自民党に、なぜ破防法が適用されないのかわからないくらいだ。

 結局、前号の記事でも触れたように、東京オリンピックは1年延期が決定した。この安倍政権の対応のまずさを見ていると、1年延期しても開催できるとは筆者にはとても思えず、いずれ中止に追い込まれるだろう。東京オリンピック「破壊」を企てていたテロリストたちがもしいるとしたら、彼らの野望がなんと安倍政権みずからの手で実現するのだ。

 ●民主主義国家での保健衛生対策には政府と市民の相互信頼が必要

 新型コロナ対策を東アジア各国だけに絞ってみても、この1か月あまりでますます日本「独り負け」がはっきりしてきた。独裁国家と民主国家を一律に論ずることは適切ではないので、それぞれ見ていこう。

 独裁国家である中国は、新型コロナの発生源であるにもかかわらず、武漢と湖北省を強権的に封鎖し、人の移動を禁止する措置が奏功。わずか3か月で封じ込めに成功しつつある。国会に相当する全国人民代表大会(全人代)を延期してまで人の移動を封じ込めた習近平国家主席は、大きく揺らぎかけた政治的威信を回復する可能性がある。全人代が夏までに開催できれば、中国は「新型コロナとの決戦に勝利」と大々的に宣伝するかもしれない。

 同じく独裁国家の朝鮮は、中国との国境を早々と封鎖した。国営メディアの「感染者ゼロ」との報道とは裏腹に、数千人単位の感染者が朝鮮人民軍にまで及んでいるとの情報もあるが、国民の間にパニックなどは起きていない模様だ。

 しかし、なんといっても最も筆者を驚かせたのは国営メディア・朝鮮中央テレビによる3月のニュース報道だ。米国で市民の不安感が増大、生活必需品の買い占めが拡大していると事実を報道した上で、こう述べている――『商業ネットワークでは必需品の需要を充足できず物価が上がり、人々が商品を大量に購入するので社会的混乱が醸成されている』。資本主義に対する社会主義の勝利とはっきり言い切らないところが憎い。自国にとって都合の良い事実を淡々と指摘、「我々式社会主義」と計画経済の優位性、資本主義の「無計画経済」ぶりをさりげなく国民にアピールしたのだ(注3)。

 朝鮮中央テレビのニュースは米国についての報道とはいえ、日本も事情は同じである。多くの日本人が東アジア最貧国とみなしていた朝鮮にこんなことを言われる日が来るとは思ってもいなかった。日本ではその「無計画経済」のせいで、感染拡大が深刻化して1か月半を経た本稿執筆時点でも、いまだにマスクをめぐる混乱が続いている。

 民主国家である韓国、台湾も感染封じ込めに成功しつつある。韓国は徹底したPCR検査の実施とともに、重症者だけを入院させ、軽症者は病院以外の施設で隔離する政策が奏功している。隔離という重大な私権の制限は民主国家の性格上、最小限でなくてはならないが、それでも日本のような市民の移動制限を伴わずに飲食店が再開可能な段階までこぎ着けつつある。台湾では前号で既報の通り、あらゆる政策資源を投入し、とうとう人が密集する行事の典型であるプロ野球の開幕さえ実現してみせた。

 あらゆる対策が後手後手に回り、死者数こそ少ないものの感染拡大が防止できない日本と感染防止に成功しつつある韓国、台湾を分けたものは何か。筆者は、政府と市民との相互信頼があるかどうかが鍵とみる。台湾は、香港での民主化運動弾圧に危機感を抱いた在外有権者が、先の総統選ではわざわざ飛行機で一時帰国してまで投票。総統選の直前の時期、台湾へ向かう飛行機はどの便も満席だったとの証言もある。投票率は最終的に70%を超え、市民は蔡英文・民進党政権に圧倒的な信任を与えた。台湾が、強権に頼らずスマートで効果的な対策を矢継ぎ早に打ち出せた背景に、「政府は市民の良識を信頼し、市民も政府に高い投票率、高い支持率で信任を与える」という相互信頼関係が見て取れる。

