安全問題研究会~鉄道を中心とした公共交通を通じて社会を考える~

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9月29日19時05分頃の福島県沖の地震について

2011-09-30 23:15:03 | 気象・地震
「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」について(第56報)(気象庁報道発表)

この地震発生時、当ブログ管理人は外出中だった。コメントが遅れたのもそのためである。

この地震は、東の本題震災の余震であり、過去の同様の地震と同じことしかコメントできないが、強い揺れを観測した割には地震の規模はM5.4と小さい。これは震源深さが9kmときわめて浅いところで発生したためである。震源の浅さを裏付けるように、揺れの伝わった範囲は比較的狭い。

報道発表で特筆すべきことがあるとすれば、4ページ記載の月別余震回数だろう。9月に入ってから地震が少なくなったような気がしていたが、それを裏付けるように震度4以上の余震は8回。9回だった6月を下回り、3.11以降では震度4以上の余震が最も少なくなった。

ただ、6月にいったん減少した余震が7月に反転して増えているように、これをもって余震が収束に向かっているとはいえない。10月にまた余震回数が増える可能性もあるので注意してほしい。

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本日の放射能測定値

2011-09-30 22:37:59 | 福島原発事故に伴う放射能測定値
<本日の計測結果>

・計測年月日、時間
 2011年9月30日 午後5時55分~6時15分

・計測場所
 福島県 西郷村転作促進技術研修センター

・計測時の気象条件(晴/曇/雨/雪の別及び風向、風速)
 天気:曇
 風向・風速:北西 8m

・計測結果(単位:マイクロシーベルト/時)
(1)八雲神社境内
  大気中(高さ100cm)   0.84
  土壌(高さ10cm)    1.07

(2)福島県西郷村転作促進技術研修センター正門前
  大気中(高さ100cm)   0.57
  舗装路面(高さ10cm)  0.48

<測定結果についてのコメント>
八雲神社境内土壌の放射線値が一昨日に急上昇した。今日は27日以前の線量にほぼ戻ったが、今日は風が強かったせいか、線量計の数値が定まらず(0.97~1.42の範囲で激しく変動)、測定にいつもの2倍の時間を要した。

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本日の放射能測定値

2011-09-28 22:24:52 | 福島原発事故に伴う放射能測定値
<本日の計測結果>

・計測年月日、時間
 2011年9月28日 午後6時10分~6時20分

・計測場所
 福島県 西郷村転作促進技術研修センター

・計測時の気象条件(晴/曇/雨/雪の別及び風向、風速)
 天気:快晴
 風向・風速:北北西 3m

・計測結果(単位:マイクロシーベルト/時)
(1)八雲神社境内
  大気中(高さ100cm)   0.84
  土壌(高さ10cm)    1.38

(2)福島県西郷村転作促進技術研修センター正門前
  大気中(高さ100cm)   0.48
  舗装路面(高さ10cm)  0.44

<測定結果についてのコメント>
八雲神社境内土壌の放射線値が昨日の1.03μSv/hから急上昇した。私は線量計のアラームを1.2μSv/hに設定しているが、鳴動は初めてだ(RADEX RD1503はアラームを0.3、0.6、1.2μSv/hで鳴動させるかまたはOFFにすることができる)。この急上昇は何を意味しているのだろうか。

原発事故から半年以上経過したが、今でも時折、放射線量が突然、原因不明の急上昇を示すことがある。9月21~22日に関東全域で放射線量が急上昇という報告もあるので、念のため注意してほしい。

<放射線量測定に関するお知らせ>
明日、29日は私の個人的都合により、放射線量測定を行う時間が確保できない。残念ながら欠測となるのでご了承いただきたい。今後も、事前に欠測がわかっているときは、できる限りお知らせしていきたい。

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何度も繰り返される「帰宅難民の悲劇」から本当の危機が見えてきた

2011-09-27 22:52:21 | その他社会・時事
(当エントリは、当ブログ管理人が月刊誌に発表した原稿をそのまま掲載しています。)

