安全問題研究会~鉄道を中心とした公共交通を通じて社会を考える~

公共交通と原発を中心に社会を幅広く考える。連帯を求めて孤立を恐れず、理想に近づくため毎日をより良く生きる。

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月刊『住民と自治』 2022年8月号 住民の足を守ろう―権利としての地域公共交通
核のない未来を願って 松井英介遺稿・追悼集(緑風出版)

●安全問題研究会が、JRグループ再国有化をめざし日本鉄道公団法案を決定!

●安全問題研究会政策ビラ・パンフレット
こんなにおかしい!ニッポンの鉄道政策
私たちは根室線をなくしてはならないと考えます
国は今こそ貨物列車迂回対策を!

JR尼崎事故、政府の最終報告を遺族が批判

2007-06-29 01:27:12 | 鉄道・公共交通/安全問題
JR尼崎事故で政府の最終報告を遺族が批判(読売新聞)

2005年のJR尼崎事故で、いよいよ国土交通省航空・鉄道事故調査委員会の最終報告が出たようだ。
報告書の内容はまだ調査委のサイトに載っていないため当ブログ管理人は入手していないが、報道によれば、中間報告から大きく変化はないようで、基本的にはJR西日本の「日勤教育」などの企業体質を厳しく問う内容になっているらしい。

ただ、この間のJR西日本の対応は遺族の新たな怒りを呼んでおり、今年4月、事故2周年の際のマスコミ報道をみても、JR西日本は袋叩き状態だった。
それはそうだろう。あれだけの事故を起こしておいて、「引責辞任」したはずの幹部たちがこっそり子会社に天下りし、遺族にそれを指摘されると「適材適所の人事」などと開き直ったのだ。遺族でなくてもはらわたが煮えくりかえるし、まして遺族であればこれに怒らない方がおかしい。

今回の報告書を見て、「現場にATSがあれば事故は起きなかった。悔やんでも悔やみきれない」とJR西日本は述べたそうだ。
赤信号を無視した場合のみ列車を止める旧型ATS(ATS-S型)は設置されているから、ここで言うATSとは速度照査型ATSのことを意味するわけだが、国鉄が民営化されてJRになるとき、政府(当時の運輸省)は大手私鉄に速度照査型ATSの設置を義務づけていた通達(1967年制定)を廃止した。JRへの速度照査型ATSの設置義務づけを回避するためだったとされているが、このために、大手私鉄が速度照査型ATSの整備を終えた後も、JRだけが未整備のまま残ったのである。

私は、個人的には、この通達を廃止していなければ尼崎事故は起きなかった可能性が高いと考えているだけに、安全のもっとも根幹部分で規制を緩和した政府の責任も大きいと思う。だが、調査委員会も政府機関である以上、自分で自分の非を認めるとは考えられない。
私たちが本当の意味で鉄道の安全を守りたいと考えるなら、事故調査委員会のあり方も含めて議論し、考え直すきっかけにしなければならないと思う。政府からも独立した権限を持ち、安全政策がおかしいと判断すれば政府にも意見ができる米国国家運輸安全委員会のような組織に改編する必要があるのではないだろうか。

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コメント・トラバ管理方針

2007-06-28 00:54:19 | 運営方針・お知らせ
当ブログは4月に更新再開後も基本的にコメントは不可の取り扱いにしてきましたが、携帯電話から投稿した場合はコメント不可の取り扱いができないため、自動的にコメントが可能になります。これは携帯投稿用に作られていない当ブログの仕様上の問題なので、コメントがついた場合はそれなりの対応をいたします。

トラックバックについては引き続き可能としますが、アダルト系・商用目的サイトからのトラックバックは固くお断りしています。ただし、鉄道・旅行系の商用サイトからのトラックバックは、当ブログが鉄道・旅行をメインテーマとしているため、内容によっては削除せず黙認することがあります。アダルト系は見つけ次第削除します。
それ以外の商用サイトからのトラックバックは一定期間経過後削除しますが、トラックバックの仕方があまりにも非常識と判断される場合は即削除することがあります。

