安全問題研究会~鉄道を中心とした公共交通を通じて社会を考える~

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【管理人よりお知らせ】明日、「福島原発事故の厳正な捜査と起訴を求める大集会」にご参加ください

2013-05-30 23:38:48 | 原発問題/一般
管理人よりお知らせです。

直前のご案内になってしまいましたが、明日(5月31日)、福島原発告訴団による表題の集会が、東京・日比谷野音で開催されます。

福島原発告訴団による国・東電関係者の告訴受理から明日で10ヶ月を迎えます。この間、検察当局による起訴/不起訴の判断が3月末にも出されるとの観測もありましたが、現在に至るまで、被災者にとって不利になるような決定は出されていません。未曾有の人災による福島の現実に加え、この間の粘り強い運動が検察当局に対するプレッシャーになっているものと考えられます。

福島原発事故では、検察当局による関係者の事情聴取は行われたものの、強制捜査は未だ行われていません。中央自動車道・笹子トンネル事故ではNEXCO中日本に対し、事故後2日で強制捜査が入ったのと比べ、あまりに捜査当局の動きは緩慢です。このような時間稼ぎを許さず、強制捜査・起訴につなげるため、要請行動も組まれています。ひとりでも多くの方のご参加を呼びかけます。

日時■5月31日(金)13:30~15:30
場所■日比谷野外音楽堂
 16:00~17:00 東京地検前で「激励行動」
 17:30~18:00 東電前抗議行動

詳細は、福島原発告訴団ブログ(5月1日付記事)をご覧ください。

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地震予知、35年を経て放棄か?~事実上、方向転換へ

2013-05-29 23:03:34 | 気象・地震
<南海トラフ>「事前防災」取り組み重要 地震予測「困難」(毎日)
南海トラフ「予知困難」 前兆否定 揺らぐ根幹(産経)
東海地震「予知は困難」「前兆滑り」に疑問(東京)

日本学術会議が「東海地震の予知は困難」とする報告書を取りまとめたことを、主要各紙が報じている。1978年に制定された大規模地震対策特別措置法(大震法)による地震予知を「事実上困難」と見て、減災・防災をより重視するよう促す内容だ。35年の時を経て、事実上の方向転換といえる。

そもそも東海地震の予知は、1976年、地震予知連絡会の席上で、石橋克彦・東大理学部助手(当時)が、プレート・テクトニクス理論に基づいて「東海地震説」を提唱したことに始まる。石橋助手は、当時、メディア取材に答え、東海地震の発生時期について「極端に言えば明日来てもおかしくない」と発言し、日本中が騒然となった。この提唱を受け、1978年に大震法が制定され、東海地震の大規模な観測体制が整えられた。

東海地震の観測とは、大別して「体積歪み計」による地殻変動(主に掛川に対し、御前崎がどの程度沈降しているか)や前兆滑り(プレスリップ)の観測のことである。海溝型(プレート境界型)地震では、プレートの大規模なずれにつながるプレート境界での固着域(アスペリティ)の破壊が生じる直前に、地表の揺れを伴わず地下の岩盤だけが動く現象(前兆滑り)が観測できるとされ、この事前察知に成功すれば地震を予知できると考えられた。

一方、石橋助手が「明日来てもおかしくない」と述べたように、当時は東海地震の発生が切迫していると考えられており、「少しでも予知の可能性につながれば」というある種の希望的観測によって、体積歪み計による地殻変動や前兆滑りの観測体制がいずれも見切り発車的に進んできたという事情もあった。リンク先の東京新聞の記事にもあるように、すでに1997年の段階で、地震予知を「現時点では困難」とする報告を測地学審議会(文部大臣の諮問機関)が取りまとめてもいる。さらに(うがった見方かもしれないが)、東海地震説を唱えた石橋助手自身が、「原発震災」の危険性に警鐘を鳴らしてきたことから事実上学会を追放状態に追い込まれた(言うまでもなく、原子力ムラに刃向かったからにほかならない)。そうした経緯を考えれば、今回、日本学術会議が予知を困難とする結論をまとめるに至ったことに対し、当ブログには特段の驚きはない。いつかこんな日が来るのではないか、という予感はあったのだ。

それに、東日本大震災では結局前兆滑りは観測されなかったし、逆に、千葉県沖では大地震が発生していないのに、ある程度の規模のスロースリップ(ゆっくり滑り)が定期的に観測されている。「前兆滑り=大規模海溝型地震の前夜」という方程式はすでに崩れているのだ。

大手メディアはいずれも報じていない(というより、おおっぴらに報じられるわけがない)が、この「予知から減災・防災への転換」には隠された政府の「意図」がある。予知が困難となれば、地震発生を前提とした減災・防災対策を行うよりほかにない、ということになり、「耐震改修」「減災・防災」「津波対策としての高台移転」等を口実とした公共事業予算を獲得することができる。なんのことはない。55年体制下の自民党政権で見られた「公共事業ばらまき」体制への回帰、それへの布石というわけだ。アベノミクスの目玉商品のひとつに「国土強靱化」があり、見事に符合している。仮に公共事業費がふくれあがったとしても、「どうせ消費税も上げるし、なんとかなる」というのが政府与党の「本音」であろう。これは根拠のない推測などではなく、実際に自民党は昨年6月、消費税増税法案の附則に「国土強靱化の分野に予算を重点配分する」旨の規定を盛り込む修正をさせている。当時与党だった民主党を悪者にして。

むしろ、「政府が公共事業予算を重点配分したいと考えている地域が地震の危険地域として騒がれる」くらいに考えておいた方がいいと思う。国の財政危機の中で公共事業ばらまきには批判が強いが、「地震防災対策」が理由なら誰も反対できないからだ。

