安全問題研究会~鉄道を中心とした公共交通を通じて社会を考える~

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こんなにおかしい!ニッポンの鉄道政策
私たちは根室線をなくしてはならないと考えます
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【管理人よりお知らせ】オスプレイ配備に反対する沖縄県民大会にご参加ください!

2012-07-30 22:42:59 | その他社会・時事
管理人よりお知らせです。

すでにご承知の方も多いと思いますが、8月5日(日)に宜野湾海浜公園にて表記の大会が開催されます。

オスプレイは、その不安定で複雑な構造等から事故が多発しており、すでに多くの米軍乗員が死亡しています。あまりの事故の多さから「空飛ぶ棺桶」「未亡人製造機」などと呼ばれています。

このような危険な輸送機が「県外移設」されるはずだった普天間基地に強行配備されようとしています。普天間基地は住宅街の真ん中にあり、住民の頭上に墜落した場合、大惨事が予想されます。

「危険なのに国民の反対を無視して強行」されようとしている点で、オスプレイ配備問題は大飯原発再稼働問題と全く同じです。これまで基地被害に苦しんできた沖縄に連帯することが原発再稼働を止めることにつながります。当ブログ管理人はさすがに遠くて参加できませんが、このブログを読んで参加できる方は是非お願いいたします。

なお、詳細は「オスプレイ配備に反対する沖縄県民大会」事務局公式ブログをご覧ください。

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本日の放射能測定値

2012-07-27 21:55:06 | 福島原発事故に伴う放射能測定値
1.測定年月日、時間
 2012年7月27日(金) 午後9時00分~9時10分

2.測定時の気象条件(晴/曇/雨/雪の別及び風向、風速)
 天気:曇
 風向・風速:西南西 2m

3.測定場所及び測定結果(単位:マイクロシーベルト/時)
(1)福島県 JR新白河駅西口(高原口)
  ・新白河駅西口バス停横の土壌地
   大気中(高さ100cm)   0.44
   土壌(高さ10cm)    0.62

  ・新白河駅西口駐車場
   大気中(高さ100cm)   0.30
   舗装路面(高さ10cm)  0.35

(2)自宅室内(RC)    0.15

<放射線量測定に関するお知らせ>
次の定期測定は、2012年8月2日(木)に実施します。

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「犠牲のシステム」を超えた闘いへ~大飯原発再稼働から見えてきた「立地自治体問題」

2012-07-26 22:43:02 | 原発問題/一般
(当エントリは、当ブログ管理人が月刊誌「地域と労働運動」2012年8月号に発表した原稿をそのまま掲載しています。)

 日本国民の大多数が反対し、抗議行動を繰り広げる中、大飯原発3号機の再稼働が強行された。安全対策は全く不備で、国際的な原発推進機関であるIAEA(国際原子力機関)の基準すら全く満たさない。事実上、日本の原子力村さえ利益を上げ続けられるなら事故で世界中の市民を巻き添えにしてもかまわないという宣言に等しい。

 私は、この再稼働強行は人類史上最悪の暴挙だと考える。あのヒトラーですら、自分の信じる思想のために特定民族の大虐殺を行ったが、自分の金儲けのために無差別に誰でも殺すということはなかった。他人の意見に全く耳を貸さず、10万人の抗議行動も「大きな音だね」(声ではなく!)としか認識できない野田首相は今やヒトラー以下の暴君だ。この発言は、ルイ14世が発した「朕は国家なり!」と同様、民衆の苦労に全く考えの及ばないのんきな暴君の言葉として歴史に残るであろう。

 ところで、今回の大飯原発再稼働へ至る道筋を改めて検証してみると、政府は最初、どうしたら再稼働への道筋をつけられるのか全くわからず、むしろ途方に暮れているような姿すら随所に見受けられた。福島原発事故を経験するまで、日本の原発は黙っていても動くものだというのが原子力村の支配的な雰囲気であり、どうすれば再稼働できるかなどという課題に直面すること自体なかったのだから当然かもしれない。

 そんななか、執拗に原発再稼働を求めているのがむしろ福井県やおおい町であることが次第に見えてきた。その姿は、言葉は悪いが奴隷行政、物乞い行政としか言いようがないほどの醜悪なものだ。

