安全問題研究会~鉄道を中心とした公共交通を通じて社会を考える~

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2008年を振り返って~今年の総括(鉄道編)

2008-12-31 20:00:00 | 鉄道・公共交通/趣味の話題
さて、2008年もいよいよ大晦日となった。2008年の全線完乗達成状況をまとめておこうと思う。

【3月】鹿島線、鹿島臨海鉄道、おおさか東線〔新規開業線〕
【5月】磐越西線、左沢線、仙山線
【6月】東京地下鉄有楽町線、副都心線〔新規開業線〕、東京都交通局日暮里・舎人ライナー〔新規開業線〕、北上線、田沢湖線
【7月】埼玉新都市交通伊奈線、水郡線
【9月】高徳線、牟岐線、阿佐海岸鉄道、土佐くろしお鉄道中村線、宿毛線、会津鉄道、野岩鉄道、東武鬼怒川線
【10月】仙石線、東武野田線、東武亀戸線
【11月】阪和線、紀勢本線、阪神西大阪線、信楽高原鐵道、京阪中之島線〔新規開業線〕

合計…29線

〔内訳〕
【JR】13線
【国鉄JR転換三セク】3社3線
【上記以外の三セク】4社4線
【公営】1線
【大手私鉄】4社7線
【地方中小私鉄】1社1線

結果的には2007年の22線を上回ることができた。2007年に比べ、はるかに仕事が忙しかったことを考えると、よく頑張ったといえる。

全体を眺めてみると、新規開業線が4線区と目立った一方、廃止(予定)線がひとつもなかった。その理由は単純で、2008年は廃止路線がなかったからだ(実際には三木鉄道があったが、2007年中に乗車済み)。ずっとこんな平和な年であってくれるといいのだが…。

さて、9月末の中間報告の時点で、扱いを検討中だった「国鉄JR転換以外の三セク」(4社4線、具体的には鹿島臨海鉄道、阿佐海岸鉄道、土佐くろしお鉄道のうち宿毛線、そして野岩鉄道)を最終的にどうするか検討した。このグループのうち鹿島臨海鉄道以外の3線はいずれも国鉄再建法施行に伴う工事凍結線を、その後設立された第三セクターが凍結解除させ開業したグループという特徴がある。開業がもう少し早ければ「国鉄JR転換三セク」に分類されたであろうグループで、開業時期だけに着目して「その他三セク」に分類するのは実態にそぐわない感じもしたが、検討の結果、このままの形で整理することにした。

昨年、今年の2年間で48線と大量乗車した結果、JR線の乗車達成率は86%となり、全線完乗が一気に近づいた。

さて、そんなわけで、少し早いが、当ブログの2008年を本エントリーをもって締めくくることにする。鉄道以外の2008年総括と新年恒例の年間目標は、新年早々にアップする。

では、皆さん、よいお年を。

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新幹線のダイヤ、4日連続で乱れる…帰省ラッシュを直撃

2008-12-30 22:17:06 | 鉄道・公共交通/安全問題
新幹線のダイヤ、4日連続で乱れる…帰省ラッシュを直撃(読売新聞)

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 正月をふるさとで過ごす人たちの帰省ラッシュが30日、ピークを迎えた。

 29日にはシステムトラブルで東北、上越新幹線などのダイヤが大幅に乱れたが、この日は東海道新幹線で人身事故による遅れが発生。新幹線は、年末に4日連続でダイヤが乱れる事態になった。

 JRによると、この日は特に午後からの混雑が激しく、午後3時12分東京発新潟行きの上越新幹線「Maxとき329号」の自由席乗車率が180%となるなど、東京駅からの下りの新幹線の多くで乗車率100%を超えた。31日午前中まで込み合う見込みという。

 東海道新幹線の事故は30日午後3時55分頃、神奈川県小田原市のJR小田原駅構内で発生。ホームから線路内に入った女性が、東京発新大阪行き「のぞみ249号」にはねられ、全身を打って即死した。神奈川県警小田原署は自殺とみて調べている。

 この影響で、同線はおよそ1時間半にわたって全線で運転を見合わせ、上下約140本に最大1時間45分の遅れが出て、約17万人に影響が出た。東京駅では、帰省客らが事故の影響などを駅員に問い合わせる姿もあった。
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飛び込み自殺はJRの責任ではないものの、これで年末年始の帰省ラッシュ輸送期間中、4日連続でダイヤが乱れる異常事態となった。