このところ、メディアではやたら「南海トラフ地震」が取り上げられ、耐震改修、避難訓練といったニュースが報道されている。要するにこの地域を中心に公共事業をやるぞ、ということだろう。当ブログのこの説が信じられない読者の方は、自民党「国土強靱化総合調査会長」を誰が務めているか、その議員が何県選出か調べてみるといい。そうすれば、ここに来て急に南海トラフが危ないと言われ始めた理由がわかると思う。

(誤解のないように申し上げておくが、南海トラフ地震が近いとはいえないとしても「そう遠くない」時期であることは間違いないと思う。少なくとも最近の地震発生状況からみて、東海地震より南海トラフが先に来る可能性はかなり高いのではないか。当ブログは東海地震について、平成20年代の半ばまでには来ると思っていたが、平成25年になっても予兆らしい予兆も起きておらず、正直、こんなに遅れるとは予想だにしていなかった)。

海外ではM6程度の地震でも建物が崩壊し、数百人単位の犠牲者を出すこともある中で、現在、日本ではM6程度で犠牲者が出ることはほとんどない。これには耐震性の高い建築物を造るためにゼネコン業界が続けてきた血のにじむような努力がある。その努力に水を差すつもりはないが、ゼネコン優遇、公共事業ばらまきの「いつか来た道」がまた繰り返される(それも、今度こそ福祉のために使われるとの約束だった消費税がまた浪費されて)というのでは有権者の不満は避けられないだろう。

もうひとつ、この「予知見直し」を通じて政府が私たちに発している「暗黙のメッセージ」がある。それは端的に言えば「政府はもう、どんな巨大地震が来るとわかっても警戒宣言など出さないよ」ということである。

もう少し具体的に説明しよう。大震法では、地震防災対策強化地域判定会(気象庁長官の諮問機関)が「東海地震発生近し」と判断した場合、気象庁長官がそれを首相に報告し、首相が警戒宣言を出せることになっている。警戒宣言を出せば、交通機関の運行停止、警戒区域内にある道路や事業所の閉鎖といった巨大な権限が首相に与えられるが、警戒宣言が有効に機能するためには、当然ながらいくつかの前提条件がある。

(1)前兆滑りと巨大地震との因果関係が科学的に証明されている
(2)国民の間に政府に対する信頼がある
(3)国民の生命・安全を守るためには、経済活動がある程度犠牲になることはやむを得ず、また、宣言が空振りに終わっても犠牲者が出るよりはよい、という社会的・国民的合意がある

概ね、最低でもこれくらいの前提条件がなければ警戒宣言は出しても有効に機能しないであろう。残念ながら、現状はこの3つの前提条件のうち1つも満たされていない。(1)は前述の通りだし、(2)の政府への信頼は3.11以前から徐々に低下していたが、3.11で不信が決定的になった。(3)に至っては、この国の政府・経済界が福島原発事故で何をしたかを見れば説明不要だろう。企業の金儲けのためなら200万人の福島県民を平気で見捨てる彼らが「たかが数十万の犠牲者」ごときで経済活動を止めるなど決してあり得ない。次の巨大地震が間近に迫ってきたとき政府がどんな対応をするか、既に当ブログにははっきり見えている――「前兆現象は観測できなかった。想定外」を理由に警戒宣言は決して出されることはない。Xデーは突然やってくる。市民の皆さんは、せめて3.11を教訓に自分の身は自分で守ってほしい。

最後に、予知の今後についてだけ触れておこう。地震学会の中には、予知が当面無理だとしても、観測体制まで完全に解除してしまうことには抵抗があるという。当然だろう。宝くじが当たる可能性は低くても、買わなければ当選確率がゼロなのと似ている。当面、予知に関してはそれくらいの割り切りが必要だろう。今は将来への投資と割り切り、研究のためのデータ収集という名目で継続してはどうか。遠くない将来、もし、地殻変動と建物の被害との関係が明らかにできる日が来たら、そのデータ、学術的知見はゼネコン業界にとってもきっとメリットをもたらすはずだからである。今、役に立たないからと言って、声高に「予知をやめろ」と叫ぶ人たちの神経は、私には理解できない。

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ふくしま集団疎開裁判で原告「実質勝訴」~国は福島の子どもたちの移住を!

2013-05-25 23:04:06 | 原発問題/一般
(当エントリは、当ブログ管理人が月刊誌「地域と労働運動」2013年6月号に発表した原稿を掲載しています。なお、掲載に際し、文字化けのおそれがある丸数字のみ、かっこ付き数字に改めました。)


 ●1審に続く不当決定

 福島県郡山市の小中学生14人が、年間被曝量1ミリシーベルト以下の安全な環境で学習できるよう、行政権限での学校疎開を求めた「ふくしま集団疎開裁判」(仮処分申請)の抗告審で、仙台高裁は4月24日、1審・福島地裁郡山支部に続き、申立人らの請求を却下する不当決定を行った。

 決定は、(1)申立人が郡山市に住み続ける限り、学校だけを差し止めても被曝の事実は変わらない、(2)申立人が被曝を回避したければ、遠隔地の学校で教育を受けることで目的は達成できる――として請求を棄却するものだ。1審と同様、国・東電などの加害者責任を問うことなく、「避難したければ勝手にしろ」と、子どもたちの被曝回避を保護者の自己責任に解消させようとする不当なものだ。

 申立人は「避難したいが、友達を置いて自分たちだけ避難することはできない」という問題を解決するために行政による学校ごとの集団疎開を求めたのであり、また、日々続いている被曝の中で、強制力を持つ司法措置が迅速に行われるよう、あえて裁判ではなく仮処分申請とした経緯がある。決定は、そうした申立人らの希望を踏みにじり、子どもたちを汚染地に留め置こうとする行政施策を追認する政治的なものである。