 3.11の悲劇からまだ半年しか経っていないのに、この醜態はなんなのか。首都圏が台風15号の直撃を受けた9月21日、大量の帰宅難民が街にあふれ、東京はまた3.11を思い起こさせる混乱の渦に巻き込まれた。鉄道が軒並みストップして帰宅が困難となった労働者たちがバスやタクシーを求めて暴風雨の中、長時間並んだり、無謀にも徒歩で帰宅しようとしたりするなど、相変わらず芸のないドタバタ劇が繰り返されたのだ。

 「非常に強い」勢力の台風が東日本に上陸したのは、統計の残る1951年以降では意外にも初めてというから、油断していた面はあるのかもしれない(ちなみに、「非常に強い」は気象庁が台風の勢力を示す表現としては「猛烈な」に次いで2番目に強い)。しかし、いつ襲来するか予想ができない地震と異なり、台風は進路予測がリアルタイムで伝えられ、到達日時もほぼ予想できるにもかかわらずのこの醜態。東京にオフィスを構える企業の意識の低さに改めて愕然とさせられた。彼らの辞書に学習という文字はどうやら本当にないようだ。

 ●非常時の災害対策に「頑張ります」と答えた企業

 3.11直後、あるインターネットのニュースサイトに興味深い記事が掲載されていた(閲覧直後、たいした記事ではないと思って保存しておかなかったのが悔やまれる)。ある調査会社が、首都圏にオフィスを構える主要企業に対し、近い将来予想される首都圏直下型地震に備えてどのような対策を講じているかのアンケート調査を実施したのだが、その結果が実に様々で興味深いというものだった。すでに来るべき大地震に備えて首都圏以外に本社機能を分散したり、西日本に素早く本社を移転したりするなど機敏に動いた企業がある反面、ほとんど対策らしい対策を講じていない企業も目に付いた。

 記事によると、最もひどい回答だったのはある都内の大企業で、首都圏直下型地震に備えた対策のはずなのに、本社機能の分散先は同じ東京23区内。地震発生時の措置も「ただちに出社できる社員を本社に招集する」となっていた。調査票を見て呆れた調査会社の担当者が「首都圏直下型地震が起きたとき、23区内なんてどこも同じです。こんな対策では分散の意味がありませんよ。交通機関も止まり、道路も渋滞で動かなくなるのにどうやって社員を集めるんですか?」と電話で尋ねると、受話器の向こうから返ってきた答えは「頑張って集めます」だったという。この企業の危機管理に対する調査会社の評価が、5段階中の最低だったことはいうまでもない。

 ●パニックを起こすのはいつもエリート

 “A PARADISE BUILT IN HELL”(直訳すれば「楽園は地獄の中で作られる」、邦題「災害ユートピア」)という本を著した米国人ノンフィクション作家、レベッカ・ソルニットさんによれば、未曾有の大災害に見舞われたとき、民衆は見ず知らずの人に水や食料そして寝場所を与え、時として命すら投げ出し助け合う。ソルニットさんは、そのような理想社会をなぜ平時に作ることができないのかという問題提起をしながら、大災害の直後、一時的に発生するそのような「疑似ユートピア」について、次のように考察している。『…もちろん、災害自体は悲劇だ。だが、それはまるで「革命」にも似ていて、人々は突然未来が大きく開けたことを感じ、何かが可能であることを、驚きやパッション、強烈な思いを持って語るのだ。それは、自分の生活、アイデンティティ、コミュニティがこれまでとはまったく異なるものになり得る、という感覚だ。怖いことでもあるが、同時に解放的なことでもある』。

 確かに災害は人々から暮らしの基盤を根こそぎ奪い去ってしまう。大半の人はそれをただ単なる悲劇としか捉えられないだろう。だが、ものの見方を180度変えてみよう。会社の建物が津波で流されたり、そこまで行かなくとも倒産したりという事態になったら、社長も社員も失業してしまう。だが、それまでは「社長-社員」として上下関係だった2人は「失業者」として平等になる。復興がうまく行き、社員だった人が下克上を実現させて社長になれるかどうかはわからない。しかし、すべてを破壊する災害は万人を平等にするまたとない機会でもあるのだ。

 平等になってみると、それまでの社長の地位や役職は通用しないから、誰もが人間性だけで勝負しなければならなくなる。大災害の時に人間の本性が現れるのはこのためだ。人間性を磨く努力をせず、肩書きにモノを言わせて自分の主張や方針を押し通してきた人に限って、このような非常時に馬脚を現してしまう。永田町や霞ヶ関、丸の内界隈にはこの手のタイプが多い。