 ●地元が主導した再稼働

 地元で再稼働への本格的な「地ならし」が始まったのは4月からである。福島原発事故で、立地自治体でもない20~40km圏の飯舘村や浪江町がより深刻な汚染を受けた現実を見て、関西の多くの自治体が再稼働に反対するようになったが、これを再稼働の危機と捉えた地元は積極的に「巻き返し」をもくろんだ。

 4月2日、枝野幸男経産相が、再稼働に際しては京都、滋賀両府県知事の理解が前提との認識を表明したのに対し、全国原子力発電所所在市町村協議会(全原協)会長でもある河瀬一治・敦賀市長は「地元とは立地自治体のことだ」として、範囲拡大の動きをけん制した。「周辺(自治体)が福島の事故を受けて心配するのも理解できる。原子力災害があったときは日本全体が補償の対象地域」とする一方「(地元了解の)範囲が広すぎると収拾がつかない」と指摘。あくまで立地県と立地市町を「地元」と強調したのだ。

 4月14日には、福井県を訪れた経産相に対し、西川一誠県知事が「立地地域の果たしてきた努力や貢献が必ずしも理解されていない」と述べ、国が再稼働に反対している関西を説得するよう求めた。この会談の後の記者会見で、西川知事は、原発の使用済み燃料について「今後、福井県だけで対応するわけにはいかないものもある。電力を消費してきた地域にも、痛みを分かち合う分担をお願いしないといけない」と述べたが、再稼働に反対する関西への「恫喝」のように私には聞こえる。

 西川知事はまた「将来の見通しもなく、いろんなことを言うのは望ましくない。もっと真剣にこの問題を考えるべきだ。関西の反対とか賛成とか、同意を得るとかの話ではない」と、敦賀市長と同様の見解を繰り返した。「同意」し得る立場にあるのはあくまでも立地自治体だけ、部外者がごちゃごちゃ言うな、と言わんばかりだ。そうかと思えば「電力消費地が電気は必要ないと言い、国も必要性を感じないなら(大飯原発を)無理に動かす理由はない」と述べるなど、まるで駄々っ子だ。

 時岡忍・おおい町長は、再稼働に同意したことについて「苦渋の決断」と述べたが、顔は少しも苦渋になど満ちていなかった。未曾有の苦しみの中にある福島に比べれば、その苦渋など児戯に等しいと思う。

 一方、関西広域連合が、原発の稼働を「電力需給が逼迫」する夏季だけに限定するよう求めたことに対して、福井商工会議所の川田達男会頭は「関西は上から目線で『動かしていいよ』と言っているよう。そんなことを言われる筋合いはない。暫定、臨時などというわけの分からないものでは非常に収まらないものがある。県民感情として納得できず、電気を送ろうという気にならない」とまで言い放った。

 敦賀市長も「安全面からみれば動かす期間は関係なく、理屈に合わない」と暴言を吐いた。どうせ危険なのだから臨時だろうと通年だろうと大勢に影響はないというわけで、まさに「毒を食らわば皿まで」だ。

 総じて、福井県内の原発立地自治体の長や経済界の発言からは「電力を生産してやっているのだから消費地は黙って感謝だけしていろ」という傲りの姿勢しか見えない。

 ●救いがたい腐敗行政

 河瀬・敦賀市長が2011年11~12月にかけて、地元特産の越前ガニの詰め合わせ(1万円)を市長交際費で購入し、与野党の国会議員に「お歳暮」として贈っていたことが判明した。国会議員会館に陳情に来ていた市民による「受け渡し現場」の目撃情報もある。贈られたのは以下の11人だ。

細野豪志・原発事故担当相
川端達夫・総務相(元文部科学相)
中川正春・防災担当相(前文部科学相)
前原誠司・民主党政調会長
海江田万里・元経済産業相
谷垣禎一・自民党総裁
中川秀直・同元幹事長
石原伸晃・同幹事長
大島理森・同副総裁
糸川正晃・民主党福井県連代表
山崎正昭・参院議員(自民党、福井選挙区)

 敦賀市長は、地元住民によって贈賄罪で福井地検に告発されており、5月23日、福井地検は告発状を受理する決定をしている。

 時岡忍・おおい町長が役員を務める建設会社「日新工機」は、関西電力から過去6年間で4億円もの工事を受注しており、社長は町長の息子が務めている。この問題を取材していた朝のテレビ情報番組「モーニングバード」が時岡町長を直撃、取材班と町長の間で次のようなやりとりがあった。

 ――息子さんに譲ったとはいえ、今も取締役に名を連ねていますが…。

 「全然ノータッチ。関係ない、まったく中立です。…(会社は)いま倒産寸前ですよ。原発1本やりですから」

 ――だからこそ再稼動させて欲しいのでは?