●低線量被曝の危険を認定

 しかし、今回の決定は、本論部分において申立人らの主張を大幅に取り入れ、低線量被曝の危険性を求めた点で画期的な内容を含んでいる。

 決定は、チェルノブイリ事故後の現地の子どもたちの健康被害に関する申立人側の証拠を採用。「(郡山市で市民が)強線量ではないが低線量の放射線に間断なくさらされているものと認められ…その生命・身体・健康に対する被害の発生が危惧される」「児童生徒の生命・身体・健康について由々しい事態の進行が懸念される」とした。

 また、郡山市で盛んに行われている除染については、「広範囲にわたって拡散した放射性物質を直ちに人体に無害とし、あるいはこれを完全に封じ込めるというような科学技術が未だ開発されるに至っていないことは公知の事実」「放射線による被ばくの危険から容易に解放されない状態にあることは上記認定の事実から明らか」であり、「その回避のためには、そうした空間線量率以下の地域に居住するほかには通常執りうる手段がな」いとした。

 昨年12月の福島地裁郡山支部決定が、健康被害の可能性については踏み込まないどころか、御用学者の一部が認めている年100ミリシーベルト以下での「確率的影響」すら否定し、申立人らに「切迫した危険性がない」と結論づけたのと比べれば大きな前進といえる。郡山市の危険性を認めたばかりでなく、低線量被曝そのものの危険性をも認める内容となっている点で積極的に評価できる。

 現在、郡山市内では、政府が住民帰還の基準としている空間線量で年間20ミリシーベルト(1時間あたりでは約2.3マイクロシーベルト)以上となる地点はそれほど多くないが、決定はそうした低線量の被曝であっても、間断なくさらされ続けた場合には健康被害の可能性があると認めた。政府、自治体、御用学者、メディアが一体となって進めてきた「年100ミリシーベルト以下では健康被害を示す明確なデータはなく、年20ミリシーベルト以下は帰還しても居住し続けても問題はない」とする宣伝を司法が根底から覆したことになる。

 ●闘いの力で勝ち取る

 このように、決定内容は実質的には勝訴といえるものだ。こうした高い水準の決定を勝ち取った背景には、申立人らの奮闘に加え、放射能汚染の深刻さ、避難の正当性を訴え続けてきた市民の声がある。

 申立人らは、1審での棄却後、新たに大量の証拠を追加提出した。チェルノブイリ事故での健康被害の状況、健康被害の危険を訴え続けてきた矢ヶ崎克馬・琉球大教授の意見書などだ。郡山市民も、成功する気配のない除染の現状に関する意見書を提出した。

 また、ふくしま集団疎開裁判の会のメンバーは、官邸前金曜行動で粘り強く支援を訴え続け、幅広い市民の支援、共感を得た。通常は下級審の決定を変更する際にしか開かれないとされる審尋(一般裁判の弁論に相当)を仙台高裁で勝ち取った背景には、このような闘いの力がある。
 日本の大手メディアは、子どもたちの命と未来を大きく左右するこの重要な裁判を報道せず、ほぼ完全に黙殺した(毎日、東京新聞のみが一部報道)。米国、韓国、ロシアなど海外の主要メディアで大きく報じられているのと対照的だ。それは、この「実質的勝訴」が日本の支配層に与える打撃の大きさを物語っている。

 司法も認めた低線量被曝の危険性を訴えるとともに、避難が正当な権利であることを広く伝え、避難者への支援を含む子ども・被災者支援法の実効ある実施を求めよう。

《参考》ふくしま集団疎開裁判の決定(事実認定)骨子

(1)郡山市の子どもは低線量被ばくにより、生命・健康に由々しい事態の進行が懸念される
(2)除染技術の未開発、仮置場問題の未解決等により除染は十分な成果が得られていない
(3)被ばくの危険を回避するためには、安全な他の地域に避難するしか手段がない
(4)「集団疎開」が子どもたちの被ばくの危険を回避する1つの抜本的方策として教育行政上考慮すべき選択肢である

(2013年5月19日・黒鉄好)

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<当ブログ管理人より>

なお、今回の決定の全文(PDF)は、こちらからご覧になれます。

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【重要発表】当ブログ管理人撮影の写真がウクライナで開催される「福島展」で展示されます

2013-05-22 22:26:18 | 原発問題/一般
管理人よりお知らせです。

1986年のチェルノブイリ原発事故の後遺症に今なお苦しみ続けるウクライナ共和国。その首都・キエフ市(国立チェルノブイリ博物館)で今年6月1日から12月31日まで開催される「福島展」に、当ブログ管理人の撮影した写真が展示されることになりました。この展示会は、当ブログ4月7日付記事でお知らせしたものです。

当ブログ管理人が提供した写真のうち展示されるのは1枚のみで、2011年6月に福島県郡山市内で行われた反原発デモを撮影したものです。短いキャプションがつけられたA3サイズでの展示となります。

どのような形での展示か、開催全期間にわたって展示されるのか等、詳細は事務局からの連絡を受けておらず不明ですが、恥ずかしながら撮影者の氏名もローマ字表記で表示されるとのことです。とはいえ、ロシア語圏であるウクライナではローマ字表記では現地の人に読んでもらえないので、撮影者名とキャプションは、キリル文字(ウクライナ語/ロシア語)も併記されるものと思われます。

チェルノブイリ原発の事故処理費用が重くのしかかっている上、ソ連解体でロシアから切り捨てられたウクライナ共和国は、チェルノブイリ原発を観光客向けに開放せざるを得ないほど厳しい財政状況に追い込まれています。写真提供者に対し、渡航費用相手持ちで現地にご招待・・・などという特別待遇は、たぶんないと思います。

もし、当ブログをご覧の方で、現地までこの展示会を見に行かれる方がいらっしゃいましたら、私の写真がどのような形で展示されているか確認の上、ご報告をいただけると幸いです。

