安全問題研究会~鉄道を中心とした公共交通を通じて社会を考える~

公共交通と原発を中心に社会を幅広く考える。連帯を求めて孤立を恐れず、理想に近づくため毎日をより良く生きる。

当ブログのご案内

当サイトは列車の旅と温泉をメインに鉄道・旅行を楽しみ、また社会を考えるサイトです。

「あなたがすることのほとんどは無意味でも、あなたはそれをしなくてはなりません。それは世界を変えるためではなく、あなたが世界によって変えられないようにするためです」(マハトマ・ガンジーの言葉)を活動上の支えにしています。

<利用上のご注意>

当ブログの基本的な運営方針

●当ブログまたは当ブログ付属サイトのコンテンツの利用については、こちらをご覧ください。

●その他、当サイトにおける個人情報保護方針をご覧ください。

●当ブログ管理人に原稿執筆依頼をする場合は、masa710224*goo.jp(*を@に変えて送信してください)までお願いします。

●当ブログに記載している公共交通機関や観光・宿泊施設等のメニュー・料金等は、当ブログ管理人が利用した時点でのものです。ご利用の際は必ず運営事業者のサイト等でご確認ください。当ブログ記載の情報が元で損害を被った場合でも、当ブログはその責を負いかねます。

●管理人の著作(いずれも共著)
次世代へつなぐ地域の鉄道——国交省検討会提言を批判する(緑風出版)
地域における鉄道の復権─持続可能な社会への展望(緑風出版)
原発を止める55の方法(宝島社)

●管理人の寄稿
月刊『住民と自治』 2022年8月号 住民の足を守ろう―権利としての地域公共交通
核のない未来を願って 松井英介遺稿・追悼集(緑風出版)

●安全問題研究会が、JRグループ再国有化をめざし日本鉄道公団法案を決定!

●安全問題研究会政策ビラ・パンフレット
こんなにおかしい!ニッポンの鉄道政策
私たちは根室線をなくしてはならないと考えます
国は今こそ貨物列車迂回対策を!

また静岡で震度5弱 東海地震との関連は?

2011-08-02 23:00:45 | 気象・地震
平成23年8月1日23時58分頃の駿河湾の地震について(気象庁報道発表)

3.11以降、静岡でも頻繁に震度5以上が観測されるようになった。場所が場所だけに、いやでも東海地震との関連が気にかかる。この地域では、2009年8月9日、11日と立て続けに震度6弱を記録して以降、しばらく地震活動は落ち着いていたが、3.11以降再び騒がしくなった。

冒頭でリンクした気象庁報道発表を見よう。地震規模はM6.1で阪神大震災よりほぼ1小さいからエネルギーは阪神の32分の1。震源深さは約20kmで2009年8月11日の地震とほぼ同じだ。

とはいえ、2009年の地震と共通しているのはここまで。発震機構を2009年の地震と比較すると、2009年は8月9日、11日の2回とも北北東-南南西方向に圧力軸を持つ横ずれ断層型だったのに対し、3月15日の地震と今回の地震は2回とも南北方向に圧力軸を持つ逆断層型と、微妙に変化している。この変化が何を意味するのかについては、当ブログも現在のところ確定的な見解を持っていない。

この地震が単なるひとつの活断層のいたずらなのか、それとも来るべき東海地震の予兆のひとつなのか。気象庁は東海地震と「無関係」との立場を取っているが、私は両方の可能性を考慮すべきと考える。活断層に関して言えば、2009年の2回の地震から今年の3月15日、そして今回ともに震源地が「糸魚川-静岡構造線」の静岡側の末端部に位置しているという特徴があり、プレート境界に関して言えば、これら4回の地震はいずれもフィリピン海プレートとユーラシアプレートの境界に近い場所で起きている。つまり、これらの地震は活断層型地震、プレート境界型地震の前兆どちらからもそれなりに説明がつくのである。つまり、この地震が来たるべき東海地震の長期的前兆現象のひとつであるとする考え方も捨てきれないのだ。

当然のことだが、プレートの境界に近い地域では、(1)プレートの継続的な沈み込みに伴って地殻に大きな歪みが生まれ、それが正断層型地震を引き起こすことが多い。そして、(2)プレート境界のアスペリティ(固着域;ぶつかり合う2つのプレートが接触している部分)の歪みが限界に達すると、次第に震源がプレート境界に近づく。やがて(3)プレート境界で中規模の地震が増え、固着域が剥がれ始める。プレート境界型地震はこのような経過をたどって発生していくのだ。

(1)~(2)~(3)に至る過程は長ければ十数年に及ぶこともある。(1)から(2)に移行するのが概ねプレート境界型大地震の10年~数年前、(2)から(3)に移行するのが概ねプレート境界型大地震の数年前となる(ある程度幅があるが、3~5年前からこのような現象が始まると考えられる。現に、福島県沖では2008年7月から2010年6月までの間に中規模のプレート境界型地震が3回発生している)。

これが、長年にわたって日本付近の地震を観察し続けた当ブログの結論である。東海地震にこの推論が当てはめられるなら、現在はまだ(1)の段階であり、まもなく(2)に移行するかどうかというところだろう。もう少し時間的余裕はあると考えられるものの、東海地域では準備を始めておいて損はないと思うし、こうしたプレート境界型地震に至る過程が明らかにできただけでも、当ブログの地震観測は無駄ではなかったと思うのである。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする