安全問題研究会~鉄道を中心とした公共交通を通じて社会を考える~

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核のない未来を願って 松井英介遺稿・追悼集(緑風出版)

●安全問題研究会が、JRグループ再国有化をめざし日本鉄道公団法案を決定!

●安全問題研究会政策ビラ・パンフレット
こんなにおかしい!ニッポンの鉄道政策
私たちは根室線をなくしてはならないと考えます
国は今こそ貨物列車迂回対策を!

〔週刊 本の発見〕『JRは生まれ変われるか~国鉄改革の功罪』

2024-07-04 22:49:49 | 書評・本の紹介
(この記事は、当ブログ管理人が「レイバーネット日本」の書評コーナー「週刊 本の発見」に寄稿した内容をそのまま転載したものです。)

【週刊 本の発見】JRのこれまでとこれからを読者とともに考える本
『JRは生まれ変われるか~国鉄改革の功罪』(読売新聞経済部・編、中央公論新社、本体1,800円、2023年10月)評者:黒鉄好


 日本で最初の鉄道が開業してから150年の節目を迎えた2022年、新型コロナ禍で日本の鉄道は一気に苦境に陥った。日本の鉄道の歴史的転機になると見た読売新聞社は独自取材班を編成。2022年7月から紙面連載した「JR考」を再編集したのが本書だ。

 最も読み応えのある場所はどこかと聞かれたら、最初と最後だと答えたい。第1章「限界~公共交通機関のジレンマ」では、いきなり旧運輸省「機密文書」をあぶり出す。「取扱注意」の印が押された「国鉄改革の記録」だ。国鉄分割民営化3年後の1990年、運輸官僚によって作成され、ごく一部の関係者にだけ配られた。「分割民営化は地方ローカル線の廃止に拍車をかけることになるのではないか」――バブル経済に乗って世間がJRを順風満帆だと思っていたこの時点で、一部運輸官僚はすでに今日の事態を予見していたのだ。

 第10章の後ろに付け加えるように置かれた「番外編 予算編成」も読み応えがある。2023年に施行された「改正」地域公共交通活性化再生法を踏まえ、JRローカル線「再構築事業」に国の予算を投入できるようにしたい国交省と、その阻止をもくろむ財務省の攻防が描かれている。最終的には、新たな財政支出を求めず、国交省内部で旧運輸省関係公共事業から鉄道へ、予算配分を変更することで決着した。

 第1章から第3章「民営化の光と影」までは、旧国鉄時代から分割民営化して現在までの歴史をたどる。第3章では北海道、四国、九州の3島会社に用意された経営安定基金が、北海道、四国で低金利のため赤字補てん用として機能しなくなった「誤算」を描くが、分割民営化のスキーム自体には踏み込んでおらず、物足りない。そこにはやはり分割民営化を推進してきた読売というメディアの限界も見える。

 第4章「新幹線」、第5章「在来線」では、佐賀県の反対で工事が暗礁に乗り上げた西九州新幹線や、災害から復旧しないまま廃線となったローカル線の実例を挙げ、在来線の上下分離や交通税導入など「次代にふさわしい鉄道像の描き直し」(本書P.123)を求める。

 本州3社と貨物の4社に1章ずつを割く一方、3島会社がまとめて1章で扱われている点には疑問がある。本州3社にもさまざまな問題があることはわかっているが、3島にこそJRの問題は凝縮しているのだ。6社それぞれに1章を割く丁寧さがほしかったと思う。

 取材班のほとんどが国鉄時代を知らない記者という状況で、歴史的経過含め、全体としてはよく取材して書いている。「JR考」が紙面連載された2022年頃を境に、それまで国鉄分割民営化に好意的だった読売、産経、新潮などのJRに対する視線が厳しさを増している。ローカル線問題の浮上を契機とした精力的な取材を通じて、JRの実態が想像以上に酷いことを各社が知ったからだろう。

 本書は、そのタイトルと裏腹に、JRが生まれ変わるための解決策は示していない。だが、問題の深刻さに気づいた結果だとすれば、私はむしろそれを誠実な姿勢として評価したい。JR問題に人生の大半を捧げてきた私ですら最適解はいまだに見いだせていないのに、半年程度の取材で知ったような顔をされては逆に本気なのかと疑いたくなるからだ。問題点は十分洗い出せているので、解決策は本書を手に日本社会全体で考えればいい。

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〔週刊 本の発見〕『戦後日本の対米従属とFRB/日銀・財務省・「特別会計」体制』

