安全問題研究会~鉄道を中心とした公共交通を通じて社会を考える~

公共交通と原発を中心に社会を幅広く考える。連帯を求めて孤立を恐れず、理想に近づくため毎日をより良く生きる。

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核のない未来を願って 松井英介遺稿・追悼集(緑風出版)

●安全問題研究会が、JRグループ再国有化をめざし日本鉄道公団法案を決定!

●安全問題研究会政策ビラ・パンフレット
こんなにおかしい!ニッポンの鉄道政策
私たちは根室線をなくしてはならないと考えます
国は今こそ貨物列車迂回対策を!

冬への備え

2007-09-30 23:30:02 | 日記
9月終わりになって、急に涼しくなった。
先日まで30度を超える残暑で、ここ福島でも暑い暑いと言っていたが、最近は20度を割っている。
もっとも、福島より東京のほうが気温変化が激しいようで、30度を超える猛暑から一転して18度と、一気に15度も下がったそうだ。8月の気温から一気に11月下旬の気温へ。真夏から初冬になるわけだから、体調管理も大変だろう。
今のところ、どうやら長期予報通りになっているようだ。

さて、そんな中、我が家は今日、迫り来る冬への備えをした。
妻の車は、愛知県で使っていたものをはるばる持ってきたので、バッテリーは寒冷地仕様ではない。それもずいぶん長いこと使っているので、最近は夜、窓を上げ下げするたびにヘッドライトが暗くなるなどの症状が出ており、このまま冬が来たらまずいと思っていた。
今日はカー用品ショップでバッテリーを寒冷地仕様のものに取り替え、同時にタイヤをスタッドレスに履き替える。スタッドレスはずいぶん気が早いと思うかもしれないが、新品のタイヤは表面のコーティングが剥がれて本来の働きをし始めるまでにある程度走行する必要があるそうで、そのためには1ヶ月程度慣らし運転をしたほうがよいのだそうだ。

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ビルマ(ミャンマー)情勢

2007-09-30 21:10:44 | その他社会・時事
国連特使、軍政と協議へ ミャンマー 事態収拾への道厳しく(産経新聞) - goo ニュース

ついに日本人カメラマンが射殺される事件にまで発展したビルマ(ミャンマー)の民主化デモと軍政当局による弾圧だが、やはり思った通り僧侶へも容赦ない弾圧を加えて軍政当局は事態を乗り切りつつある。
私は、いい加減ビルマ軍政にうんざりしているので、今回の騒動を期待をもって見守ったが、やはり今回も民主化はならなかった。

日本のメディアは、市民が相変わらず死を恐れていて、弾圧されるとすぐ散り散りになってしまうと報じているが、これが事実なら、軍政はあとしばらくは持つだろう。
武器を持つ軍隊に対し丸腰の市民が勝つには、軍が割れることが必要だが、軍を割るためには、死を恐れない市民が数万の単位で首都を埋め尽くす勢いにならなければならない。
市民が、「どうせこのまま政治的にじわじわと首を絞められて殺されるなら、今ここで撃たれて死んでも関係ねぇよ」という境地にならなければ、政権打倒などできない。そんな決死の覚悟をした市民が数万、数十万単位で街へ出て、兵士に一斉にガンを飛ばす事態になったとき、初めて軍隊はビビって割れるのである(それには、市民にその覚悟をさせるだけの指導者が必要だが、私の見るところ、その力量を持った人物はやはりアウンサンスーチーさんをおいて他にいないと思う)。

しかし、細かく分析すると、今までの民主化運動と違う側面も見える。それは、今回の騒動が燃料費の大幅引き上げを発端としていることである。
いうまでもなく、世界史をひもといてみれば、ひとつの政権が倒れたり、ひとつの時代が終わるような革命は、いつも生活必需品を巡る闘いから始まった。フランス革命は、飢える民衆に向かって、マリー・アントワネットが「パンがなければお菓子を食べればいい」と言い放ったところから始まったし、マルコス政権が倒れた1986年のフィリピン革命は、スラム街の子どもたちの前に「イメルダ夫人の3000足の靴」が暴かれたことから始まった。
チャウシェスク独裁が倒れた1989年のルーマニア革命でも同じである。1950年から80年までの30年間、ルーマニアの死亡率は人口1000人あたり8人であったが、1980年以降は10.11人と2人以上増えている。80年代にはそれ以前より60万人も多くの人が死んだことになる。その多くが飢えと寒さによる死亡だったが、あろう事か、革命後の共産党本部からはルーマニアで何十年も市民が口にできなかった高級パンやチョコレートが山ほど発見されたといわれる。

