安全問題研究会~鉄道を中心とした公共交通を通じて社会を考える~

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核のない未来を願って 松井英介遺稿・追悼集(緑風出版)

●安全問題研究会が、JRグループ再国有化をめざし日本鉄道公団法案を決定!

●安全問題研究会政策ビラ・パンフレット
こんなにおかしい!ニッポンの鉄道政策
私たちは根室線をなくしてはならないと考えます
国は今こそ貨物列車迂回対策を!

プリントゴッコ、販売終了へ

2008-05-31 21:54:13 | IT・PC・インターネット
プリントゴッコ、販売終了へ

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理想科学工業は30日、家庭用簡易印刷機「プリントゴッコ」本体の国内販売を6月末で終了すると発表した。

 年賀状作成やプリントTシャツが手軽にできる機械として人気を集めたが、パソコンやインクジェットプリンターの普及で需要が激減していたという。インクなどの消耗品は当面販売を継続する。

 プリントゴッコは1977年に発売され、累計販売台数は約1000万台。販売台数は87年度の72万台、金額ベースでは93年度の153億円がピークだった。最近では年間数億円の売り上げにとどまっていた。
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プリントゴッコが販売終了。時代の流れとはいえ寂しいものだ。

理想科学工業といえば、企業向けには「リソグラフ」、家庭向けには「プリントゴッコ」だった。かつて同社の印刷機開発はNHK「プロジェクトX」でも取り上げられた。プリントゴッコは、「活版印刷」という技術を使って企業向けの大型印刷機を開発する過程で生み出された副産物だったが、それがお手頃な価格もあって一般家庭にあっという間に浸透し、年賀状の時期になると隣家からプリントゴッコの音が聞こえることもあった。90年代前半頃は、全年賀状の3~4割はプリントゴッコだったのではないだろうか。

私はプリントゴッコを使ったことがなかったが、リソグラフは今でも仕事で資料作成の際にお世話になることがある。プリントゴッコを生み出した活版印刷技術は、リソグラフにこれからもずっと生き続ける。

プリントゴッコよ、長い間ありがとう。

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はぁぁ、今週は疲れた…

2008-05-30 21:39:47 | 日記
調査や報告で期限が今週末、という案件を同時に5つも抱えているのに、こんな時に限って今週初め、大トラブルが発生。上部との折衝、地方支社への指導、役員説明などミスの後処理に追われる。

といっても、このミスは自分がやったものではない。私が赴任する以前、もう2年も前から制度変更がわかっていたのに事務手続きがきちんと行われていなかったことが制度運用開始後に発覚するというどうしようもないもの。しかも関連部署も含め、誰もこのミスに気づいていなかった。ミスするときというのは案外こんなものだ。

誰かのせいでこんな事態になっているのに、誰のせいか誰にもわからず、怒りの持って行き場所もない。報告や調査の期限を遅らせるわけにも行かないし、はぁ、ホントに今週はきつかった。

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東北の認定農業者の内閣不支持75%!

2008-05-27 20:54:41 | その他社会・時事
内閣不支持75% 本社農業モニター調査 (河北新報) - goo ニュース

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河北新報社が東北のコメ農家を対象に実施した第2回農業モニター調査によると、福田内閣を「支持する」と答えた人は19.3%で、「支持しない」の75.0%を大きく下回った。望ましい政権の枠組みは「民主党中心の連立政権」が最多の29.2%。「自民党中心の連立政権」は22.6%、「自民党の単独政権」は6.1%で、合わせても28.7%だった。東北の農村でも「福田離れ」が加速し、期待する政権像が二分していることを示した。

 内閣支持率を県別で見ると、宮城が24.7%で他の5県は10%台。支持政党別では、民主支持層の93.0%、支持政党がない無党派層の82.5%が内閣を支持しないと答えた。自民支持層も55.0%が不支持だった。

 次期衆院選を実施すべき時期については、「7月の主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)後」が40.1%でトップ。次いで「年内」が24.5%、「来年9月の任期満了まで解散しなくてよい」は17.5%、「直ちに」は15.1%だった。

