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また静岡で震度5弱 東海地震との関連は?

2011-08-02 23:00:45 | 気象・地震
平成23年8月1日23時58分頃の駿河湾の地震について(気象庁報道発表)

3.11以降、静岡でも頻繁に震度5以上が観測されるようになった。場所が場所だけに、いやでも東海地震との関連が気にかかる。この地域では、2009年8月9日、11日と立て続けに震度6弱を記録して以降、しばらく地震活動は落ち着いていたが、3.11以降再び騒がしくなった。

冒頭でリンクした気象庁報道発表を見よう。地震規模はM6.1で阪神大震災よりほぼ1小さいからエネルギーは阪神の32分の1。震源深さは約20kmで2009年8月11日の地震とほぼ同じだ。

とはいえ、2009年の地震と共通しているのはここまで。発震機構を2009年の地震と比較すると、2009年は8月9日、11日の2回とも北北東-南南西方向に圧力軸を持つ横ずれ断層型だったのに対し、3月15日の地震と今回の地震は2回とも南北方向に圧力軸を持つ逆断層型と、微妙に変化している。この変化が何を意味するのかについては、当ブログも現在のところ確定的な見解を持っていない。

この地震が単なるひとつの活断層のいたずらなのか、それとも来るべき東海地震の予兆のひとつなのか。気象庁は東海地震と「無関係」との立場を取っているが、私は両方の可能性を考慮すべきと考える。活断層に関して言えば、2009年の2回の地震から今年の3月15日、そして今回ともに震源地が「糸魚川-静岡構造線」の静岡側の末端部に位置しているという特徴があり、プレート境界に関して言えば、これら4回の地震はいずれもフィリピン海プレートとユーラシアプレートの境界に近い場所で起きている。つまり、これらの地震は活断層型地震、プレート境界型地震の前兆どちらからもそれなりに説明がつくのである。つまり、この地震が来たるべき東海地震の長期的前兆現象のひとつであるとする考え方も捨てきれないのだ。

当然のことだが、プレートの境界に近い地域では、(1)プレートの継続的な沈み込みに伴って地殻に大きな歪みが生まれ、それが正断層型地震を引き起こすことが多い。そして、(2)プレート境界のアスペリティ(固着域;ぶつかり合う2つのプレートが接触している部分)の歪みが限界に達すると、次第に震源がプレート境界に近づく。やがて(3)プレート境界で中規模の地震が増え、固着域が剥がれ始める。プレート境界型地震はこのような経過をたどって発生していくのだ。

(1)~(2)~(3)に至る過程は長ければ十数年に及ぶこともある。(1)から(2)に移行するのが概ねプレート境界型大地震の10年~数年前、(2)から(3)に移行するのが概ねプレート境界型大地震の数年前となる(ある程度幅があるが、3~5年前からこのような現象が始まると考えられる。現に、福島県沖では2008年7月から2010年6月までの間に中規模のプレート境界型地震が3回発生している)。

これが、長年にわたって日本付近の地震を観察し続けた当ブログの結論である。東海地震にこの推論が当てはめられるなら、現在はまだ(1)の段階であり、まもなく(2)に移行するかどうかというところだろう。もう少し時間的余裕はあると考えられるものの、東海地域では準備を始めておいて損はないと思うし、こうしたプレート境界型地震に至る過程が明らかにできただけでも、当ブログの地震観測は無駄ではなかったと思うのである。

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