<参考>ウクライナ国立チェルノブイリ博物館公式サイト(ウクライナ語、ロシア語、英語のみ)

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ホームページ担当を拝命、その他IT関係いろいろ

2013-05-20 22:16:13 | IT・PC・インターネット
1.ホームページ担当を拝命

4月に転勤した北海道の職場で、ホームページ管理担当を拝命した。面倒なシステム管理者をやっと離れられたと思ったのに…

仕事は、職場の公式サイトの更新。業務量はそれほど多くなく、週1回程度だ。とはいえ、面倒なのは、コンテンツをそのままアップロードできるhtmlファイルの形式にした上で、サーバー内のどの場所にアップすべきか、ツリー構造で示した指示書を作成、本部に送信しなければならない点だろうか。

私の職場がWEBサーバーを本部で一括管理しており、地方支社にはWEBサーバーがないため、どうしてもこのような形にならざるを得ないが、各コンテンツファイルのアップロード場所をツリー構造で示した指示書なんて、WEB管理に携わったことのない人だったら何を意味しているかさえ、わからないかもしれない。

実際のところは、ローカル内でフォルダのツリー構造を作ってからリンクを張り、WEBサーバー上に転送すればそのままWEBとして閲覧が可能になるだけのことだが…。

私のインターネットデビューは、メール・掲示板への書き込みが1998年頃。自分のサイトを持ったのは2001年か2002年頃だったと記憶する。その後、Infoseek(楽天)が無料レンタルサーバーのサービスを打ち切るまで、一貫して趣味のサイトを運営してきた。今にして思えば、この経験をしておいて良かったと思う。鉄道やアニメ・声優といった他愛もない趣味のサイトを作る経験をしておいたことが、こんな形で本業に生きる日が来ると思っていなかった。趣味が実益を兼ねたのは私の人生で初めてかもしれない。

それにしても、昼は職場で公式サイトの更新、夜は当ブログの更新とは、私の生活のIT化も来るべきところまで来たような気がする。現在管理しているサイトは、当ブログ含め5つもある。

2.北海道でのネット事情

当ブログ管理人の住所は札幌から遠く離れた田舎町。JRの最寄り駅までは車で20分。ようやく駅に着いても列車は3時間に1本という場所にある。光はおろかADSLすら来ておらず、職場のネット回線も未だにISDNという信じがたい状況だ。10年前のネット環境に戻ってしまったようで、重いファイルやアプリをダウンロードするのに苦労している。

ただ、10年前と違うのは、WI-FIモバイルルーターがあることだ。転居後、早速地元のauショップで、WI-FIモバイルルーター、WI-FI WALKER DATA08Wを申し込んだ。下り最大40Mbp、上り最大15.4Mbpと謳われているが、ADSLすら来ていない町にWI-FIなんてあるわけがなく、結局は3Gの速度しか出ないから、露骨に重いと感じることも多い。だからといってISDNでは話にならないし、現状、この町ではこれが最も早い通信だから、しばらくこの方式でいくしかないと思っている。

3.PC新調

北海道に来てからPCを新調した。私が主に使っていた東芝dynabook SX/290NR(2006年製)の老朽化・不具合が目立ち、そろそろ更新が必要と判断したのだ。WindowsXPのサポート終了までまだ1年あるし、それまでにはWindows8が安定的に稼働するようになると思うので、あと1年待つつもりだったが、不具合がたびたび起こるようになったこと、妻がパソコンを手放せない状態になったが、今まで使ってきたNEC Lavie LL750があまりに大きくて重く、持ち運びに難儀していたので、軽量PCに切り替えることになったのだ。

自宅近くのケーズデンキで、少ないラインナップの中から選んだのは富士通製LIFEBOOK UH55/Hで、重さはわずか1.6kg。dynabook SX/290NRが1.3kgだったからわずかに重くなったに過ぎない。これなら妻でも容易に持ち運びができる。キーボードが軟弱そうなのが若干、不安ではあるが…。

これを機会に、2年前から妻専用機となっていたNEC Lavie LL750は私のメインマシンに復帰した。

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【重要発表】福島原発災害情報センターが福島県白河市にオープンしました

2013-05-19 23:17:06 | 原発問題/一般
管理人よりお知らせです。

現在進行形の福島原発事故の記録を残し、その惨劇を後世に伝え、脱原発につなげていくための拠点として、「福島原発災害情報センター」が本日、福島県白河市にオープンしました。

この資料センターは、上記の目的を達成するため、散逸しがちな原発事故に関する資料を体系的に収集・管理し、いずれは日本における脱原発のための学習拠点となることを目指しています。当面は、資料も充分揃っていない中での出発ですが、企画展などを続けながら今後の発展を目指していきたいと考えています。(設立目的~アウシュヴィッツ平和博物館サイトより)

資料センターは、福島県白河市の「アウシュヴィッツ平和博物館」に併設されています。アクセスに関しては、同館を参考にご来場ください。

施設の概要、また当分の間、行われる企画展は以下の通りです。

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【展示物】
 センターオープン特別企画展示
 「放射能と人類の未来」(立命館大学国際平和ミュージアム提供)

【開館時間】
 3月~10月 11:00~17:00
 12月~2月 11:00~16:00
 開館時間については、ご相談に応じます。
 団体にてご来館の場合は、5日前までにご連絡ください。
 バスの駐車場があります。

【休館日】
 毎週火曜日、年末年始

【入場料】
 無料

【住所】
 〒961-0835 福島県白河市白坂三輪台247
  電話 0248-28-2108 FAX 0248-21-0968
  (アウシュヴィッツ平和博物館内 ※仮設)

【アクセス】
 電車:東北本線白坂駅から徒歩5分
 自動車:東北自動車道白河ICから10分
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【各メディア報道】