 望ましい政権の枠組みの回答で、ほかに多かったのは、「自民党と民主党の大連立政権」の22.2%。「政界再編後の新党による政権」も9.4%あった。

[調査の方法] 河北新報の取材網を通じ、東北6県の販売農家(経営耕地面積30アール以上、または年間の農産物販売金額が50万円以上)300人(宮城100人、残る5県各40人)を農業モニターに委嘱。17、18日、電話で聞き取り調査し、70.7%の212人(専業44人、兼業168人)の回答を得た。回答者の平均年齢は55.3歳、平均水田面積は4.1ヘクタール。
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内閣不支持75%?
これはいよいよ終わった気がする。冗談抜きで洞爺湖サミット後は何が起きるかわからないし、政変かもしれないな。

それはともかく、「品目横断的経営安定対策」に対する農村の怒りがまだまだ続いているようだ。
品目横断的経営安定対策は、個人農家なら4ヘクタール、集落営農組織なら20ヘクタール以上に限って補助金の対象にするという「担い手育成」事業だが、一方では零細農家切り捨てと厳しい批判を受けている。昨年夏、参議院選挙での与党大敗はこの制度も一因といわれたものだ。

今、農村は60歳代~70歳代の個人農家が支えているわけだが、この人たちに補助金を出したとしても農業を延命できるのはせいぜい10年だろう。その後は本当の意味で「農」崩壊が現実のものになる。

品目横断的経営安定対策は、そうなる前に「零細農家」の土地を大規模化して、株式会社も含めて多様な「担い手」に参入してもらおうという狙いがある。
しかし、狙いに反して新たな担い手は入ってきていないのが実情だし、仮に参入があったとしても、民間企業が担う農業のもとでは、カネのある人しか食べられない社会になるのではないかという危惧を抱く。農業がそれでよみがえったとしても、国民が食えなくなるなら本末転倒なわけで、果たしてそれが国にとって正しいことかどうかは、おそらく議論が真っ二つに分かれるだろう。

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最近のMS-IMEは目に余る

2008-05-26 21:22:42 | IT・PC・インターネット
最近のMS-IMEは目に余る(ITmediaニュース)

最近、当ブログでITmediaを引用する機会がめっきり減った気がする。昔はもっと大胆な記事も多かったのだが、最近は各企業の新製品ベンチマークサイトのようになってしまい、日本企業に対する批判精神がなくなったことが、面白くないと感じる理由だろう。
ダメな製品にきちんとダメと言わず、「あとはユーザーの判断にお任せします」的な論評ではユーザー側もそんなサイトを評価基準にしなくなる。

そんな中、ITmediaの中でほぼ唯一、自由な批判が許されている企業がある。それがマイクロソフトである。ITmediaの幹部はよほどマイクロソフトが嫌いらしい。

ただ、ご紹介したMS-IMEの記事には、読んで思い当たる節が多々ある。私は仕事でも家でもずっと昔からATOK派だからなんとも思わないが、プリインストールされているMS-IMEをなんとなく使っている人にとっては大きな問題ではないだろうか。

私の見る限り、MS-IMEで最も誤変換が少なく、使いやすかったのはIME2000あたりだと思う。この頃のMS-IMEは、ようやくATOKと比べられるだけの変換性能になってきたかな、と思っていた。それが、今またこんなに変換性能が低下しているとは…。

マイクロソフト関係者でさえ「ATOKに乗り換えたい」という事態はさすがに異常だろう。日本語MS-IMEは今後、いったいどうなっていくのだろうか。

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JRバス白棚線訪問

2008-05-25 22:38:57 | 鉄道・公共交通/趣味の話題
妻が地域情報紙「ラコンテ」主催のribbon marketに行くというので(門外漢の私には正直、よくわからないが)、棚倉町までお供する。棚倉町と言えば、以前からずっと行ってみたかったJRバス白棚(はくほう)線があるところだ。