というわけで、昨夜から今朝にかけて、連続7つのトラックバックをした、山陰地方のビジネスホテルの宣伝サイトからのトラックバックを削除しました。
ここからは、大きく分けて前半に4連続トラックバック、後半さらに3連続トラックバックがありました。
前半の4トラックバックだけであれば、鉄道・旅行と関連があるので1つだけは「温情」で残そうかと思いましたが、その後さらに3トラックバックあったので、さすがに頭にきて全削除することにしました。

過ぎたるはなお及ばざるがごとし、ということわざがありますが、しつこい宣伝はかえって人々の機嫌を損ね、逆効果になることもあるということをご理解いただきたいと思います。

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博多総合車両所でN700系公開

2007-06-27 22:39:55 | 鉄道・公共交通/趣味の話題
博多総合車両所でN700系公開

7月1日改正で登場するN700系が一足早くお披露目だそうで。
500系全廃で、JR西・東海は300km運転をあきらめたのかと思いきや、そうでもなかったようだ。

いろいろ新機軸が盛り込まれた車両のようで、改正以降是非乗ってみたいが、車体傾斜システムというのはどうなのだろうか。
安全上問題がないか、いろいろテストはしていると思うけど、2005年の尼崎事故の際、空気バネ故障による「逆カント状態の発生」(カーブで内側に向かってレールに高低差をつけ、遠心力を吸収すべきところ、空気バネ故障で逆に車体が大きくカーブ外側に傾いて転覆した)が事故原因という説もあるだけに、一度乗って検証してみようと思う。

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最近の鉄道雑誌について

2007-06-25 22:43:34 | 鉄道・公共交通/趣味の話題
月刊「レイル・マガジン」誌の特集が「1300トン貨物列車 関門・瀬野八を行く」だったので、今月は迷わずレイル・マガジンを買った。
鉄道雑誌も最近は月刊だけで10種類近くも出ており、全部買っているとキリがないので1ヶ月1種類と決めているが、私は最近レイル・マガジンを買うことが多い。

私の以前の愛読誌は鉄道ジャーナルだったが、種村直樹さんが事実上切られてから魅力がなくなり、ほとんど買わなくなった。種村さんも、脳出血で倒れて以降は以前ほど文章に精彩がなくなったと評され、毀誉褒貶が相半ばするようになったが、新聞記者上がりだけあって、それでも一定水準は保っているように思う。
改めて思うのは、私が鉄道ジャーナルを選択する上でいかに種村さんの記事に負っていたかということである。種村さんのいなくなった鉄道ジャーナルは鉄道ジャーナルでなくなったような気がするのだ。

鉄道ジャーナル社の告知によると、春夏秋冬の年4回発売だった「旅と鉄道」が来月から月刊化するらしい。もともと春と秋には増刊号を出していたから年6回発行だったのを倍にするだけだ、という見方もできるかもしれない。だが、そうでなくとも鉄道誌の中で書店からの返本率が高く、少ないスタッフが何でも切り盛りするため労働条件も劣悪という状況の中ではひとつの大きな賭けだろう。

「電車男」や「特急田中3号」など鉄道オタクがテレビドラマにまで登場し、イベントSL運転の際は鉄道ファンを押しのける勢いで家族連れが押しかけることが多くなったせいか、最近私は「鉄道ファンって増えているのかな?」と聞かれることがたまにある。
そんなとき私は「今までの我々の感覚では鉄の定義に入らなかったようなライトなファンは増えていると思うけど、コアな鉄道オタクは若い人の新規参入がなく、高齢化している」と答えるようにしている。
この私の感覚は、多くの鉄道オタクの共感を得られると思う。全駅下車に取り組んでいたり、腕木式信号機にしか興味がなかったり、廃線跡調査をするような鉄道オタクは若くても30~40代で、20代になるとガクンと減る。私の周囲でも、そういうコアな鉄道オタクで20代は2人だけ。30代が最若年層と言ってもいい状況にある。