「食べ物の恨みは怖い」という慣用句が日本にはあるが、政治的な自由が少しくらい制限されても人は生きていける。だが、経済が困窮し、今日の食べ物すらも知れないという事態になったとき、本当の闘いが始まるのである。
さきほど「どうせこのまま殺されるなら、今ここで撃たれて死んでも関係ねぇよ」という市民が数万単位になれば政権は倒れると私は述べたが、多くの市民を急速にそういう意識に変えていくのが「飢え」である。
政治的自由の抑圧ではなく、燃料費の高騰という生活必需品を巡る不安から始まった今回のデモは、ビルマがいま、まさにそのような「闘いの最終幕」に入りつつあることを示すものと見てよいだろう。
したがって、とりあえずデモの武力弾圧に成功したかに見える軍政だが、その政治的生命はおそらくそれほど長くないと思う。あと10年を待たずして、この軍政は倒れるのではないだろうか。

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アキバについていきたかった私

2007-09-27 23:05:29 | 芸能・スポーツ
アキバに付いていきたかった私(日経ビジネスオンライン)

読んでみた。
申し訳ないが私の感想は「ご苦労様」の一言に尽きる。
そうまでしてオタク文化に付いていきたいという理由がよくわからない。

メガヒットが続き、本当の意味で活況を呈するオタク界がインターネットという新しい武器を得て輝いていた90年代末~2000年前後ならともかく、今頃になってオタク文化への新規参入ですか、という「後追い感」は否めないし、文章全体にどことなく「空回り感」も漂う。

それに、オタク界に入るきっかけというのはこのような意識的なものではなく、無意識的なものが大きいのではないだろうか。
噛み砕いて言えば、体育会系サークルじゃないんだから、オタク界に本当に入りたいならもっと斜に構えるくらいの意識で肩の力抜けよ、ということである。この人のように一大決心をして「よし、入るぞ」と両手の拳に力を込めて入るのがオタク界だとはどうしても思えないのである。
むしろもっと単純に、たまたまなんとなく見たアニメがおもしろかったとか、あの声優が素敵だとか、このキャラに萌えてしまい、気づいたら引き返せなかったというような、ある種の「運命の出会い」的なものがきっかけの人が多いはずである。
私には、申し訳ないが降旗氏がオタク青年を追いかけ回して何も引き出せなかったのは当然と思える。なにせ入り口からすでに間違っているのだから。認識してほしいのは、この世界には入れる人とそうでない人がいるということである。中には私のように、最初は合い鍵を持って入れたとしても、自分の鍵が次第に合わなくなり、入っていけなくなる人もいるのだ。

今、何も知らないマスコミの論調に踊らされて、「日本のオタク文化がこれから世界を席巻する」とか「ハリウッドも評価してやまないジャパニメーション(この用語自体がある種の蔑称で、オタクがこの用語を使うことはない)」とか思っている人がいるとしたら、とんでもない思い違いだと指摘しておく。むしろ事態は全く逆であり、今のままでは日本のアニメ業界はあと5年持つかどうかという崖っぷちに来ている。

信じられないと思う方もいるかもしれないが、今、古くからのオタク仲間と再会して話をしてみると彼らもだいたい同じ認識を持っている。ストーリーも物語の筋もなく、ただ萌えやネタだけを追求するアニメの粗製乱造。どんなキャラクターのどんな声でも演じられることが声優の真の実力であるにもかかわらず、「このキャラの声にはこの声優」的な発想で場当たり的に組まれるキャスト、そしてその結果起こっている声優の育成放棄と使い捨て。すべてが猛スピードで衰退の道へ向かっている。
真のオタク達がこの世界に見切りを付けようとしているときに、肩に力を入れてこの世界の扉を叩こうとしている人が滑稽に見えて仕方ないのである。