2024-05-01 23:03:30 | 書評・本の紹介
(この記事は、当ブログ管理人が「レイバーネット日本」の書評コーナー「週刊 本の発見」に寄稿した内容をそのまま転載したものです。)

【週刊 本の発見】日米金融資本「利権」の実態を全暴露!
『戦後日本の対米従属とFRB/日銀・財務省・「特別会計」体制』(森健一・著、オレアの実書房、本体2,000円、2024年1月)評者:黒鉄好


 読んでいて心配になってくる。内容ではなく、著者・森さんの身の上に対してだ。ここまで書いて本当に大丈夫か。石井紘基代議士(民主党:当時)が2002年10月、暴漢に刺殺されたのは、政府・財界の利権の「本丸」特別会計の闇に切り込もうとしたことが原因だと森さんが考えていることが一読してわかる。同じことが森さんの身にも起きないか。それほど本書が暴露していることは重大で、これを多くの日本の市民が知れば、怒りは物価高や裏金問題程度ではすまないだろう。

 前著「戦後日本の対米従属と官僚支配~特別会計体制」と同じように、膨大な数の事実や証言を積み上げることで背後の闇に光を当てる。読み手によっては散らかっているとの印象も受けてしまう可能性があるが、戦後史の闇という巨大なものの正体を明らかにするうえでこれに勝る手法は存在しないと思う。

 政府の特別会計や財政投融資のために国債が発行されると、そこに発行益が生まれる構造の解明に取り込んでいる。特に闇が深いのは財務省が管理する外国為替資金特別会計(外為特会)だ。為替介入や金利操作、内外金利差などを利用して巨額の内部留保(2014年度決算で27兆円)を溜め込み、財務省が「官営マネーゲーム」をしていることを示している。

 日本の市民を物価高に追い込み苦しめている最近の急激な円安ドル高の進行について、メディアは日米金利差が原因と繰り返す。だがそれは事実の一側面に過ぎないし、日米金利差を誰が何の目的で作り出しているのかには誰も触れない。だがそこに本書は忖度なく切り込む。日米金利差は官営マネーゲームで儲けるためなのだ。

 このからくりが明らかにされた以上、私は日銀が利上げで円安を沈静化させる「量的緩和脱却シナリオ」を採用することは絶対にないと確信した。輸入品とりわけエネルギーや食料品など生活必需品の値上げはこのまま徹底的に放置されるだろう。

 日米金利差を縮めても円安ドル高は改善されないと見るエコノミストも多い。通貨の本当の実力がわかるとされる「実質実効為替レート」では、日本円の実力はすでに固定相場制時代の1ドル=360円にも劣るとの説さえ唱えられている。1990年代末に韓国で起きた通貨危機が今度は日本で起き、円は紙くずになるかもしれない。

 特別会計のマネーゲームで得た資金の多くを、政府・日銀は米国に貢いでいる。しかも米国債に投資されるということは、米国政府のウクライナ・イスラエル支援にも充てられることを意味する。日米が軍事だけでなく財政金融でも一体化し世界の危機を深化させていることが見えてくる。

 森さんは、膨大な外為特会の内部留保を一般会計に入れて市民生活のために使うべきだと当然すぎる指摘をする。同時に、中央銀行が発行した通貨に政府が信用を与える「信用貨幣」から脱却し、発行益を社会的共通資本への投資に振り向けさせる「公共貨幣」への転換を訴える。しかもそれは世界規模でなければならないという。夢物語にも思えるが、それでも人類はこの大プロジェクトを実現させなければならない。人間を幸せにしない腐った資本主義に別れを告げ、滅亡を免れるために。

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〔週刊 本の発見〕『東京電力の変節ー最高裁・司法エリートとの癒着と原発被害者攻撃』

2024-03-07 22:39:39 | 書評・本の紹介
(この記事は、当ブログ管理人が「レイバーネット日本」の書評コーナー「週刊 本の発見」に寄稿した内容をそのまま転載したものです。)

司法の腐敗、ここに極まれり!  『東京電力の変節ー最高裁・司法エリートとの癒着と原発被害者攻撃』(後藤秀典・著、旬報社、1500円+税、2023年9月)評者:黒鉄好

 <「国に責任はない」原発国賠訴訟最高裁判決は誰がつくったか-裁判所、国、東京電力、巨大法律事務所の系譜>と題した記事(月刊誌「経済」2023年5月号掲載)が、法曹界を中心に静かな波紋を呼んでいる。この記事は今後、確実に日本法曹界を揺るがすだろう。本書はこの記事をベースに、司法と国・東京電力の癒着をえぐり出す力作である。