白棚線は、もともと白河~磐城棚倉を結ぶ鉄道省の鉄道路線だった。しかし、太平洋戦争中の1944年、金属類回収令による金属供出で線路が供出されることになったため休止となり、そのまま戦後も二度と復活することがなかった。

戦後に入り、国鉄は、当時幹線国道でさえ未舗装の砂利道が大半である中で、いち早く白棚線跡を舗装して1957年から国鉄バス白棚高速線を運行した。当然、砂利道を走っていた一般国道経由の国鉄バスと比べて平均速度は速く、このため、白棚線は今でも「日本最初の高速バス路線」として紹介されることがある。
国鉄分割民営化後はJRバス関東が営業を引き継いだ。東北地方の中でこの地域だけがJRバス関東のエリアになっている(JRバス関東東北道統括支店の担当)。

専用道路区間はこのような感じだ(梁森駅付近)。

私たちが訪れたのは15時頃だが、ちょうど15時11分にバスが通過する予定だったので、しばらく待つ。定刻より4分ほど遅れて、バスがやってきた(写真)。

写真をよく見てほしい。廃線跡を趣味とする人なら、予備知識がなくても直感でここが廃線跡だとわかるだろう。白棚線の「休止」からすでに64年も経っているのに、いまだに鉄道廃線跡の雰囲気をよく残しているのには、本当に驚くばかりである。

戦時中の線路供出から廃線、国鉄バスとしての復活を経て今もなお廃線跡の雰囲気をよく残すここ白棚線は、日本の鉄道とバスの歴史が詰まっている。鉄道ファンだけでなく、バスファンや廃線跡ファンの人たちも、鉄道の歴史の生き証人であるここをぜひ訪れてみると良いだろう。

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人気声優「私のイベントではオタ芸禁止」

2008-05-24 21:16:16 | 芸能・スポーツ
人気声優、勇気ある発言「オタ芸禁止」の波紋

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《「正論」の声多く》

 声優で歌手の榊原ゆい(年齢未公表)が自身のブログで発した“勇気ある発言”が話題を呼んでいる。榊原は「今後一切、私が出演するステージではオタ芸といわれるものは禁止にしたい」と宣言したのだ。

 アキバ系の一部で暴走中の“オタ芸”とは熱狂的なファンが繰り広げる奇妙なパフォーマンスのこと。独特のかけ声に合わせた激しい身ぶり手ぶりが特徴だ。

 榊原は20日のブログでファンに呼びかけた。

 「ステージをろくに見ずに勝手に激しい動きをして達成感を得て帰る…というのは、本当に自己満足以外の何ものでもない」

 「オタ芸という名前が付いているだけで、それが迷惑行為だという事に気づいて頂きたい」

 アイドルのブログとしては異例のストレートな表現だ。21日も続いた。

 「オタ芸がないと盛り上がれないじゃないかという意見は、私は違うんじゃないかなと感じます」

 榊原のブログにはコメント欄が無くファンからの意見は書き込めないが、巨大掲示板「2ちゃんねる」やアニメファンのサイトでは「正論だ。よく言ってくれた」との意見が大勢だ。

 こうした反応について所属事務所関係者は「ブログの通りです」と静観の構えだが、榊原の知名度が一気に上がったのも事実。

 オタク文化に詳しいライターの双葉ススム氏は「オタ芸を“打つ(踊る)”人は自分たちの動きに陶酔しているだけ。路上でも通行の邪魔で、多くの店が迷惑がっている」と語る。

 そもそもオタ芸は、5、6年前から「モーニング娘。」などハロー!プロジェクト系アイドルのライブで、一部のファンが広めたというのが定説。アイドル評論家の遠藤ひろ氏によると、藤本美貴(23)が「モー娘。」に加入した5年前からオタ芸が一気に増え、アキバのオタク系アイドルにも広がった。

 双葉氏は「メードカフェの流行が始まった頃からオタクも変わった。オタ芸はその先鋭だろうが、崇拝先のアイドルに嫌われては存在意義がない」と語る。

 一方、遠藤氏は「オタ芸は“オタク系アイドル”というジャンルに根付く。禁止されたら他のアイドルに移動するだけ。今はオタ芸向きの曲を出したり、オタ芸を打ちやすい雰囲気のライブにわざとしている面もある」と煽る側の問題も指摘した。