【朝日】原発事故の「歴史」後世に 福島・白河に市民がセンター

【毎日】原発災害情報センター、来月19日オープン 無料の利用施設へ、募金呼び掛け--白河 /福島

【時事】原発災害情報センター開設=アウシュヴィッツ博物館に―福島

【福島民報】災害情報センター開所 白河


【その他】
・施設周辺の原発事故直後の空間放射線量は1μSv/hを超えるところもあるなど、郡山市並みの汚染状況でしたが、関係者による除染作業の結果、現在は0.2μSv/h程度となっています。安全な数値とはいえませんが、必要な防護(マスク等)をした上でご来場ください。

・資料センターの開設にあたっては、当ブログも(ほんのわずかですが)準備作業に協力しました。

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5月18日午後、福島県沖の地震について

2013-05-18 18:37:45 | 気象・地震
「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」について(第68報)-平成25年5月18日14時48分頃の福島県沖の地震-(気象庁報道発表)

東北沖で震度5強を記録する地震は久しぶりではないだろうか。前日から福島原発事故がらみの用事で妻が福島県内に滞在しており、帰宅できなくなるのではないかと心配だった。また、発生時刻が14時48分と、3.11(14時46分)とほぼ同じだったことから、あの日を思い出した人もいるのではないだろうか。

地震の規模はM6.0と、3.11の余震としては久々に規模が大きかった。震源深さは46kmで、3.11(約10km)と比べればやや深かった。発震機構(地震のメカニズム)は西北西-東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型(速報)で、3.11と方向まで全く同じ。報道発表のタイトルから、気象庁が3.11の余震とみていることがわかるが、当ブログも同じ見解である。

3.11の余震は、今後も数十年、あるいは100年スパンで続くこともあり得る。この程度の余震は、今後も起こりうるであろう。東北地方では、引き続き注意を怠らないようにしてほしい。

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橋下大阪市長の暴言に抗議する

2013-05-17 21:08:52 | その他社会・時事
ここ数日来報道されている橋下徹・大阪市長の一連の発言は、当ブログとしてはコメントにも値しない粗暴で低レベルのものであり、本来なら今までと同様、黙殺するつもりだった。しかし、これ以上沈黙を続けることで発言を容認していると受け止められた場合、当ブログにとって政治的打撃になりかねないことから態度を表明することにする。とはいえ、橋下市長の暴言に対し、理性的に対応できる自信が当ブログにはないので、これまでに各界から出されている声明などをご紹介する。

韓国など諸外国からも声明は出されているが、あえて国内団体のものを中心に引用する理由は、日本にも良心を持った人々が大勢いて橋下発言に抗議していること、この問題が先の戦争における加害国・日本の問題であることを示すためである。

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国際人権NGO「ヒューマンライツナウ」の抗議声明

【声明】橋下徹大阪市長・日本維新の会共同代表の従軍慰安婦・沖縄発言に抗議し、発言の撤回・慰安婦制度の被害者への謝罪を求める

橋下徹大阪市長・日本維新の会共同代表の従軍慰安婦・沖縄発言に抗議し、発言の撤回・慰安婦制度の被害者への謝罪を求める。

1 5月13 日、橋下徹大阪市長・日本維新の会共同代表は、第二次世界大戦中の「従軍慰安婦」は「必要だということは誰でもわかる」などと述べ、2007年の第一次安倍内閣の閣議決定に言及しつつ、「暴行脅迫をして女性を拉致したという事実は今のところ証拠に裏付けられていませんとも述べた。橋下氏の発言は、「従軍慰安婦」制度の強制性を否定するとともに、深刻な人権侵害である「従軍慰安婦」制度を「必要性」の名のもとに正当化・容認するものである。さらに、性犯罪が続く沖縄の在日米軍に関連して、沖縄米軍の司令官に対して「日本の風俗業を活用してほしい」とも発言している。橋下氏は、「反省とおわび」「慰安婦に配慮を」などと弁明し、在日米軍に対する発言については「国際感覚がなかった」などと弁明を繰り返しているものの、発言の根幹は撤回していない。国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ(HRN)は、女性の人権と人間の尊厳を踏みにじり、紛争下の性暴力という最も深刻な人権侵害を正当化しようとする橋下氏の一連の発言に強く抗議する。

2 第二次世界大戦中、朝鮮半島、中国、フィリピン、インドネシア、オランダ等の女性が、旧日本軍兵士によって「従軍慰安婦」として性的な凌辱を受けてきた。女性たちは監禁され、性行為を強要され、拒絶すれば残酷な暴力がふるわれた。その実態は国連「女性に対する暴力」特別報告者ラディカ・クマラスワミ氏の調査報告その他の国連調査報告に正当に認定されている通り、旧日本軍による「性奴隷制」にほかならない。

「従軍慰安婦」制度の実態は、人間の尊厳を著しく踏みにじるものであったため、女性たちは心身に極めて深刻な傷を負い続けてきたものである。国際刑事裁判所に関するローマ規程に明記されている通り、組織的かつ広範な、または戦時下におけるレイプ、性奴隷制、強制買春は、「人道に対する罪」「戦争犯罪」を構成する最も深刻な国際犯罪のひとつである。「従軍慰安婦」制度が、国際法に違反する、深刻な女性に対する人権侵害であり、いかなる意味においても正当化・合理化できないことは明白である。

一連の発言は、「慰安婦」とされた被害女性たちの心情をさらに深く傷つけるとともに、重大な人権侵害である戦時性暴力を容認するものであって到底許されない。また、沖縄に関する発言は、戦争遂行・軍の維持のためには女性が性的搾取の対象となってもよいと積極的に推奨するに等しく、軍隊による紛争下の性暴力の廃絶の努力を否定しようとするものであり、同時に基地があるがゆえに性犯罪被害に苦しみ続けてきた沖縄の人々をさらに傷つけるものである。発言の重大性に鑑みれば、橋下氏は、速やかに発言を撤回・謝罪し、公職を自ら辞任すべきである。