 ソルニットさんは、『日本では東日本大震災や原発事故への政府の対応が遅く、国民はひどく落胆した。そもそも政府に何かを期待し、まともになるよう求める議論自体が間違っているのだろうか』とのインタビュアーの質問にこう答えている――『いや、そうした議論自体は素晴らしい。災害が起こってはじめて、人々は政府とは何か、いったい政府に何が期待できるのかを知ることができるし、深く考えることになるからだ。アメリカでは、…(巨大ハリケーンの)カトリーナの後に市民のコミュニティがより機能するようになり、政府に要求を突きつけるようになった。民主主義における政府の質の向上は、何といっても国民の圧力の大きさいかんにかかっている』。

 ソルニットさんは、未曾有の災害に直面したときパニックを起こすのはいつも民衆ではなくパワー・エリート(支配層)なのだという。福島第1原発事故に関して、必要な情報が隠されたり、数ヶ月も経ってからこっそり後出しされたりすることに対して、政府や東京電力の幹部は決まって「パニックが起きるのを防ぐためにやむを得なかった」と愚にもつかない言い訳をするが、彼女は、災害時に一般市民のパニックが起こると想定し実際にパニックするのはエリートたちであり、むしろその“エリート・パニック”こそが社会を危険に陥れると説明する。

 支配層が民衆のパニックを恐れる理由に関して、彼女は「ハリウッドに代表される娯楽映画の影響が大きい。災害時にみなが落ち着いて整然としていては、チャールトン・ヘストンやトム・クルーズら英雄の出番がなくなってしまうからだ」と主張しているが、これは米国人特有のジョークだと思う。本当の理由は恐怖だろう。災害そのものへの恐怖ではなく「災害が万人を平等にする」ことに対しての恐怖だ。初めから失うものがない民衆には恐れるものもないから、生き生きと行動ができるようになる。

 このように考えれば、大災害に際して「大したことがないので落ち着いて行動するよう」訴えて臆病になるエリートと大胆に人助けをする民衆、その2つの対照的な行動を合理的に説明することができる。

 ●日本の「出世レース」の欺瞞

 今、欧米諸国でも政府や企業のトップが重要な決断を先送りする傾向が強まっており、そうした現象を「日本化」と呼んでいるそうだ。いち日本国民としては、そんな呼び方をする欧米人を失礼な奴らだと思うが、重要な決断ができないことに関しては、日本政府・企業トップは他の追随を許さない独走状態にある。

 なぜこんなことになってしまったのか。その理由は実は簡単である。日本の組織の出世レースにおいて極端な減点主義が採られているからだ。

 減点主義とは、平たく言えば先に失敗をした人から順に脱落させていくというシステムのことである。中小企業やベンチャー企業、外資系企業はこの限りではないが、日本の官公庁や大企業(特に独占的地位にある保守的な企業)は上位の役職への昇進者をほとんどこの方法によって決めている。1人、また1人と失敗をした人から順に脱落していき、最後に1人だけ残った人にトップの栄冠が輝くのだ。

 そのような組織でトップになりたければどのように行動すべきか。答えは簡単。何もしなければいいのである。何もしなければ失敗することもない。そして、なまじやる気を出したライバルが失敗をして脱落するのを横目で見ながら、ほくそ笑んでいればいいのである。

 政治家や官僚、電力会社やJRといった特権的な組織のトップたちはどうしてこう揃いもそろって無能で、嫉妬深くて、そのくせ自己保身能力だけには長けていて、しかもケチで厚かましいのか。賢明な本誌読者の大半はそのような憤りを抱いていると思う。筆者もまた、安全問題研究会を主宰しながら、過去、JR西日本の尼崎事故対応、JR東日本の信濃川不正取水問題への対応、そして福島在住の原発被曝者としての立場から東京電力の原発事故対応をつぶさに追いかける中で同じ疑問を抱いてきた。こうした資質のほとんどは「何もしない人間ほど昇進する」という不毛なシステムによって生み出されている。「放射能漏れを半年経っても止められない東京電力経営陣は無能の集団だ」などと今頃批判しても始まらない。日本のシステムは「クズ選抜装置」であり、それで選抜される経営陣は「粒ぞろいの無能たち」なのだから、彼らに何かができるほうがおかしいのだ。これから起業する若者たちに声を大にして訴えたいが、日本企業の幹部選抜システムを導入するくらいなら、アイドルグループ・AKB48のようにジャンケン大会で幹部を選抜するほうが何万倍も良い結果が得られると思う。