最近、新幹線での飛び込み自殺が増えている。2003年夏、東海道新幹線で金網を乗り越えて男性が新幹線内に入り死亡した自殺をきっかけに、新幹線に飛び込む人が増えた。JR各社にとって頭が痛いと思うが、高さ2メートルのフェンスさえ乗り越えて線路内に進入する人がいる現状では、どうやっても自殺を完全に防ぐことは難しいと思う。やはり、年間3万人を超える人が自殺をしている日本社会を、早く再建して「住みやすい国」に戻すことが必要だろう。
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新幹線システム障害、運輸局がJR東日本に警告書(読売新聞)

 JR東日本の新幹線運行管理システムが29日、トラブルを起こし、帰省客ら約13万8000人に影響が出た問題で、国土交通省関東運輸局(横浜市中区)は30日、JR東日本に対し、早急な原因究明と再発防止を求める警告書を出した。

 警告書では、「年末で利用者が集中する時期に多大な影響を与えた」「前日(28日)の運行終了後の対応が不十分だったと考えられ、誠に遺憾」と指摘した。文書を受け取ったJR東日本の宮下直人安全対策部長は、「厳粛に受け止め、全力で再発防止に取り組みたい」とコメントした。

 同運輸局やJR東日本によると、障害が起きたのは、東北、上越、長野、山形、秋田の5新幹線の運行を一括管理する新幹線総合システム「COSMOS(コスモス)」。28日に長野、山形、秋田の3新幹線で大雪や車両トラブルがあり、コスモスのデータを変更した際、処理に不備があった可能性が高いという。

 JR東日本が警告書を受けるのは、4月に東京都国分寺市の変電所火災で中央線ダイヤが混乱し、約50万人に影響したトラブルを含め、今年5回目。
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JR東日本関係者を通じて私に伝わってきた情報によれば、どうやらJR東日本自身も相次ぐトラブルに危機感は持っており、社内に「非常事態宣言」なるものが出されているらしいと聞く。しかし、この関係者によれば「何が原因なのか、JR東日本上層部は全く状況を把握できていない」という。

JR東日本に欠けているのは「科学的思考法」と「運行現場の余裕」である。前者の科学的思考法とは、事故・トラブルを「施設・設備の不安全状態」と「人間の不安全行動」から解明しようとする姿勢であり、これらの不安全要素を取り除く活動が科学的解決法となるわけだが、JR東日本はこれが全くできていない。

トラブルの原因を究明してそれを取り除く日常的点検活動自体は行われているように見受けられるが、ひとつのトラブルの原因が究明されるよりも、行きすぎた省力化・合理化によって新たなトラブルの芽が現場に持ち込まれるほうがはるかに速いため、結果としてどんどんトラブルが増えていっている。

運行現場の余裕に関して言えば、新幹線で4日連続の乱れが続くことは確かに珍しいが、国鉄時代の1980年代には暴風雪や倒木、心ない乗客の車両への悪戯などが続き、1週間連続してダイヤが乱れたこともあった。ちょうど、この年末と同様、考えられる限りのありとあらゆるトラブルが一挙に襲いかかってきた、国鉄当局にはかなり気の毒なケースだった。そういう事例をデータベース化して、システムにそれを上回る処理能力を持たせておけばよいのだが、現状、JR東日本ではそのような余裕のある運行体制が取られていないのである。

危機管理というのは結構金がかかるものだが、JRでは利潤を極大化しようとするあまり、最低限のシステムで最大限の列車運行をコントロールしようという、アクロバット的なシステムになっているように思う。この点に大胆なメスを入れない限り、今後も同様のミスが続いていくことになるのではないだろうか。

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新幹線 システムトラブル直撃 13万7千人に影響

2008-12-29 23:59:32 | 鉄道・公共交通/安全問題
新幹線 システムトラブル直撃 13万7千人に影響(毎日新聞)

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 JR東日本の新幹線運行管理システムでトラブルが発生し、東北、上越、長野、山形、秋田の各新幹線は29日始発から約3時間にわたって運転を見合わせた。午前8時55分から順次運転を再開したが、上下112本が運休し、146本に最大で4時間22分の遅れが出て約13万7700人に影響した。年末の帰省ラッシュに重なったことから、多数の乗客が足止めされるなど各駅は混雑し、ダイヤの乱れは夜まで続いた。

 JR東日本によると、トラブルがあったのは、ダイヤや車両の割り当て(車両運用計画)などを一元的に運行管理するシステム「COSMOS(コスモス)」。通常は終電後、翌日のダイヤや運用計画に自動的に切り替わる。しかし、28日に山形、秋田新幹線が大幅に乱れたため自動更新できず、29日分の運用計画を手動で入力した。始発までに作業を終えたが結果が反映されず、再度入力すると復旧した。1度目の入力が失敗した原因は分からないという。

