明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(1264)オバマ大統領は原爆投下を謝罪すべきだ!(20日午後8時迄にアピールへの賛同を)

2016年05月20日 12時30分00秒 | 明日に向けて(1201〜1300)

守田です。(20160520 12:30)

すでにご存知のようにアメリカのオバマ大統領が、在任中の大統領としてはじめて広島を訪れることが決定しました。
ところが当初からアメリカ政府は広島にいっても謝罪しないことを強調しています。これは原爆投下の正義性をあらためて主張することと同義でありとても認められません。
何かアクションをと考えていたら、歴史学者で広島平和研究所教授の田中利幸さんが、オバマ大統領に原爆投下に対する謝罪を求めるアピールを5月10日付で発表し、賛同者を求めていることを知り、大変共感しました。
すぐに賛同を決め、みなさんにも呼びかけたいと思い、全文を掲載することにしました。ただキャッチが遅れたので、賛同期限は本日20日午後8時までです!この情報をつかんで共感して下さる方は直ちに賛同を行って下さい。

読んでいただければお分かりのように、このアピールではオバマ大統領だけでなく、安倍首相に対してもアジア侵略戦争への謝罪を求めています。
その理由は日本政府が、アジア侵略の罪を逃れるために原爆投下を利用し、「戦争だったから仕方がない」などと言うことで、自らをも免罪しようとしてきたからです。
僕もこの点がとても重要だと思います。日米政府はともに戦争犯罪を隠しあってきたのです。オバマ大統領の謝罪抜き=原爆投下の正当性を主張したままでの広島訪問はその象徴です。
しかも安倍政権はこれを参院選で与党が有利になるように利用しようともしています。そのための戦争犯罪隠しのセレモニーです。そんなこととても許すことはできません。

日本政府が原爆被害を自分たちの戦争犯罪の免罪のために利用しようとしてきたことの証拠は数多く上げられますが、僕自身、ショックを受けたのは原爆投下直後から陸軍部隊が極秘に行った被害調査報告書の存在でした。
これを伝えたのは2010年8月6日に放送されたNHKドキュメント「封印された原爆報告書」でした。この番組の中で、調査を行った陸軍が、すぐにそれを英訳し、日本政府降伏後にいち早く米軍に献上したことが描かれいています。
作品中に登場するその「作戦」に関わった元将校は「戦争犯罪の追求から逃れるためにも、戦後のアメリカとの関係を築くためにも、原爆報告書を渡すことは当時の国益に叶うものだった」と語り、次のように述べています。
「731(部隊)のこともあるでしょうね。」「新しい兵器を持てば、その威力が誰でも知りたいものですよ。カードで言えば有効なカードがあまりないので、原爆のことはかなり有力なカードだったでしょうね。」

この番組は2011年8月4日深夜に再放送されたのですが、僕はそれを観て衝撃を受けるとともに、なんとかそれを伝えたいと思って、知人から録画を借り受けて文字起こし、以下の記事にそれを載せました。

 明日に向けて(285)封印された原爆報告
 2011年10月07日
 http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/ddac9fad8987f13e69ab7562da0a07f2

今、調べたところ、この番組がネットに上がっていて観ることができることが分かりました。アドレスを紹介しておきます。

 封印された原爆報告書
 http://www.dailymotion.com/video/xkca1f_%E5%B0%81%E5%8D%B0%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%9F%E5%8E%9F%E7%88%86%E5%A0%B1%E5%91%8A%E6%9B%B8_news

これらを踏まえるならば、今回のオバマ大統領の謝罪抜きでの広島への「招へい」が、安倍政権による戦争責任隠蔽、アジア侵略戦争の美化というこの間、延々と行われてきたことの一環としてもなされようとしていることは明白です。
その意味で再び三度、原爆を受けて即死した方、悶絶しながら死んでいった方、長い年月をかけて殺された方、そしてその周りにいたすべての人々の痛み、嘆き、苦しみを踏みにじり、戦争犯罪の隠蔽を行おうとするのがこのセレモニーです。
田中さんが打ち出されたアピールには、そうした観点がきちんと書かれているので、僕は深く共感しました。ぜひ賛同にご参加下さい。
以下にアピールの載せられたページのアドレスとアピール全文を掲載します。なお田中さんは明日21日に広島市で講演されるそうです。その情報も載っています。

*****

 吹禅 Yuki Tanaka 田中利幸
 「オバマ大統領への謝罪要求」に関する講演会とアピール文
 2016年5月10日火曜日
 http://yjtanaka.blogspot.jp/2016/05/blog-post.html?m=1

アピール文
私たちはオバマ大統領に米国政府の原爆無差別大量虐殺について謝罪を要求します
同時に日本政府のアジア太平洋侵略戦争について安倍首相の謝罪を要求します
日本国憲法第九条を擁護する立場から

1945年8月6日と9日の原爆による21万人(内4万人は韓国・朝鮮人)にのぼる広島・長崎市民の無差別大量殺戮、それに続く8月15日の日本の降伏を、日本軍国主義ファシズムに対する「自由と民主主義の勝利」と米国は誇り高く主張しました。実は、アメカ政府は、主として、ソ連に対して核兵器の破壊力を誇示するという政治的理由のために、戦略的には全く必要のない広島・長崎への原爆攻撃を決行しました。また、天皇裕仁と日本政府が「国体護持=天皇制の維持」に固執してポツダム宣言受諾を遅らせたことも、アメリカによる原爆攻撃を結果的には自ら招く要因となりました。

ところが、トルーマン大統領は、戦争終結を早め「多数の民間人の生命を救うため」に原爆を投下したと述べて、アメリカ政府が犯した重大な戦争犯罪の責任をごまかす神話を作り上げました。核兵器使用という残虐極まりない戦争犯罪に対する非難は、同年8月10日に日本政府がたった1回出した抗議声明以外、世界のどの国の政府からも出されませんでした(ちなみにこの抗議文には焼夷弾爆撃に対する批難も含まれていました)。かくして、「自由と民主主義の勝利」という名目上の「正義達成」目的のために使われた手段である核兵器もまた、正当化されてしまいました。そのため、核兵器そのものの犯罪性が、その後、厳しく追及されないままになってしまいました。         

それが追及されなかったため、「正義は力なり」という米国の本来の主張は、核兵器という大量破壊兵器を使ったことによって、実際には「力(=核兵器)は正義なり」とサカサマになっていたことを暴露する機会が失われてしまったのです。つまり、米国が主張する民主主義の本質「正義は力なり」という普遍原理は、核兵器使用という犯罪性を隠蔽するための口実として使われることで、すっかり空洞化されていたのです。その結果、核兵器使用は「人道に対する罪」であり、核抑止力は「人道に対する罪」を犯す準備・計画を行う犯罪行為=「平和に対する罪」であるという核兵器の本質が、いまだに明確に普遍的な認識となって世界の多くの人たちに共有されていないのです。

一方、日本は、1945年8月15日に発表した終戦の詔勅(天皇メッセージ)で、「非人道的な原爆のゆえに降伏せざるをえなかった」と述べ、「原爆投下」だけを降伏決定要因とし、15年という長期にわたってアジア太平洋各地で日本軍が犯した様々な戦争犯罪や、アジア各地で起きていた抗日闘争を徹底的に無視するどころか、戦争は「アジア解放」という「正義」のためであったとの自己正当化のために原爆被害を利用しました。こうして、アメリカ政府同様に、日本政府もまた原爆殺戮を政治的に利用して、自国の戦争責任を隠蔽しました。

しかも、連合国側に降伏するやいなや、日本政府首脳たちは「一億総懺悔」を国民に強要することで自分たちの戦争責任をうやむやにしてしまいました。同時に、天皇裕仁は本当は戦争に反対した「平和主義者」であったが、一部の軍指導者たちに政治的に利用された「戦争犠牲者」であるという神話を創り上げました。そのため、日本国民は天皇をまさに自分たちの戦争被害体験の象徴と見なすようになり、「一億総懺悔」は「一億総被害者意識」へと急速に転化していきました。日本人だけが被害者という「一億総被害者意識」からは、それゆえ他のアジア人=日本軍の残虐行為の被害者は完全に排除されてしまい、朝鮮人被爆者ですら長年の間「被爆者」とは見なされませんでした。その後、原爆無差別殺戮は日本の戦争被害のシンボルとしておおいに政治的に利用されるようになる一方で、日本人は、その加害の張本人であるアメリカ政府の責任を追及することもせず、日本人がアジア太平洋各地で繰り広げた残虐行為の加害責任を問うこともしないという、「加害者不在の被害者意識」にとらわれるようになりました。

つまり、これまで、私たち自身が被害者となった米国の原爆殺戮犯罪の加害責任を厳しく問うことをしてこなかったゆえに、私たち日本人がアジア太平洋各地の人たちに対して犯した様々な残虐な戦争犯罪の加害責任も厳しく追及しないという二重に無責任な姿勢を産み出し続けてきました。わたしたちの戦後「民主主義」には、厳明な「責任認識」の上に立った「正義履行」という点で、このような重大な欠陥があったのです。そのため、米国の軍事支配(日米安保体制)には奴隷的に従属する一方で、アジア諸国からは信頼されないため、いつまでたっても平和で友好的な国際関係を築けない国となっています。このように、日米両国が犯した由々しい戦争犯罪行為の責任のどちらもがこれまで真剣に問われなかった事実は、今わたしたちが暮らしている日本社会の閉塞した現状と実際には深く且つ密接に関連しているのです。特定秘密保護法導入、安全保障関連法=戦争法の導入、「河野談話」や「村山談話」の実質的否定、原発再稼働、辺野古米軍新基地建設など、安倍政権が矢継ぎ早に出している反民主主義的で人権無視の政策は、この70年にわたって蓄積されてきたこのような日米両国の戦争責任問題と密接に絡んだいろいろな矛盾が、今まざまざと露呈しているのだと言えます。

したがって、私たちには、もう一度「原爆・焼夷弾無差別大量殺戮」と「日本軍残虐行為」という二つの「人道に対する罪」の原点に立ち戻り、その視点からアメリカをはじめとする核保有国や核の傘に依存する日本などの核抑止力神話を打ち破るとともに、確固とした戦争反対の国際連帯を構築することが求められています。戦後間もなく、当時の首相・幣原喜重郎が発案し、占領軍最高司令官マッカーサーの支持をえて国会で十分議論が重ねられた上で作成された日本の憲法第九条は、そのような視点に立って市民運動を展開するための、私たちが拠って立つべき思想的基底であることを、再度ここで確認しておく必要があります。