 韓国でも、先日行われた国会議員選で文在寅政権与党「共に民主党」が300議席中、180議席(60%)を獲得し、悲願だった議会多数の確保に成功した。投票率は66%とほぼ3分の2の有権者が投票した。民主主義国家で政府の施策が信頼を得るためには、市民の側に政府への信頼があることが絶対条件なのである。

 安倍政権の政策が後手後手に回っているのは、韓国、台湾と正反対だからである。日本では政府と市民が相互信頼どころかお互いに相手を「バカ」だと思っている現状がある。安倍首相が全国一斉休校を唐突に発表した2月末の記者会見でも、直前まで「首相が会見をやったらやったでどうせ批判される」と首相周辺は消極的だったと伝えられている(注4)。この非常事態にこのような最低最悪の政府しか持てなかったことこそ、コロナそのもの以上に日本をどん底に陥れた悲劇として後世、歴史に記録されるであろう。

 韓国、台湾が6~7割の高い投票率を維持し、台湾に至っては在外有権者がわざわざ帰国してまで総統選に投票しているのに、日本は自宅の隣の投票所にさえ「投票したい候補者がいない」と有権者の半分が背を向ける。そのくせ非常事態が起きると苛立ちは政府批判という健全な方向ではなく、反論できないドラッグストア店員など弱者に対し「お前のマスクはどこで入手したのか。隠しているなら出せ」などという理不尽な形でぶつけられている。こうしたサル並みの市民が安倍政権をのさばらせてきたのであり、日本の市民は内田さんからの厳しい「サル化」批判を甘受するより他になかろう。少なくない市民の間にこうした危機感があるからこそ「サル化する世界」は売れに売れているのである。

 ●グローバリズムからローカリズムへ、大都市から地方へ

 「新型コロナが収束後、世界は変わるか」と尋ねられたら、筆者は迷うことなくイエスと答える。問題は変わるかどうかではなく「どう変わるか」だ。

 すでにコロナ以前から明確に見えているひとつの方向性がある。グローバリズムからローカリズムへ、大都市から地方へという方向性である。英国のEU離脱はそのひとつの象徴だが、高い人口密度の中でどうしても人々が密接する形で生活せざるを得ない巨大都市に新型コロナは大きな打撃を与えた。巨大都市は感染症対策上の脅威とみなされ、その存在から再考を迫られるであろう。

 東京都の人口は、住民基本台帳ベースでも1395万人と、1400万人が目前だ。実際には住民票を移さないまま転入している人も多く、実勢ベースなら夜間人口でもすでに1400万人を超えている可能性がある。筆者の子ども時代(今から30年ほど前)は東京都、神奈川県、千葉県の3県合計でこれくらいの人口といわれたものだ。東京一極集中の是正が叫ばれながら、事態は逆の方向に一貫して進んできた。遠くない将来、首都直下型地震や南海トラフ大地震の危険なども指摘されているが、東京への人口流入はまったく止まる気配がない。大企業の本社の大部分が東京に集中しているが、本当に東京でなければならない業務がいったいどれだけあるのだろうか。今こそ業務を真剣に総点検し、大都市過密・地方過疎の問題を解決できる「地方移転」が可能な企業は決断すべきときだ。

 ドイツでは、第2次世界大戦後、大都市への人口集中を抑制する政策が採られてきたと指摘する識者もいる。大都市がナチスを生んだという反省から人口集中政策が否定されたとの主張もある。筆者が今回、本稿執筆に当たって探した範囲では、その主張を裏付ける資料は見つけられなかったものの、「少数意見を尊重する民主主義の理念ないし規模の小さな自治体を優先する補完性の原理の考え方がドイツにおける大都市の制度改革やその運用改善にあたって一般に浸透しつつあるのではないか」との仮説(注5)が提起されていることは日本でも注目されるべきであろう。実際、これらの仮説を裏付けるように、ドイツでは最も人口の多い首都ベルリンでも343万人と、東京の4分の1に過ぎないのである。人口百万人を超える都市もハンブルク、ミュンヘンを加え3つしかない。今回、ドイツで新型コロナ感染対策が比較的うまくいっている理由として、こうした人口分散政策を挙げることはあながち間違いではないであろう。