 運休は東北、山形、秋田新幹線が計69本、上越新幹線27本、長野新幹線16本。JR東日本広報部は「お客様の多い時期にトラブルを発生させてしまい深くおわび申し上げます」としている。【工藤哲、川崎桂吾】
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9月28日に発生した新幹線トラブルは、デジタルATCの不具合が原因だったが、今回はCOSMOSのトラブルらしい。

最近、JR東日本管内の新幹線はトラブルが多すぎる。こんなことでは、安心して乗客が利用できる公共交通機関の名に値しないと思うが、まぁ、ここ数年のJR東日本は駅ビル業が本業で、鉄道業が副業という状況になっているからさもありなんという感じである。

もう言い疲れた感もあるが、JR東日本は「本業」の鉄道業の総点検をするべきである。駅ビル業なんか大手百貨店にでも任せておいて、さっさと鉄道業の再建を図ってもらいたい。

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山形新幹線、5時間不通…う回の乗客ぐったり

2008-12-27 23:58:54 | 鉄道・公共交通/安全問題
大雪:山形新幹線、5時間不通…う回の乗客ぐったり(毎日新聞)

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 強い冬型の気圧配置となった27日、全国的にこの冬一番の冷え込みとなった。北日本を中心に東~西日本の日本海側でも大雪となり、JR山形新幹線が風雪による倒木でストップし、乗客が車内に閉じ込められるなど約5時間不通になったほか、北海道・東北などを発着する航空機も同日午後4時現在、25便欠航し、帰省の足を直撃した。

 気象庁によると、同日午後10時現在、積雪は多いところで▽青森市・酸ケ湯(すかゆ)163センチ▽福島県檜枝(ひのえ)岐(また)村111センチ▽群馬県みなかみ町94センチ。24時間降雪量も福島、岩手県内などで40~50センチを記録した。この日の最大瞬間風速は▽北海道羅臼町38.1メートル▽山形県酒田市・飛島30.4メートル--などとなった。

 山形新幹線では、27日午後1時40分ごろ、福島市内の山間部を走行中の東京発山形行き山形新幹線「つばさ181号」(7両編成)が、前日からの降雪と強風の影響で線路側に倒れかかっていた樹木と接触、樹木は架線にも触れ、停電した。

 JR東日本によると、福島-米沢間の下り線が同6時50分まで不通となった。約360人の乗客は約1時間半、車内に閉じこめられた後、現場付近の上り線に臨時停車させた山形発東京行き「つばさ116号」に乗り換えてもらい、福島駅に戻った。その後、さらに東北新幹線で仙台駅まで行き、仙山線で目的地に向かったため、山形駅到着は約4時間以上遅れ同7時過ぎになった。

 福島駅に戻った乗客はぐったりした様子。千葉県の無職、松田康人さん(73)は「突然『バリバリバリ』という音がして電気が消えた。具合が悪くなった人もいた。はしごを使って新幹線から上り下りし、林を横切って雪の中を歩き疲れました」と話した。妻の実家に向かっていた東京都江戸川区の会社員、三輪純史さん(32)は「車内放送があいまいだった。自然災害で仕方がないが、もっとしっかりしてほしい」と憤った。

 28日も北日本を中心に雪を伴う非常に強い風が吹き、海は大しけが続く恐れがあり、同日朝までの24時間の降雪量は東北日本海側70センチの見込み。【樋岡徹也、鈴木一生、松本惇】
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時ならぬ年末荒天が、帰省客を直撃した。
それにしても、反対方向の列車に乗り換えて仙台まで行ってから、仙山線で山形入りとは、大変だったに違いない。

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羽越線列車転覆事故から3年

2008-12-25 23:41:54 | 鉄道・公共交通/安全問題
発生から3年、追悼慰霊式 いなほ脱線転覆事故(山形新聞)

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 庄内町榎木のJR羽越本線で特急いなほ14号が脱線転覆し、犠牲者5人、負傷者33人を出した事故は25日で発生から3年を迎え、JR東日本による追悼慰霊式が同日午後、事故現場に建立された慰霊碑前で行われた。癒やされることのない遺族の悲しみを物語るかのように冷たい雨が降り注ぐ中、参列者は犠牲者の冥福を祈るとともに、事故の再発防止を願った。

 慰霊式には遺族やJRの関係者ら約150人が参列。JR東日本の清野智社長は「ご遺族の皆さまの時計の針は止まったままであり、大切な家族を失った心の痛みは消えることはなく、痛恨の念を禁じ得ない」と追悼の言葉を述べ、「この事故を決して風化させることなく、今後の重い教訓とする」と安全対策の徹底を誓った。