 最高裁判事には裁判所内部からの登用の他、行政官(官僚)出身、検事出身、弁護士出身などいくつかの「枠」がある。かつて「レフェリーが一方のチームのユニフォームを着てプレイしているようなものだ」として「判検交流」(裁判官と検事との人事交流)問題がクローズアップされたことはある。その一方で、弁護士枠の裁判官には「人権擁護の最後の砦」だという漠然としたイメージを持っている市民も多いのではないだろうか。そのようなイメージは本書を読めば粉々に打ち砕かれるに違いない。

 第1章では、原発事故以降、表向きとはいえ「謝罪」を口にし、平身低頭だった東電が、2020年以降、法廷という公の場で、出廷した原告・被害者を白昼堂々「攻撃」する様子が暴露される。13年経った今なお苦しみ続ける被害者に向かって投げつけられる内容の下劣さは、まるで「Yahoo!ニュース」のコメント欄のようだ。私は読んでいて吐き気を覚えた。事故被害者、避難者の方はもちろん、読んで身体に変調を来す方は、第1章は無理して読まなくていいと思う。吐き気を催してでも知らなければならない事実があるという強い精神力を持つ方にはもちろん読んでほしい。

 第2章以下が、冒頭で紹介した雑誌記事に新たな事実を加え再構成した部分に当たる。大手法律事務所に属する東電の代理人弁護士が最高裁判事に次々と送り込まれる衝撃の実態が暴かれる。その中には東電の代理人弁護士を数多く擁する大手法律事務所の代表経営者だった人物まで含まれているのだ。民間企業であれば利益相反として排除されて当然の人物が「審判」を務める非常識がなぜ司法の場でのみまかり通っているのか。普通の感覚を持った人なら誰しも怒りと疑いを抱かずにはいない。

 国の責任を否定し、原子力損害賠償法の無過失責任原則に従って東電にのみ賠償を命じた2022年「6.17不当判決」。書いたのは法衣の下に東電のユニフォームを隠し着た判事たちだった。

 私も関わっている東電刑事裁判では、勝俣恒久元会長ら旧経営陣が1審・2審とも「無罪」となった。検察官役の指定弁護士の上告によって、現在、この裁判が帰属している最高裁第2小法廷には元「代表経営者」草野耕一判事がいる。福島原発刑事訴訟支援団は、草野判事に対し、みずからその任を退くよう求める署名を3月8日、最高裁に提出する。

 6.17不当判決から1年後の2023年7月。この判決を乗り越えようと、全国の原発事故被害者が一堂に会した「原発被害者訴訟原告団全国連絡会」の会場で著者・後藤さんとお会いした。最高裁の腐敗を世に知ってもらうため、判検交流ならぬ「判電交流」という私の考えた造語を広めたいと提案したら「いいですね」と賛同してくれた。日本の恥ずべき「判電交流」の酷さをぜひ本書で知ってほしい。

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【週刊 本の発見】『東電刑事裁判 問われない責任と原発回帰』

2024-01-04 19:20:24 | 書評・本の紹介
(この記事は、当ブログ管理人が「レイバーネット日本」の書評コーナー「週刊 本の発見」に寄稿した内容をそのまま転載したものです。)

東電刑事裁判から「日本原子力史」の暗黒を暴く~『東電刑事裁判 問われない責任と原発回帰』(海渡雄一・大河陽子・著、彩流社、1500円+税、2023年9月)評者:黒鉄好

 日本の原発裁判には、賠償や差し止めを求めるものなどがある。その中でも異彩を放つのが東電刑事裁判だ。福島第1原発事故発生当時の東京電力旧経営陣3名が業務上過失致死傷罪で強制起訴され禁固5年が求刑されている。福島原発事故の刑事責任を問うものとしては唯一の裁判である。

 経過も異例だ。検察は巨大事故にもかかわらず強制捜査(家宅捜索)さえせず「嫌疑不十分」を理由に不起訴。福島県民を中心とする福島原発告訴団による告発を経て、検察審査会が2度の「起訴相当」議決を出すことでこの裁判開始が決まった。裁判所の指定する検察官役の指定弁護士が起訴し、論告求刑を行う一方、退官した元検事が勝俣恒久元会長ら3被告を弁護する。攻守ところを変えた裁判は1審東京地裁、2審東京高裁とも無罪判決で、指定弁護士側が上告している。

 本書は、原発事故の責任が誰ひとり問われないまま、岸田政権が「史上最悪の原発大回帰」を進める政治情勢の中、この裁判の被害者代理人弁護士のうち2名の手によって出版された。最高裁での逆転勝訴が目的であることは言うまでもない。