今増えているのは従来の鉄道オタクの定義には入らなかったようなライトな人たちだろう。旅行するときは鉄道利用を必ず組み入れ、列車の写真を撮ったり駅弁を食べたりするのが好き、というレベルでは従来は鉄と認めてもらえないことが多かった(ただし女性はこのレベルに達したら鉄と認定されることが多かった)。
鉄道ファンの定義なんて時代とともに変わるから、鉄道趣味界の大多数が彼らのような層まで含めて鉄道ファンと定義するなら、それはそれでかまわないと思う。むしろ、誰だって初心者の頃があったのだから、鉄道ファンの「分母」が増えることは、その中からコアな鉄道ファンに成長して鉄道を一生の趣味にする人も増えることにつながるはずであり、喜ぶべきことかもしれないからだ。

鉄道ジャーナル社がこのような最近の趣味界の動向をきちんとマーケティングした上で、ライトな鉄道ファンをコアな鉄道オタクに育てようという野心を持って旅と鉄道の月刊化に踏み切るのであれば、新たな需要を開拓できるかもしれない(記事のマンネリ化は覆いがたいものがあるが)。
だが一方で、既存の雑誌が苦しいから他を月刊化、という動機で望むのであれば、鉄道ジャーナル社はこの世界で存亡をかけた戦いにならざるを得ないだろう。
私が旅と鉄道の月刊化を「賭け」と表現したのは、大体このような意味からである。

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東北新幹線25周年

2007-06-24 23:04:26 | 鉄道・公共交通/趣味の話題
そういえば、昨日23日は東北新幹線開業から25周年のメモリアルデーだった。
東北新幹線は1982年6月23日開業で、当初は大宮~盛岡間での運転。上野~大宮までは「新幹線リレー号」でつなぐというスタイルだった。

その後、1985年3月には上野開業。都心に乗り入れた東北新幹線は東京を目指したが、1990年に工事中の御徒町トンネルが陥没する事故があり、東京乗り入れは1991年だった。

今では東北新幹線は八戸まで延長され、新青森を経て北海道までの延長工事が進められている。「山形新幹線」の福島~新庄間、「秋田新幹線」の盛岡~秋田間では在来線区間への直通運転を果たした。

昨日は開業当初の姿を再現しようと、200系を使ったリバイバル列車が1往復走ったそうだ。事前に知っていれば撮影に出かけたのだが…
新白河駅に行ってみると、開業25周年の記念入場券(硬券)を売っていた。開業当初の駅(大宮~盛岡)の全駅の入場券をセットにしたものだが、当時と今を比べてみると、東京・上野と盛岡以北は別として、途中区間で新規設置された駅は一ノ関とくりこま高原のみ。東海道・山陽新幹線と比べると沿線人口が少ないせいか、あまり新駅は増えていない。
ともあれ、沿線住民として、今後の東北新幹線のさらなる発展に期待したい。

(おまけ)200系リバイバル列車の写真が撮れなかった代わりに、今朝早起きしてカシオペアと北斗星を撮影してきたので写真を公開する。

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白河ラーメンお勧めの店

2007-06-23 22:25:12 | 日記
白河ラーメン いげたや

白河ラーメンは、今までイマイチおいしい店に恵まれていなかったが、職場で長く勤めている地元在住者から勧められたこの店に行ってきた。

スープがあっさり系でおいしく、手打ち麺も食べ応えがあり、おいしかった。
夜9時前後だったのに店内がほぼ満席だったのも肯ける。

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今朝の首都圏JR大混乱

2007-06-22 21:17:20 | 鉄道・公共交通/安全問題
今日は、JRの株主総会を狙い撃ちするかのように首都圏でJR大停電が起き、万単位の人が線路上を歩かされる大混乱があった。
報道された情報を総合して、私は今のところ「エアセクション区間におけるパンオーバー事故」と考えている。