 榊原はゲームやアニメで人気を集める声優で、歌手としてはシングル6枚、アルバム3枚をリリース。ライブにも頻繁に登場しているだけに影響力は小さくないはず。オタ芸愛好者はどうするか。
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う~ん。
私は今、アニメオタク趣味はほとんど引退に近い状況だし、以前から大したイベント参加実績もないだけに、この辺の事情はよくわからないのだけれど、リズムに合わせて跳ぶくらい誰しもやってきたのだから、跳ぶくらいなら許容範囲だと思っている。本音を言うと、メイドカフェのことを「メード」カフェと書くようなライターごときに迷惑呼ばわりされる筋合いはないという気持ちもある。

ただ、確信犯的に下着を露出したネットアイドルが逮捕されるような事件が起こっている最近の秋葉原の状況を見ても、この世界の流儀を知らない新しい連中が入ってきて、混乱が生じている様子も窺えるし、実際、茅原実里のイベントで、参加者に対しこんな注意が出されるような状況も生まれてきている。

すべてのオタクがこういう人たちばかりではないということは承知しているつもりだし、彼らの名誉のためにも強調しておく必要があるが…。

オタクというのは、いつも表現することに最も力点を置いてきたし、表現の自由が危うくなればそれに抗して自由な表現を守ってきた。同人誌即売会などは、表現の自由と社会規範とのギリギリの均衡点で、絶妙なバランス感覚によって辛うじて維持されてきた感すらある。

そうしたバランス感覚を知らない一般層が暴走し、彼らに対する管理を口実に規制だけが強化されるとしたら、本当の意味でイベントを自由に楽しむ余地がなくなってしまうだろう。
私が恐れるのは、そのような事態になることである。

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シーアンドレール構想 秋田港拠点化へ推進協

2008-05-22 22:50:35 | 鉄道・公共交通/交通政策
シーアンドレール構想 秋田港拠点化へ推進協 (河北新報) - goo ニュース

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 秋田商工会議所や秋田県など秋田県内外の官民14団体は6月下旬、鉄道輸送ルートと組み合わせることで秋田港の拠点性を高めようと、「秋田港シーアンドレール構想推進協議会」(仮称)を設立する。東北地方整備局が実施した輸送実験が成功し、構想の実現性が高まったことから、秋田港再整備などの課題に官民挙げて取り組む。

 協議会は秋田商議所、県のほか、県貿易促進協会、秋田市、東北地方整備局、日本通運、JR貨物、秋田臨海鉄道、地元金融機関などで構成する。

 実務担当者による幹事会を設けるほか、県や東北地方整備局が事務局となり、行政支援や秋田港再整備、ポートセールスの方策などを検討する組織も発足させる。構想に詳しい大学教授を顧問に迎える計画もある。

 構想の実現にはロシア・沿海州との定期航路開設や、鉄道輸送コストと船賃の圧縮などが課題となる。今後整備される秋田港の新コンテナヤードまで、臨海鉄道を約1キロ延長させることも必要になり、各検討組織で実態調査や計画の具体化を話し合う。

 協議会は当面、トヨタ系生産子会社セントラル自動車(神奈川県相模原市)が2010年、宮城県に進出することなどをにらみ、自動車や自動車部品のロシア、欧州への輸出をターゲットに構想の実現を目指す。

 日本海側の他港を経由し、秋田港に寄港してもらう「三角航路」開設が近道との指摘もあり、同じくセントラル自動車の進出を受け、完成車の積み出し拠点を目指す酒田港との連携も模索する。

 東北地方整備局が今年1月、仙台港や秋田港で実施した輸送実験では、秋田北港駅でのコンテナ積み替え、鉄道輸送による振動や温湿度に問題点は見つからず、構想の有益性が明らかになった。