 同時に少なくとも現時点で言えることは、地方の時代がこれから本当の意味で来るということである。多くの企業が人と人の接触を極力避けるため、半ば強制的にテレワーク含むリモートワークの実験に踏み出すことを余儀なくされた。この実験は長期化し、日本社会をジワジワと変えていく可能性がある。長距離、長時間「痛勤」は無駄だとの考えが広まれば、人々は余裕時間を確保し、東京でなくてもいい仕事は地方に移るであろう。半世紀近く「社畜運搬車」状態だった東京の「痛勤」電車は貨物輸送などより生産的な役割のために解放されるだろう。一方、人口が戻ってくる地方で新たな町おこしの動きが出るかもしれない。

 人が地方に分散して住むようになれば、集中型エネルギー源として経済的に無駄の多い石炭火力発電や原発は淘汰され、小規模自然エネルギーへの置き換えが進む。どう見てもバラ色の方向への変化しか思い浮かばない。こうした社会への転換の中で、「集中」「重厚長大」「大量生産・大量廃棄」「経済効率」という物差ししかない自民党も時代の遺物として廃棄されるだろう。そこにこそ日本復活の鍵がある。

 ●生活必需品を自給できる国がポスト・コロナの勝者となる

 コロナ危機は、グローバリズムの下で、国際分業体制が当たり前と考えていた世界を揺さぶり、一気に鎖国に追い込んだ。この一時鎖国状態の発生によって、自分たちの国に何が不足しているかが浮き彫りになった。アメリカは公的医療保険制度、中国は民主主義体制――。「自由・平等・博愛」が旗印のはずのフランスに、意外にも平等と博愛が不足していることも見えてきた。露骨なアジア人差別の横行がその証拠だ。

 日本に足りないものが生活必需品の自給体制であることもはっきりした。世界保健機関(WHO)や世界貿易機関(WTO)など3国際機関は、このまま国境管理による鎖国政策が各地で続いた場合「国際市場における食料不足が起きかねない」との声明を発表している。

 食料自給率が37%の日本は、コロナ禍が長引けば飢える可能性がある。今後どうすべきだろうか。当面、自給が可能なものはコメ、卵、牛乳だ。これらを食べて当座の危機をしのぐしかないが、コメにしても他に栄養源がなかった戦前の日本は年間1200万トン近く消費していた。今では人口が当時の1.5倍に増えているのに年間生産量は800万トンを切っている。今コメが自給できているのは「他の栄養源が豊富になり、日本人が以前よりコメを食べなくなったから」に過ぎず、コメしか食べるものがなくなったときにこの生産量で足りるのかと聞かれれば、答えはノーである。

 読者のみなさんは「平成の大凶作」といわれた1993年の大冷害をご記憶だろうか。この年、厳しい冷害のため東北では作況指数ゼロの地域が続出。初夏を迎える頃には凶作の噂が広まり、早くも店頭からコメが消え始めた。最終的に200万トン近いコメが不足、日本は1961年の「完全自給達成」以降では初めて外国産米の大量輸入に追い込まれたのである。

 この年――1993年のコメ生産量が790万トンといえば、現在の状況がどれだけ深刻かご理解いただけるだろう。日本のコメの生産基盤は弱体化し、毎年「平成の米騒動」当時と同じ生産量しかあげられていないのである。それでも当時のような米騒動が起きないのは、日本人が以前ほどコメを食べなくなったからだ。この状態で海外産の他の栄養源すべてがストップしたら――これ以上は、もう怖くて続けたくない。

 トヨタなど一握りの大企業の利益と引き替えに牛肉・オレンジ輸入を自由化した歴代自民党政権は、国民の胃袋を満たすものを海外に差し出し、空腹の足しにならないものを守るという売国的外交政策を繰り返し今日まで来た。いわゆる保守派と呼ばれる人の手に本誌が渡るとはとても考えられないが、本来なら愛国的な保守の人たちにこそこの危機を理解してもらいたいと思っている。マスクがいつまでも市民の手に渡らない日米両国が「北」のメディアにすら笑われていることはすでに述べた。衛生用品や食料品などの生活必需品さえ満足に自給できない国は、「北」のミサイル襲来を待たずしてみずから滅ぶことになろう。くどいようだが、日本の市民にとって最大の敵は「北」ではなく自民党と安倍政権であることを今すぐ知らなければならないのである。