 東電刑事裁判を取り上げた第1部では、Q&A方式や、2著者による対談形式を取り入れるなど理解しやすくしている。この裁判を難しいと思う人々もいるようだが、東電役員が『自社の専門家の「津波対策をやりたい」という提案に「やってくれ」と言いさえすればよかった』(本書P.23)ことを法廷で証明するのがこの裁判の本質である。津波対策を避けがたいものと捉え、実施を目指す現場の動きを無根拠にひっくり返し、中止させた経営陣(特に武藤栄副社長)の犯罪性は、指定弁護士側の証拠によって完全に論証されている。

 本書は、刑事裁判の「周辺」に位置する他の裁判にも言及している。2023年6月17日、最高裁は原発事故の賠償裁判で東電だけに責任を認め、国の責任を否定する不当判決を出したが、三浦守裁判官(元大阪高検検事長)は国の責任を認める反対意見を述べた。事実関係を精緻に分析し、判決文の形式を取った反対意見はほとんど前例がない。多数意見による判決文として世に出すつもりで、三浦判事と最高裁調査官らが「合作」したものではないかという話は、評者も多くの弁護士からこの間、聞いており、単なる海渡弁護士の個人的推測にとどまらない説得力を持つ。海渡弁護士は、調査官らのこの良識に訴える中から最高裁での逆転有罪を勝ち取りたいと意気込む。そのためには、エネルギー事情の変化の中で下火になってしまった法廷外の反原発運動をもう一度盛り上げることが必要だ。

 第2部から第3部では、原発推進派による隠蔽、ごまかし、開き直りの数々、そして被害者不在の「復興」にスポットを当てる。東電刑事裁判と一見、無関係のようにも思えるが、黒を白と言いくるめる「政治判決」をいくら積み重ねても、原子力ムラの暗黒を漂白することはできないと司法に思い知らせるための、2人の著者の意欲の表れと受け止めたい。原子力黎明期から今日まで連綿と続いてきた「無原則・無責任体系」の行き着いた先が福島第1原発事故だったことを証明するためには、スタート地点に立ち返っての根源的かつ徹底的な批判が必要であり、本書はそれに応える内容となっている。

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〔週刊 本の発見〕『次世代へつなぐ地域の鉄道——国交省検討会提言を批判する』

2023-11-03 20:57:35 | 書評・本の紹介
(この記事は、当ブログ管理人が「レイバーネット日本」の書評コーナー「週刊 本の発見」に寄稿した内容をそのまま転載したものです。)

国鉄解体から「公共交通新法」まで~示される課題と展望~『次世代へつなぐ地域の鉄道——国交省検討会提言を批判する』(安藤陽・桜井徹・宮田和保 編著、緑風出版、2500円+税、2023年10月)評者:黒鉄好

 コロナ禍で緊急事態宣言が出され、誰も乗っていない東海道新幹線の列車が誰もいないホームを静かに滑り出すニュースは衝撃的だった。この世の終わりさえ感じさせるニュースの陰で、JR各社が長年にわたって温めてきた「静かな野望」が動き出していた。それが明らかになるのは2022年。「儲かる路線で儲からない路線を支えることがコロナ禍によってできなくなった」ことを理由とする全国ローカル線の大整理である。

 この野望を事実上後押ししたのが、国民の足を守るべき国交省だった。2022年、国交省は地域モビリティ刷新に関する検討会を設置。「頑張る地域と鉄道だけに存続への細道を用意する」という立場の「有識者」で固めた検討会は、わずか半年足らずの審議で提言を公表した。国交省が、提言の内容をさらに切り縮め国会に提出した改定「地域公共交通活性化再生法」案が成立したのは今年4月。検討会設置からわずか1年の早業である。

 改定法は、鉄道への支出が許されていなかったまちづくり予算「社会資本整備総合交付金」のわずかな支給と引き替えに、輸送密度の低いローカル線について、地域と鉄道会社との間で存廃を話し合う「特定線区再構築協議会」を国が設置するとの内容である。鉄道が再構築されるのならいいではないか、と思う人がもしいたら、国鉄「再建」法を名乗る法律が実際には国鉄解体への露払い役となった40年前の出来事を思い出してほしい。

 目下、東京都の人口は1300万人を超える。日本の人口の1割以上が東京都に住んでいることになる。国鉄とその網の目のような鉄道路線が維持されていたら、ここまで極端な過密と過疎という事態は果たしてあり得ただろうか。