 日本の組織に宿命のように寄生するこの病を切開しなければ、日本はいずれ地震でも津波でも原発事故でもなく、「何もできない病」によって滅亡するだろう。ウォッカの瓶を空ける本数で党幹部の昇進を決めていたソ連が、ある日突然解体したように。

 ●ウォルフレンの「予言」

 日本を苦しめるこの「難病」に対して、もう20年近くも前に的確な診断を下していた外国人がいる。「人間を幸福にしない日本というシステム」の著者でオランダ人のカレル・ヴァン・ウォルフレン氏である。彼は同書の中で、日本を自動操縦装置で水平飛行することしかできない飛行機になぞらえた。離陸も着陸もできないこの不思議な飛行機には1億人の乗客が乗っているが、その誰もが根拠のない無邪気さによって、自分たちの飛行機はこの先何十年、いや何百年も水平飛行をし続けられると信じている。いくら日本製の自動操縦装置が世界一優秀といっても、燃料が切れれば飛行機は墜落せざるを得ないが、乗客・乗員の誰も燃料切れの可能性に気付かず、静かに破局の瞬間を待っているのだという。そういえば最近もどこかでそんな話があった。根拠もなく安全と言い続け、地震への備えなどまるでなく、いざ事が起きてから情報隠しに明け暮れているどこかの企業の話である。

 彼は、日本が早くこの危機に気付いて被害を最小限に食い止めてほしいと願いながらも、その可能性は残念ながら低く、手痛い打撃をこうむると予想していた。彼の予言が現実のものとなったいま、私たちは何をすべきなのか。ウォルフレン氏はすでにその回答も用意している――官僚独裁の実態を見抜き、民主主義を骨抜きにした官僚と闘うこと、記者クラブを廃止させマスコミを正常化すること、政治家を官僚に対する監視装置として育成していくこと。そして、そのひとつひとつが国民の直接行動によってのみ達成されうることを、彼はもう20年近くも前に明らかにしている。

 9月19日、東京・明治公園には6万人を超える市民が集まり、反原発を訴えた。私には、台風ごときで慌てふためいている東京都民と、明治公園で「経団連の実力者たちに抵抗する意思があることを思い知らせ」た(大江健三郎さん)東京都民が同じ人たちだとは思えない。今はまだその両方が東京都民の偽らざる姿だとしても、いずれ東京都民、そして日本国民は官僚と経団連と対決する「民主主義の鬼」とならなければならない。行動せず文句ばかり言っている民衆と、国民のための決断をせず、自分の周囲の小さな利益ばかりを追い求めている支配層の中にこそ、日本の真の危機があるのだから。