実は、架線方式で電化されている鉄道(地上鉄道のほとんどは架線方式)では、10km、20kmといった長い区間を1本の電線で通すようなやり方はとられていない。考えてみれば当然で、車両側のパンタグラフと常に一定の間隔で接触しなければならないのだから、鉄道の電線は常にまっすぐピンと張った状態でなければならない。電柱と電柱の間では電線がある程度垂れ下がっていても許される電力会社の電力線とは違うわけだ。

このため、鉄道の電線はいつでもピンと張った状態になるように、終端地点に重さ数十kgの重りがつけられているわけだが、一方で、電線をピンと張った状態に維持しようと思えば、長い電線になるほど重りの重量を増やす必要が出てくる。このことは、長い電線ほど強い力で引っ張られることになり、それだけ切断の危険が高くなることを意味する。輪ゴムを強く引っ張って伸ばせば伸ばすほど、弱い衝撃でも切れてしまうのと同じである。

こうしたことから、一般の電力線が短く区切った電線を電柱で連結しているのと同じように、鉄道でも短く区切った電線を連結する手法が採られるわけだが、電力会社の電力線と鉄道の電線が決定的に異なる点は、鉄道では2本のレールの間に電柱を立てるわけにはいかないことだ。さらに前述した通り、電線をピンと張った状態に維持するため、両端区間に重りを設ける必要もある。

そこで、鉄道の電線の接続区間では、電線を線路外から線路内に引き込む一方、別の電線を線路内から線路外へ引き出すという形を取ることになるが、結果としてこの接続区間では2本の電線が重複することになる(この区間を「エアセクション」という)。

これを文章だけで表現するのは不可能なので、この原理をわかりやすく図解で説明しているサイトをご紹介する。こちらをご覧いただくと、この複雑な原理が理解しやすくなると思う。
http://deadsection.image.coocan.jp/dead_sec/dead_sec.htm

このページの「2.「ふつうの」セクションと「デッド」セクション」の項で一番初めに出てくる図が、架線の重複の原理をわかりやすく表している。

ところで、このエアセクション区間では、当然ながら両方の電線に電流が流れている。この接続区間の目的が、電車への電力供給を途絶えさせないようにしながら、電線だけを物理的に切り替えることを目的としているからだ。
エアセクション区間にパンタグラフが位置した状態で電車が停車すると、2本の電線がパンタグラフによって短絡され、2本の電線が導通する事態が起こる。この導通状態を「パンオーバー」と呼ぶ。

今回、事故が起きた大宮~さいたま新都心間は直流1500V区間だが、パンオーバーが起こると限界値をはるかに超える過大電流が両方の架線に流れるため、その過電流で電線が溶断してしまう。今回の大停電事故は、このような経過をたどって起きたと考えられる。

なぜ、わざわざエアセクション区間を選ぶように電車が停車したのかは今後の究明を待たねばならないが、パンオーバー発生の恐れがあるエアセクション区間には標識が設置されているのが普通であり、運転士がこの標識を見落とした可能性がある。
今朝は雨が降っており、車輪のスリップを心配して運転士がいつもより手前でブレーキを操作したのかもしれない。

ただ、一般マスコミの中には「架線の定期検査では異常がなかった」などと的外れな報道をしているところもある。(例えばここ

パンオーバーは電線同士の短絡によって突然起きる現象なので、定期検査で異常があったかどうかはほぼ無関係と考えてよい。一般家庭で、電気の使いすぎでブレーカーが落ちたからといって、通常「設備がおかしい」とは考えないのと同じである。

ただ、こんな事故がよりによって株主総会の当日、それも開始直前に起きるとは、JR東日本は運にも完全に見放された感じがする。

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著作権著作権と騒いでいるのは誰か

2007-06-18 22:17:46 | IT・PC・インターネット
著作権問題はカネ次第? YouTubeや2次創作を考える

>著作権を主張する人たちは本当に著作物を守りたいのだろうか。
>お金を守りたいだけじゃないのか。そうならそう言ってくれればいいのに」
>と疑問を呈する。

お金を守りたいだけに決まってるでしょ。
著作権を守れ守れと騒いでいるのはカスラックJASRACなどの著作権管理者団体。彼らは創作活動など何もしておらず、他人が作詞作曲したものの著作権管理を委託されているだけ。それなのに、「代理人」のはずの彼らがでかい顔をしている。