 「そんな、うちの息子のために再稼働できるはずないですよ。原発が回る、回らないは町の命運に大きく影響するのは事実です」

 自分と息子のための再稼働なのではないのかという質問を否定しながらも、会社と町のために再稼働させてほしいという本音があけすけに語られている。

 ●行政をチェックすべき議会は?

 それでは、この救いがたい行政の腐敗に対し、チェック機能を果たすべき議会は何をしてきたのか。こちらも驚くべき実態が見えてきた。

 おおい町議会の新谷欣也議長は6月12日、再稼働の是非について審議中の全員協議会を取材していた民放テレビ局の取材班から「何かひとことコメントを」と求められたのに対し、「あ」と答えた。いぶかる取材班に対し、「ひとことと言うから“あ”と言ったじゃないですか」などと幼稚園児のような対応をしたのだ。

 このときの全員協議会は15分遅れでの開催となったが、その理由をメディアに尋ねられた際には「おなかを下して、トイレに行っていた」などと釈明にもならない釈明をした。この少し前、国会で田中直紀・防衛相(当時)が審議中に席を外していた問題で「コーヒーを飲みに行っていた」と答弁したことを「参考」にしたのだろうが、結果としてこのやりとりはテレビ放映されたばかりでなく、インターネットにも動画が掲載され、町議会には抗議が殺到。新谷議長は6月に辞任に追い込まれたが、議長は辞めても議員は辞職せず、歳費を受け続けている。

 おおい町議会には14人の議員がいるが、3.11以降福島を訪れた者は1人もいない。事故を起こさなかった女川原発だけを東北電力の接待で「視察」し帰ってくる議員らに危機感のかけらもない。

 とはいえ、こうした腐敗は首長や役場、議会の話で、一般住民の多くは原発再稼働に反対していることも付け加える必要がある。「おおい町がみんな(再稼働に)賛成しているように言われるのは心外。メディアがそんな報道をするのは議員や首長ばかり取材するからですよ。もし事故が起きて琵琶湖が汚染されて水が飲めなくなったら、これまで関心のなかった大阪の人も絶対に文句言い出す。関電にカネもらってる町民のせいだということになり、我々は石を投げられる」(ある住民)と事故を懸念している。福島原発事故以降、原発周辺は危険という意識が広がり、大飯でも旅館の客足はガクンと落ちたという。「原発が稼働しないと地元経済が疲弊する」というのは土建業に限定した話であり、観光産業にはむしろ原発こそ悪影響を及ぼしているのだ。

 ●生まれ変わる福島

 長く戦後補償・靖国問題を追い続けてきた高橋哲哉さんの「犠牲のシステム福島・沖縄」(集英社新書)の売れ行きが好調だという。「公害があるから差別が生まれるのではない。差別のあるところに公害が持ち込まれるのだ」。水俣病患者に寄り添い続け、先日、惜しまれながら他界した原田正純さんが生前、このように述べていたが、こうした差別構造の上に迷惑施設を押しつける社会構造を理解するための入門書としてこの本は格好のものだと思う。米軍基地に苦しむ沖縄でも書店に平積みにされ売れているようだ。

 もちろん筆者はこの本の意義を否定するものではないし、趣旨には全面的に賛同できるが、大飯原発再稼働を巡るこうした立地自治体のバカ騒ぎを見ていると、もはや事態は「犠牲のシステム」論だけでも説明できない新たな段階に入ったように思う。むしろ、自分から補助金をくれくれとせがむ地元自治体の「物乞い行政」をいかにして倒すか考えなければならないと思うのだ。