日本の植民地主義、軍国主義、米国の核戦争を経て、憲法第九条は、国家の非武装、軍事力によらない平和という絶対平和主義の思想、すなわち「いかなる理由によっても人間には人間を殺す権利はないし、誰も殺されてはならない」という信念が具現化されたものです。「原爆・焼夷弾無差別大量殺戮」も「日本軍残虐行為」も、まさしくこの絶対平和主義という普遍原理にあからさまに乖背する非人道的で破壊的な暴力行為です。これらに対する「責任」も認めず「謝罪」もしないまま、核兵器を保有し続け軍事力を増大させながら、「核のない世界」や「安全平和なアジア」の構築だけを表面的、形式的にだけ唱えることは、単に欺瞞行為であるだけではなく、憲法第九条の精神=人類の普遍原理を空洞化する、「人道に対する反逆行為」です。

よって、私たちは、オバマ大統領が広島を訪問される際には、米国大統領として、原爆・焼夷弾無差別大量殺戮が人類に対する由々しい犯罪行為であったことをはっきりと認め、米国政府の責任の所在を明らかにした上で、原爆・焼夷弾被害者に謝罪し、残り少なくなった米国大統領の任期期間中、「核廃絶」に向けて全力で努力する覚悟を公にされることを要求します。と同時に、日本政府、安倍政権にも、中国・北朝鮮・韓国をはじめアジア太平洋諸国に対して自国の「戦争責任」を真摯に認め、謝罪し、「被害者」、「被害国」が受け入れられるような適切な戦後補償政策を実践していくことを強く求めます。

2016年5月10日

呼びかけ人:
久野成章 田中利幸 横原由紀夫

賛同者を募っています。このアピールの趣旨に賛同される方は、suizentanaka@gmail.com にお名前をお知らせください。来週末5月22日には、アピール文を安倍晋三首相に、その英語版をオバマ大統領宛(アメリカ大使館気付け)に郵送します。

賛同者名(順不同 敬称・肩書き省略)2016年5月20日6:30現在
現在までに北海道から沖縄まで全国各地と韓国、カナダ、ドイツ、フランスなどから合わせて285名の方々と6つの団体から賛同をいただきました。本当にありがとうございます。本当はお一人お一人にお礼のメールを差し上げなければならないところですが、なにとぞおゆるしください。本日5月20日(金曜)20時をもって賛同受付を終了させていただきます。いただいたコメントを考慮して、原爆だけではなく焼夷弾爆撃も「人道に対する罪」であることを明記するため、アピール文を少々修正加筆しました。この英語版を

このブログで紹介していますので拡散していただければ光栄です。
http://yjtanaka.blogspot.jp/2016/05/an-appeal-from-hiroshima-to-us.html
同時にこのアピール文をオバマ大統領と安倍首相宛に送ります。

注 「明日に向けて」では賛同者名は割愛させていただきます。

------------------------
守田敏也 MORITA Toshiya
[blog] http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011
[website] http://toshikyoto.com/
[twitter] https://twitter.com/toshikyoto
[facebook] https://www.facebook.com/toshiya.morita.90

[著書]『原発からの命の守り方』(海象社)
http://www.kaizosha.co.jp/HTML/DEKaizo58.html
[共著]『内部被曝』(岩波ブックレット)
https://www.iwanami.co.jp/cgi-bin/isearch?isbn=ISBN978-4-00-270832-4

コメント (5)
この記事をはてなブックマークに追加

明日に向けて(1263)「一体世の中、どうなっていくの?」・・神戸市、舞鶴市、綾部市でお話します!

2016年05月19日 11時30分00秒 | 講演予定一覧

守田です。(20160519 11:30)

今週末から月曜日に神戸市、舞鶴市、綾部市でお話しします。
21日神戸市では兵庫県医療ソーシャルワーカー協会のお招きで総会で記念講演をさせていただきます。
「生活と命をどう守るか〜原発避難計画の実態から〜」という演題です。

22日午後は舞鶴母親大会のお招きで、第57回大会でお話させていただきます。
「原発からの命の守り方」という演題です。

22日夜は舞鶴の今井葉波さんのお宅で「バーベ9&ピーストークライブ」に参加します。
この日の演題は「一体 世の中どうなってくの? 」
ドリームはなみの名前でエフエムまいづるでも活躍している葉波さんの突込みインタビューにお応えしてお話します。

23日昼は綾部の極うまうどん店、「竹松うどん」さんのお招きです。
この日の演題も「一体世の中 どうなってくの? 守田さんに聞いてみよう!」
やはりここでも、ドリームはなみさんの突込みインタビューに僕が応えます。

そしてこの日の夜は、ドリームはなみさんの生番組、「プレミアムきょうと」に出演。
この日の演題は「防災と災害心理学について」です。

連続4回の講演とラジオ出演です。
お近くの会場で、あるいはラジオで、お話を聴いていただけると嬉しいです。
以下、案内を貼り付けておきます。

*****

5月21日神戸市

兵庫県医療ソーシャルワーカー協会 第34回 総会・記念講演のご案内

1、日 時:平成28年5月21日(土)14:00〜16:45 受付開始 13:30                    
2、場 所: 新長田勤労市民センター別館ピフレホール 会議室A (別紙地図参照)
       〒653-0038 神戸市長田区若松町4丁目2-15 ピフレ新長田3階 (電話:078-621-1120)       
3、内 容:14:00 第34回総会 14:45 記念講演
      『生活と命をどう守るか 〜原発避難計画の実態から〜』
4、講 師: フリーライター  守田 敏也 氏

災害支援に関する準備は、保健医療分野において「命と生活を守る」ソーシャルワーカーとしての必須課題です。
自然災害への備えと共に、発災と同時にその周辺で生活していた人々の暮らしを根底から覆すような重大事故の一つである原発事故への備えについて実態を学ぶ必要があると考えます。
そもそも原発事故とはどういうものなのか、避難計画の内容や対策はどのように立てられているのかなど、原発に関する日本の実態を学び、今後の災害支援と防災も含めた社会活動の在り方を考える機会としたいと思います。
皆様の多数のご参加をお待ちしています。

5、参加費:無 料     
6、申込み:兵庫県医療ソーシャルワーカー協会ホームページよりお申込み下さい。
http://hyogo-msw.jp/
(締め切りが過ぎていますが申込可能です)

*****

5月22日昼 舞鶴市

2016年第57回 舞鶴母親大会!

とき  5月22日(日)午後1時30分〜
ところ 舞鶴市政記念館(市役所横)

オープニング ひょうたん山共同保育園 子どもたちのリズム
基調報告
大会アピール 他
講演  「原発からの命の守り方」(2時15分〜)
講師  守田敏也さん(フリーライター・篠山市原子力災害対策検討委員)

保育あります
参加協力券300円

主催 第57回舞鶴母親大会実行委員会
連絡 090‐1228‐4511(浅野)

*****

5月22日夜 舞鶴市

ひっさびさ、みらいまいる亭 企画でございます( ̄▽ ̄)
ジャーナリスト 守田敏也さんを囲んでの、バーベ9&ピーストークライブ 開催!!
https://www.facebook.com/events/261606330856028/

午後3時スタート 出入り自由
午後5時過ぎからはボチボチお庭でバーベキューを始めます。
午後7時過ぎから、守田敏也さんをゲストトーカーにお招きし、ピーストークライブを開きます。(突撃インタビュアー ? ドリームはなみ)
タイトル「一体 世の中どうなってくの? 」
午後8時以降は、フリートークタイム。気になること、情報交換したいこと、火を囲んで語り合いましょう。

場所 みらいまいる亭(今井宅)
参加費
材料費割り勘 & 守田さんへの謝礼はカンパでお願いします。

マイ皿、マイカップ、マイ箸 飲みたい物 ご持参ください。
参加人数 把握したいので、出欠のお返事お願いします。

※ 三時からは、京都市内のノンベくれる食堂 ホテヴィラ二周年記念のかなり興味深い 四者対談がツイキャスで放映されることに合わせ、鑑賞会を開く予定です。(午後5時まで)
ろくろうさん、座間宮ガレイさん、フライングダッチマンのりーさん、ベジタリアン料理家 ericoさんの四人による、スペシャル対談です。

*****

5月23日 綾部市

子どもたちに未来をつなぐ
ピーストークカフェ@竹松うどん...

「一体世の中 どうなってくの? 守田さんに聞いてみよう!」
ジャーナリストの守田 敏也さんをお迎えして、気になるけれどよく分からない 政治や世界の動向について、守田さんに根掘り葉掘り聞いてみませんかー?
https://www.facebook.com/%E7%AB%B9%E6%9D%BE%E3%81%86%E3%81%A9%E3%82%93%E5%BA%97-324142814291997/

とき:5/23(月)
11:00-13:30
ばしょ:竹松うどん
参加費:カンパ&うどん(1オーダーお願いします)
お申し込みはFacebookメッセージ又は0773211665まで(お電話の場合は定休日明けの20日より受付します)

守田敏也さんは軍隊「慰安婦」問題での被害女性サポート、アフガン・イラク戦争、放射線防護や防災の研究を続け、全国各地で講演活動を行っています。
揺るぎない非戦の覚悟を持ち、子どもたち、人々への深い慈愛を傾け続け、信頼の厚い方です。
消費税、福祉、憲法、TPP…大切なことが、どんどん決められてゆこうとしています。

まずは知ることが大切。

未来が見える そんな日にしましょう( ´ ▽ ` )ノ
お気軽にご参加くださーい!

京都府綾部市志賀郷町儀市前13
0773-21-1665
営業時間11〜15時まで
定休日は7.8.9のつく日

*****

5月23日 舞鶴市

伝えたいことがある。
知ってほしいことがある。…残したいものがある。

エフエムまいづる 生番組 「プレミアムきょうと」午後4時〜
ドリームはなみ担当(月・水曜日)5月のゲスト陣です。

5月16日(月)北近畿くまもと地震支援チーム 代表 森本隆さん
熊本被災地 支援ボランティア 角出充弘さん

5月18日(水) 女流落語家 桂三扇さん
(FMいかる パーソナリティ)
 〜コミュニティラジオの役割 生落語の魅力など〜

5月23日(月)ジャーナリスト 守田敏也さん
〜「防災と災害心理学」について〜

どうぞ お楽しみに。

毎週月曜〜金曜日の16:00-17:00
京都府北部の情報を発信する生放送ラジオ番組
 「プレミアムきょうと」

FMラジオで聴く場合は周波数77.5MHz
スマートフォンやパソコンで聴く場合はhttp://775maizuru.jp/でどうぞ。

メッセージの送り先は
Eメール fm@775maizuru.jp
FAX 0773-77-0124
番組名、パーソナリティ名とラジオネームをお書き添えください。

------------------------
守田敏也 MORITA Toshiya
[blog] http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011
[website] http://toshikyoto.com/
[twitter] https://twitter.com/toshikyoto
[facebook] https://www.facebook.com/toshiya.morita.90

[著書]『原発からの命の守り方』(海象社)
http://www.kaizosha.co.jp/HTML/DEKaizo58.html
[共著]『内部被曝』(岩波ブックレット)
https://www.iwanami.co.jp/cgi-bin/isearch?isbn=ISBN978-4-00-270832-4

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

明日に向けて(1262)熊本・九州地震発生から一月、災害対策の抜本的な見直しが必要だ!