 北海道でも、今や札幌だけで全道人口の4割に達しようとしている。その一方で農産物を全国に輸送する手段はおろか、札幌市民の市内移動の手段さえ失われる寸前に来ている。新幹線開通後の「並行在来線」における貨物列車の費用を誰が負担するか10年以上議論しても決まらず、路線バスは相次いで減便・廃止となっているからである。北海道と本州を結ぶ貨物列車が全廃されれば、北海道産のタマネギは首都圏で2割値上がりするとの試算もある。ローカル線危機は対岸の火事ではなく全国民的課題なのだ。

 こうした事態にいかに対処すべきか。展望をどう示すのか。いても立ってもいられず、公共交通、そして社会のあるべき姿を『地域における鉄道の復権~持続可能な社会への展望』(緑風出版、2021年)で示した共著陣が再び結集して著したのが本書である。

 今回は、前作と異なり3部構成とした。メインの第2部は、市民が抱きそうな49の質問を共著陣みずから立て、答えるQ&A形式を採り入れるなど読みやすくした。

 モビリティ検討会提言が触れていない点までQ&Aで取り上げるかは共著陣で議論となった。だが、そもそも検討会提言が触れていないからといって、すべての元凶である国鉄分割民営化に言及しないのでは出版する意味がない。取り上げる方向で程なく意見がまとまった。私も再び共著陣に加わり、Q&Aのうち9問を担当している。

 私が担当する「本の発見」はこれで3回連続、公共交通関係となった。2024年問題を契機に今後この分野が大きく動く予感がある。その意味でもぜひ読んでいただきたいと思う。

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【重要発表】当ブログ管理人2冊目の著書「次世代へつなぐ地域の鉄道——国交省検討会提言を批判する」が発売になりました!

2023-10-31 20:14:16 | 書評・本の紹介
管理人よりお知らせです。

雑誌への寄稿を除けば私の人生2冊目となる著書がこのたび出版されました。前回に続き、単著ではなく共著です。執筆者は私を含め12人です。

書名は「次世代へつなぐ地域の鉄道——国交省検討会提言を批判する」(緑風出版)です。都内では、神田神保町の「書泉グランデ」等ですでに販売されているのを確認しています。北海道内でも、紀伊國屋書店札幌本店ではすでに平積みにされているのが確認されています。

2022年2月、国交省が「鉄道事業者と地域の協働による地域モビリティの刷新に関する検討会」を立ち上げました。しかし、審議はわずか5回のみ。2022年7月には、「地域の将来と利用者の視点に立ったローカル鉄道の在り方に関する提言~地域戦略の中でどう活かし、どう刷新するか~」を報告として公表しました。2023年4月に成立した「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」の一部改定は、この提言を基本としたものになっていますが、ご覧になればおわかりいただけるとおり、「頑張っている鉄道」にだけ存続のためにわずかな細道を用意し、頑張りたくてもできない多くの鉄道にはバス転換を促す内容となっています。

今回の著書は、改定法の基本になった「提言」を批判することを目的に、「地域における鉄道の復権─持続可能な社会への展望」刊行に携わった共著陣が再び結集したものです。読者に親しみを持ってもらうため、メインの第2部にQ&A方式を導入したことも大きな特徴の一つです。私も共著陣に加わっており、1人でも多くの人に本書が読まれることを願っています。

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〔週刊 本の発見〕『交通崩壊』

2023-09-08 21:53:38 | 書評・本の紹介
(この記事は、当ブログ管理人が「レイバーネット日本」の書評コーナー「週刊 本の発見」に寄稿した内容をそのまま転載したものです。)

公共交通の危うい姿と希望~『交通崩壊』(市川嘉一 著、新潮新書、820円+税、2023年5月)評者:黒鉄好

 地方の公共交通は今や青息吐息。自宅の前を走る鉄道やバスがいつ溶けてなくなってもおかしくない。コロナ禍があぶり出したのは、それ以前からとっくに「首の皮1枚」だけでつながる状態に陥っていた公共交通の危うい姿だった。

 本書は「第1章 統合的な交通政策の不在」「第2章 鉄道の役割を再定義する」「第3章 遠ざかる路面電車ルネサンス」「第4章 CASE革命時代のクルマの役割」「第5章 歩行者に安全な歩道を取り戻せ」から成る。第1章が指摘する統合的な交通政策の不在は今に始まったことではない。国交省には総合政策局があるが司令塔としては心許ない。