 筆者は、本誌133号(2011年11月号)でこのように記した。『奴隷に甘んずることを潔しとせず、自分たちを奴隷に落とし込んでいる者たちと闘うため進路を変えた魯迅のように、東北の労働者や農民たちは今こそ自立し決起すべきだ。中央からの涙金にすがって東北を腐らせてきた自治体首長たちに退場を宣告し、子どもを放射能から守るために東北独特の家父長制を突き破ろうともがいている母親たちをみんなで守らなければならない』。

 このことは、すべての原発立地自治体に同じように当てはまる。実際、山口県・旧豊北町(現・下関市)や新潟県巻町のように闘いで原発を拒否した町もある。そうした中で、なぜ現在の立地自治体が闘いきれなかったのか。原発を拒否した町と受け入れた町の間にどんな違いがあるのか。いま検証すべき時期に来ている。

 月刊誌「世界」(岩波書店)2012年4月号に掲載された「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」世話人である中手聖一さんの思いをご紹介しよう。

 『…避難にせよ、除染にせよ、日本政府のとってきた態度は福島棄民政策だ。私たちもそれは分かっている。避難政策の拡充もせず、自助努力に任せたままだ。いま行われている除染は、住民流出を防ぎたい自治体によるデモンストレーションに過ぎない。電気も食料も供給できない福島は、もう用無しとでも言いたいかのように、日本政府は本質的な解決策をとろうとしない。…(中略)…“福島人”は生まれ変わらなければならない。福島の再生こそ私たち福島人の願いであり、子孫への責任である。10基もの原発建設を許し、40年ものあいだ運転を容認してきた、過去の福島人のままでは、福島は完全に使い棄てられてしまうだろう。遠い将来(おそらく数百年後であろうが)、もう一度福島が再生するためには、私たち福島人が生まれ変わり、新しい福島人の文化を創り出していくことが必要だ』

 原発事故によって苦しみの中にある福島からの示唆に富んだ言葉だ。原発事故が起きれば、福井も福島と同じようになる。「電気も食料も供給できなくなった町に用はない」と完全にうち捨てられ、避難もさせてもらえず、住民は健康被害に怯え、苦しみ続けなければならない。本当にそれでいいのかもう一度考えてほしい。地元議会、首長が住民を代表しないなら、引きずり倒してでも変えるしかない。福島のようになる前に。

 原発はもはや「犠牲のシステム」問題ではない。立地自治体問題である。福島は県知事も議会も原発のない県を目指すと宣言した。原発を拒否して何で食べていくのか。どのようにして雇用を創り出していくのか。これらは大変難しい問題だが、私たち福島がその先例になりたいと思う。すべての立地自治体は私たち福島に続いてほしい。

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本日の放射能測定値

2012-07-19 21:42:55 | 福島原発事故に伴う放射能測定値
1.測定年月日、時間
 2012年7月19日(木) 午後9時05分~9時15分

2.測定時の気象条件(晴/曇/雨/雪の別及び風向、風速)
 天気:曇
 風向・風速:東南東 1m

3.測定場所及び測定結果(単位:マイクロシーベルト/時)
(1)福島県 JR新白河駅西口(高原口)
  ・新白河駅西口バス停横の土壌地
   大気中(高さ100cm)   0.61
   土壌(高さ10cm)    0.58

  ・新白河駅西口駐車場
   大気中(高さ100cm)   0.36
   舗装路面(高さ10cm)  0.39

(2)自宅室内(RC)    0.18

<放射線量測定に関するお知らせ>
次の定期測定は、管理人出張のため、2012年7月27日(金)に実施します。

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さようなら原発10万人集会」における武藤類子さんスピーチ

2012-07-18 23:42:14 | 原発問題/一般
7月16日開催された「さようなら原発10万人集会」での、武藤類子さんのスピーチの内容は以下の通りです。

ハイロアクション・福島原発40年実行委員会サイトから

熱い日差しの中を「さよなら原発10万人集会」につながる皆さん。

本当によく来て下さいました。主催者でもない私がこんなことを言うのはちょっと変ですが、でも、本当によく来て下さった・・・と思うのです。

3・11からの日々、福島の人々も、もちろんそうですが、福島原発事故に心を痛め、原発がある社会を憂えた日本中の人々が、やさしく支え合い、自分にできる何かを・・・と立ち上がり、数々の行動を起こしてきました。