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本日の放射能測定値

2011-09-27 20:48:29 | 福島原発事故に伴う放射能測定値
<本日の計測結果>

・計測年月日、時間
 2011年9月27日 午後6時40分~6時50分

・計測場所
 福島県 西郷村転作促進技術研修センター

・計測時の気象条件(晴/曇/雨/雪の別及び風向、風速)
 天気:快晴
 風向・風速:北北西 3m

・計測結果(単位:マイクロシーベルト/時)
(1)八雲神社境内
  大気中(高さ100cm)   0.85
  土壌(高さ10cm)    1.03

(2)福島県西郷村転作促進技術研修センター正門前
  大気中(高さ100cm)   0.54
  舗装路面(高さ10cm)  0.51

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本日の放射能測定値

2011-09-26 20:57:01 | 福島原発事故に伴う放射能測定値
<本日の計測結果>

・計測年月日、時間
 2011年9月26日 午後6時15分~6時35分

・計測場所
 福島県 西郷村転作促進技術研修センター

・計測時の気象条件(晴/曇/雨/雪の別及び風向、風速)
 天気:晴
 風向・風速:北北東 4m

・計測結果(単位:マイクロシーベルト/時)
(1)八雲神社境内
  大気中(高さ100cm)   0.80
  土壌(高さ10cm)    1.15

(2)福島県西郷村転作促進技術研修センター正門前
  大気中(高さ100cm)   0.46
  舗装路面(高さ10cm)  0.43

<測定結果についてのコメント>
アスファルト舗装路面上の放射線量は、福島県計測の放射線量測定値のうち白河市の値とほぼ同じ値である。注目すべきなのは、舗装路面では地表と大気中の差がほとんどないこと。逆に、土壌はますます放射性物質の蓄積が進み、放射線量が高くなっているが、こちらも地表と大気中の差が以前と比べて小さくなっている。線量計の性能の差によるものか、本当にそうなのかはもう少し推移を見たいと思うが、舗装路面では周辺の土壌に蓄積した放射性物質から照射される放射線(γ線)がメインである一方、土壌では直接土壌から照射される放射線(β線など)も計測されているのではないかということが読み取れる(α線、β線は線量計で計測できないと考える識者も多いが、線量が高ければ観測できるとする説もある)。舗装路面での放射性物質の蓄積はほとんどない反面、土壌への蓄積は日を追うごとに進んでいることがうかがえる。

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本日の放射能測定値

2011-09-25 19:01:33 | 福島原発事故に伴う放射能測定値
<本日の計測結果>

・計測年月日、時間
 2011年9月25日 午後6時10分~6時20分

・計測場所
 福島県 西郷村転作促進技術研修センター

・計測時の気象条件(晴/曇/雨/雪の別及び風向、風速)
 天気:晴
 風向・風速:南東 1m

・計測結果(単位:マイクロシーベルト/時)
(1)八雲神社境内
  大気中(高さ100cm)   0.78
  土壌(高さ10cm)    1.05

(2)福島県西郷村転作促進技術研修センター正門前
  大気中(高さ100cm)   0.44
  舗装路面(高さ10cm)  0.54

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JR北海道・中島社長自殺の背景にあるもの

2011-09-24 23:16:11 | 鉄道・公共交通/安全問題
失踪のJR北海道社長、遺体を確認…小樽沖(読売)

JR北海道の中島尚俊社長が9月12日から行方不明になっていた問題は、発生から1週間後の18日、小樽沖で中島社長の遺体が発見されるという、衝撃的で最悪の結末を迎えた。

私は、政府・与党が2010年2月に示した国労組合員ら不採用者の再雇用問題に関する和解案に関し、中島社長が被解雇者らの再雇用拒否を6社の中で最初に表明したこと、また「ぎりぎりの経営をやっており、要員も効率化している」「(国鉄改革当時)多くの人が、鉄道を捨てるか北海道を捨てるかしてきた経緯をお考えいただきたい」などと述べたことに対し、当ブログなどを通じて厳しく批判してきた。私は中島社長に対して、政府と一体となり被解雇者らの再雇用を拒み続けた頑迷な経営者とのイメージしか持っていなかったが、一方で、どのような立場にある人物であろうと自殺はあってはならないことだし、中島社長を自殺に追い込んだ背景に何があるのかを追求することも当ブログと安全問題研究会に課せられた使命であると思うのである。しかもそれは、犠牲者が出なかったことが奇跡とも言うべきJR北海道の深刻な安全問題と直接、密接に関係しているからだ。

中島社長が安全問題で悩んでいたことは報道からも、またJR北海道の安全問題を長年ウォッチしてきた当ブログと安全問題研究会の立場からも間違いないと思われる。この点に関しては、9月17日に放送されたTBS系「報道特集」がうまくまとめている。その中では、--当ブログと安全問題研究会はすでに何度も指摘してきたことだが--JR北海道が会社発足時点より社員数を半分(民営化時14000人を現在、7100人)に削減したこと、それにもかかわらず特急列車の運転本数は2倍(民営化時78本から現在、140本)に増やした上、スピードアップ(札幌~釧路間で45分短縮)も行ったことなどの事実を明らかにしている。民営化前後の極端な採用抑制と首切りの結果、会社の中核を担うべき40歳代の社員が全体の1割しかいないという、歪な年齢構成も明らかにされている。