2016年05月15日 12時00分00秒 | 明日に向けて(1201〜1300)

守田です。(20160515 12:00)

熊本・九州地震から一月が経ちました。
昨日14日、地震発生の午後9時46分に、熊本県益城町では黙とうが行われたそうです。
今回の地震で亡くなられた方はこれまでに49人。あらためて深い哀悼の意を捧げたいと思います。

同時に今宵は今回の地震を振り返り、あらたに分かった知見をおさえ、災害対策の大きな見直しが必要とされていることを訴えたいと思います。
もちろん、あらためて川内原発を即時運転停止を訴えなくてはいけません。

まず14日ののちに「前震」と呼ばれた14日午後9時半過ぎに起こった地震を振り返ります。
ネットにアップされたNHKのリアルタイムのニュース映像をご紹介します。ニュース9放映中に地震報道が入ってきた時のものです。

 緊急地震速報 熊本県熊本地方 最大震度7 発生の瞬間
 https://www.youtube.com/watch?v=1vWdQOiLL44

この6:00ぐらいの画面をみてください。
この地震で九州島全体が揺れたこと、鹿児島県でも震度4を観測していたこと、震度3以上でなら山口県や四国も揺れていたことが分かります。
震源が熊本なので、この地震に「熊本」の名がつくのは間違いではありませんが、しかしこの図からもこの地震は九州全体を揺らしたもので、「熊本・九州地震」とでも呼ぶべきものであることがはっきりとしています。

さて今回の地震に特徴的なことは、過去に観測されたさまざまなデータを大きくうわまわる「想定外」の事態が相次いだことです。
このため原発の問題に限らず、この国の地震対策を、抜本的に見直さなければならないことが私たちに突きつけられることとなったと言えます。
極めて大きな危険性があらわとなったのです。だからこそまた原発はもう全廃すべきだと言えます。

まず地震総数から観ていきましょう。
4月14日から5月14日午後7時までに起こった震度1以上の地震の回数は1440回。
大変な数です。どう大変なのかというと昨年1年間に日本全体で起こった震度1以上に地震総数が1842回だったからです。なんとその約78.2%もの回数がこの一月に熊本・九州で起こったのです。
もちろんこれは観測史上初めてのことです。

さらに14日に震度7の地震が起こり、16日に震度7の地震が起こったこと、震度7の地震が連続したことも観測史上、初のことでした。
マグニチュードでは6.5と7.3と後者の方がはるかに大きかったため、14日の地震が「前震」、16日の地震が「本震」と呼ばれることとなりましたが、このようなことはこれまでなかったのです。

このため熊本では耐震強度の強い住宅も倒れました。現在の耐震設計基準は、震度7に耐えることを求めているものの、2回連続することなど想定してこなかったからです。
同じことがより人口が多いところで起これば、被害はもっと甚大になります。

さらに地震の周期の問題でも重要なことが分かったことが、昨日14日にNHKによって報道されました。

 非常に強い長周期地震動 熊本地震で観測
 NHK NWESWEB 5月14日 19時01分
 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160514/k10010521261000.html

ポイントがどこにあるのかというと、地震は「震度」と呼ばれる強さだけでなく、揺れ方によっても違う被害をもたらします。
この点で重要なのは地震の揺れの周期です。これが1〜2秒だと木造家屋にダメージを与えるのですが、3〜4秒に延びると、高層建築物に大きなダメージが生じるのです。
こうした揺れのあり方が長周期地震動と呼ばれているわけですが、これほど強い長周期の揺れが観測されたのはこれまた初めてだそうです。
今後、大都市圏などの活断層周辺では対策の検討が必要だと専門家が指摘しているとニュースは告げています。

しかも長周期地震動が140メートルもある29階建ての建築物に深刻なダメージをもたらすこと、高層ビルの倒壊につながる恐れすらあることが明らかにされています。
コンピューターシミュレーションが出てくるのでご覧になった欲しいですが、日本中の高層ビルが点検のし直しと耐震補強を必要としているのです。大変なことです。

また今回の地震は、現代科学では活断層の把握もまたまだまだ不正確にしかできていないこと、地震の発生予測もいたって不十分であることをあらためて私たちに突きつけました。
この点を4月21日の朝日新聞が報じています。

 活断層の長さ、想定以上 熊本地震、地表に「ずれ」
 朝日新聞 香取啓介、木村俊介、小宮山亮磨 瀬川茂子 2016年4月21日10時50分
 http://www.asahi.com/articles/ASJ4M6DZPJ4MULBJ022.html

少し記事を引用してみます。
「布田川区間について政府の地震調査委員会が予測していたのはM7・0の地震だった。調査委が想定していた断層の長さは19キロだったが、実際は30キロ近くが動き、M7・3になった。
 活断層は長いほど地震の規模は大きくなる。断層の東側は活断層の存在が不明だった阿蘇のカルデラ内に延び、西側は隣の区間とされた部分も動いていた。」
「区間を分ける位置は研究者間で議論になっていた。当初の予測はM7・2だったが、地下構造調査などを踏まえて2013年に区間を見直し、M7・0に引き下げられた。
一方、今後30年以内の地震発生確率は、ほぼ0%から0・9%に引き上げられていた。高野―白旗区間については、確率は「不明」とされていた。」

ようするに活断層の把握があまりに過小で、地震の規模もまた著しく過小に評価していたことが分かったのです。
一方で今回の地震で動いた断層帯の30年以内の地震発生確率は「ほぼ0%から0.9%」でした。
実はこれは「やや高い」に分類されるそうなのですが、しかしそれではこのような形での数字的予測に何の意味があるのかといわざるを得ません。数値の設定をも含めて「地震の予知」のあり方自体が問われていると言わざるを得ません。

これらを踏まえて東洋経済オンラインは「地震の予知などできないことを直視せよ」という論文を載せました。

 「地震は予知できない」という事実を直視せよ 国の地震予測地図はまったくアテにならない
 ロバート・ゲラー :東京大学 大学院理学系研究科 教授
 東洋経済オンライン2016年04月28日
 http://toyokeizai.net/articles/-/115836?page=3

ここではあえて3ページ目のアドレスを示しましたが、ここには国の機関である地震調査研究推進本部が、2014年に出した「全国地震動予想図」の上に実際に起こった地震の地点が記入されています。
端的にいって予想頻度が少ないところでばかり起こっていることが分かります。(1990年以降に死者10人以上をもたらした地震)

これらから言えることは、現代の科学水準では地震についてまだまだあまりに少ないことしか分かっていないと言うことです。
しかもこれまで蓄積してきたデータを超えることがこの間、次々と起こってしまっています。
一つに震度7の地震が続けて2度起こったこと。このためあらゆる建物の耐震設計の見直しが必要です。
その上、長周期地震動でもこれまでの観測を上回る揺れが観測されました。このことで高層ビルの耐震設計もまた見直さなければならないことがクローズアップされることとなっています。

この国の地震対策を根本から見直さなければなりません。
同時に地震が起こった時への備えももっと手厚くしなければなりません。
今回もエコノミー症候群で亡くなった方が続いていますが、これは「想定外」の地震被害が続いていながら、それへの備えを強化してこなかった政府の無策によるものでもあることを私たちは見ておく必要があります。

こんな状態なのですから、非常に危険な川内原発を停めるのは当たり前のことです。
いや停めるだけでも足りない。それぞれの原発の燃料プールから使用済み核燃料を降ろすことも急がなくてはなりません。

しかもそれだけでも足りないのです。原発以外にも危険なプラントはたくさんあるからです。
災害対策の抜本的な再編!
それこそがこの国にとって最も重視されなければならないことです。
熊本・九州から私たちが学びとらなければならないことはここにこそあります!

------------------------
守田敏也 MORITA Toshiya
[blog] http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011
[website] http://toshikyoto.com/
[twitter] https://twitter.com/toshikyoto
[facebook] https://www.facebook.com/toshiya.morita.90

[著書]『原発からの命の守り方』(海象社)
http://www.kaizosha.co.jp/HTML/DEKaizo58.html
[共著]『内部被曝』(岩波ブックレット)
https://www.iwanami.co.jp/cgi-bin/isearch?isbn=ISBN978-4-00-270832-4

ブログ内容をメルマガで受け取ることもできます。
お申し込みはブログからのメールかFacebookでのメッセージにて。

コメント (1)
この記事をはてなブックマークに追加

明日に向けて(1261)原発と戦争から命を守ろう!(講演等のお知らせです)

2016年05月12日 23時30分00秒 | 講演予定一覧

守田です。(20160512 23:30)

熊本・九州地震がまだ続いています。にもかかわらず、川内原発が運転を強行し続けています。
こうした中で各地から「原発からの命の守り方」を聴きたいという声が寄せられています。これに全力でお応えしていくつもりです。

さきほどつかんだニュースによると、なんと伊勢志摩サミットの期間、福島第一原発の現場での主要な作業が中断されるそうです。
理由は「リスクを避けるため」だそうです。

 サミット中、福島第一原発の作業休止 東電「リスク減らす」
 東京新聞 2016年5月11日 朝刊
 http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201605/CK2016051102000147.html

なんたること!
それならなぜ先に川内原発を止めないのか。
なぜ「リスクを減らす」必要のある福島に強引に人を帰らそうとするのか。
それどころかなぜ福島の人々に避難の権利を与えないのか。

もう本当にこの国は滅茶苦茶です。
こんな国に命を預けていてはいけない!自分たちで命を守る術を知り、能動的に行動していく必要があります。
ぜひ各地の講演会にご参加ください。

ポイントだけ書きます。

5月14日、僕が参加している「ウチら困ってんねん@京都」の会合を京都市内で開きます。
京都で起こっているさまざまな矛盾・問題について参加者が次々と発言する企画ですが、僕も最後に熊本地震と川内原発のことを話ます。
福井原発群が目の前にある私たちに京都市民にとってこれもまたまさしく京都の課題だからです。

続いて15日にも京都市内で「原発からの命の守り方」についてお話します。
生活クラブ京都エルコープさん(僕も会員です)のお招きです。

22日に舞鶴で二つの企画に参加します。
午後には第57回母親大会。ここでも「原発からの命の守り方」についてお話します。
そもそも母親大会はアメリカのビキニ環礁での水爆実験などへの憂いと怒りから「原子戦争の危機から子どもの生命を守る母親の大会を」という呼びかけのもと1955年6月に始まったものです。
その第57回の舞鶴の大会でお話できるのはとても光栄です。

この日の夜は場所を変えて、「戦争のつくり方 と 止め方」のタイトルでもお話します。
安保関連法の抜本的な誤り、あるいはこの国が続けてきた、戦争に向けた大嘘のカラクリを暴きます!