注1)「打って一丸」の危うさ(ブログ「内田樹の研究室」2020年3月6日付記事)

注2)「北朝鮮データブック」(重村智計・著、講談社現代新書、1997年)P.66

注3)この映像は動画投稿サイト「ユーチューブ」にアップロードされており、本稿執筆時点でも見ることができる。

注4)「朝日新聞」2020年2月28日付記事。

注5)「ドイツにおける大都市制度改革の現状と課題―都市州(ベルリン・ハンブルク・ブレーメン)と中心都市・周辺地域問題-」(片木淳・早稲田大学政治経済学術院公共経営大学院教授)

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危急存亡の事態でも「縁故主義」「お友達びいき」しかない安倍政権 「営業自粛要請」から理美容業界が外された本当の理由

2020-04-13 21:31:30 | その他社会・時事
(この記事は、当ブログ管理人が「レイバーネット日本」に発表した記事をそのまま掲載しています。)

 新型コロナウィルスは首都圏や関西などの大都市圏で爆発的な流行に発展しつつある。

 東京都のホームページを見ると、都の人口は3月1日現在で13,951,791人となっている。これは住民基本台帳に基づいた人口で、都内に住民票がある人の総数だ。実際には住民票を移さないまま住んでいる人もいるから実勢はすでに1400万人を超えている可能性も考えられる(本来なら今年は5年に1度の国勢調査の年だが、国政調査は住民票をどこに置いているかにかかわらず、現住所を書くルールになっているので、国勢調査が予定通り行われれば、来年の今頃には「速報値」の公表によって東京都の実勢人口が1400万人を超えたかどうかが明らかになる。ただ、国勢調査もこの情勢では延期となる可能性がある)。

 筆者が子どもの頃は、東京・埼玉・千葉3県の合計でこれくらいの人口だった記憶があるから、人口の東京1極集中はこの間、さらに進んだことになる。「東京1極集中の是正」「多極分散型国土形成」なんて筆者が子どもの頃から言われていたが、お題目とはいえ唱えられていただけマシで、現在ではそんな声もまったく聞かれなくなった。極端な新自由主義政策の下で、日本は東京と心中する政策的方向性を強めつつあったが、新型コロナはそんな1極集中の危険性と脆さを露呈させた。このまま大都市の過密を改めなければ、日本はいずれ滅びることになる。新型コロナは日本に対する天からの警告としか思えない。

 さて、東京都を含む7都府県に緊急事態宣言が出され、外出自粛が呼びかけられた。人の多く集まる場所への不要不急の外出を控えることは、このウィルスの持つ性質上やむを得ないが、解せないのは自粛要請の対象範囲だ。病院は言うに及ばず、食料品販売店、ガソリンスタンド、福祉施設などは必要不可欠だから営業を続けるべきであろうし、ホームセンターなども、引越シーズンであることなどを考えると営業せざるを得ない部類に入るだろう。

 だが、東京都が営業自粛を求めるべきとした理髪店や美容院に対し、国が営業自粛とすることに激しく抵抗しているのはまったく理解できない。西村康稔経済財政担当相は、理髪店・美容院が「必要不可欠な生活サービスだ」として営業自粛をあくまで求めない構えだが、市民感情からはあまりにかけ離れている。今のこのご時世、死の危険を冒してまで散髪に行きたい人間がいったいどれだけいるのか。補償と引き替えに休業を強制してもなんら問題ない業種の筆頭のはずなのに、この理不尽さはいったい何なのか。

 「誰の目から見ても理不尽な政策、理解不可能な方針が打ち出されているときは背後にある人とカネの流れを追え」が当研究会の基本動作である。その基本動作に従ったところ、案の定、クラクラするほど明瞭に出てきた。