3 慰安婦に対する強制が証拠によって裏付けられていない、とする橋下氏の発言は、「政府が発見した資料の中には、軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述も見当たらなかった」とする2007年の第一次安倍内閣の閣議決定に端を発したものであり、 今回の発言は橋下氏一人の問題にとどまらない。1993年8月3日の河野官房長官(当時)談話は「慰安所は、当時の軍当局の要請により設営されたものであり、慰安所の設置、管理及び慰安婦の移送については、旧日本軍が直接あるいは間接にこれに関与した。慰安婦の募集については、軍の要請を受けた業者が主としてこれに当たったが、その場合も、甘言、強圧による等、本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、更に、官憲等が直接これに加担したこともあったことが明らかになった。また、慰安所における生活は、強制的な状況の下での痛ましいものであった。」と明確に軍の関与と慰安婦制度の強制性を認めている。また、少なからぬ戦後補償裁判において、「従軍慰安婦制度の強制的な性格は認定されてきた。さらに、多くの生存する被害者たちは、強制的な連行や、甘言による詐欺によって集められ、意に反して慰安婦とされたことを訴えている。この期に及んで「従軍慰安婦制度の強制的性格は否定することは歴史の歪曲として到底許されない。

人権侵害の重大性にもかかわらず、日本政府は被害者に対する直接的な国家補償、謝罪、被害者への十分な救済措置を怠り、安倍政権下では、河野談話を見直して、慰安婦制度の強制性を否定しようとする動きもある。 こうした日本の態度は自由権規約委員会、女性差別撤廃委員会、拷問禁止委員会、ならびに国連人権理事会普遍的審査等の国連人権機関から繰り返し非難されている。長年にわたり救済を受けてこなかった「慰安婦制度の被害者に対して、人権侵害の事実を正面から認めたうえで公的な謝罪をすることが求められている。

私たちは、日本政府に対し、橋下氏の一連の発言を公式に非難し、「従軍慰安婦制度が強制的性格を有し、重大な人権侵害であることについて、留保なしに明確に再確認するよう求める。

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「女たちの戦争と平和資料館」(WAM)の抗議声明

抗議声明
日本維新の会共同代表・橋下徹大阪市長の発言に抗議し、謝罪と発言撤回、退陣を求めます

 2013年5月13日の大阪市庁舎での記者会見で、大阪市長であり、政党の共同代表であるあなたは、かつて日本軍がアジア全域に慰安所を作り、アジア各地の女性たちを性奴隷にして強かんを繰り返した日本軍「慰安婦」制度を「必要だった」と述べました。

 「銃弾が雨嵐のごとく飛び交う中で命をかけて走っていくときに、精神的にも高ぶっている猛者集団をどこかで休息させてあげようと思ったら、慰安婦制度が必要なのは誰だってわかる」と言ったのです。

 これを聞いて私たちは、激しい怒りを抑えることができませんでした。

 それは、今も心身の傷に苦しんで尊厳の回復を求めている被害者たちを、一層深く傷つけるものだからです。

 女性を戦争の道具とし、性暴力を肯定することは、全ての女性を冒?し、女性の人権を著しく侵害するのだということを、あなたはご存じないのでしょうか。

 あなたの“「慰安婦」制度必要論”は、各地におびただしい数の慰安所を作った旧日本軍の論理そのものです。

 1937年の「南京大虐殺」では多数の強かん事件が発生し、中国の人々の反日感情の高まりと国際的な非難の声を抑えようとした軍の上層部は、強かん防止のためにも慰安所の設置を急ぎました。これが中国各地に慰安所が作られるようになったきっかけです。しかし、慰安所の設置は兵士の「性的な欲求を解消」するどころか、更なる強かん事件を生み出しました。

 あなたは、「当時の歴史を調べたら、日本国軍だけでなく、いろんな軍で(慰安婦を)活用していた」と言っていますが、日本軍のように戦地や占領地の全域に、それも15年以上もの長期間、慰安所を設置・運営し、占領地や植民地の女性たちを監禁して強かんし続けた国は世界に見当たりません。

 万が一そのような軍隊が他国にあったとしても、だからと言って日本軍の犯罪が許されるわけではありません。また、あなたは繰り返し、「軍や官憲による、慰安婦の強制連行を示す証拠は無かった」と主張しますが、被害者の証言から分かる事実に、なぜ向き合うことができないのでしょうか。

 私たち資料館は7年にわたり日本軍「慰安婦」制度の被害と加害の事実について記憶し記録する活動を続けています。

 アジア各地で被害に遭われた、たくさんの女性たちの証言から分かるのは、彼女たちが意に反して慰安所へと連行され、強かんされた事実です。そして休暇を取ることも、辞めることも、逃げることも許されず、強かんされたという事実です。日本軍が制度として慰安所を設置・管理・運営したことが持つ意味を直視してください。

 日本軍が「慰安婦」制度を作り上げて女性たちを犠牲にしてきたことは歴史的な事実として、世界の人々が知っています。

 戦時性暴力が重大な人権侵害で、根絶すべき戦争犯罪であるということもすでに国際的に認知されてきました。

 このような戦争犯罪を肯定する人が公職にあり、衆議院では第3にある党の共同代表であることに、私たちは恥ずかしさと強い憤りを覚えます。

 さらにあなたが沖縄の普天間基地を視察した時、米軍の司令官に、「もっと風俗業を活用してほしい」と発言し、「ばかげている」といなされました。しかしあなたは、「アメリカはずるい。アメリカは一貫して、公娼制度を否定する。しかし米軍基地の周囲で風俗業が盛んだったことも歴史の事実」と開き直っています。このように差別的で人権を無視し、旧態依然とした性意識が染み付いている人が、政治的リーダーであることに大きな恐怖をおぼえます。