今日、皆さんにお話ししたいのは、悲しみと困難の中で、それぞれが本当に「よくやってきたね」と言うことです。

明らかにされていく事実の中で、更にがっかりすることや驚きあきれることもたくさんありました。
数々の分断は私たちをバラバラにしようとしました。
 
暗闇の中で、翻弄され、傷つき、混乱しながら、それでもつながり続け、ひとりひとりが最善を尽くして来たと思うのです。

それが、この夏の公園にひろがる色とりどりの花もようです。

官邸前の熱い金曜日です。

日本中で展開される福島の子どもたちの保養プロジェクトや健康相談です。

日本のあちこちに市民の力で建てられた放射能測定所です。

さまざまな人々が立ち寄っていく経産省前テントです。

いちはやくマンパワーを送り込んでくださった障がいを持つ人々を支えるネットワークです。 

被曝の中で行われた数々の除染実験です。

見知らぬ土地での勇気をふりしぼった新しい生活です。

福島の女たちの大飯原発弾丸ツアーです。

1300人以上の市民による集団告訴です。

電力会社を訴える数々の裁判です。

政治に訴えるあらゆる取り組みです。

情報開示や自治体へのたゆまぬ働きかけです。

インターネットでまたたくまに拡がっていく小さな報道です。映画であり、音楽であり、書物です。

各地で広がるユーモラスな福島の古い盆踊りです。

今、私たちの上を飛ぶヘリコプターです。

そして、今日、福島県の二本松市というところからてくてくと歩いてやって来た人がいます。

「灰の行進」の関さんです。

彼は、6月のある日、たった一人で東京に向かって歩き始めました。

かつて、3・11の原発事故が起きる前に二人の若者が、東京から福島までを歩き通す「ハイロウォーク」を試みようとしたことがありました。それは、消費地東京から原発現地の福島へ・・・電気を送る道を逆にたどり、原発なき世界の新しいビジョンを考える行進のはずでした。

しかし、今、電気の道をたどりながら、放射能に汚染された庭の土を背中に背負って関さんは一歩一歩、歩いて来ました。明日、東電と経産省に「あなたがたが出したものを返しに来たよ」と渡しに行くのだそうです。暑い日も雨の日もてくてく歩くうちに、ひとりふたりと同行者が増え、今日は、どれくらいの人々とともにこの公園へ歩いて来られたのでしょうか。

わたしたちは、今日ここで、「ほんとうに、よくやってきたね」と自分をほめ、今、となりにいる人をほめましょう。

そして、深く息を吐き、体をいたわりましょう。私たちの行動を支えてきた大切な体です。

これ以上、自分自身をすりへらしてはいけません。

明日をかしこく生きるために、ひそかにほほえみをたくわえましょう。

しかし、それでも福島の現状はあまりにも厳しいのです。

4号機、甲状腺検査、再稼働、瓦礫問題、安全保障

廃墟と復興の間(はざま)で、ひっそりと絶たれていく命たち・・・

アメリカのジョアンナ・メイシーという人がかつて言いました。

「絶望こそが希望である」と。

福島原発事故という最悪の事態の中から、私たちはかすかな光をたぐり寄せ、今、このように青空のもとに集まっています。

声なき声と共にあり、分断のワナにゆめゆめ落ち込むことなく、かしこくつながりあっていきましょう。

共に歩んでいきましょう。

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さようなら原発10万人報告(福島・白河)

2012-07-16 22:26:49 | 原発問題/一般
私は今回、福島県白河地域の人たちがバスを出すことになったので、そのバスに便乗し、朝7時30分に出発しました。首都高は3連休のせいかガラガラで、10時半前には会場に着きました。「原発いらない福島の女たち」の黒田節子さんによれば、郡山からバスは5台出たとのことで、福島からだけでも参加者は300人を超えていたと思います。

私はデモ終了後、すぐに帰りのバスに乗らなければならないので、白河組と一緒に行動しました。福島からの参加者は、午後1時半すぐにデモに出発したので、メインステージは全く見ていません。神田香織さんの元気のいい司会の声だけが時々聞こえるという状態でした。

デモ隊がなかなか動かず、代々木公園を出るか出ないかという頃、「参加者17万人」という声だけははっきり聞こえました。その瞬間、拍手が沸きました。大江健三郎さんや澤地久枝さんが私たちのデモ隊のすぐ前を通って退場されるときにまた大きな拍手と歓声があがりました。

代々木公園を出ても、デモ隊はのろのろ状態でなかなか進みません。責任者からは「デモの距離は2.7kmなので1時間ほどで終わり」と聞いていましたが、そんな短時間で解散地点に着けるとはとても思えず、改めて17万人の巨大さを感じました。

白河地域からの参加者は民主商工会や農民連関係者が多く、「子どもを守れ」「東電は賠償しろ」等のシュプレヒコールをあげながら進みました。各地で猛暑日を記録する中、東京都内でも猛烈な日差しが照りつけましたが、風も強く、体感的にはそれほど暑くは感じませんでした。

午後3時半頃、新宿中央公園の解散地点に着きました。予定の2倍、2時間かかりました。

帰りのバスの中で、参加者それぞれが感想を出し合いました。「17万人の1人になれて、巨大な力をもらった」(民主商工会・女性)、「原発事故前まで米と野菜を作っていた。事故後、米も野菜も産直として出荷できなくなり、夢も希望も未来もなくなって落ち込んでいたが、巨大な人たちが原発反対を訴えていることがわかって希望が見えた」(農家・男性)、「双葉町から西郷村に避難してきた。夫婦2人だけでいると落ち込むことが多いが、今日は元気が出てきた」(避難者・男性)、「今日は、何か行動を起こさなければと思ってこのバスに乗った。黙っていたら(原発推進、再稼働を)認めたことになってしまう」(民主商工会・男性)などの感想が出されました。

福島の怒り、悲しみはずっと続いています。事故直後よりもそれは大きく、深くさえなっています。それらを表現する場をうまく作ることができれば大きなエネルギーを生み出すことができます。

最後に、責任者の男性が「これからもずっと訴え続けていくことが必要だ。何度でも行動し続けよう」と締めくくりました。

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【緊急告知】さようなら原発10万人集会にご参加ください!

2012-07-15 23:00:23 | 原発問題/一般
管理人よりお知らせです。

当ブログの「原発問題」カテゴリを常時、ウォッチしていらっしゃるような方はご承知かと思いますが、明日16日、東京・代々木公園で表題の集会が行われます。

 ・主催者団体のパンフレット(PDF)
 ・プログラム・会場案内図(PDF)

すでに、野田首相は毎週金曜日夕方は官邸に出入りしない、と決めているという報道もなされています。毎週、官邸前で数万人規模のデモが行われるというかつてない政治的高揚の中で開かれるこの集会は、改めて国民の反原発の政治的意志を強烈に示す場となります。主催者が目指した10万人では到底収まらず、場合によっては20万人を超える人出となることも予想されます。

なお、明日は今日よりもさらに気温が上がり、集会・デモを行うにはかなり過酷な気候となる見込みです。混乱を避けるため、参加者は以下の点を十分守り、整然と行動するようにお願いします。

・主催者・警察の指示に従ってください。ただし、明らかに通常の警備を超える不当な規制が行われている場合は、集会の自由に基づき平和的に抗議することはかまいません。

・睡眠・食事はしっかり取り万全の体調で臨むようお願いします。また熱中症を避けるため、当日も水分、塩分を充分摂るようお願いします。もし体調不良となった場合は無理に参加を続行せず、帰宅し医療機関で手当を受けるようお願いします。

・10万人を超える人出となった場合、集会・デモ中に友人・知人と合流することはほぼ不可能です。無理に動こうとせず、今いる場所で自分の主張を精いっぱいするよう心がけてください。また、携帯電話も通じないことが考えられるので、他人との合流は集会・デモ終了後に改めて連絡しあうか、あらかじめ落ち合う場所を決めておくようお勧めします。

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【お知らせ】尼崎4.21集会報告「尼崎と福島―今、私たちに問われているもの」を修正加筆しました

2012-07-14 12:25:25 | 鉄道・公共交通/安全問題
管理人よりお知らせです。

大変遅くなりましたが、2012年4月21日の「ノーモア尼崎! 生命と安全を守る4.21集会」で当ブログ管理人が報告した「尼崎と福島―今、私たちに問われているもの」について、この集会に参加していた滋賀県の関係者が、報告内容のメモをもとに書き起こしをしてくださいました。管理人から改めてお礼申し上げます。