 平成27(2015)年度政治資金収支報告書(日本理美容教育政治連盟)~総務省ホームページから

 理髪店・美容院の業界団体である「日本理美容教育政治連盟」から自民党にしっかり献金が渡っている。この資料の7ページに、尾辻秀久参院議員(自民、鹿児島選挙区)に対し、54万円が「顧問料」名目で支払われたとの記載がある。

 さらに続けよう。理美容業界の広報媒体である「理美容ニュース」には、この業界と自民党のズブズブの関係をうかがわせる記載がいくつも見られる。例えば、2013年7月23日付「理美容ニュース」には、こんな記載がある。

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●角野悦雄山口県理容衛生同業組合理事長が安倍晋三首相を表敬訪問

 参議院議員選挙で自民党が圧勝した翌日の2013年7月21日、安倍晋三首相の地元・山口県の角野悦雄山口県理容衛生同業組合理事長はじめ、山口県組合の役員らが首相官邸を訪問し、安倍首相に祝意を伝えた。

(中略)

 安倍首相は山口1区が選挙区で、父・安倍晋太郎氏(外務大臣、故人)より地元の理容組合との関係が深い。また、今回の参議院議員選挙では全国理容政治連盟中央会(会長・大森利夫全国理容生活衛生同業組合連合会理事長)は自民党の衛藤晟一議員(比例区、当選)を推すなど、理容業界と自民党の結びつきは強い。
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 2014年12月12日付「理美容ニュース」も以下のように誇らしげに伝えている。

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●選挙に勝つには理美容店との関係が大切

 衆議院議員選挙も終盤戦に入ったが、政治家は選挙に勝つためにも地元の理容店美容店との関係を大切にしている。政治家相手の選挙のマニュアル本というのがあるらしく、そう指南している。

マニュアル本いわく

・地元の床屋にマメに行け!できれば月に一度以上、店は何件もハシゴしろ
・店主や美容師と仲良くなれば票になる
・特に床屋は地元の高齢者が集まる情報サロンであり、人脈が広がる可能性がある

というようなことが書いてあるらしい。

(中略)

 「短髪のおじさん政治家は頻繁に床屋へ散髪のため顔を出したり、自分が行かなくても後援会メンバーや秘書に足繁く通わせたりするようです。」とある。

 理美容業界は政治家との結びつきは強く、業界団体の新年会には毎年多数の国会議員が出席する。業界は業界の要望を政治家に託し、政治家は集票を業界に期待するという持ちつ持たれつの関係が構築されている。
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 自分たちへの業界への利益誘導を、ここまで露骨かつ誇らしげに宣伝する業界も今時珍しい。

 別に私は、ここ数年精力的に取り組んできたJR北海道の路線存廃問題、特に日高本線の存廃問題をめぐって、積極的に廃線を主導する論陣を張っている地元のネトウヨ理髪店主から2017年秋に受けた個人的な嫌がらせに「私怨」を抱き、その報復をしたくてこんなことを書いているのではない。そんな些末なことは動機ではないと言い切ってしまえばウソになるが、あったとしてもそれは動機全体の1%くらいに過ぎず、残り99%は安倍政権の縁故主義政治を告発するためである。このネトウヨ理髪店主が韓国に対するヘイト書き込みのため、Facebookアカウントを開設直後に一時停止された事実があるからといって、「週刊文春」に告発するつもりもない。せいぜい、大勢が見ている、ここレイバーネットでこっそり告発するくらいにとどめておこう。

 すべての東京都民、そして日本の市民に訴える。安倍政権は、国民の一定割合が新型コロナウィルスのため命を落とすかもしれないという未曾有の危急存亡の事態にあっても、営業自粛を求める業界を「自分たちにカネと票を出してくれるかどうか」を基準に決めているのだ。もはや怒りすら湧いてこない。縁故主義と「お友達びいき」でしか政策判断のできない最低レベルの政治しか持ち得なかった日本のなんと不幸なことか!

 今は緊急事態である。安倍政権が国民を滅ぼすか、国民が安倍政権を滅ぼすかの最終決戦のときが来たのだ。私たちはこの闘いに勝たねばならない。いつまでも続くこの縁故主義、「お友達ファースト」政治を許し続ければ、次はあなたが「死ぬ番」かもしれないのだ。 

(文責:黒鉄好)

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