オタクからはあまり受けはよくないが、きちんとストーリーを立ててそれを中軸に据えた作品を送り出している宮崎駿のほうがよほどまともだと思えてくるし、彼を評価する海外のほうがある意味、本当の眼を持っているのではないかと最近私はよく思う。
箱物行政や産業への補助金投入には積極的でも、文化にはケチ臭い金しか出さない日本人は、オタク趣味においても本当の審美眼を失いつつあるのではないか。そのことのほうが私にはずっと深刻なように思う今日この頃である。

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DVDレコーダーが壊れた(涙)

2007-09-24 19:20:12 | IT・PC・インターネット
2004年に買ったDVDレコーダーが壊れたようだ。

「ようだ」というのはテレビ番組をHDDに録画することはできるからである。ただHDDの動画をDVDに焼こうとすると、以前は失敗率は10回に2~3回くらいだった。それが10回に5回程度になり、8回程度になり、とうとう10回のうち10回失敗するようになったのだ。
DVDが表面的には焼けているように思えても、再生すると必ず止まってしまう。どのメーカーのメディアを使っても同じ。もはや壊れたと判断するしかない。
レンタルで借りてきたDVDや市販DVDは問題なく見られるから、メディアへ記録する機能がダメになったと考えられる。

それにしても…
(1)自分の住んでいる地域では地上波デジタル放送がまだ始まっていない。
(2)次世代DVDはHD-DVDとブルーレイが全くの互角のまま規格争いに決着が付く見通しがない。
(3)コピーワンス回数制限の見直しが提言されているが、まだ回数制限緩和が動き出したわけではない。

…という今の状況は、DVDを買うには一番ふさわしくない時期であり、判断も限りなく難しい時期だ。現に、規格争いもコピーワンス制限も模様眺めの状況だから、今はDVDレコーダーがほとんど売れていない。
なんでよりによってこんな時に壊れるんだ全く。

さて、新しいものを買わなければならないが、地デジ対応、コピワン問題、規格争いが絡み合って、どれを買えばいいか私も全くわからない。
とりあえず、地デジは年内にも私の地域に来る。コピワンは来年にも緩和の方向で動きが出るだろう。
コピワン緩和直後に地デジ対応のものを買うというのがまぁ妥当な線だろう。規格争いは当分決着が付きそうにないし、場合によっては全面地デジになる2011年まで勝敗は決しない可能性もあるから、今のところは考慮しない方向で行こうと思っている。
それまでの間、録画はPCを暫定的に使っておくかなぁ。

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東京ディズニーシー

2007-09-23 23:41:39 | 日記
あろうことか、この私が東京ディズニーシーなんぞへ行くことになってしまった。私には一生縁がないだろうと思っていたディズニー。ここまで完全に一般人化してしまうと、もうオタクに戻ることはできないかもしれない。

私には2児の母である妹がいるが、きっかけは、妹夫婦が子ども2人を連れてこの3連休でディズニーへ出てきたことだ。私の姪っ子ふたりに会いたがっていた妻がここへ合流しようと言い出して、行くことになったのである。小学生の姪っ子2人はすこぶる元気、お父さんのほうが疲れ気味だったようだ。

写真はショーの一場面。

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音が鳴らなかった警報機

2007-09-22 18:45:16 | 鉄道・公共交通/安全問題
「警報機鳴らず」近江鉄道踏切で電車と衝突、車の男性死亡(読売新聞) - goo ニュース

近江鉄道にはまだ乗りに行っていないが、全線47.7kmの距離を1時間40分もかけて走る。かなりのどかなローカル線と思っていい。
そのローカル線でこんな事故が起きたようだ。

この近江鉄道に限らず、地方私鉄はどこも経営は苦境にある。近江鉄道はまだ西武グループだから地元資本だけで運営される他の地方私鉄よりましな方だと言えるかもしれない。しかし、このようなお粗末な事故が起きること自体、近江鉄道でも踏切等の施設・設備の老朽化が深刻な事態を迎えていることを示すものと見て間違いないだろう。

銚子電鉄にしても(この会社の場合は前の経営者が会社の金を持ち逃げしたという特殊事情はあるが)車両や設備が朽ち果てていくのをじっと指をくわえて眺めるだけで何もできないという最悪の時期があった。今は銚子電鉄サポーターズからの善意の募金で何とか車両の検査はできたが、そういつまでも善意の募金ばかりに頼って運営ができるほど地方私鉄の状況が甘くないことは認識しておかなければならない。