 参列した遺族計17人は、合掌する姿をかたどった慰霊碑に赴き、1人ずつ祭壇に花を手向けた。慰霊碑を見つめ、在りし日の故人をしのぶ男性や、ハンカチでそっと目頭をぬぐう女性の姿も。参列者の献花が終わった後、遺族はJR関係者に見送られながら、悲しみを押し殺すように式場を後にした。

 事故発生時刻の午後7時14分には、清野社長ら関係者が慰霊碑の前で黙とうをささげた。
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発生3年捜査難航 山形・庄内 羽越線転覆事故(河北新報)

 乗客5人が犠牲になったJR羽越線特急転覆事故は25日、2005年12月の発生から丸3年となる。原因究明と刑事責任の追及に力を入れてきた山形県警庄内署の捜査本部は近く捜査を終結させ、年度内にも業務上過失致死傷の疑いで立件するとみられる。当初、県警は1年以内の立件を目指したが、ほかの鉄道事故と同様、困難な捜査を強いられた。

 捜査の最大の焦点は、40トンもある列車の車体を横倒しにした突風が予測可能だったかどうかという点。自然災害か過失による事故かをめぐり慎重な捜査が進められた。

 JRの運行制御システムの検証や運転士の事情聴取、突風で吹き飛ばされた現場近くの農作業小屋の実況見分など、捜査は広範囲に及んだ。

 過去の鉄道事故でも、立件までには相当の時間がかかっている。乗客106人が死亡した05年4月の尼崎JR脱線事故。安全対策を怠ったとして、業務上過失致死傷容疑でJR西日本社長らが書類送検されたのは、発生から約3年半がたった今年9月だ。

 羽越線事故と同様、突風が事故原因とされた1994年2月の岩手県三陸町(現・大船渡市)で起きた三陸鉄道列車転覆事故の場合は約2年を要した。

 山形県警の長瀬恒夫刑事部長は「業過致死傷罪に問われる列車や航空機の事故の捜査は最も難しい。事故の背景や要因を探るため専門家に実験を依頼したり、意見を聞いたり必要な手続きを取ると、どうしても時間がかかってしまう」と言う。

 国土交通省の航空・鉄道事故調査委員会は今年4月、事故に関する報告書を公表。この中で「突風の発生は予測が難しく、運転士の運転についても問題はなかった」との見解をまとめた。

 これに対し、県警の捜査幹部は捜査の難しさを認めながらも「多くの死者、負傷者を出しており、事故の責任追及は不可欠」と立件への意欲を強調する。

 JR東日本の対応については山形地検も厳しい見方を示す。菅野俊明次席検事は「事故後に再発防止対策を実施するのは当然のこと。事故が起きる前に対策を講じていれば、悲惨な事故は防ぐことができたのではないか」と指摘。起訴に向けて捜査に全力を尽くす構えだ。

[JR羽越線特急転覆事故] 2005年12月25日午後7時14分ごろ、山形県庄内町のJR羽越線砂越―北余目間で秋田発新潟行き特急いなほ14号(6両編成)が脱線し、1両目から3両目が盛り土から転落して転覆。乗客46人のうち、1両目にいた5人が死亡。33人が重軽傷を負った。

2008年12月25日木曜日
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今日は、羽越線事故から3周年の節目の日である。

遺族会の活動が活発で、どんどん新しい情報が出てきている尼崎事故に比べ、この羽越線事故は遺族の表だった動きもなく、慰霊祭でさえまともな報道がほとんどないのは非常に問題だと思う。そんななかで、地元の山形新聞と河北新報(宮城県)からようやく見つけたのが上の記事である。

「事故後に再発防止対策を実施するのは当然のこと。事故が起きる前に対策を講じていれば、悲惨な事故は防ぐことができたのではないか」という山形地検の言葉には、私も同感だ。

日本の鉄道の安全対策は「事故が起きたら考える」という後追い型の対策がほとんどであり、そのために「事故の鉄道史」とでも呼ぶべき状況があった。

しかし、過去に他社で起きた事故の情報が共有されていれば、少なくとも同種の事故は回避できるはずであり、過去に突風が原因で起きた事故情報を漫然と受け流し、同種の事故を引き起こしたJR東日本の対応は不誠実のひとことに尽きる。この事故も、尼崎事故同様、JR幹部の起訴が必要であると考える。

当ブログは、この事故も尼崎事故同様、行きすぎた合理化と極度のシステム信仰・人間軽視が背景にあると考えており、情報が少ない中でも徹底してこだわっていきたい事故である。

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「高島貨物線踏破号」の旅

2008-12-24 23:32:36 | 鉄道・公共交通/趣味の話題
“乗り鉄”垂涎のプラチナチケット入手…めったに乗れない「高島貨物線踏破号」の旅(産経新聞)

