安全問題研究会~鉄道を中心とした公共交通を通じて社会を考える~

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昨日の記事についての補足

2011-08-03 23:47:51 | 気象・地震
昨日、東海地方で起きた地震について記事を書き終わった後で重要なことに気付いた。今日は少し補足しておく。

昨日の記事で私は、プレート境界型地震が起きるまでの経過について、次のように書いた。

(1)プレートの継続的な沈み込みに伴って地殻に大きな歪みが生まれ、それが正断層型地震を引き起こす。

(2)プレート境界のアスペリティ(固着域;ぶつかり合う2つのプレートが接触している部分)の歪みが限界に達すると、次第に震源がプレート境界に近づく。

(3)プレート境界で中規模の地震が増え、固着域が剥がれ始める。

基本的にこの認識を変える必要はないと思っているが、例えば東北地方太平洋沖で発生した余震に関する気象庁報道発表資料をご覧いただきたい。この資料の4ページに3.11及びそれ以降に発生したM7.0以上の余震の震央分布が示されている。3.11の宮城県沖のM9.0がダントツに大きく、その次が茨城県沖のM7.7、3.11宮城県沖のM7.5と続く。全般的に、宮城県沖では3.11以降も大きめの余震が多いのに比べ、茨城県沖は3.11の1回のみ、福島県沖に至っては4.11に浜通りの内陸部で余震があったのみで、プレート境界付近ではM7.0以上の余震は1度も起きていない。

これに対し、東日本大震災直前3年間(2008年~2010年)のプレート境界付近での地震発生回数を見てみると、福島県沖では3回、茨城県沖では1回発生しているのに対し、宮城県沖では1回も発生していない。

もう少しわかりやすく説明すると、

1.2008~2010年の3年間におけるプレート境界付近での中規模以上の地震回数は、福島県沖(3回)>茨城県沖(1回)>宮城県沖(発生なし)

2.3.11東日本大震災における地震の規模は、宮城県沖(M9.0)>茨城県沖(M7.7)>福島県沖(発生なし)

3.3.11東日本大震災以降におけるM7.0以上の余震の回数は、宮城県沖(3回)>茨城県沖(1回)>福島県沖(発生なし)

となる。

つまり、3.11以前の3年間にプレート境界での中規模地震の発生回数が多かった地域ほど3.11の地震の規模が小さく、その後の余震も少ない。その逆も同様ということになる。

やはり、プレート境界での本震が発生する前に中規模地震が起きれば、それによってプレート境界における地震のエネルギーが減衰し、それだけ本震の規模が小さくてすむ、という相関関係が、少なくとも今回の震災に関しては完全に見て取れる。

一方、2008~2010年にプレート境界での地震が1度もなかった宮城県沖から3.11が始まったことを考えると、本震が始まる地域で必ずしも直前数年間に前兆があるとは限らない、ということも言えそうだ。

この2つの事実から考えると、東海地震に関しては恐ろしい結論が導き出される。現在まで御前崎沖のプレート境界では地震が全く起きていないからだ。仮にこのまま前兆となるべき中規模地震がないまま、突然東海地震「本震」が起きるとすると、その規模は3.11宮城県沖のM9.0に匹敵するものになるだろう(あるいはこれさえ上回るかもしれない)。

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