28日には再び京都市で「安保関連法に反対するママの会@京都」のお招きで「守田さんに聞いてみよう 安保のこと原発のこと」のタイトルでお話します。
これまた舞鶴でのお話を引き継ぎつつ、ここ数十年の安保の流れ、戦争への流れについてお話します。やはりここでも大嘘のカラクリについて説明します。

29日には滋賀で大きな集会があるので、その中にブースを出します。
「原発、放射能、なんでも相談カフェ」というタイトルでいこうと思っています。

ぜひお近くの企画にご参加ください!

*****

5月14日京都市

京都の今とこれからを考える
https://www.facebook.com/events/1162297363801969/

とき:5月14日(土)10:30?12:30
ところ:京都佛立ミュージアム1F奥
上京区御前通一条下る(北野天満宮より南へ徒歩2分)
http://www.hbsmuseum.jp/index.html

入場無料(カンパ歓迎!)
連絡先:090−3704−3640
うちら困ってんねん@京都 

★発言
・熊本地震災害と川内・伊方原発の危険性・・守田敏也さん
・保育園は今・・・井手幸喜さん
・京都・青いとり保育園で起こっていること・・北垣光代さん(代読)
・京都市保育課と話して見えてきたこと・・小阪了子さん
・「京都市認可保育所プール事故」のこれまで・・あもう君の会(お父さん)
・下鴨神社糺の森を守るために・・糺の森未来の会
・二条城観光バス駐車場建設問題・・荘司浩さん
・京都市に車いす裁判を提訴して・・自己貪食空胞性ミオパチー患者 ジョナさん
・その他盛りだくさん・・会場からも

*****

5月15日(日)京都市北区

私たちの防災〜原発からの命の守り方〜

福井の原発から京都市役所まで約60キロ。
もし事故が起きたら・・・・?
私たちがまだ実感できない「いまそこにある危険」との向き合い方を講師の守田敏也さんから学びましょう!

日時 5月15日(日)
開場 13:15 開演 13:30 終了 15:30
場所 北文化会館第4会議室
参加費 100円
問合せ 浦田 sairen24@jp.bigplanet.com
(生活クラブ京都エルコープ 洛北支部・左京支部)

*****

5月22日 舞鶴市

2016年第57回 舞鶴母親大会!

とき  5月22日(日)午後1時30分〜
ところ 舞鶴市政記念館(市役所横)

オープニング ひょうたん山共同保育園 子どもたちのリズム
基調報告
大会アピール 他
講演  「原発からの命の守り方」(2時15分〜)
講師  守田敏也さん(フリーライター・篠山市原子力災害対策検討委員)

保育あります
参加協力券300円

主催 第57回舞鶴母親大会実行委員会
連絡 090‐1228‐4511(浅野)

*****

5月22日 舞鶴市

地域の安全と平和学習会 パート2

「戦争のつくり方 と 止め方」
講師 ジャーナリスト 守田 敏也さん
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=1750079325203988&set=a.1680065682205353.1073741840.100006058110421&type=3&theater

午後6時〜  岡田中基幹センター

守田さんのご講演の前に、「みんなで選挙 報告&ミーティング 〜市民が変える 政治を変える〜」も開きます。
未来が見える そんな日にしましょう( ´ ▽ ` )ノ ずぇ〜ひ、ご参加を!!

参加費 カンパ制
午後9時に一旦お開きにいたしますが、居残ってじっくり話の続きがしたい!という方は、お飲み物、おつまみ持参でご自由にご参加ください。

*****

5月28日京都市

守田さんに聞いてみよう 安保のこと原発のこと
https://www.facebook.com/events/277837709215750/

「日本は戦後、戦争責任者がたくさん生き残り、歴史のとらえ返しを全力で妨害しました。だから私たちは一番肝心な『歴史』を教えてもらってないのです。」
そう語る守田さんに基本のキから教えてもらいましょう!
学んだあとは みんなでワイワイお昼を食べながら交流しましょう(お昼ご飯は各自でご用意下さい)

●講師 守田敏也さん(原発情報を発信、各地で放射能防護の講演を行う。兵庫県篠山市の原子力災害対策検討委員会委員)
●プログラム
10:15 開場
10:30 講演開始
12:00 お昼を食べながら質疑応答&交流
13:45  終了
●参加費 500円(資料代)

●主催 安保関連法に反対するママの会@京都
お問い合わせ 075ー723ー5450(伊藤)
●お子様もご一緒にどうぞ! 会場内に子どもスペースを設けます。

*****

5月29日 しがの大きな集会で「原発なんでも相談カフェ」を開きます!

びっくりちゃっかり140万人しが県民集会
https://www.facebook.com/events/1686368111625751/

日時:2016年5月29日(日)10:00〜17:00
場所:栗東芸術文化会館さきらシンボル広場


◆野外寺子屋ブース_10:00?15:00◆

テント    
1時間目 アーサー・ビナード 
2時間目 市居みか@へいへい近江絵本部屋 
3時間目 池田浩士(ドイツ文学者)

テント
1時間目 瀧健太郎&嘉田由紀子
2時間目 藤原辰史(自由と平和のための京大有志の会)
  
その他のテント
経済学者の経済学カフェ
お産婆さん(朝比奈順子さん)のお産カフェ
石けんカフェ
人権カフェ
西澤彩木さんの森のようちえん子育てカフェ
くぬぎの森_山の暮らし学校の出張授業
持ち寄り文庫&折り紙ワークショップ
福井せんせいの教育学カフェ
守田敏也さんの原発カフェ
清水陽介さんの仕事作りカフェ
竹テントワークショップ
ロケットストーブワークショップ

◆満月7日後マルシェ 11:00〜15:00◆
出店多数 追々公表します。

◆市民参加型野外劇『米喰う花』15:00〜17:00◆
Get up, stand up for your rights?
作・演出
劇団『石』(トル)主宰 きむきがん

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

明日に向けて(1260)原発の危険性の核心―書評『元原発技術者が伝えたいほんとうの怖さ』下

2016年05月08日 08時30分00秒 | 明日に向けて(1201〜1300)

守田です。(20160508 08:30)

小倉志郎さんの著書の書評の最終回です。早速内容に入ります。

[原発の危険性の核心]

小倉さんは前回までの話に続けて「事故被害の甚大さ・深刻さ」という章で、原発と原発事故の特殊性にも言及されています。
というのはそもそも技術は一般的に事故や故障に学んで前進していくものですが、原子力では事故はあってはならないし、しかも一度起きれば福島原発がそうであるように放射線値が高すぎで学ぶこともできない「まったく新しい知見」です。
また事故の規模もいたって深刻で、戦争ではまだしも「国破れて山河あり」とは言えても、原発事故では「山河無し」になってしまいかねません。その意味で「戦争の被害よりも深刻かもしれない」と小倉さんは語られています。

それらも踏まえた上で、「原発の危険性の核心―結論」と題したPart1のまとめの章で、まず新規制基準のあやまりが一言で鋭く解明されています。
「同基準は体裁だけのもので、中身は審査の判定基準とは言えないしろものであり、その最大の欠陥は、今後、各原発を襲う可能性のある地震の最大の大きさ(地震動)が示されていないことである。」(本書p61)
現在の熊本・九州地震と川内・伊方原発との張りつめた緊張関係にも的確にあてはまる大切な指摘です。

さらに『原発をやめる100の理由―エコ電力で起業したドイツ・シェーナウ村と私たち』に触れつつ、ここから原発の何が問題なのか、5つがピックアップされています。

1、フクシマやチェルノブイリのような環境に大量の放射能を放出する重大事故の可能性がある。
2、事故は起こさなくても、運転中に低レベルの放射能を環境に放出する。
3、運転を継続するには保守・点検・補修などの維持作業に携わる人々が被ばくする。
4、運転をすれば使用済み核燃料(高レベル放射性物質)を必ず生み出す。
5、運転を永久に止めても、過去に原発によってつくられた放射性物質(高レベル・低レベルとも)を安全に保管・処分する方法が見つかっていない。(本書p63〜64)

小倉さんは、地震や津波でも壊れない原発を仮に作れたとしても2〜5はクリアできないし、原発をすべてとめてすら2の作業員の被曝は続き、5の膨大な放射能の保管・処分の問題も続くことを指摘しています。
原発の矛盾と危険性を見事なまでにコンパクトに要約した「核心」だと思います。ちなみに僕自身はとくに2,3の内容をもっと語っていかなくてはいけないと思いました。

最後に小倉さんは、こんな矛盾の塊の原発を「安全」と思わせてきた推進派の情報に惑わされないヒントを「一つだけ、原発技術者として過ごした35年の体験を基に紹介したい」として「確率論的安全解析」のあやまりを解説されています。
システムを構成する部品などが故障したり壊れたりする確率を掛け合わせるなどして、原発の安全性を求めるというもので、「原子炉の炉心が損傷する確率は100万分の1になっているから安全だ」などと主張されてきたものです。
しかし実は原発の部品は特殊なものが多く、確率を算定できるほどのデータがない上に、過酷事故が起こった時に被る人々の負債や損失も、本来、数値化できないものに溢れています。
だからこそ「確率論的安全解析」を行う「専門家」と言われる人々などに任せず、市民が判断を下していった方が良いと小倉さんは言います。「普通の感覚をもった市民の方がより正しい結論を出せるだろうと私は信じている」というのです。


以上、詳しく見てきましたが、小倉さんの主張は、現場を本当によく知っている技術者の目を通したものであり、そこにリアリティに満ちた迫力があります。
机上の理論からではなく、実際の場から起ちあがっているからこそ、説得力があり、深い共感を呼び覚まされます。
オムニバス形式で書かれているPart2とともに、ぜひみなさんに『元原発技術者が伝えたいほんとうの怖さ』(彩流社)を手に取って熟読することをお勧めします。

最後になりますが、そんな素晴らしい技術者である小倉さんに、僕の『原発からの命の守り方』を極めて高く評価していただけました。以下、ご紹介します。Facebookへのご投稿です。

 「みなさんに必読と思う本を紹介します。守田敏也著『原発からの命の守り方−いまそこにある危険とどう向き合うか』(海象社、2015-10-27初版)です。
 3・11東電福島原発事故の後、環境の放射能汚染から自分や子どもたちの命を守るために、どの情報を信じ、どうすればよいのか、迷い悩んできた人々が待ち望んでいた本がついに出現したという印象を私は持ちました。
 日本中の人にぜひ読んでいただきたいと思います。」

なんとも光栄のいたりです!同時に「ああもっと頑張ろう」と身が引き締まる思いがしました。
小倉志郎さんや、何度も「明日に向けて」でご紹介してきた後藤政志さんに学んでいると、日本にまだまだすごい技術者がいらっしゃることが分かり、未来に展望を感じることができます。
肝心なのはその力をもっと大きく市民に開放し広げていくこと。市民が科学を自らものとしていくこと。そのことで真っ当な技術者がもっと活躍できるようにもすること。そのための「媒介」を僕はこれからも続けていきたいと思うのです。

書評終わり


なお本日は京都府長岡京市でお話します。
いつも僕の話は、小倉さんや後藤さんから学んだものに支えられています。
お近くの方、ぜひお越しください!