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 品川、両国駅をそれぞれ出発し、大宮駅まで貨物線を乗り継ぐ珍しい臨時列車が運行された。「貨物線踏破の旅」と銘打ち、JR東日本東京支社が用意した乗車券はわずか30分で完売。その後も問い合わせは相次ぎ、いわゆる“乗り鉄”垂涎(すいぜん)のプラチナチケットとなった。2ルートのうち品川発の「高島貨物線踏破号」に同乗した。

■お座敷列車が工業地帯を疾走

 20日午前8時21分、品川駅(東京都港区)9番ホームに485系ジョイフルトレイン「華」が入線。カメラを手にした鉄道ファンたちが畳敷きのお座敷列車に乗り込んでいった。

 同35分、同駅を定刻通り出発。品鶴線(品川~鶴見、17・8キロ)に入り東海道新幹線と並走、新幹線が通過するとあまりの速さに窓全体が真っ白になる。同線は貨物線だが横須賀線の一部にもなっており、貨物列車だけでなく湘南新宿ラインや成田エクスプレスも走る区間だ。新鶴見信号場(川崎市幸区)で停車。

 午前9時ごろ、旅の序盤でいきなりハイライトの高島貨物線(鶴見~桜木町、8・5キロ)がやってくる。京浜工業地帯に点在する工場への貨物輸送が主な役割で旅客列車はめったに通らない。

 「貨物を運ぶ区間ですから高速で走れるように造られていないのではないか」

 隣の男性が説明するように電車は工場間をゆっくりと通過。乗客は車窓にくぎ付けになる。みなとみらい地区が遠くに見える東高島貨物駅(横浜市神奈川区)でしばらく停車した。

 午前9時11分ごろ、同駅を出発し、桜木町駅付近から根岸線(横浜~大船、22・1キロ)に入る。京浜東北線と直通する旅客線だが、当初は貨物線として計画されていたという。

 同45分ごろ、本郷台駅(横浜市栄区)付近から東海道貨物線(浜松町~小田原、80・8キロ)に入る接続線へ。短い区間だが、高島貨物線に次ぐ見どころになる。東急車輌が製造した車両の甲種輸送=貨物扱いで鉄道車両を牽引(けんいん)すること=のルートになるが、乗客を乗せた旅客列車はまず通らない区間だ。

 午前10時10分ごろ、大船駅(神奈川県鎌倉市)から東海道貨物線に入り茅ケ崎駅(同県茅ケ崎市)に到着。ここで折り返しとなった。

■ふだん見ることができない景色「絶品です」

 隣のテーブルに座っていた都内に住むコンサルタント業の柏尾知宏さん(25)は旅が趣味。その中でも「乗る楽しみもある鉄道が一番」と話す。「同じ区間でも毎日表情が違う。瞬間を目に焼き付けたい」といい、今回の旅は「ふだん乗れないところに行けるのが最大の魅力。絶品です」と感無量の様子だった。

 柏尾さんと一緒に参加した婚約者の佐々木幸織さん(21)も「いつも苦労して切符を用意してくれるから…」と苦笑しながらも、「きょうは窓が大きくて景色も見やすい」と満足そう。

 缶ビールを手に地図をながめていた三菱東京UFJ銀行に務める安居弘明さん(49)は、5年前に赴任先だったイタリアで国鉄の完全乗車を達成。約1万キロ、3年がかりという偉業を聞きつけた国鉄広報から取材を受け、新聞に取り上げられたこともあるという。

 安居さんは時折車窓に目を向けながら「向こうは遅れが当たり前。乗り継ぎがうまくいかなくて苦労した。イタリアではこんなことやる人がまったくいないらしく、国鉄広報はとにかく驚いていた」と楽しそうに振り返った。

■トンネル区間が4分の1

 午前10時19分ごろ、茅ケ崎駅を出発。大船駅付近で地下トンネルへ。珍しい荷役ホームのある横浜羽沢貨物駅(横浜市神奈川区)で少し地上に出たかと思うと、また地下へ。ここは東京と小田原を結ぶ通勤ライナー「湘南ライナー」が走る区間だ。新鶴見信号場に戻りしばらく停車し、午前11時2分に出発。武蔵野貨物支線へと入る。

 武蔵野線(鶴見~西船橋、100・6キロ)は府中本町駅(東京都府中市)から先は旅客運転もしているが本来は貨物線。土曜日のため貨物列車はあまり見掛けなかったが、沿線には貨物ターミナル駅、信号場がひんぱんに現れ、線路がいくつも並ぶ景色が楽しめる。