 第2章のタイトルは見るだけでも疲れる。鉄道を維持するためにそこまでしなければならないのかと溜息が出るが、半世紀の人生をすべて鉄道ファン稼業に捧げてきた私の目で見ると、決して大げさとはいえない。実際、ローカル線は生活手段としては地域住民の選択肢にすらなり得ていない。「通学の高校生が困る」をローカル線存続の根拠に訴えたところで「それならスクールバスを導入すればよい」と言われるだけ。最近は議論にさえならないまま、公共交通が抵抗もなくすんなり廃止されていく厳しい現実がある。

 だが希望もある。大型自動車運転手の不足に拍車をかける「2024年問題」に政府が有効な手を打てそうな気配はまったくないからだ。「運転手不足でバス転換ができない」を理由に存続を決める北陸鉄道(福井県)のような実例も、ここに来て出始めた。

 私の見るところ、地方を含め鉄道が生き残る鍵は3つの「K」にある。環境・観光・貨物である。コロナ禍最大の教訓は、観光「一本足打法」が危険であること、ステイホームでネット通販利用が増え、ただでさえ右肩上がりの貨物輸送量がさらに伸びたことにある。その影響をようやく脱したばかりなのに、コロナ禍など忘れたように、市川氏が観光中心の論調を展開し、環境や貨物にほとんど触れないのには違和感がある。貨物をメインに、次が環境、そして観光は3番目だと私なら考える。観光を第一に据えるのは楽しく取り組めるからに違いないが、公共交通の基本はやはり住民生活の役に立つことである。

 最も危惧を感じたのは第5章だ。電動キックボードという新たなモビリティ(移動手段)の登場で歩行者にとって歩道が修羅場になりつつある。歩行者の安全を守りたい警察庁と電動キックボードビジネスを展開したい業界・経産省の攻防の結果、「特例特定小型原動機付自転車」という珍妙な名称のモビリティが生まれることになった。歩道走行ができる最高時速6km以下の電動キックボードの法律上の名称である。この調子だと「特別特例特定うんたら」なんて名称も遠からず生まれるのではないか。そもそも1989年に刊行された「市民と交通」(廣岡治哉・著、有斐閣選書)でも歩行者への「歩行権の回復」が主張されている。34年も前の本と同じ問題点が同じ形で指摘されているのだ! 日本の交通行政がいかに無策で進歩のかけらもないか、これほどよくわかる実例もなかろう。

 本来なら5つの章のどれもが1冊の独立した本になり得るほどの重要なテーマで、詰め込みすぎだと感じる。言いたいこともある。だが、公共交通(特に鉄道)に国の関与を求める結論はしっかりしている。公共交通の危機を理解しているものの、どうしたら復活させることができるか知りたい方への入門書としては自信を持ってお勧めできる。

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【週刊 本の発見】『超電導リニアの不都合な真実』

2023-07-06 23:21:14 | 書評・本の紹介
(この記事は、当ブログ管理人が「レイバーネット日本」の書評コーナー「週刊 本の発見」に寄稿した内容をそのまま転載したものです。)

「不可能なものは不可能。中止一択」とわかる画期的な1冊~『超電導リニアの不都合な真実』(川辺謙一・著、草思社、1,700円+税、2020年12月)評者:黒鉄好

 2020年12月の発売直後に買っていたが、今回、レイバーネットTVでリニア中央新幹線を特集するにあたり、予備知識を持っておかねば、と慌ただしく読んだ。本書を読破すれば、問われているのは世間一般で思われているような建設の「是非」ではないとわかる。そもそも技術的に不可能なのだ。

 本書が明らかにした事実は多岐にわたるが、さしあたり、最も深刻なのはリニアにとって致命的な「クエンチ現象」を克服できないまま今なお建設が続いていることだ。リニアは、電気抵抗がゼロになる「超伝導状態」を維持することで車体を地上10cmの高さに浮上させ、高速走行することができる。クエンチとは、この超伝導状態を維持できなくなる現象であり、完全に防止できる技術的めどは立っていないという。超電導技術自体はMRIなど医療現場で使われる機械にも導入されているが、クエンチはここでも起きている。ただし、固定した建物内で関係者が常時監視しながら対処できる医療機器と異なり、監視要員のいない場所を走るリニアでクエンチが発生しても対処する方法がない。クエンチ状態が長く続けばコイルが発熱し火災の恐れもある。山梨実験線ではクエンチは発生していないとするJR東海の「公式見解」に反し、実際には1999年に発生していたことは、地元紙「山梨日日新聞」でひっそりと伝えられた。