原発からの命の守り方〜福島の教訓から学び、明日の暮らしにつなげる一歩へ
https://www.facebook.com/events/534057556775068/?active_tab=highlights

日時:2016年5月8日(日)14:00〜16:30
場所:長岡京産業文化会館1階大会議室
〒617-0826 京都府長岡京市開田3丁目10-16
阪急長岡天神駅より徒歩5分・JR長岡京駅より徒歩7分 ・駐車場有り)
定員 :150名
参加費: 300円
キッズスペース:あり(会場内にスペースを設けます)
お問合せ: 090-6067-1053(トリハラ)
主催 :災害から子どもを守るプロジェクトin長岡京

==================
プログラム(予定)
13:30 開場
14:00 齋藤夕香さんスピーチ
14:15 守田敏也さん講演会
15:45 質疑&意見交換
16:15 閉会予定
 閉会後、守田さんサイン会
==================

------------------------
守田敏也 MORITA Toshiya
[blog] http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011
[website] http://toshikyoto.com/
[twitter] https://twitter.com/toshikyoto
[facebook] https://www.facebook.com/toshiya.morita.90

[著書]『原発からの命の守り方』(海象社)
http://www.kaizosha.co.jp/HTML/DEKaizo58.html
[共著]『内部被曝』(岩波ブックレット)
https://www.iwanami.co.jp/cgi-bin/isearch?isbn=ISBN978-4-00-270832-4

コメント (2)
この記事をはてなブックマークに追加

明日に向けて(1259)原発の複雑さと被曝の恐ろしさ―書評『元原発技術者が伝えたいほんとうの怖さ』中

2016年05月07日 22時30分00秒 | 明日に向けて(1201〜1300)

守田です。(20160507 22:30)

前回に続いて元東芝の小倉志郎さんが書かれた『元原発技術者が伝えたいほんとうの怖さ』の書評の後半をお届けします。
この書の中の後半でも小倉さんは「原発の複雑さ」と「放射線被曝の恐ろしさ」を丹念に述べられています。

[原発の複雑さ]

「原発の複雑さ」で小倉さんが強調されているのは、火力発電と原子力発電の違いです。
というのは両者はともにお湯を沸かしてタービンを回して発電しているので、「火力ボイラー」を「原子力ボイラー」におきかえたようなものと説明されます。
小倉さんもまずはこれを踏襲し、ここだけを書けば似たような「ポンチ絵」が書けることを紹介しています。

しかし実はボイラーのところが全然違う。「火力と異なり、原子炉周りに、原子炉の性能を維持したり、緊急時に原子炉の安全をまもるための多くの補助システムが付属している」からです。小倉さんは次のように列挙しています。
1原子炉再循環系(PLR系)、2制御棒駆動水圧系(CRD系)、3原子炉残留熱除去系(RHR系)、4原子炉水浄化系(CUW系)、5高圧注水系(HPCI系)
6原子炉隔離時冷却系(RCIC系)、7炉心スプレー系(CS系)、8ホウ酸水注入系(SLC系)、9燃料プール冷却浄化系(FPC系)

重要なポイントは、これらのどれも火力発電にはないものばかりだということです。
1,2,4は原発運転時は常に働いしてるシステム、9も燃料プールに核燃料がある限り常時、動いてなくてはいけない。3,5,7は工学的安全装置でいざというときに作動して原子炉を冷却しなくてはらない。
6は原子炉運転中にタービン系から切り離された時に急速にスタートし、原子炉の水位を保つものだそうです。

さらに小倉さんは原子炉の中にどんなポンプが配備されており、これが先ほどの機器とどうつながっているかを示した図、「BWR概念フローシート」を紹介しています。(40、41ページ)
ちなみにBWRとは沸騰水型原子炉こと。この図がネット上にもアップされていたのでご紹介します。ぜひご覧下さい。

 BWR概念フローシート
 http://ow.ly/i/9sVU/original

これはもともと小倉さんが、沸騰水型原子炉のどこにどんなポンプがあるのかを示すため、『流体工学』誌(1973年10月号)に投稿した論文に掲載した挿絵だそうです。
小倉さんは「主にポンプと主要な機器類と配管の繋がりを示しているだけである」と「だけ」を強調しておられます。
実はこの図には載っていないものとして、10窒素ガス供給系、さらに後から加えられた、11可燃性ガス制御系(FCS系)などもあり、この図でも全貌を書き表せてはいないのだそうです。

しかもこうした多種類のシステムは、設計も部品の製造も、違う会社であったり、同じ会社でも違う部門で作られたりして、現場で組み立てられてやっと一つの原子炉になるのだという。小倉さんはこう言います。
「したがって、原発の全体を隅々まで一人で理解している技術者はこの世の中には一人もいない。」「予期していない現象や事故などの際には、どうしたらよいかわかる人間が一人もいないということも当然ありうる。」(ともに本書p42)
このため、よくテレビなどで使われているような単純化された「ポンチ絵」をみせて「分かったことにさせる」ことを小倉さんは罪深いと指摘されています。
ちなみに原発は、通常の発電系統でも緊急停止などの系統でも、自動制御装置がたくさん採用されており、しかもそれらにLSI(大規模半導体集積回路)が使用されているため、「運転者にとって完全にブラックボックス」なのだそうです。


[放射線被曝の恐ろしさ]

続いて小倉さんは「放射能と放射線の影響」を詳しく解き明かされていきますが、その入り口で紹介されているのが「原爆症認定訴訟」です。僕はここもビリビリと来ました。
「原爆症認定訴訟」・・・そもそもこの言葉が多くの方にとってなじみのないものだと思いますが、これは被爆者の中でガンをはじめさまざまな病気にかかった人が、それらが被曝由来の「原爆症」であることの認定を認めた裁判です。
ひるがえっていえばこの国は、原爆に被災した多くの被爆者が、がんをはじめとするさまざまな病になっても、被曝との関係を認めないで来たのです。鬼のような国です。

特に認められなかったのが内部被曝による健康被害でした。広島でも長崎でもたくさんの人々が家族を探して後から爆心地に入り、大量の放射能を吸いました。そればかりでなく原爆雲の広がった至るところに放射能は降り被曝が起こりました。
しかしアメリカは内部被曝の害をまったく認めてこなかったのです。日本政府もアメリカに追従するばかり。このことでたくさんの被爆者が塗炭の苦しみを受けてきました。被曝を知らずに亡くなった人々もたくさんいました。僕の父もその一人です。
原爆症認定訴訟はその中で「この病気がピカドンのせいだと認めさせなければ死んでも死にきれない」と起ちあがった被爆者のみなさんによって提訴され、2006年5月大阪地裁を皮切りに各地で勝訴を続けてきたものです。

これらの判決の画期的な位置性を小倉さんは以下のように紹介されています。
「1、原爆が爆発中の放射線による外部被ばくではなく、身体内に取り込んだ放射能による『内部被ばく』の健康への影響が公に認められた。
 2、原爆が爆発中の強烈な放射線ではなく、「低レベル放射線による継続的被ばく」の健康への影響が公に認められた。」(本書p46)

このとき裁判で証拠として採用されたのが、前回、ご紹介した小倉さんにとって「アッパーカットを食らった」ような衝撃を与えられた書でもある『死にいたる虚構』と『放射線の衝撃』なのでした。
ともに被爆医師、肥田舜太郎さんが、臨床医として働きながらコツコツと翻訳され、自費出版の形で日本に紹介した本でした。
小倉さんの本には書かれていませんが、もう一つ、法廷で内部被曝の害を証明し、勝訴に導いた重大な証言が琉球大学名誉教授の矢ヶ崎克馬さんの陳述でした。その矢ヶ崎さんからの聞き取りで僕が作成したのが『内部被曝』(岩波ブックレット、共著)です。

小倉さんはここから数ページにわたって放射線被曝、とくに内部被曝のメカニズムを解き明かしていますが、極めてコンパクトに分かりやすく、エッセンスだけをおさえる形で書かれていてとても見事です。
ここではその紹介を割愛しますが、ぜひ本書を手にとって読んでいただきたいです。

これらを紹介した上で国際放射線防護委員会(ICRP)が被曝許容度としている1年間あたり1ミリシーベルトの被曝が「1年間に自分の身体の約60兆個の細胞の核を平均的に1本ずつ放射線が通る程度の被ばく」となることを小倉さんは示しています。
その上で、ICRPすら1ミリシーベルトの被曝でも健康に影響があると述べているのに、今や政府が年間20ミリシーベルトの被曝を強制しようとしているのは本来大問題、しかしメディアがそのような報道をほとんどしていないと慨嘆されています。
小倉さんはこの章を次のように結ばれています。

「少なくとも福島第一原発から放出された放射能で汚染し、そこで暮らせば内部被ばくの可能性がある地域では出産はせず、子どもたちは一刻も早くより汚染の少ない地域に避難させねばいけない。これは政府が最優先でおこなわねばならないことだ。
子孫の命を守ることができないような日本社会なら、それはもう、野生動物の群れよりも愚かな集団だと言わざるをえない。」(本書p54)

まったく共感です。同時に元原発技術者の中で、ここまで明解に内部被曝の深刻な危険性を説き、子どもたちの避難を鮮明に提起していらっしゃる声に、僕は初めて接しました。
原発の危険性の解明にとどまらず、退職後に内部被曝の危険性を学ばれ、自らが仕事をされていたときの放射線管理区での仕事の経験を踏まえられてのこの発信には本当に強いパワーがあります。

続く

------------------------
守田敏也 MORITA Toshiya
[blog] http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011
[website] http://toshikyoto.com/
[twitter] https://twitter.com/toshikyoto
[facebook] https://www.facebook.com/toshiya.morita.90

[著書]『原発からの命の守り方』(海象社)
http://www.kaizosha.co.jp/HTML/DEKaizo58.html
[共著]『内部被曝』(岩波ブックレット)
https://www.iwanami.co.jp/cgi-bin/isearch?isbn=ISBN978-4-00-270832-4

ブログ内容をメルマガで受け取ることもできます。
お申し込みはブログからのメールかFacebookでのメッセージにて。


 

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

明日に向けて(1258)書評『元原発技術者が伝えたいほんとうの怖さ』(小倉志郎著)上

2016年05月05日 22時00分00秒 | 明日に向けて(1201〜1300)

守田です。(20160505 22:00)

14日に熊本で震度7の地震が起こってから今日5日で3週間が経ちました。4日も5日も震度4の揺れがそれぞれ3日づつ起きたそうです。
5日午後8時現在までの震度1以上の地震回数は1254回。昨年1年間の日本全体の同様の揺れ、1842回の68%、約7割の地震がわずか3週間に熊本・九州を襲ったことになります。
にもかかわらず川内原発は稼働し続けており、伊方原発の再稼働も以前、ゴーサインが出たままです。