 新鶴見を過ぎるとまたすぐに地下区間。梶ケ谷貨物ターミナル駅(川崎市宮前区)で少し地上に出て再び地下に潜る。東海道貨物線を含め、約4時間の行程のうち4分の1ぐらいがトンネルになる。

 ようやく地上に現れると新座貨物ターミナル駅(埼玉県新座市)が見えてくる。途中、新秋津駅(東京都東村山市)近くで209系を改造したJR八王子総合訓練センターの訓練車や、東芝府中工場の廃線跡に103系が止まっていたりと、思いがけない景色が出くわすこともあった。

 午後0時11分ごろ、定刻通り大宮駅11番ホームに到着。「高島貨物線踏破の旅」は終わった。

 定員150人に対し、キャンセルを除く143人が参加。内訳は大人138人、小学生以下の5人。参加前は、マニアたちが良い景色が見える窓を奪い合ったり、見どころを通過するたびに大騒ぎしたりということを心配していたが、まったくの杞憂(きゆう)だった。

 じっくりと車窓をながめながらビデオカメラを回し続けたり、近くの人とこれまでの旅の話をしたり、その人なりの楽しみを追求するという実に大人のツアーであった。
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ツアーの存在自体は知っており、首都圏近郊に住んでいれば間違いなく私は応募しただろう。それにしても、鉄道専門誌でない一般紙でこのツアーを取り上げるメディアがあるとは驚いた。産経にはよほどの強者がいるらしい。

記事を読むたびに、嬉しそうに目を輝かせる記者の顔が想像できるから楽しい。
ああ、行きたかったなぁ。

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ささやかながら、合格祝い

2008-12-20 23:20:48 | 日記
11月30日付エントリで既報した第1種衛生管理者免許試験の合格発表が去る17日にあり、何とか合格することができた。会社に受験費用まで負担してもらって不合格にでもなったら目も当てられないと思っていたから、とりあえずホッとしたというのが正直なところだ。

労働安全衛生法の規定により、職場の安全衛生委員会には必ず衛生管理者が出席しなければならないことになっている。私の職場の場合、衛生管理者の先輩がいて、すでに安全衛生委員会のメンバーになっているから、私が合格できなくても直ちに影響はないのだが、彼がもし異動にでもなってしまったら困るわけだ。

12月10日には、妻が受験した介護支援専門員(ケアマネージャー)の試験の合格発表があり、妻も2度目の挑戦で合格している。今日は土曜日ということもあり、互いの合格を祝福するため、ランチに出かけた(ディナーにしようという話もあったが、クリスマス直前なのでやたら高いのだ)。妻が、前の職場の元同僚から聞きつけてきた和食の店で、おいしかった。

ちなみに、合格したことで、早速新年からは衛生管理者として職場で活動することになりそうである(安全衛生委員会には、衛生管理者が「最低1人」入ることが定められているだけで、規定より多いのは別に構わない)。

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<JRダイヤ改正>ブルトレ「はやぶさ」廃止…来年3月実施

2008-12-19 23:01:47 | 鉄道・公共交通/趣味の話題
<JRダイヤ改正>ブルトレ「はやぶさ」廃止…来年3月実施(毎日新聞)

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 JR旅客6社は19日、来年3月14日に実施するダイヤ改正を発表した。寝台特急・ブルートレインとして親しまれてきた「はやぶさ」(東京-熊本)、「富士」(東京-大分)が乗客減を理由に廃止となり、1958年10月の運行開始以来、半世紀ぶりに東京駅から姿を消す。

 東海道新幹線は「のぞみ」を1時間当たり最大9本、山陽区間への直通列車も最大5本に増発し、主力を高速性に優れたN700系に替えていく。東北新幹線は夕方に東京発仙台行き「はやて」を新設。東北、上越、長野各新幹線で一部列車の停車駅を見直す。

 首都圏は横浜線の朝夕ピーク時などに計3本、南武線の夜間帯に計2本、湘南新宿ラインは運転間隔が30分以上空白の時間帯に1往復増発し、ほとんどの列車を10両から15両編成とする。総武、東海道、成田各線などでも夕夜間帯に増発する。【斎藤正利】
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「富士ぶさ」廃止は昨年春改正からの既定路線だったとはいえ、公式発表されてみるとやはり寂しい。とはいえ、ブルトレに関しては国鉄末期から事実上何の手も打たれず「安楽死」政策がとられてきたことを思うと、致し方なしという雰囲気も漂う。