 私たちはあなたの発言に対して激しく憤り、強く抗議します。

 直ちに「慰安婦」被害者を深く傷つけたことを謝罪し、発言を撤回してください。

 そして大阪市民とすべての日本人に対して、公職にあるまじき発言を繰り返したことを謝罪し、その責任をとって退陣されることを求めます。

2013年5月17日
アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」(wam)
運営委員一同 館長 池田恵理子
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橋下市長の破廉恥な暴言に断固抗議します

「銃弾が雨嵐のごとく飛び交う中で命をかけて走っていくときに、精神的にも高ぶっている猛者集団をどこかで休息させてあげようと思ったら、慰安婦制度が必要なのは誰だってわかる」

これほど非常識で人権感覚のかけらも見当たらない考え方を「誰だってわかる」という根拠は一体なんなのでしょうか。

どう考えても「慰安婦制度が必要だ」などとは理解できない私たちは、橋下市長、あなたから見たら「誰だって」に入らない、つまり「人」の範疇にも入らないのでしょうか。

改めて伺います。

「慰安婦」制度はなぜ「必要」なのですか。戦争に駆り出された男たちを「休息」させるため、とあなたは言うでしょう。では、なぜ男たちを「休息」させなければならないのですか。「銃弾が雨嵐のごとく飛び交う中で命をかけて」いるから、とあなたは言うでしょう。

では、なぜ彼らは「命をかけ」なければならないのですか。

結局、あなたの論は、侵略戦争の肯定から始まっているのです。戦争を否定するならば、男たちが「命をかける」必要も、「慰安婦」制度も必要ないことが分かるはずです。

私たちは、他国を侵略し殺し奪うこと、そのような戦争に男性たちを駆り出すこと、そしてその兵士たちに「休息」を与えるために女性を性奴隷にすること、それらすべてを徹底的に否定し、拒否します。人が人として生きていくことを守りたいと願う私たちには、あなたの言っていることの意味が全く分かりません。

これに止まらず、あなたは「普天間に行った時に、沖縄の海兵隊の司令官にもっと風俗業を活用して欲しいと言った」と臆面もなく述べています。「凍り付いたように苦笑いになってしまった」司令官に対して「性的なエネルギーをある意味合法的に解消できる場所が日本にあるわけですから、もっと真っ正面からそういうとこを活用してもらわないと、海兵隊の猛者の性的なエネルギーをきちんとコントロールできないじゃないですか、と。建前論じゃなくてもっとそういうところを活用してくださいよ」とさらに食い下がり、「もうこの話はこれ以上やめようと打ち切られた」と、恥ずかし気もなく公表するあなたの厚顔無恥さには開いた口が塞がりません。

あなたは「なぜ日本が世界から非難されているかを日本国民は知らなければならない」と繰り返し述べています。

なぜ非難されるのか。あなたのような為政者がいるからです。

女性の人権を一顧だにせず、21世紀に生きる多くの人々が共有する人権感覚も共有できずに、女性を戦争の具として蹂躙することをよしとする立ち後れた認識が「誰にでも」共有されると信じている幼稚な為政者がいるからです。

あなたは「無理矢理、強制的に、意に反して、慰安婦を拉致して、そういう職業につかせた、レイプ国家だということで世界は日本を非難している」とし、日本だけではない、世界中のどこの国にも「慰安所」制度はあったし、「強制連行」した証拠はないと繰り返しています。

このような言説こそが、世界の人権感覚から非難されているのだという事実に、そろそろ気づいてもいいのではないですか。世界は「強制連行」を問題にしているのではありません。女性たちが「意に反して」慰安所に捕らわれ、居住の自由、外出の自由、廃業の自由、拒否する自由もない中で兵隊の性処理の相手を強要されたこと、そのような制度を軍が主導して、軍が管理統制していたこと、そしてその事実に対して未だに日本の為政者が「官憲が暴力的に連行」していないと弁明すれば国家の威信が保たれると勘違いしている、その人権感覚の低劣さと現状認識のお粗末さを非難しているのです。

橋下市長に要求します。

―再び日本軍「慰安婦」被害者を傷つけ、癒しがたい傷を負わせたことに対し謝罪すること
―沖縄を貶め、大阪市民ならびに日本国民が世界に対して恥をかくような発言をしたことに対し謝罪すること
―人権無視の暴言の責任をとって直ちに退陣すること

日本軍「慰安婦」問題解決全国行動
共同代表  梁澄子 渡辺美奈
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シエスパ事故から改めて企業責任を問う~この国はいつまで同じことを繰り返すのか(&極悪裁判長覚え書き)

2013-05-16 22:26:38 | その他社会・時事
シエスパ爆発 管理者に無罪判決 「企業責任、問いたかった」(東京)

2007年、渋谷区の温泉施設「シエスパ」で爆発が起き、3人が死亡した事故で、東京地裁(多和田隆史裁判長)は施設を建設した大成建設役員に有罪、温泉施設運営会社の元役員には無罪を言い渡した。

判決概要は記事の通りで、事故の予見可能性が焦点。大成建設がみずから施設を建設しておきながら、温泉施設運営会社に爆発の起きないメンテナンス方法を伝えていなかった、として大成建設の過失のみを認めた。

これ以上の概要はリンク先をご覧いただきたいが、当ブログが問いたいのは2点ある。1点は遺族が口にした企業責任のあり方。もう1点は、メーカーの責任をどう考えるか、という点だ。