こんな時にできること、しなければならないことの一つは、原発の危険性をきちんとつかむこと、あらゆる角度から掘り下げて、「安全神話」に二度と騙されない民衆的力を培い、アップしていくことです。
そのことで可能な限り早く川内原発の運転停止を実現するとともに、原発災害から身を守る力をアップしていくことが必要です。
こうした観点から、今日は一冊の書物をみなさんにご紹介することにしました。

今日の表題にも掲げた『元原発技術者が伝えたいほんとうの怖さ』(彩流社)です。書かれたのは元東芝の原発技術者、小倉志郎さんです。
小倉さんは福島第一原発の4号機をのぞくすべての号機の建設に関わられた方で、とくに1,2,6号機の原子炉系の各種ポンプの購入技術を担当されました。
「明日に向けて」でたびたび登場していただいている後藤政志さんの先輩にもあたり、後藤さんが主宰するAPASTにも参加されていますが、後藤さん曰く「原発プラントの全体像を見通せる世界で一人か二人の技術者」だろうといいます。

その小倉さんは「はじめに−原発という怪物を造って」という書き出しのところで、なんともセンセーショナルに、次のように語られています。
「原発のほんとうの怖さとは、原発の建設に携わった私自身にとっても複雑で全貌がわからないこと、および、生命の証である遺伝子を眼に見えない放射線で破壊する放射性物質、いわゆる「死のゴミ」をあらたに作りだすことにある。」(本書p7)
「新しい原発には古い原発よりも危険性が高くなる側面がある。なぜなら、新しい原発ほど、計算技術の発達によって発見された余裕がどんどん削られていく傾向があるからだ。」(本書p5)

本書は小倉さんの主張がぐっとつまったPart1「元原発技術者が言える原発の危険性」と、オムニバスで綴られているPart2「事故のあとだからこそ言えること」のふたつに分かれています。
どちらも読みごたえがあるのですが、今回は原発の「ほんとうの怖さ」をいわば圧縮して伝えているPart1の内容をご紹介することとします。
その冒頭は「3・11事故発生時、なにを思ったか?」で始まります。小倉さんにとっての3月11日の述懐です。

 「東電福島第一原発が電源を失い、原子炉の冷却ができなくなっているというニュースが流れた。
  そんなはずはない――。
  非常用ディーゼル発電機(D/G)があるではないか――。
  しかし冷却系が動かないということは非常用ディーゼル発電機も地震か津波でやられたのだろうと思った瞬間、頭の中が真っ白になった。
  というのは私が就職して最初に担当したのが、まさに福島第一原発の1号機の非常用炉心冷却系のポンプのエンジニアリング(技術とりまとめ)だったからだ。」(本書p17)

小倉さんが就職されたのは1967年。後年に東芝に統合吸収される「日本原子力事業株式会社」でした。そこで小倉さんは1980年までの13年間、原子炉まわりの機器類、とくにポンプと熱交換器のエンジニアリングに携われました。
エンジニアリング(技術とりまとめ)とは、以下から成り立っていました。1、ポンプや熱交換器の発注から完成までの一連の流れの技術的なことに関わる。2、官庁の許認可を受けるための仕事、設計のスケジュール管理。
3、ポンプと配管の接合をはじめ、多種多様な部品の「取り合い」の調整。これは「原発ジグソーパズル」とも言えるような三次元どころかもっと多い次元のパズルを合わせるような仕事だそうです。

これらを基本的には本社の技術部門でのデスクワークとして担った後に、1980年から柏崎刈羽原発1号機の建設現場に駐在し、実際に現場で「ジグソーパズル」のような部品の取り合いに奔走したそうです。
この困難な仕事を振り返って小倉さんは「とにかく、原発は複雑なのである」と語られています。
そんな小倉さんが原発の技術体系に「将来性はない」と確信するにいたったのは、この仕事を3年続けたのちに福島第二原発における保守点検作業を担当されるようになったときのこと。

なぜかと言えば、被曝対策があまりにやっかいであることを実地に知ったからでした。例えば放射能に汚染されたポンプを点検のために分解すると、膨大な放射性のチリが室内に舞い、内部被曝の危険性が生じます。
このため「想像を絶するような厳重な防護」をするのだそうです。例えば最も放射能に触れる可能性の一番高い手になんと4重の手袋をするのだそうです。顔も全面マスクで多い、メガネなどをしている場合はものすごい力でゴムで締め付けるそうです。
さらに大変なのは、放射線管理区内にはトイレ、水飲み場、喫煙所などが一切なく、それらが必要になったら、入り口のチェックポイントを通って外に出なければならないことだったそうです。

本書の違う部分で小倉さんは、福島原発事故の収束のために「高齢者が決死隊になって作業を担おう」という声に対し、「高齢者は前立腺肥大のものが多く、トイレが近いのでとても無理」と語られています。
現場のリアリティを知っている人の含蓄ある言葉ですが、とくに小倉さんは保守点検作業を担うことになり、作業のない時期に原発の中をパトロールするようになって、そのあまりの巨大さを実感したと言います。
そこで生じた認識の変化をもとに小倉さんはこう語ります。

 「作業員一人ひとりの日々の被ばく線量の細かい管理、内部被ばく防止のための厳重な装備、汚染管理区域からの放射能の拡散防止など、想像を絶する面倒な業務が必要なことも知らず、現場に入ったことがなく、大学や研究所で仕事をしている「御用学者」には、その危険性の実情が分からないだろう。」(本書p33)

しかし小倉さんはこの時に感じた危険性の認識はまだ序の口だったと言います。
もっと根本的な認識の変化に到達したのは定年退職から6年経た2008年暮れから2009年正月のこと。友人から渡された二つの書を読んで「ボクシングのアッパーカットを食らったほどのショックを受けた」のが契機だったそうです。次の2冊です。
ジェイ・M・グールド、ベンジャミン・A・ゴールドマン著、肥田舜太郎・斉藤紀訳『死にいたる虚構―国家による低線量放射線の隠蔽』、ドネル・W・ボードマン著、肥田舜太郎訳『放射線の衝撃―低線量放射線の人間への影響』。

この二冊に、1、米国で原発から半径160キロ以内とその外でいろいろな病気の発生に有意な差が見られたこと、2、放射線被ばくによる影響の生理学的メカニズムが書かれていたことを知って、小倉さんはこう思われました。
「低レベル放射能の環境汚染にこのような危険性があるとなれば、原発が通常運転中に低レベルの放射能を大気に、あるいは、海に放出していることを知っている私は、すべての原発の運転はただちに止めるべきだと悟った。」(本書p35)

鳥肌が立つような興奮を覚えました!
僕も福島原発事故後、待てど暮らせど「放射線の専門家」が被曝の危険性の説明に出てきてくれない中で、霧の中を手探りで歩くように放射線被曝の実相に迫る旅を始めたのですが、その時に最初にしがみついたのがこれらの本だったからです。
とくに幸運にも岩波書店から肥田舜太郎さんのインタビューを依頼される中で、『死にいたる虚構』を大急ぎで手に入れて熟読し、「これを伝えねば!」と身体が震えました。以下にこの書に取材して書いた記事をご紹介しておきます。

 明日に向けて(189)『死にいたる虚構』ノート(1)
 http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/fcb0a1d9694918e29c50cfa128a585c3

 明日に向けて(203)沈黙の夏・・・(『死にいたる虚構』ノート(2))
 http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/50b74c77c69c502bc395add1444accc8

続く

------------------------
守田敏也 MORITA Toshiya
[blog] http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011
[website] http://toshikyoto.com/
[twitter] https://twitter.com/toshikyoto
[facebook] https://www.facebook.com/toshiya.morita.90

[著書]『原発からの命の守り方』(海象社)
http://www.kaizosha.co.jp/HTML/DEKaizo58.html
[共著]『内部被曝』(岩波ブックレット)
https://www.iwanami.co.jp/cgi-bin/isearch?isbn=ISBN978-4-00-270832-4

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

明日に向けて(1257)危険性に満ちた川内原発!・・・再稼働を認めた新規制基準の誤りを解き明かす!

2016年05月04日 14時00分00秒 | 明日に向けて(1201〜1300)

守田です。(20160504 14:00)

このところの熊本・九州地震の想定を大きく超えた連続の中で、川内原発の危険性を訴え続けてきましたが、もともと「明日に向けて」では再稼働強行の前から繰り返し川内原発の危険性を説いてきました。
いま川内原発への関心が以前よりも高まっていることを踏まえて再度、これらを論じておきたいと思いますが、最も重要なのは川内原発再稼働にゴーサインを与えた「新規制基準」のあやまりです。
このため「明日に向けて」(1060)〜(1065)と(972)で連載した内容(2015年3月24日〜4月6日と2014年11月15日)のダイジェストを再度ここに示しておこうと思います。

まずそれぞれの記事のエッセンスを小見出しとして提示し、続けて当該記事のアドレスを明らかにした上で、要約を書いていきたいと思います。
なお2015年3月〜4月の連載は、福島原発事故以降、事故の進展や規制庁による新規制基準の提出などに即して、純技術的側面からもっとも適格な解説を行ってきてくださった元格納容器設計者・後藤政志さんの発言に学んで行ったもの。
同年1月に薩摩川内市で行われた講演会の文字起こしをベースとしています。記事の中で該当箇所が話されている時間帯も提示してありますが、お時間のある方はぜひこの講演録画全体をご覧下さい。

危険性に満ちた川内原発

1、あまりに杜撰だった川内原発再稼働対策に向けた許認可申請

 明日に向けて(1060)あまりに杜撰な川内原発工事認可申請(後藤政志さん談)
 http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/0870cd08844d3d12e17ae6345ae8b79b

第一に指摘すべきは、そもそもの九州電力が行った再稼働対策に向けた許認可申請があまりに杜撰に行われたことです。
後藤さんはこう語られています。「プラントの配置関係を全部伏せて白抜きになっている。どこに何があるか分からない状態になっている。耐震強度を計算する時に耐震の解析モデルがあるが、それの高さ方向の値がすべて白抜きになっている」。
このように川内原発再稼働に向けた許認可申請は、主要部分を公開せずに行われたのでした。あまりに杜撰で、安全性の担保がなんら社会に向けて開示されていません。

2、新規制基準は重大事故=過酷事故を前提としている

 明日に向けて(1062)原発再稼働に向けた新規制基準は大事故を前提にしている!
 http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/3d3e4b0cb07ae7a68734a3b52c9c693f 

第二も問題は再稼働の是非を審査する規制庁の新規制基準に重大な欠陥があるということです。端的に新しい規制基準では「重大事故」を防げないことがあることを前提にしているということです。
福島第一原発の教訓を踏まえて「重大事故」を絶対に起こさないようにする・・・とは言っておらず、起こさないように努力するが、それでも「重大事故」は発生しうる前提に転換したのです。
チェルノブイリ原発事故の時に、「あのような事故は日本では絶対に起こらない」と公言したことを捨て去り、「重大事故」が起こることを前提に再稼働を認めると開き直っているのです。