今回の廃止がきわめて大きいのは、これが「九州ブルトレ全廃」を意味することだ。山陽本線下関電化が完成以来約半世紀、阪神大震災による山陽本線の長期不通を除き、事実上1日たりとも休みなく行われてきた下関・門司での機関車交換の儀式も見納めになる。貨物列車の機関車交換は、駅から少し離れた操車場で行われ、下関・門司両駅のホームから旅客に見える形では行われないからだ。

JR東日本・西日本が保有する直流電機(EF66等)は大部分が要らなくなるし、JR九州の交流電機(ED76)も多客期輸送向けに数機は残るものの、全廃に近い状況になるだろう。田端や下関などの機関車配置区も縮小されることになり、この影響は多方面に及ぶことになる。

盆・正月などの波動輸送向けに、従来の形で寝台特急の臨時運転が行われる可能性は残っているが、そもそも車両の老朽化が原因で廃止されるだけに長くは期待できない。「あさかぜ」廃止後の「臨時あさかぜ」の運転も1~2年でなくなってしまったことを考えると、あったとしてもせいぜい2~3年ではないだろうか。

3月改正前後は、一般マスコミも巻き込み、昨年の「銀河」「なは・あかつき」廃止とは比較にならないほどの一大デモンストレーションとなるに違いない。

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阪急は「コスト減より安全」…子会社駅員ら840人本社雇用

2008-12-18 22:35:44 | 鉄道・公共交通/安全問題
阪急は「コスト減より安全」…子会社駅員ら840人本社雇用(読売新聞)

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 私鉄大手の阪急電鉄(本社・大阪市、社員約1800人)は、子会社に在籍する駅員や乗務員ら約840人を来年10月1日付で本社の直接雇用に切り替える方針を決めた。

 駅業務などの分社化でコスト削減を進めてきたが、「安全強化を図り、社員の士気を高めるには、本社による一括雇用が必要と判断した」としている。景気の急変で「派遣切り」などの雇用問題が深刻化している。阪急電鉄がコストアップ覚悟の直接雇用に踏み切ったことは、リストラ優先の他産業の動きに一石を投じることになりそうだ。

 阪急電鉄によると、直接雇用に切り替える対象は、駅の業務などを請け負う子会社の「阪急レールウェイサービス(HRS)」所属の約1700人の社員のうち、正社員、契約社員410人、時給制のフルタイム社員230人、学生アルバイトなどの臨時社員200人の計約840人。HRSの正社員は電鉄本社の正社員、契約社員はやはり契約で、というようにHRSでの処遇そのままで転籍させる考えだ。

 16日に労組が受け入れを正式に決定したほか、17日には、HRSの関係社員に電鉄本社への転籍が伝えられた。HRSは駅の売店や駐輪場の運営会社になる。

 HRSが設立されたのは2001年。同年7月に拠点の梅田、中津、十三(じゅうそう)の3駅の業務を受託したのを手始めに03年から全84駅の運営を引き受けている。この方式は首都圏の大手や横浜市営地下鉄にも広がった。

 阪急の特徴は車掌業務にも手を広げたことだ。HRSの社員は、最長3年間の契約社員で入社した後、車掌資格を得るなどしてHRSの正社員に採用される。しかし、電鉄本体の正社員は運転士だけで、電車運行の仕事で電鉄の正社員になるには、運転士に登用される以外に手だてがなかった。

 車掌職には、HRS所属の車掌と電鉄所属の熟練車掌が混在し、HRSの車掌は、親会社の電鉄に“逆出向”する形で乗務する変則的な態勢を取っていた。その結果、HRSと電鉄本体では、同じ車掌なのに賃金や福利厚生で大きな格差が生じることにもなった。

 しかし、JR福知山線の事故で安全性強化の必要性を痛感。最近は鉄道がテロの対象になる恐れも強まってもいる。さらに乗客同士のトラブルなどで運転指令、駅、乗務員が連携して対処する機会も増えたが、駅員への指示はHRSを介さなければ「偽装請負」を疑われ、迅速に対応できない恐れも出てきたという。

 阪急電鉄人事部は「直接雇用によって情報伝達を一元化すれば災害やトラブルに素早く対応できる。駅の機能も高められる」と説明する。来年10月までの間に、待遇格差圧縮の交渉に入る労組も「この時期に雇用安定を図る会社側の決断を歓迎したい」と話している。
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尼崎事故の際、JR西日本が最も批判された点のひとつが「阪急との競合で強引なスピードアップをし過ぎた」というものだった。阪急にしてみれば「安全運行しているこっちと一緒にするなよ」という気持ちもあったに違いないが、その阪急も、鉄道業務分社化という意味では同じであり、JR西日本はただ単に先駆者の後を追っただけなのかもしれない。