私は歌手やら声優やら、いろいろな人のライブに行ったが、本当の創作者である彼ら彼女らはむしろ「ひとりでも多くの人に自分の音楽を聴いてもらえるとありがたいです。だからみんなも私の歌をどんどんお友達や家族に聴かせてあげてください」なんて殊勝な挨拶をするというパターンのほうが断然多い。

コミケに原稿出したことのある私自身の感覚からしても、「自分の作品に触れてもらえることが嬉しい」(=アマチュアの場合、多くはカネなど関係ない)という価値観が多数派なのであって、自分が創作もしないくせに他人の創作物に寄生してカネカネカネと騒ぐ連中がおかしいのだ。

はっきり言う。JASRACは解散しろ。
真の創作者である彼ら彼女らが自分たちで事務所を作り、自分の著作物の権利を管理するという姿こそ、真の文化振興である。

(蛇足)以前、googleで「著作権ゴロ」を検索するとJASRAC公式サイトがトップに表示されることがわかり、話題になった。今日、当ブログ管理人が「著作権ゴロ」をググってみたところ、相変わらずJASRACサイトがトップに来る。さすが、わかってるなぁ。
頑張れgoogle。

http://www.google.co.jp/search?hl=ja&q=%E8%91%97%E4%BD%9C%E6%A8%A9%E3%82%B4%E3%83%AD&lr=

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安物買いの「命」失い

2007-06-16 19:23:21 | 鉄道・公共交通/安全問題
安全管理も客任せ?格安バスの実態

これって、背景に国土交通省による規制緩和がある。
バスを5台所有していれば、届出だけで誰でもバス事業者になれる、という規制緩和が行われていたのだ。そのために中古車を手っ取り早く導入して新規参入する業者が増えた。バス1台を新車で調達すれば3000万円かかるが、中古車なら800万あれば済むそうだから、4000万円の元手でバス事業を経営できることになる。大阪・吹田でモノレール橋脚に激突する事故を起こしたあずみ野観光バスもそうした新規参入組のひとつである。

安全管理も自己責任というけれど、どのバス会社が安全かなんて客にはわからない。マンションにしても同じで、鉄筋を減らした耐震偽装マンションなんて客がどうやって調べろと言うのだ?

しかも、新発売のカップ麺を買って、誰だよこんなクソまずいカップ麺考えたのは、二度と買わねーぞ、というのとは違い、バスやマンションで欠陥品をつかまされれば、最悪命を落とすことだってあり得る。

何でも民間任せというご時世の現在ではあるけれど、規制緩和していいものと悪いものとがある。交通機関の安全規制などは、緩和してはいけないものの筆頭ではないだろうか。
耐震偽装事件から続いている「行きすぎた規制緩和」の流れの上にこのスキーバス事故は位置づけられるように思う。国土交通省の責任も大きいのではないだろうか。

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パレスチナ「内戦」非常事態宣言

2007-06-15 23:26:33 | その他社会・時事
パレスチナに2内閣 ファハタ、ハマス アッバス議長、非常事態を宣言(産経新聞) - goo ニュース

今日は非常にお堅いニュースを取り上げる。パレスチナ情勢である。
15日、パレスチナ自治政府統治地域であるガザ地区で、ハマス武装勢力がファタハ拠点を軍事制圧し、実権を掌握。ファタハ出身のアッバス議長が非常事態宣言を出した。
日本のメディアは「内戦」と報じているところもあるが、ハマスは自治政府の与党の一部なので、権力内部にいる者による権力中枢の奪取、すなわちクーデターとするべきだろう。ハマスによる軍事クーデターである。