3、福島原発事故はまだ途上で教訓を生かすことなどできない

 明日に向けて(1063)福島の教訓に基づく重大事故対策などまだできるわけがない!
 http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/8718f402298f072498d32eb7f59478f8

第三に規制委は「福島第一原発事故の教訓」を参考に新基準を作ったと言っているのですが、そもそも福島原発事故はその全容がまだ解明されていません。
それどころか1号機から3号機は放射線値が高すぎて内部がほとんどみれず、溶け落ちた核燃料の状態やありかさえつかみ切れていないのです。
事故は継続中で、汚染水の発生から明らかなように格納容器のどこかが壊れているのは確実ですが、どこかが分かってすらいないのです。もちろん事故がどのように進展してどこが壊れたのかも分からないのであり、対策がとれる段階ではありません。
なお本年3月9日になされた大津地裁による高浜原発の稼働を禁止する仮処分決定は、この点を大きなポイントとしており、当然にも川内原発にも該当するものです。

4、現代科学では地震動の大きさを正しく予測できない

 明日に向けて(1064)原子力規制庁・新規制基準の断層と地震動想定のあやまり(後藤政志さん談)
 http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/a3f0e8c33a857d8a36a56280845eedc1 

第四に、現在の熊本・九州地震につながることですが、規制委が新基準に盛り込んだ地震対策があやまっていることです。ここにはそもそも地震の揺れの大きさが現代科学で十分に解析できないという問題が横たわっています。
例えば柏崎・刈羽原発を襲った2007年中越沖地震の地震動ははるかに設計上の想定を上回っていました。この原発の設計基準地震動は450ガルでしたが、実際には1699ガルの地震動がここを襲ったからです。なんと4倍もの揺れでした。
この時すでに現代科学ではまだ地震動の揺れを正確に捉えることなどできていないことが明らかになったのです。にもかかわらずこの重大問題に目を伏せたまま規制委は認可を与えています。

5、新規制基準の「重大事故」対策はかえって危険。事故を拡大しかねない 

 明日に向けて(1065)新規制基準の「重大事故」対策はあまりに非現実的でむしろ危険だ!
 http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/d4c8272d4c01e698efd2e68600b4b4af

 明日に向けて(1075)川内原発再稼働も禁止すべきだ!〜加圧水型原発過酷事故対策の誤りを後藤政志さんに学ぶ〜
 http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/9605e1dc395c1d33815861dad65ac36a

第五に、新規制基準における「重大事故」対策の内容が、事故を収めるどころかむしろ拡大しかねないより危険な内容をも含んでいることです。
とくに重要なのは、川内原発や高浜原発で採用されている加圧型原子炉の格納容器には、東電の持つ沸騰水型原発と違って窒素が充填されていないため、水素爆発が起きやすいのですが、これへの対処があまりに危険なことです。
どうしているのかというと、イグナイタ―(着火装置)をつけて水素が溜まる前に燃やしてしまおうとしているのですが、重大事故時に非常用の装置が期待通りに動くとは限りません。水素が一定たまってから着火がされれば自爆になってしまいます。

6、火山の噴火も予測できず事前に察知して核燃料を降ろすことなどできない

 明日に向けて(972)原子力規制委の噴火評価はデタラメ!火山学会の誠実な提言を受け入れるべきだ!
 http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/9f924552b380fc1efc744322658a6fad 

第六に、火山に関する噴火評価が火山学会の誠実な提言を踏みにじって行われたことです。川内原発は日本の中で破局的な噴火を起こしうる10の火山のうちの5つが集中する地帯にあり、どの火山の大噴火でも深刻な被害を受ける可能性があります。
これに対して九電は大噴火の兆候は数年前に分かるので、核燃料を炉心から降ろして安全な場に移すと述べており、原子力規制もこれを承認しています。運転中の核燃料を降ろすには5年近くかかりますが、その5年前に分かると言うのです。
しかし火山学会は繰り返し現代の技術では数日から数時間の範囲でしか噴火が予測ができないと語っています。いわんや数年の規模での予想などまったく不可能というのが学会の常識です。再稼働は火山学会の提言を踏みにじってなされました。

以上、新規制基準はなんら原発の稼働の安全性を保障していません。
1、申請が杜撰、2、「重大事故」に開き直り、3、福島原発の教訓にはまだ学べない、4、地震の揺れは正しく予想できない、5、「重大事故」対策がかえって危険、6、火山噴火は数年前からの予知など絶対にできない
こんな矛盾だらけです。

ぜひこれらのことを学習し広めてください。反知性主義にも抗い、正しい認識を広めていきましょう!

------------------------
守田敏也 MORITA Toshiya
[blog] http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011
[website] http://toshikyoto.com/
[twitter] https://twitter.com/toshikyoto
[facebook] https://www.facebook.com/toshiya.morita.90

[著書]『原発からの命の守り方』(海象社)
http://www.kaizosha.co.jp/HTML/DEKaizo58.html
[共著]『内部被曝』(岩波ブックレット)
https://www.iwanami.co.jp/cgi-bin/isearch?isbn=ISBN978-4-00-270832-4

ブログ内容をメルマガで受け取ることもできます。
お申し込みはブログからのメールかFacebookでのメッセージにて。

コメント (2)
この記事をはてなブックマークに追加

明日に向けて(1256)「原発が停められない!」などの不確かな情報に接した時にどうすると良いか?

2016年05月03日 23時30分00秒 | 明日に向けて(1201〜1300)

守田です。(20160503 23:30)

熊本・九州地震が以前、継続しています。4月14日から本日5月3日午後6時までに観測された震度1以上の地震は1176回。
昨年1年間の日本全体の同様の揺れが1842回ですから、なんとその64%の回数が20日間で起こったことになります。
1日平均約5.0回だったものが約58.8回ですから、熊本・九州地震がいかにこれまでの地震のあり方とかけ離れたものなのかがよく分かると思います。

九州におられる方や断層の近くにお住いの方をはじめ、多くのみなさんに警戒の継続を訴えます。
またこのまったくの想定外の事態の繰り返しの中で、川内原発の稼働を続けるのは自殺行為そのもの。安全確保のために川内原発を停めよ!という声を繰り返しあげていきましょう。


さて昨日も触れたことですが、こうした事態が続く中で、ネット上にいろいろな情報が飛び交っています。中には明らかに間違っていながら、人々を惑わせているものもあります。
そのうちの一つが「川内原発は制御棒が入らなくなった。停めないのではなく停められないのだ」というものでした。
これに対して僕は、原発には仮に制御棒が入らなくなっても原子炉を停める他の仕組みがあることを明らかにし、この情報が正しくないことを示しました。詳しくは前号をご覧下さい。

 明日に向けて(1255)「川内原発に制御棒が入らず停められない」は誤情報!惑わされないために構造を学ぼう!
 http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/2ede8e214c819d8af7f15857fefd7050

今回はこのような情報に接した時にどうしたら良いのかを考察していきましょう。

前提としておさえるべきことは、こうした不確定な情報に人々が惑わされやすい最大の要因は、福島原発事故の時に、政府と東京電力がちっとも真実を明らかにしようとせず、人々を根本的な不信の中に突き落としたことにあるということです。
とくに東京電力は少なくとも2011年3月14日には、メルトダウンが進行していることを把握していました。東電は今年になってこのことを認めましたが、これは本当にひどい裏切りです。
しかも多くの方が証言しているようにこの時、東京電力は社員の家族は逃がしました。もしあのとき東電がメルトダウンの事実を明らかにし、社員の家族を逃がしていることを明らかにしたら、たくさんの人が避難し被曝を免れることができたでしょう。

当時の民主党政権も、人々に進行している事態の深刻さを告げませんでした。いざとなったら福島原発から半径170キロは強制移住になるはずでしたが、そのことをまったく明らかにせず、安全論ばかりを振りまいていました。
重大事実が隠されていたことは他にも幾らでもあげられますが、肝心なことはこうした隠蔽がまったく裁かれていないことです。
このため多くの人々が政府や電力会社に対し「何か重大な危機を隠しているのではないか」と何かにつけて思うことはまったく自然です。いやむしろ、ぜひとも疑ってかかって欲しいと言いたいです。それでなければ私たちの命が守れないからです。

しかしだからこそ私たちは、情報の伝搬や拡散をするにあたって、冷静で慎重になる必要があります。
ぜひともしっかりと把握しておきたいのは、インターネット時代の私たちは、誰もが情報の受信者であると同時に発信者でもあるということです。私たち自身が情報を作りもするのです。
このとき大事なのは、情報の受け取り手のことを考えること、可能な限り思いを馳せて言葉を発することです。これは僕自身、常に自分の指針としていることです。

今は未曽有の地震が続いている時です。想定外のことが続いています。にもかかわらず政府が川内原発を停めようとせず、首相をはじめとする閣僚が外遊に旅立ってしまっています。
このあり方自身が多くの人々の不安を強めています。「何か起こっても助けてくれないどころか知らせてもくれない」・・・。多くの人々がそんな懸念と苛立ちを持っています。
だからこそ僕は、いざとなったら自力で「とっとと逃げる」こと、逃げられない場合は家に立て籠もって、耐え忍ぶことをこれまで訴え続けてきました。

しかしこの地震です。立て籠もれるはずの家の多くが瓦解しています。またやっと復旧しだしましたが、多くの道路が寸断されてしまい、大動脈の九州自動車道や新幹線も停まっていました。
「いざというときに逃げろと言われても、とても逃げられない!」そんな状態に置かれている方がたくさんいる状態が続いています。
また僕の知人の女性でも、かつてから原発事故があってもお連れ合いを介護していて逃げられないので家で凌ぐことを考えると語っている方がいます。しかし大地震の被害と重なったら極めて厳しい。現に九州には今まさにそうした状態にある方もおられるはずです。

今回発せられた「川内原発は制御棒が入らず停めたくても停められない状況だ」という情報は、こうした方たちにとって極めて打撃的なのです。恐ろしさばかりがかきたてられる以外にない。
また同時に「停めないのではなく停められない状況」ということは「川内原発を停めろ!」と叫ぶのは意味がないということになってしまいます。それを信じた方から、危険な原発を停めようとするパワーを削ぐことにもなってしまいます。
僕はあまり裏での操作に頭を回さない方ですが(根拠の確認という枠を取っ払ってしまえば何でも言えてしまうからですが)、しかしあえて言えば「原発を停めろ」という声の鎮静化を狙った誰かのリークだとすれば思う壺にもなってしまいます。

この点で情報を受け取って、誰かに流そうとするときに、まずはこうして、受け取り手の様々な状況を考えて欲しいのです。そうすれば情報を拡散することに今よりも重みを感じるようになると思います。
そしてその上でして欲しいのは「本当なのだろうか」と考えて、情報の確からしさを調べてみること、「裏を取る」ことです。
お勧めの方法は、インターネットに求めたい情報に近いキーワードを入力して検索を繰り返すことです。これでだんだんと確からしいことに近づくことができますし、情報を精査する能力そのものがついていきます。。