地方私鉄の危機は今後も続くことは確実で、10月からは近鉄から見捨てられた(?)養老線・伊賀線が経営分離される。
公共交通としての地方私鉄をどうすべきか、残すならその赤字を誰がどれだけ負担すべきか。施設や車両のメンテナンスはどうするか。そのような課題のひとつひとつを私たちがともに考え解決していかなければならない時期が来ている。
今回の事故をそのひとつのきっかけにできればいいのだが…。

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雪割橋

2007-09-22 17:08:11 | 日記
雪割橋に行ってきた。ここは自宅から結構近いところにある。といっても歩ける距離では全然ないが。

阿武隈川の源流にかかるこの橋は、紅葉の時期にはきっと綺麗に見えることだろう。

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終わらない夏

2007-09-20 18:14:18 | 気象・地震
秋どこへ?ラニーニャで日本の四季が消えた(産経新聞)
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10月まで残暑、そして厳冬の予想

 埼玉県熊谷市など全国2カ所で40.9度を観測、国内最高気温を74年ぶりに塗り替えるなど、異例の猛暑となった今夏。8日は台風9号が持ち込んだ暖かい空気の影響で、都心の最高気温が32.9度など各地で真夏日を記録し、強い日差しが戻った。そろそろ秋の気配を期待したいが、気象庁によると、残暑はまだまだ続く見込み。秋らしい秋を感じないまま、厳冬に突入する可能性も。

 猛暑をもたらしたラニーニャ現象は、冬には寒さを呼び込む。対流活動の活発化は日本上空に寒気を南下させる要因ともなり、厳冬になりやすいという。平成17~18年冬の記録的豪雪の一因ともなった。気象庁の高橋俊二予報官は「冷夏や暖冬につながるエルニーニョ現象が寒暖のメリハリをなくすのに対して、ラニーニャ現象はメリハリをつけるのが特徴」と説明。今年については、残暑が長引くと予想されるため、短い秋を満喫する間もなく、厳しい冬を迎える事態も起こりかねないという。
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暑さ寒さも彼岸まで…などと呑気なことを言っている場合ではない。
もう彼岸の入りも過ぎたというのに、今日は福島県ですら30度を超えている。しかも標高が高いため福島県で最も寒いと言われるこの白河ですらそうなのである。もはやこれは日本の気候ではない。

このところ大阪以西、西日本では5月~10月くらいまで汗ばむ陽気が続くことが多い。1年の半分が夏になっているような印象さえ受ける。
かつての沖縄の気候が西日本全体まで拡大しているような感じだ。

この分だと、今年の紅葉はこの白河でも早くて10月下旬、遅ければ11月になるかもしれない。
京都や大阪、九州では、紅葉は師走に入らないと見られないなどという事態が現実のものになるかもしれない。

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あいづライナー撮影

2007-09-17 14:33:28 | 鉄道・公共交通/趣味の話題
16日にあいづライナー撮影に行ってきた。これは中山宿駅付近で撮影した写真である。
中山宿駅はかつてはスイッチバックだったが、1997年、本線上に駅を移したためスイッチバックは廃止になった。今年はスイッチバック廃止から10年である。
かつての規則では、駅構内の勾配は3パーミル(1000分の3)以内と決められており、この駅のように25パーミル近い勾配の上に駅を作ろうと思えば、政府の特認を受けなければならなかった。SL時代、こんな勾配で列車を停めればまず発進は不可能だったから、当時としては妥当な規制だったのだろう。だが、電車や気動車しか走らない路線ではかなりの急勾配でも発進できるので、スイッチバックが廃止される例が多くなってしまった。

近くで畑仕事をしている人に、スイッチバック駅の跡がどこにあるのか尋ねたが、撤去されもう残っていないとのことだった。

ちなみに、通常の運転方式(アプト式などの特殊な運転方式でないもの)の鉄道で最急勾配の駅は、岐阜県・明知鉄道飯沼駅(33パーミル上に設置)である。

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台風被害の高山線、3年ぶり開通

2007-09-09 23:48:26 | 鉄道・公共交通/交通政策
高山線、3年ぶり開通 飛騨「第2の夜明け」(毎日新聞)
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JR高山線:角川―猪谷、運行再開 飛騨「第2の夜明け」 /岐阜