 川辺氏は、JR東海が実施している山梨実験線での試乗体験もしている。「揺れすぎて気分が悪くなった」「思ったほど揺れなかった」と試乗体験者の評価は二分している。揺れに関しての評価は主観的にならざるを得ず、私からこれ以上のコメントは避けるが、気圧の変化で耳がツンとなる現象が酷く、同乗した川辺氏の連れ合いは「二度と乗らない」と宣言した。浮上走行から減速し、ゴムタイヤで軌道に「着陸」する際に生じる飛行機のような「ドスン」という衝撃も、浮上式走行である以上完全には除去できない。利用者に優しいことが公共交通機関の最低限クリアすべき基準だとするなら、先入観のない体験試乗者がそのような判断を下すものは公共交通にふさわしくない。

 山梨実験線の延伸区間が単線で現在まですれ違い走行試験をしていないこと、磁気浮上式走行には不要なはずの電柱が同区間に建てられており、架線柱に転用可能なことから、JR東海はとっくにリニア方式をあきらめ、通常の新幹線方式に転換するつもりではないかと川辺氏は疑う。それが可能であることも、JR東海関係者の過去の証言を丹念に調べ確認している。

 最終章で川辺氏は(1)あくまでリニア方式で開業を目指す (2)通常新幹線方式に転換 (3)事業中止――の3つの選択肢を示した上で、事業中止が最も適切と結論づける。リニア方式は技術的に無理であり、通常新幹線方式への転換では政府が目指す3大都市圏連結(スーパー・メガリージョン)構想を達成できないため、消去法で事業中止しか残らなかった。技術的に不可能なものを不可能と言う――そんな当たり前のことがなぜこんなに難しいのか。そこに日本社会の病理を感じるが、リニアに限らず、屁理屈を並べて事業続行を目指す推進側に忖度なく中止を打ち出した著者の姿勢こそ私は高く評価したい。

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【週刊 本の発見】『武器としての国際人権~日本の貧困・報道・差別』

2023-05-04 23:29:57 | 書評・本の紹介
(この記事は、当ブログ管理人が「レイバーネット日本」の書評コーナー「週刊 本の発見」に寄稿した内容をそのまま転載したものです。)

人権後進国ニッポンの赤裸々な実態!~『武器としての国際人権~日本の貧困・報道・差別』(藤田早苗・著、集英社新書、1,100円+税、2022年12月)評者:黒鉄好

 日本が人権後進国と言われるようになって久しい。しかし本書を読むと、ニッポンの人権後進国ぶりはそんな生やさしいレベルではすまないことがわかる。

 レイバーネットを日常的に読んでいる人なら、人権は生まれながらにして誰もが持ち、それを保障する義務を政府が負っていると理解しているだろう。しかし日本人の大部分が人権を思いやりと同レベルで捉えていることに、藤田さんは警鐘を鳴らす。人権は国家と個人の関係だが、思いやりは私人同士の私的関係に過ぎないからだ。

 特定秘密保護法をめぐって、国連特別報告者デイビッド・ケイ氏による訪日調査が2016年に行われたが、この過程では日本政府が一度は日程まで決まった調査受け入れを直前でキャンセルするという暴挙に出た。「日程まで決まっていてキャンセルするのは独裁国家くらいだ」と聞かされた藤田さんは「日本はもう放っておけない大変な国になりつつある」(本書P.71)との国際社会の雰囲気を忖度なく伝えている。人権問題を審査する第三者機関や、人権侵害に関する通報制度も、先進国なら存在して当然だが日本だけ設置していないと聞けば、たいていの日本人は驚くに違いない。

 このような日本の残念な状態を改善するため、藤田さんは国際法をもっと使うよう読者に助言する。日本が批准した条約に政府を従わせるだけでなく、国連機関や特別報告者に働きかけて勧告や報告を出させるなど、有形無形の圧力をかけ、日本政府が国際社会の意思に従わざるを得なくなるよう包囲していくことの重要性を説いている。

 法を犯す者を物理的に従わせるため、国家は軍隊や警察などの「暴力装置」を持つ。だが国連はそうした物理的な力を持たないことから、ウクライナを侵略したロシアのような国際法違反の国家に対して「お気持ち表明」しかできない――国際法に対してはこうした否定的な声も多い。だが、「暴力装置」のない状態で国際間紛争を平和的に解決する事例を積み上げていくことは、国際紛争を解決する手段として武力の行使を永久に放棄し、またそのための戦力も持たないと定めた憲法9条を持つ日本にとって責務でもある。