これらのすべてが中島社長の責任とは言わないとしても、民営化以降の歴代経営陣の責任であることは論を待たない。打ち続く事故やトラブル、列車火災などの重大インシデントの発生は、こうした合理化、人員削減、強引なスピードアップの明らかな帰結である。

ここで少し補足しておきたい。人員削減は他のJR各社も実施しており、JR西日本では尼崎事故、東日本では羽越線事故という「合理化にふさわしい悲劇的結末」ももたらされた。しかし、JR北海道の場合、人員削減がもたらす負の効果は大都市部を抱える本州3社とは比較にならないほど大きいのである。これは(九州、四国も同じことだが)路線数が少ない割に営業キロが長いという三島会社の特性が背景にある。たとえば首都圏の場合、1人の運転士が1日の勤務時間の中で京浜東北線に乗り、そのまま武蔵野線に乗務するような複数路線の掛け持ちは不可能ではない。しかし、北海道で1人の運転士が1日の勤務時間の中で根室本線に乗務し、そのまま宗谷本線にも乗務するようなことは絶対に不可能である。路線が首都圏のような面的な形ではなく線的に存在し、しかもそのひとつひとつの路線の営業距離が長く、ほとんどが盲腸線(行き止まり路線)である北海道の場合、「東日本も国鉄時代から4割人員を減らしたのだから自分たちもできる」などと考えてはならないのである。こうした人員削減を、JR北海道経営陣が「他社だってできたのだから」という理由だけで推進してきたとすれば、それはひとえに経営陣が鉄道の現場業務の実際と北海道特有の地理的状況、そして自社の路線配置が首都圏や関西と異なるという状況に対する理解を欠いているからである(もちろん当ブログと安全問題研究会は、JR他社の人員削減にも反対の立場である)。人員削減率が本州3社並みであったとしても、JR北海道ではこの結果、本州3社以上の激しい労働強化となってJR社員が追い詰められていることは容易に想像できる。中島社長の苦悩がこうした経営政策の結果であるとすれば、残念ながら中島社長に同情することは全くできない。

しかし、中島社長を追い詰めた問題が、安全崩壊以外にもうひとつあるという。例によって大手メディアは全く報じていないが、タブロイド夕刊紙「夕刊フジ」(9月13日付)がこの問題を追っている。同記事によれば、中島社長は北海道新幹線の建設に強いこだわりがあったという。しかし、新函館駅建設問題や、並行在来線を第三セクター分離するJR北海道の方針に対し、JRによる経営継続を要求する函館市が激しく反発していたという。

並行在来線の経営分離(と言う名の切り捨て)に関しては、すでに何度も指摘してきたとおり、自民党政権時代に作成された政府・与党合意が根拠である。当ブログと安全問題研究会はこの合意文書の破棄を再三にわたって要求し、国土交通省にも申し入れを行ってきた。この合意文書では、「並行在来線の経営分離についての沿線地方公共団体の同意の取付け」を着工の要件としており、沿線地方公共団体とは「関係するすべての沿線地方公共団体」と解されている。この解釈を根拠に、九州新幹線長崎ルート問題では、並行在来線「分離」のみを押しつけられ、新幹線が自分たちの区域内を通過しないため新幹線のメリットが全くない佐賀県鹿島市など2市町が、並行在来線分離に「不同意」を表明して5年間闘い続けた結果、「新幹線開業後も20年間、JR九州が並行在来線を既存路線と一体運営する」という大幅な譲歩を勝ち取っている。

さて、中島社長を追い詰めた問題がこの整備新幹線問題であるならば、当ブログと安全問題研究会はもう一度、政府・与党合意文書の破棄を求めるとともに、「意思決定は政府、運営主体はJR」という新幹線の「国策民営」方式の是非を問わなければならない。JRは新幹線の運営主体であるにもかかわらず、建設可否の決定権を与えられないまま、政治の意思で建設された新幹線を一方的に押しつけられる--こんな図式を最近もどこかで見たような気がする。そう、原発と全く同じ構図だ。

このように考えると、並行在来線分離を認める政府・与党合意の本当の狙いがますますはっきりする。東海道新幹線が開業したとたん、全国の特定地方交通線の赤字額合計より東海道本線1線の赤字額のほうが大きくなったように、新幹線はそれ自体が並行在来線を食いつぶし、破綻に導く巨大な「麻薬」である。政府・与党合意とは「麻薬」を強制注射されるJRに対し、壊死した細胞の切り捨てを認める国からの「アメ玉」だったのだ!