中東情勢は日本人が一番苦手とする分野で、歴史的背景など説明するだけで一エントリを優に超えてしまうが、要約するとこうである。

1.中東戦争における、イスラエルによるガザ、ヨルダン川西岸地区の占領
  ↓
2.占領地でのイスラエルへの抵抗運動(インティファーダ)の激化
  ↓
3.パレスチナ和平協議と「オスロ合意」を経てパレスチナ自治政府発足(ファタハ単独政権、アラファト議長)
  ↓
4.アラファト議長死去(2004年)
  ↓
5.パレスチナ自治評議会(自治政府の議会)選挙でハマス圧勝、ファタハ、ハマスによる挙国一致内閣の成立

ちなみに、ハマス圧勝前までパレスチナ自治政府の中心となっていたファタハとは、PLO(パレスチナ解放機構)内のアラファト議長率いる主流派。かつてはPLO内に反アラファト派も存在したが、その後は活動が沈静化し、自治政府発足当時は事実上ファタハ=PLO=自治政府、と言っていい状況にあった。

そして、今回の事態である。
ハマスの行為は、話し合いによって成立した挙国一致内閣を暴力で一方的に壊したものであり、受け入れることはできない。確かにハマスは選挙に勝ち、単独過半数を握る自治政府与党となったが、例えば日本で自民党が自衛隊を動員し、公明党本部を武力制圧して内閣をすげ替えたらどうなるか、考えてみればわかるだろう。

ただ、日本と全く政治状況の違うパレスチナを同列に論ずることができないことはもちろんである。国家予算の4分の1以上を軍事費に消費し、自国が攻撃されなくても「予防先制攻撃」として周辺諸国を先にぶん殴ってしまうイスラエルという「ならず者国家」と対峙しなければならないからだ。

同時に、パレスチナではハマスはただ軍事力でのし上がってきたわけでは決してない。貧しい人たちに慈善事業を施しながら地道に貧困層の支持を得る努力をしてきた。
それに対しファタハは、良くも悪くもアラファト議長の個人的カリスマ性に負うところが大きく、その国際的地位とは裏腹に事実上「アラファト商店」状態だった。後継者を育成し、ファタハ組織が全体としてパレスチナ代表者としての正当性を得ようとする努力を怠ってきたと言えよう。その「個人商店状態」のツケが、アラファト議長の死去によって一挙に噴出したのである。
ハマスが自治政府の与党になってからも国際社会がファタハ支持を変えないのは、ファタハ以外に支持できる勢力がないという現実的問題の他に、「あのアラファトが率いていた組織だから」という理由も大きいように思うのだ。

しかし、先に述べたように事実上のアラファト個人商店状態だったファタハは、そのアラファト議長の死によって耐用年数が切れたように思われる。地道に貧困層の心をつかむ活動をしてきたハマスを「イスラエル壊滅を綱領に掲げるイスラム原理主義勢力だから」という理由だけで無視し続けることはこれまで以上に難しくなるのではないだろうか。

ローマ帝国の時代から続いているパレスチナ問題が、10年や20年で簡単に解決できるなどという脳天気なことは私も思っていない。が、これまでの歴史的経過を踏まえれば、問題解決のために見えてきたこともいろいろあると思うのだ。

1.イスラエルを承認させる代わりに大幅な軍事力縮小を行わせる
2.ファタハに代わってパレスチナ住民の代表となりうる勢力の育成
3.パレスチナについては、イスラエルとパレスチナ代表(2で掲げた新しい勢力)とによる共同統治

このあたりが現実的で、最大多数が納得できる解決策ではないだろうか。
1はすぐにでも初めてもらいたいと思う(もちろん入植地の段階的縮小を終えた後のイスラエルの承認が条件)が、2はすぐにできる話ではなく、10年スパンで見るべき話だと思う。それまでは、ハマスが住民の支持を得ている事実を踏まえ、彼らにイスラエル破壊の綱領放棄、原理主義による統治をしないこと、等々について保証するよう、粘り強く説得するしか道はないと思う。

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