 協議会事務局の秋田商工会議所は「県内経済が落ち込む中、シーアンドレール構想は唯一の明るい希望で、県民の期待も大きい。官民挙げて山積する課題を一つずつ解決したい」と話している。

[秋田港シーアンドレール構想]秋田港までの鉄道輸送ルートを確立し、宮城県や岩手県のほか首都圏や中京圏からも貨物を集め、ロシア・沿海州との貿易を活発化させる。沿海州のボストチヌイなどからシベリア鉄道を使えば、日本の自動車工場が林立するロシア・サンクトペテルブルクまで貨物を輸送することができ、日本と欧州を結ぶ一大物流ルートが確立することになる。
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夢のない現代にあって、この構想は珍しく夢に溢れている。ロシアに日本企業がそんなに進出しているとは知らなかったが…。
いずれにしても大量輸送ルートの開拓はぜひ必要だ。

ロシアは北極海以外、ほとんど海に接していない。北極海は冬の間ほとんど凍って使い物にならないから、ロシアは冬でも使える輸送ルートを昔から喉から手が出るほど欲していた。ロシアが歴史上、何度もトルコと戦争したのも結局、不凍港が欲しかったからである。

ロシアとの長い対立を経たトルコは今もNATO(北大西洋条約機構)への加盟を目指すなど「西側指向」で、ロシアの思い通りにはなりそうもない。とすれば、ロシアにとって次に来るのは海運ではなく鉄道ということだろう。なるほど、シベリア鉄道なら北極海がいくら凍っても物資を輸送できる。

この構想は、うまくいけば日本~ロシア間の新たな安定的物流ルートの開拓につながる。日本国内の鉄道貨物輸送も活性化する。鉄道貨物輸送が伸びればトラック輸送に比べて環境にも優しい。ぜひ実現してほしいと思う。

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中国・四川省大地震

2008-05-19 21:21:22 | 気象・地震
中国・四川省大地震は、発生から1週間が過ぎ、死者が数万人単位となった。中国を襲った大地震としては、1976年の「唐山地震」に匹敵する凄まじいものだ。
あまりの被害に言葉もない。亡くなった方のご冥福を祈る。

マグニチュードが1大きくなると、地震のエネルギーは36倍となる。阪神・淡路大震災のマグニチュードは7.2だったから、今回の8.0というのはその30倍近いエネルギーである。

この地震は、いわゆるプレート境界型地震だそうだ。ユーラシアプレートとインドプレートがぶつかり合い、一方がもう一方の下に潜り込んでいる。ちょうどその上に今回の震源地がある。
ヒマラヤ山脈はインドがユーラシア大陸にぶつかった衝撃でせり上がってできた。インドがユーラシア大陸に衝突したエネルギーによって、今もヒマラヤ山脈は年間数センチメートルずつせり上がり続けているといわれる。人間の力の及びもつかない巨大な自然のエネルギーをそこに感じる。

さて、翻って日本だが、プレート境界型地震といえばすぐに思いつくのが近い将来発生するといわれる東海地震である。東大理学部の石橋克彦助手(当時)によって、東海地震が「明日起きてもおかしくない」と言われ、日本中が騒然となったのは、奇しくも唐山地震と同じ1976年だった。

それから32年。幸いにして東海地震はまだ発生していないが、事態は石橋助手の想定通りに進んでおり、静岡県・御前崎の沈降はすでに止まったまま15年近い時が流れている。御前崎はいつ反転してもおかしくない状況で、日本でも差し迫った危険になりつつある。

プレート境界型地震は、プレートの歪みが大きくなればなるほど反転したときのエネルギーも大きくなるから、こんなことを言ってはなんだが、どうせいつかは起きるなら早く起こった方が地震の規模は小さくて済む。つまり、32年の沈黙は東海地方にとって決して幸いとは言えない状況なのだ。

日本でも人ごとではない巨大地震。それだけに、日本がともかくも中国に救援隊をいち早く送り込むことができたことは幸いだった。地震が避けられない以上、日本としても、できるだけ犠牲を最小限に食いとどめることができるよう、今から備えをしておかなければならない。