そこで、私のほうで明らかな漏れ、間違い等を修正の上大幅に加筆し、安全問題研究会サイト内の「尼崎事故コーナー」にも更新内容をアップしました。内容を見たい方は、こちらからどうぞ。

また、当ブログ管理人が報告に使用したスライド資料をご希望の方も、このコーナーにありますのでご覧ください。

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本日の放射能測定値

2012-07-12 23:22:22 | 福島原発事故に伴う放射能測定値
1.測定年月日、時間
 2012年7月12日(木) 午後7時10分~7時20分

2.測定時の気象条件(晴/曇/雨/雪の別及び風向、風速)
 天気:曇
 風向・風速:南南西 7m

3.測定場所及び測定結果(単位:マイクロシーベルト/時)
(1)福島県 JR新白河駅西口(高原口)
  ・新白河駅西口バス停横の土壌地
   大気中(高さ100cm)   0.65
   土壌(高さ10cm)    0.56

  ・新白河駅西口駐車場
   大気中(高さ100cm)   0.40
   舗装路面(高さ10cm)  0.44

(2)自宅室内(RC)    0.17

<測定結果に関するコメント>
測定を実施する頃には雨が上がったが、今日の日中はかなり激しい雨が降っていた。そのせいか、今日の測定では土壌は線量が下がり、舗装路面は上がっている。

この急激な空間線量の変化は6月21日の測定と同じである。大雨が降った後に土壌の線量が下がり、舗装路面は上がるという傾向が2回続けてはっきり見られたことには注目すべきだと思う。

<放射線量測定に関するお知らせ>
次の定期測定は、2012年7月19日(木)に実施します。

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権力に飼い慣らされた「記者クラブ」の哀れな実態

2012-07-11 20:14:38 | その他社会・時事
(この記事は、当ブログ管理人が「レイバーネット日本」向けに執筆したコラムをそのまま掲載したものです。)

●特別の便宜供与

 多くの人が行き交う官庁街に、今年もクールビズの季節がやってきた。昼休みともなると、ネクタイを着けず、ワイシャツの首のボタンを外したラフな格好の官僚たちが、額の汗を拭きながら街に繰り出す。小泉政権の置き土産の中で、貧富の格差の拡大につながらずに済んだものといえば、このクールビズくらいだろう。

 中央省庁や地方の国の出先機関が入居する合同庁舎を訪れたことがある人なら、そこに売店や食堂、自動販売機、郵便局や銀行の窓口、時には理髪店や喫茶店まで入居していることをご存じの方も多いと思う。これらは官僚たちの福利厚生のためという名目で入居しているが、代金さえ支払えば誰でも利用でき、その価格も世間より安いため外部からの利用もたくさんある。

 国有財産法では、国の業務と直接関係のない者に対して国有財産を貸してはならず、職員の福利厚生のために店舗を入居させる場合でも、必ず有料使用として賃料を支払わせることを原則としている(だからこそ、経産省前テントひろばに対し、経産省は一度、賃料を支払わせようと試みたのだ。賃料を取れば使用を許可したことになる、と気づいて最後は結局、あきらめたようだが)。しかし、ほとんどのテナント商店が、国に対して賃料を払いながら営業をしている中で、国の機関でないにもかかわらず庁舎に入居し賃料も支払っていない組織がある。それが諸悪の根源――記者クラブである。

 記者クラブは、多くの庁舎でロビーからもエレベーターホールからも遠く離れた建物の端に、人目を避けるように置かれている。ほとんどが看板も掲げず、掲げている場合でも「霞クラブ」とか県政○○会などという名称に「偽装」して、訪れた市民に記者クラブだと悟られないようにしている。よほど後ろめたいのだろう。彼らがもしこれを「報道の自由、国民の知る権利のために闘って勝ち取ったスペースなのだ」と思っているなら、堂々と看板を掲げればいいではないか。実際の彼らの姿は、報道の自由や知る権利などといった高邁な理想とは無縁の状況にある。

 そもそも、テナント商店が賃料を払っている中で、国の機関でもない記者クラブがなぜ賃料無料という特別の便宜供与を受けているのか。国有財産法にそのような規定はなく、この「特別措置」は何を根拠にしているのか。それを調べていくと、記者クラブを飼い慣らし、手なずけようとする政府の本音が見えてきた。

 ●政府の「口」となるなら無料?