◇記念イベントさまざまに
 JR高山線の角川駅(飛騨市河合町)―猪谷駅(富山市)間27・5キロが3年ぶりに運行を再開した8日、飛騨、高山、下呂の3市はこぞって全線再開を「飛騨の第2の夜明け」と形容し、さまざまな記念イベントを実施した。飛騨市の飛騨古川駅前には古川祭の屋台9台も勢ぞろいして祭り気分を再現。日本海側と太平洋側を結ぶ鉄路の復活に、歓喜の声が町中に響いた。【奈良正臣】
 飛騨市の船坂勝美市長は、同市文化交流センターで午前9時20分から行なわれた「全線再開記念の感謝式」であいさつ。「実のところ、私は3年前、被災現場を見て復旧は無理だと思っていた」と当時の被害の甚大さを振り返り、「復旧が進むにつれ、高齢者に優しい乗り物・鉄道の時代は必ずやって来ると確信した」と、JR東海への感謝を述べた。
 同駅前で行われた特急「ワイドビューひだ」の出発式では、JR東海の松本正之社長が「待ちに待った日が来た。沿線住民とのチームワークで復旧工事が完了したと思っている。被災現場は(災害に)強くなって生まれ変わった。大勢の人に高山線を利用していただき、岐阜県のメーンレーンとして発展させたい」と力強く語った。
 飛騨市観光協会の村坂有造会長は「復旧を機に、手つかずの自然の中を走る各駅停車・高山本線をアピールしたい」。古田肇知事は「太平洋と日本海を結ぶ高山線は県にとって大交流時代の夜明け」と表現した。
 出発式には、沿線住民が午前7時55分杉原駅発の列車で駆けつけた。列車は災害当日、打保駅で運行不能となり、2年半近く打保駅構内に取り残されていた客車だ。この春に“救出”されて紀伊半島の紀勢線を走っていたが、高山線に戻って務めを果たすことになったという。
 高山市は高山駅に到着したワイドビューひだ車内で、豪華な景品が当たる「飛騨高山大抽選会応募券」を配布。同駅で下車した乗客全員に、飛騨の伝統工芸品「イチイ細工」のはしをプレゼント。下呂市は下呂温泉の芸妓(げいぎ)やキャンペーンレディーが富山駅(JR西日本)でオリジナルタオルを贈った。また下呂駅前では、下呂温泉太鼓会が歓迎太鼓を演奏し、同駅に下車した乗客へ特産のフルーツトマトをプレゼントした。
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2004年秋の台風被害から3年、ようやくの復旧である。「第2の夜明け」とはいささかオーバーに過ぎるように思うが、地元の人たちにとってはそれほど大きな喜びなのだろう。

2004年には、集中豪雨の影響でJR西日本の越美北線も不通になったが、今年6月30日に全面復旧した。また、2006年7月豪雨で不通となったJR西日本・三江線も今年6月16日に復旧している。
三江線は、旧国鉄時代、営業係数(100円の売り上げを出すための経費)が700円~800円といわれ、第1次特定地方交通線(廃止対象路線)として選定を受けながら並行道路未整備を理由に廃止対象から除外された経緯があり、JR西日本でも最も経営状態の厳しい路線だ。越美北線にしたって、旧越美南線(現・長良川鉄道)との連絡計画が幻と消えて以降は三江線ほどではないにしても、状況は似たようなものであろう。
そのような中で、財政的にはJR西日本よりもずっと余裕のあるJR東海が、名古屋と富山を結ぶ基幹路線である高山本線を復旧させるのに三江線より時間がかかったことが不思議でならないのだ。JR東海は「高山本線の地形が険しく、不通になった当初は並行道路も寸断され復旧工事用のトラックも入れなかった」と主張しているが、高山本線の地形が険しいといっても、三江線とそれほど大きな違いがあるわけではない。
こんなことではJR東海は在来線に関してやる気がないと疑われても仕方がないし、新幹線さえ儲かれば他はどうでもいい会社なのだと思われかねない。どうしても私はこの高山本線問題に関してはJR東海に厳しい視線を向けざるを得ない。

ビジネスマンに便利な「のぞみ」を作るのも結構だが、地域交通を守るため、そのエネルギーの数%でもいいから在来線に使えというのは叶わぬ望みなのだろうか。

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