その阪急が、尼崎事故を反面教師として分社化から直接雇用に戻すというのだから、なるほどこれは大きな逆転だといえるだろう。

鉄道の現場は安全が第一であるとともに、事故などの異常事態が起きた際は迅速な対応も必要である。その迅速な対応が、偽装請負を疑われてできないというのだから、分社化は人件費を抑えたい経営陣にメリットはあっても鉄道現場にはなんのメリットもないわけだ。

当ブログは以前から、鉄道は車両も施設も保安装置も、そして人間も渾然一体となった高度のシステムであり、それだけに一体として運営すべきだと主張してきた。日本同様、国鉄を分割・民営化した英国でも、複雑な分社化の中で責任の所在が曖昧になった結果、ハットフィールド事故を起こすことにつながった。

責任を持って取り組まなければならない仕事を「みじん切り」にするような分社化は、どの業界でもほどほどにすべきだが、それが安全に直接関わる鉄道の場合はなおさらである。このような観点から、当ブログは阪急の今回の決定を歓迎する。願わくばJRも、現場を混乱させるだけの複雑な分社化に別れを告げ、阪急の英断に続いてほしい。

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ブッシュ大統領、イラク人記者に靴投げられる

2008-12-17 21:48:59 | その他社会・時事
米大統領:靴投げ付けられる 「犬野郎」とイラク人記者に(毎日新聞)

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 ブッシュ米大統領は14日、イラクの首都バグダッドを予告なしに訪問した。マリキ首相と臨んだ記者会見で、イラク人記者が「犬野郎」などと叫びながら靴を投げ付けた。大統領は危うくかわしたが、来月の退任を控え任期中最後とみられる訪問で、イラク人の根強い反米感情を見せつけられた形となった。

 バグダッドからのテレビ映像などによると、イラク政府や駐留米軍高官との会談後、イラクの治安改善や、イラク側が先に正式承認した米軍地位協定の成果を誇示するため記者会見に臨んだ大統領に対し、記者席の前から3番目の列にいた男性記者が突然立ち上がり、1足の靴を一つずつ投げ付け、大統領は身をすくめてこれをかわした。(カイロ共同)
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もちろん私も、公の場で外国のトップに靴を投げるなどという非礼極まりない行為を勧めはしないが、投げたイラク人記者の気持ちもよくわかる。米国がブッシュ時代の8年間にイラクでやったことは、破壊と殺戮だけだといってもいいからだ。

で、当然のことながら、逮捕されたこの「靴投げ記者」は中東全体の反米感情を代表した形となり、英雄視されている。

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「靴投げ記者は英雄」釈放求め各地でデモ…イラク(読売新聞)

 【カイロ=福島利之】イラクの首都バグダッドで記者会見中のブッシュ米大統領に靴を投げつけて拘束されたイラク人記者が、同国の庶民の間で英雄視され、釈放を求める数千人規模のデモが15日、各地で起きた。

 記者の行為は、イラク戦争に対する同国民の不満を代弁した格好となり、他の中東各地でも記者を称賛する動きが出ている。

 靴を投げたのは、衛星テレビ局「バグダディヤ」のムンタダル・ザイディ記者(29)。同僚が地元メディアに語ったところによると、記者は、テロや米軍の攻撃で殺害された市民を取材するうちに、米国に対する怒りを募らせた。今年1月には米軍に拘束されたという。

 イラク政府は、記者の行為を「野蛮」と非難。記者は、外国首脳への侮辱罪で最大で禁固2年の刑に処される可能性があるが、街中では「我らが英雄」(イラク人運転手)とたたえる声が圧倒的だ。

 一方、カタールの衛星テレビ「アル・ジャジーラ」によると、フセイン元大統領の弁護人が記者の弁護を申し出た。
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一方、早速ネット上では、ブッシュ大統領に靴を投げつけ、命中回数を競うオンラインゲームが登場した。URLはこちら

初日は世界中からアクセスが殺到したらしく、つながらなかった。2日後、沈静化したらしく、つながるようになったので私も何度かプレイしてみた。単純だけどおもしろい。

ちなみに、制作したのは英国人といい、サイトも英語になっている。アクセス数で上位25カ国が表示されているが、1位は米国。支持率が20%周辺を低迷するブッシュ氏だけに、米国民が一番ブッシュ氏にうんざりしているようだ(だったら最初から選ぶなよ、と言うツッコミはこの際置いておこう)。

2位はフランス。イラク戦争に参戦した英国でさえ8位。日本は20位。ブッシュ大統領の嫌われ方は半端ではない。

オバマ氏の就任まで残り1ヶ月となった今、ブッシュ氏に対する世界の評価は「史上最低の大統領。さっさと消えてくれ」ということか。

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