 「行政財産を使用又は収益させる場合の取扱いの基準について」と題された1本の通達がある。1958年、当時の大蔵省管財局(現在の財務省理財局)から各省庁宛てに発せられたものだ。この通達には、新聞記者室を「国の事務、事業の遂行のため、国が当該施設を提供するものであるから、この基準における使用収益とはみなさないことができる」とする規定がある。使用収益とは難解な官僚用語だが、有償使用の意味だとお考えいただいてかまわない。記者クラブに対する特別の便宜供与の「根拠」がここに示されている。

 しかも、この通達をよく読んでみると、使用収益と「みなしてはならない」でも「みなさないものとする」でもなく「みなさないことができる」という表現になっている。新聞記者室に対する賃料を無料にするかしないかの裁量権を国(財務省)に与える内容だ。これが何を意味するか、もはや説明するまでもないであろう。

 私は、ある財務省関係者に「国の機関でもないのに、どうして記者クラブだけこのような取扱いをしているのか」と尋ねたことがある。すると彼は悪びれもせずこう言った。「国の業務の一環だからです。本来なら我々がやるべき広報業務を各メディアさんに担っていただいている。だからそのようにしているのです」。

やはり私の予想していたとおりだった。件の通達にあった「使用収益とみなさないことができる」とは「おとなしく政府の口(広報宣伝機関)として働くなら賃料はタダにしてやる」の意味だったのだ。

 ●唯々諾々と家畜化するメディア

 それにしても情けないのはメディアである。テナント商店が正々堂々と競争入札で営業権を得て、賃料も払って営業している中で、自分たちだけが賃料無料となっていることを疑問に思うだけの力量もなければ便宜供与を返上する気概もない。あるのは政府の広報機関として、プレスリリースを疑いも持たず垂れ流す奴隷根性だけだ。便宜供与を受け続けるなら、せめて私が冒頭に書いたように「報道の自由、国民の知る権利のために闘って勝ち取ったスペースなのだ」と弁明のひとつくらいしてもらいたいものだ。それすらもせず、訳のわからない同好会のような名称に偽装して、ロビーから遠いところに隠れるように存在する記者クラブが日本を悪くした病弊のひとつであることに異論はないだろう。

 仮に、正義感の強い記者が、官僚の腐敗の事実をつかみ「徹底追及したい」と考えたとしても、記者クラブがある限り無理だと思う。「それで記者室使用料が有料になったとき、お前は責任を取るのか」とデスクに言われたら、その記者は追及をあきらめるか、辞表を叩き付けフリーとして追及を続けるかのどちらかになるだろう。権力に飼い慣らされた記者クラブから優れた調査報道など生まれようがない。

 先日は、国会記者会館の屋上から官邸前金曜デモの写真を撮ろうとしたネットメディアの記者が、クラブ非加盟であることを理由に屋上の使用を拒まれるという「事件」もあった。国会記者会館の自称「管理者」の男は、「非加盟社には建物の使用を許可できないというガイドラインがあるなら示せ」と迫るネットメディアの記者に対し、「ガイドラインはない」「見せられない」「子どもの駄々のようなあなたの相手をしていられない」など、会館があたかも自分の私有物ででもあるかのような居丈高な対応に終始したが、この男などは「権力の家畜」生活が長すぎて自分が人間であることさえ忘れてしまった哀れな奴隷の最終形態であろう。

 マスコミ関係者は、今、自分たちが国民からどのように見られているか知っているのだろうか。インターネットを覗いてみると、最近の日本のマスメディアは良くて北朝鮮並み、悪ければそれ以下(報道の自由があるのに自分からそれを投げ捨てているという意味で北朝鮮より悪い)という辛辣な評価が下されているのだ。

記者クラブなど百害あって一利なし。さっさと解散して個々の報道機関、記者個人が切磋琢磨し合いながら技量を磨いていく以外に、この国のメディアが立ち直る道はない。

<参考>
財務省通達「行政財産を使用又は収益させる場合の取扱いの基準について」は財務省ホームページで公開されている。

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