しかし、JRにとっては食いつぶされた並行在来線が壊死した細胞に過ぎないとしても、地域住民にとっては生命線であり貴重な地元の足である。公共交通を守る地域の闘いは、並行在来線切り捨てを打ち破る闘いとしてJRを直接大きく揺さぶっている。政治からは新幹線の押しつけ、地域自治体・住民からは生活路線切り捨てに対する明確な拒否回答…。こうした動揺の中で起きた中島社長の不可解な死は、いよいよJR本体が「国策民営体制」の矛盾に耐えきれず、引き裂かれ始めたことを示している。その意味では、中島社長もまた「国策民営」体制の犠牲者といえよう。

当ブログと安全問題研究会は、このような悲劇的な結末を迎え、あたらめて中島社長に哀悼の意を表する。同時にJR北海道の安全問題に対しては、乗務員を初めとする安全部門への大幅な増員を求めていく。そして、新幹線問題に関しては、再度、政府・与党合意の破棄を要求するとともに、地域公共交通を守る闘いにしっかり連帯していきたいと思っている。

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本日の放射能測定値

2011-09-24 21:22:56 | 福島原発事故に伴う放射能測定値
<本日の計測結果>

・計測年月日、時間
 2011年9月24日 午後5時45分~5時55分

・計測場所
 福島県 西郷村転作促進技術研修センター

・計測時の気象条件(晴/曇/雨/雪の別及び風向、風速)
 天気:晴
 風向・風速:北東 2m

・計測結果(単位:マイクロシーベルト/時)
(1)八雲神社境内
  大気中(高さ100cm)   0.77
  土壌(高さ10cm)    1.10

(2)福島県西郷村転作促進技術研修センター正門前
  大気中(高さ100cm)   0.45
  舗装路面(高さ10cm)  0.50

<測定結果についてのコメント>
測定ができなかった2ヶ月間、当ブログ管理人は、(1)土壌への放射性物質の蓄積がさらに進んでいる、(2)放射性物質の蓄積が進む土壌と、蓄積しない舗装部分との放射線量の差が大きくなっている・・・との予測を立てていたが、計測結果はそれを裏付けるものとなった。

ところで、7月3日の記事で、八雲神社境内で刈り取りが行われた後の雑草から1.73μSv/hもの高い計測値が出たことをお知らせした。今回、再びこの草を計測したところ、3.27μSv/hという衝撃的な数値が出た。これは現在の飯舘村役場よりはるかに高い数値である。土壌の汚染は恐るべき速度で進んでいる。最近、各地で除染の動きが進んでいるが、いったいどうやって除染を進めたらいいのだろうか。

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【測定再開しました】本日の放射能測定値

2011-09-23 20:42:24 | 福島原発事故に伴う放射能測定値
<本日の計測結果>

・計測年月日、時間
 2011年9月23日 午後1時50分~2時00分

・計測場所
 福島県 西郷村転作促進技術研修センター

・計測時の気象条件(晴/曇/雨/雪の別及び風向、風速)
 天気:晴
 風向・風速:北北西 8m

・計測結果(単位:マイクロシーベルト/時)
(1)八雲神社境内
  大気中(高さ100cm)   0.76
  土壌(高さ10cm)    1.03

(2)福島県西郷村転作促進技術研修センター正門前
  大気中(高さ100cm)   0.44
  舗装路面(高さ10cm)  0.38

<測定結果についてのコメント>
今日から約2ヶ月ぶりに放射線量測定を再開した。測定値の確定の仕方、及び測定場所の一部を変更したため、以前の測定値との単純比較はできないのでご注意いただきたい。(1)の八雲神社境内は以前と同じ場所である。(2)の福島県西郷村転作促進技術研修センター正門前は、土壌とアスファルト舗装での放射線量を比較するため、新たに設けた測定場所である。今後も今日と同じ方法で測定し、公表を行う。

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