 多国籍企業のビジネスに伴う人権侵害に対する国際社会の目も厳しさを増しており、2022年には日本企業に対策を促す経産省のガイドラインも策定されている。国際法がここ数年、急速に注目度を増してきたことは喜ばしいが、私には別の側面も見える。反人権的な自民党による単独政権が70年近く続いた結果、日本の国内法はあらかた改悪され尽くし、もはや市民にとって戦える国内法はほぼ残っていない。使えるのは自民党の手の届かないところで決められる国際法くらい――そのような経過をたどった上での「脚光」だとしたら、素直に喜んでばかりもいられないのではないだろうか。

 著者の藤田さんは、英エセックス大学修士課程在学中に国際法に触れたことがこの道に進むきっかけとなった。究極の人権侵害である戦争・戦場を連想させる「武器」という単語をタイトルに入れることに難色を示したが、インパクトのある単語を入れたほうが売れると主張する出版社側に押し切られたと聞く。本書のタイトルをめぐっても、ビジネスと人権との間で水面下の激しい攻防があったことは、付記しておきたい。

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【週刊 本の発見】『ヤジと民主主義』

2023-03-03 20:25:51 | 書評・本の紹介
(この記事は、当ブログ管理人が「レイバーネット日本」の書評コーナー「週刊 本の発見」に寄稿した内容をそのまま転載したものです。)

『ヤジと民主主義』(北海道放送報道部/道警ヤジ排除問題取材班・編、ころから、1,800円+税、2022年11月)評者:黒鉄好

 たかがヤジ、されどヤジ。私たちの住む場所が真の民主主義社会かどうかは、こんなときにこそはっきりする。

 2019年参院選で、自民党候補の応援演説のため札幌市を訪れた安倍晋三首相(当時)に向かって「安倍やめろ」「増税反対」などとヤジを飛ばした9人が警察によって強制排除された。警備に当たっていた道警警察官は、演説の進行に影響のない軽微なヤジを飛ばしただけに過ぎない市民の腕をつかんで強制的に演説会場から排除した。

 警察官職務執行法違反で北海道警が刑事告発されたが不起訴となる。検察審査会でも排除された市民の訴えは認められず、刑事責任追及の道は閉ざされたが、道警の責任を問う国家賠償訴訟に2人の「被排除者」が立った。

 国賠訴訟は、強制排除の場面を撮影したスマホ動画が証拠提出されたことにより原告有利に進んだ。道警は、警職法に基づく正当な排除だったというみずからの主張を裏付ける証拠を法廷にまったく提出できなかった。道警が裁判で提出した証拠は、あろうことか、ヤフーニュースのコメント欄に匿名で書き込まれた応援コメント(そのほとんどが自民党支持の「ネトウヨ」のものと思われる)だった。もちろん、そんな「証拠」は司法からはまったく相手にされず、1審・札幌地裁は2022年3月25日、道に賠償を命じる判決を言い渡す。ヤジを「表現の自由」と認める原告全面勝訴判決だった。原告は鈴木直道北海道知事に控訴しないよう求めたが、道は控訴。国賠訴訟は高裁に移っている。

 強制排除は多くのテレビカメラが回っている前で公然と行われた。2003年11月に発覚した道警裏金問題を内部告発した元道警警察官・原田宏二さんは、権力監視の使命を忘れた道内メディアは「なめられている」と苦言を呈する。原田さんが告発した道警裏金問題を北海道新聞は追及したが、この過程で傷ついた道新が道警と不自然な形で「手打ち」をして以降、道新は道庁、道警にまったく物を言わなくなった。事件の背景にはこのような地元メディアの劣化もある。今回、北海道放送(HBCテレビ)取材班がこの事件の入念な取材を続け、ドキュメンタリー番組の制作に続いて本書を出版したことは、メディア人としての反省があるとみずから告白している。

 本書では、2人の原告は実名、顔出しで堂々としているが、今回、私の政治的判断でここでの実名紹介はあえて伏せる。というのも、この国賠訴訟で道警が敗訴したことで思うような要人警護ができなくなったことが安倍元首相殺害の原因であるといういわれのない誹謗中傷が2人を対象に行われているためである。原告攻撃の先頭に立っているのが道見泰憲・北海道議会議員(自民)であるのはひときわ許しがたい。道見議員が安倍国葬反対派をツイッターで「黙ってろ」などと恫喝したこと、統一協会との関係を問われた際に「関わってるよ」と公然と開き直っていることを暴露しておこう。

 原告の1人は、国賠訴訟を通じ、闘いで権利を切り開く楽しさに目覚め、今は札幌地域労組の専従職員として働いている。同労組の鈴木一・副委員長がレイバーネットの会員であることも忘れずに紹介しておきたい。

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