なお、興味がある方は、巨大地震と宏観(こうかん)異常現象についての考察をこちらにアップしているのでどうぞ。

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オタクはすでに死んでいる

2008-05-18 23:42:08 | 芸能・スポーツ
岡田斗司夫「オタクはすでに死んでいる」

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 朝日新聞2008年5月4日付けの「著者に会いたい」に、オタク評論家の岡田斗司夫さん(49)が登場し、著書「オタクはすでに死んでいる」(新潮新書) について語った。

この本を書くきっかけは最近の若者に違和感を持ったこと。本来のオタクは、世間の多数派とは違うことを自分で掘り起こし、世間に対抗する知性と精神力を備えていた。しかし、今は「消費するばかりの存在。かつてオタクが共有した価値観」が失われてしまったのだという。

新製品の発売を待つだけ。好きなジャンルから少しでも外れると関心を示さない。こうした変化は社会の変化と連動しているとし、「経済成長と勤勉な国民性のもとで咲いた花がオタク。経済が行き詰ると皆が大人になりたがらず、自分の気持ちが何より大事な私至上主義となり日本は変わった」などと語っている。
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かのオタキングも、どうやら最近のオタクのあり方にはついて行けないらしい。
若いオタク層には、オマエがオッサンなんだよ、という反発もありそうだが、私にはオタキングの言っていることは非常によくわかる。

オタキングの主張の要諦は、「オタクという名の“共和国”が崩壊し、オタクたちがそれぞれの分野は違っても、虐げられている者同士、共有しあっていた文化の土壌がなくなった」というものだ。要は日本社会同様、みんな自分のことしか考えなくなり、自分と異なる者に対する思いやり云々以前に、自分と異なる者が存在するということにすら気づかなくなってきている、ということらしい。

これは、オタク第2世代の中心的論客であり、日本で最も新進気鋭の評論家として注目されている東浩紀が「動物化するポスト・モダン」で主張していたこととかなり論旨は似ている。東は、人間社会の動物回帰とも思える諸現象の原因を、イデオロギーのような「大きな物語」の崩壊の中に見ようとしていた。

オタキングは、これからはひとりひとりが自分のオタク道を極めればよいとしているが、それが幸せにつながるかどうかは、正直言ってよくわからない。
オタクの一般人への拡散は、直ちにそのアイデンティティーの喪失につながりそうだし、ひとりひとりが結合されず、バラバラにされている状況の中では、社会的強者だけが一方的に利益を得るということにもなりかねない。実際、政治・経済の分野ではすでにあちこちでそうなりかけている。

最後の砦である趣味の世界だけは、予定調和的空間であってほしいと思っているのだが、この本を見る限り、どうやらそれは不可能のようである。

日本のオタクの実態を知るとともに、文化論として読み解きたいと思っている方にとっては、とりあえず読んでおいて損はないと思う。

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門司港レトロ観光列車、鉄道事業認可

2008-05-17 23:23:08 | 鉄道・公共交通/趣味の話題
過去のエントリでも取り上げた北九州・門司港観光トロッコ列車が、09年春開業を目指して認可申請されたという。

詳細はへいちくネットに詳しいが、どうやら平成筑豊鉄道が運行主体となり、冬を除く土日・祝日、学生の休みに合わせて定期運行される模様だ。

運行区間も2kmとなり、数百メートルだったこれまでの遊園地的な運行と異なってかなり本格的な運行となる。

運行する場合、これまで最大の難問はトンネル断面問題だった。この区間はもともと貨物線で、セメント輸送用タキ1900(画像)や、飼料・小麦輸送用のホキ2200(画像、提供:日乃出屋ストアーさん)など、車高の低い貨車しか入線したことがないためトンネル断面が小さく、普通の客車では天井がトンネルに引っかかってしまうという問題があった。
しかし、トラ70000からの改造であれば、問題は難なくクリアできる。

2009年春、開業すればぜひ乗りに行きたい列車だ。

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