1点目については当ブログのこれまでの主張と同じである。「やはり個人だけでなく、企業の刑事責任を問いたかった」「裁かれるのは担当者に過失があるかどうかだけ。再発防止のためにも企業責任を問うことが必要なのに」という遺族の言葉は、これまでも過失による事故が起き、企業が「業務上過失致死傷」に問われるたびに聞かれ続けてきた言葉である。またなのか、と暗澹たる気分になる。それでも今回の事件では、施設を建設した大成建設の責任が認定されただけよいといえるであろう。何しろこれまでの過失事件では、個人には業務上の権限がなく、法人は責任主体になれないことから、誰も罪を問われないのがむしろ当然とでも言わんばかりの社会的風潮だった。

そうした風潮が変わり始めたのは、2005年のJR福知山線事故あたりからだろう。日本企業のガバナンスのでたらめさが明らかになり、事故の責任は次第に「個人から企業へ問うべき」という考え方が強まった。2011年の福島原発事故はこの流れを決定づけた。

はっきり言おう。日本の刑法は時代遅れである。企業責任が一切問われない現行の刑法が今のままでいいと思っているのは、もはや経団連だけだろう。私たちは、企業をメインターゲットとして法的責任を追及し、負わせる新たな法体系の構築に今すぐ取りかかるべきだ。

もし、誰もこの仕事に取り組まないようなら、当ブログと安全問題研究会が「企業犯罪処罰法案」(仮)の原案を作成し、国会議員ロビー活動を行うことも辞さない覚悟だ。

もうひとつ、この裁判が問いかけているのは、「やはり過失による事故の責任は製造者たるメーカーにこそ存在するのではないか」ということだ。福島原発事故に関連させて言えば、原子炉メーカーは製造物責任法を適用除外とされていて、どんなに事故を起こしても責任を問われないことになっている。国は、やはりメーカーの責任が問われることを恐れ、「先回り」する形でメーカーを「無責」としたに違いないのだ。

もしメーカーの責任が問われることになれば、こんな怖いもの、とても扱えないと製造をやめる企業が続出するであろう。懲りない原子力ムラ、推進派がいかに原発を続けたくても、原子炉を作るメーカーがなくなれば終わりだ。

そう考えると、原子炉メーカーに対する製造物責任法の適用除外をやめ、彼らに無過失・無限責任を負わせることも重要だと思う。

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ところで、シエスパ事故とは何の関係もないが、この事件の訴訟を担当した多和田隆史裁判長の名前が出たついでに、この史上最悪の「極悪裁判長」について触れないわけにいかない。

東京地裁はじめ日本の裁判所が、権力・企業を助け、弱者を踏みにじる不当判決を毎日のように出し続けていることは今更言うまでもない。過去には、原発運転差し止めを巡って争われた裁判で、「原発は安全」として住民の訴えを棄却する判決を書いた後、原発メーカー・東芝に天下りした裁判長すら存在する(参考記事)。そうした数々の不当判決を、プラカードに書いて東京地裁前に立ち、ハンドマイク片手に糾弾し続けるひとりの男性がいた。大高正二さんという。

東京地裁は、その存在がよほど目障りだったらしく、警察と結託して大高さんを無実の罪で逮捕させたが、その刑事訴訟を担当したのが多和田裁判長だったのだ。

その裁判での訴訟指揮ときたら、暗黒裁判という言葉すら生ぬるいほどのでたらめさで背筋が寒くなる。詳しくは、レイバーネット日本のサイトに臨場感ある報告が出されている。この裁判長の名は、日本暗黒裁判史には必ず刻まれなければならないと思う。

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信楽高原鉄道事故から22年

2013-05-14 23:02:07 | 鉄道・公共交通/安全問題
信楽事故22年、遺族ら追悼法要 安全責任肝に銘じ(京都新聞)

1991年、42人に及ぶ死者を出した信楽高原鉄道事故から22年の今日、リンク先記事にあるとおり、現地で慰霊祭が行われた。JR西日本からは真鍋精志社長が出席、運輸安全委員会から松本陽・鉄道部会長も参加した。運輸安全委員会はこの事故が生み出したようなものだ。記事にも登場する吉崎俊三さんらによるTASK(鉄道安全推進会議)の活動が、航空事故調査委員会を航空・鉄道事故調査委員会へ改編される契機となったからである。

記事によれば、事故以来20年間調整がつかないままになっていた被害者への賠償について、ようやくJR西日本と信楽高原鉄道側の間の民事調停がまとまった。2011年4月の大阪地裁判決(確定)によって過失割合はJRが3割、信楽側が7割となった。施設を保有し、運行に責任を負っている信楽側がより大きな負担をすべきだというのは、法律論としては理解できるものの、この事故の発生に至る経過(全線1閉塞の信楽高原鉄道に信号場設置~世界陶芸祭に合わせてJR西日本から臨時列車が乗り入れ)を考えれば釈然としないものがある。ましてや、信楽線は旧国鉄特定地方交通線として国鉄~JRから切り捨てられた路線だ。儲からないからと切り捨てておいて、儲かりそうなイベントが開催されるときだけ切り捨てたはずの赤字路線を利用、事故が起きれば自分の方が少ない賠償で頬被りというのでは、JRのモラルは問われて当然だろう。

その上、JR西日本と信楽の間ではつい最近まで賠償の負担割合を巡る調停が続いていた。尼崎事故を起こし、社会的糾弾を浴びていた最中にも、1円でも多く信楽側に押しつけようとあらゆる手を使って画策していたのだから、「安全第一の企業風土」が聞いて呆れる。

とはいえ、記事にあるように慰霊祭がJRと信楽の共催となったことは一歩ならぬ半歩前進と受け止めたいと思う。尼崎事故への対応を見る限り、JR西日本は安全最優先にはほど遠いのが実態であり、慰霊祭を共催しながらも何が事故原因で、遺族の願いに応えるために自分たちが何をなさねばならないか、つかみあぐねているように見える。残念ながら、遺族、そして当ブログの闘いはこれからも続いていかざるを得ない。

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