もう一つ、可能ならばで良いですが、情報の発信元に問いを投げ返す作業をしていただきたいです。情報の根拠を問うのです。
とくに今回の情報には「知人の九州電力の社員から聞いた」との一言が枕に書かれているのですが、何より、ではなぜその当人がこれほど大事な情報を根拠をもって世にだそうとしないのかを問い返していただきたいです。
先に述べたように、原発が停められなくなっているというのは誤まった情報ですが、百歩譲ってそれが真実だとするなら、すぐにも周りの人々が避難しなければならないわけで、それを電力会社内部にいて知っているならば、外に出さないことは大罪です。

それやこれやで、不確かだけれどもインパクトの大きい情報に接した時は、けしてそのまま情報を拡散してしまわずに、自ら調べた上で、問いを発信源へ押し返していただきたい。それ自身が情報の確からしさを知ることにもつながります。
誰もがこのような冷静な作業を行うようにすると、誤まった情報が拡散する可能性をその分だけ小さくすることができます。
こうして私たちの手で、情報交換の場であるネット空間をよりよいものに変えていくことが可能です。

また必ずアフターフォローもすることを心がけて下さい。やりとりした情報は結局、どこにどう落ち着いたのか、最後まできちんとフォローし、より確からしくなったことをきちんと発信してこの件への関わりを終えるのです。
いたちごっごになる面もあるかもしれませんが、こうした粘り強い関わりで、私たちの立っている場をよりよいものに変えていきましょう。

最後に大事なのは、そうはいっても間違ったことを発信してしまったり、誤まった情報を拡散してしまうこともありうるわけでそのときにどうするかです。
答えはシンプルで、誤まった情報を出してしまったことに気付いたらただちに真摯に訂正を行って発信することです。誤まったものを拡散してしまった場合も同じです。
これも僕自身が指針としていることですが、人間、素直に過ちを認めることはなかなか辛いもので、いつも訂正を出すときには恥ずかしい気持ちにまとわりつかれます。だからできるだけ早く発信してしまうことを強くお勧めします!

ネット社会で情報の受け取りと発信を行う多くの人がこうした態度を貫くようにすれば、それだけ人々が誤まった情報に振り回される可能性を低めることができます。
同時にこの点を踏まえて発信元をウォッチしていると、信頼に足るかどうかの判断もわりと容易にできるようになっていきます。間違ったことが明らかになったときに訂正を出さない情報元の発信は信頼性が低いからです。
また自らもそのように見られるのだと考えると、辛い訂正もきちんと行えるようになります。そのことで情報分析・発信能力は必ず上がります。

以上、まだまだ留意すべき点もあるかもしれませんが、政府と電力会社があまりに嘘つきだからこそ、私たちはより誠実になっていきましょう。
それが真実に近づく道であり、世の中を真っ当なものへ変えていく道だと思います。
すべての人の命を守るために、世の中を今よりもずっと良くするために、一生懸命に、情報分析と発信を行っていきましょう!

------------------------
守田敏也 MORITA Toshiya
[blog] http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011
[website] http://toshikyoto.com/
[twitter] https://twitter.com/toshikyoto
[facebook] https://www.facebook.com/toshiya.morita.90

[著書]『原発からの命の守り方』(海象社)
http://www.kaizosha.co.jp/HTML/DEKaizo58.html
[共著]『内部被曝』(岩波ブックレット)
https://www.iwanami.co.jp/cgi-bin/isearch?isbn=ISBN978-4-00-270832-4

ブログ内容をメルマガで受け取ることもできます。
お申し込みはブログからのメールかFacebookでのメッセージにて。

コメント (3)
この記事をはてなブックマークに追加

明日に向けて(1255)「川内原発に制御棒が入らず停められない」は誤情報!惑わされないために構造を学ぼう!

2016年05月02日 23時30分00秒 | 明日に向けて(1201〜1300)

守田です。(20160502 23:30)

熊本・九州地震、いぜん活発に続いています。4月14日以降、本日2日午後3時まに起こった震度1以上の地震は1152回。しかも今日も午後3時過ぎに熊本地方で震度3が観測されています。
このような中でさまざまな憶測も飛び交っています。その中で何回も「真実だろうか?」と尋ねられたものに「川内原発の制御棒が入らなくなっている。停めないのではなく停められないのでは?」というものがありました。
もちろんこれは誤まった情報です。仮に制御棒が入らなくなっても、原発を停止させる手段は他にもあります。このため本当に停めようとして制御棒が入らなかったのなら、他の方法で今頃川内原発は停められているはずです。

またそもそもこれまでのところ川内原発はそれほど深刻な揺れに見舞われていません。震度4が最大の揺れで、原子炉停止の目安となる強度の揺れ(震度5相当)に見舞われたと言うデータはありません。
多くの人々が懸念しているのは、だからといって今後も同じだとは言えないこと。何せ観測史上初めてのこと、想定外のことがたくさん起こっているのですから、川内原発が破局的な地震にさらされる可能性も考えられることです。
だから一刻も早く停める必要があるのですが、だからといって、すでに深刻な揺れに見舞われたという根拠となるデータなどないことをしっかりと冷静に観ておく必要があります。

「川内原発の制御棒が入らずに停められない」というのが誤情報であることはこれだけでも十分に指摘できるのですが、今後、このような誤情報に振り回されないために、ここで加圧水型原発(PWR)の制御の仕方、停め方を学んでおきましょう。
ここでは「一般財団法人 高度情報科学技術研究機構(RIST)」が運営している「原子力百科事典ATOMICA」を使いたいと思います。
この中の<大項目> 原子力発電<中項目> 軽水炉(PWR型)原子力発電所<小項目> 計測制御設備<タイトル>PWRの動特性 (02-04-06-02)から少し引用します。

 「PWR(加圧水型原子力発電所)における原子炉の反応度制御は、(1)制御棒操作、(2)ケミカルシム制御(ホウ素濃度調整)、および(3)原子炉固有の特性である自己制御性(負のドップラー効果、負の減速材温度効果など)の働きで行なわれる。」
 http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=02-04-06-02

引用はここまで。(興味のある方は全文をお読み下さい)

前提として稼動中の原子炉を停めるには核分裂反応をおさえることが必要なわけですが、そのために核分裂連鎖反応を起こす中性子の動きを阻害することが必要になります。
核分裂連鎖反応とは、原子が核分裂するとエネルギーと死の灰とともに中性子が発生し、その中性子が次のウラン原子に当たることによって起きるものです。この連鎖が連続して起こり続ける状態が「臨界」です。
制御棒とは核燃料体の間に差し込んで中性子を吸収してしまうものです。使われているのは、銀・インジウム・カドミウムの合金、あるいは炭化ホウ素で、これらが中性子を吸収するので核分裂反応が停まるというわけです。

他の方法として「ケミカルシム制御」があります。ホウ素濃度の調整です。ホウ素もまた中性子を吸収する物質ですが、もともと加圧水型原発の一次冷却水の中にあらかじめ一定の量が入っており、この濃度を調整することで出力調整ができるのです。
穏やかな出力調整の時に使われて、普段は制御棒よりもこちらの方が多用されていますが、万が一、制御棒が入らなくなったときにも濃度を高めて原子炉を停止させることもできます。
ただし沸騰水型原発の場合は、一時冷却水が沸騰して蒸気化してしまうため、そこにホウ素を溶かしておくと不都合があるので、加圧水型のように通常時には使われていません。

さらにもう一つ、加圧水型には出力が上がりすぎると自動で制御される仕組みがあるとされています。
もともと核燃料には中性子があたると核分裂するウラン235が3%ぐらい、核分裂しないけれども中性子を吸収し、プルトニウム239に変化するウラン238が97%ぐらい含まれています。
今、出力が上がりすぎて、核燃料の熱量が上がると、核燃料に含まれているウラン238が中性子を吸収しやすくなる「負のドップラー効果」というものが働き、反応が自動で収まっていくのです。

他方で原子炉には冷却水がまわっているわけですが、この水は熱を媒介するだけでなく、中性子の速度を下げる「減速材」という効果もはたしています。
核分裂のときに原子から飛び出してきた中性子は非常に速度が速いので、なかなか次のウラン235に当たらないのですが、水の分子と衝突すると速度が落ちて、当たりやすくなります。
この減速剤としての役割が、核分裂連鎖反応に不可欠なのですが、出力が上がりすぎて一次冷却水の温度が上がると、密度もその分、希薄になるため、中性子と水が衝突する割合が減り、十分に減速されず、連鎖反応が弱まっていくのです。

制御棒やホウ素濃度よる原子炉の操作が人為的になされるのに対し、後者の二つでは、運転室からの操作がなくても上がりすぎた出力が戻っていく効果をもたらすとされています。このように核分裂反応の制御には3つのあり方があるのです。
この3つ目の自己制御性に着目し、一次冷却水と二次系との接点にある「蒸気発生器」の配管を閉じて二次系統から切り離してしまい、人為的に炉内の温度をあげて、この二つの効果を引き出して運転を停めることもできるとされています。
これらから見ても、制御棒が入らなくなったら、それでただちに原子炉が停められなくなってしまうというのは間違った認識であることが分かります。

さてここまでは原発推進サイドの運営するホームページに依拠してきましたが、ではどのような時でも原子炉は安全に停まるのかというともちろん否です。
まず確認しておきたいのは、これまで説明してきたホウ素濃度の調整や、自己制御性は、あくまでも平常時に働く機構だということです。
緊急時への対応では何といっても制御棒を早急に入れなくてはなりません。これをスクラムといいます。しかも2.2秒以内に差し込まないといけないとされています。この平時と緊急時の違いは、ATOMICAでも以下のように整理されています。

 加圧水型炉(PWR)原子力発電所の制御棒制御とホウ素濃度制御の役割分担
 http://www.rist.or.jp/atomica/data/pict/02/02040102/02.gif

最も懸念される問題は、地震に遭遇して緊急に原子炉を停めなければならなくなったときに、揺れが強すぎて、制御棒が入らなくなる可能性があることです。
ここで問題になるのが「基準地震動」です。原発がどれぐらいの地震に見舞われると想定しているかの数値です。
揺れが激しければ制御棒が入らなくなることがありうるということ自身は、誰もが合意している常識です。ではどこまでの揺れなら大丈夫かを見積もって設計がなされているわけで、それを超えたら設計上、制御棒が入る保証はなくなるのです。

この間の大飯原発や高浜原発をめぐる裁判でもこの「基準地震動」が大きく問題視されてきました。制御棒挿入だけの問題ではありませんが、例えば柏崎刈羽原発を襲った中越沖地震ではこの基準地震動を何倍も上回る揺れが起こったからです。
この時は奇跡的に制御棒が入り、原子炉停止ができたのですが、しかしそれは設計上はもはや偶然の産物でしかありませんでした。
その後にも各地で基準地震動を超える地震が繰り返し起こっています。

このため新規制基準ではこれまでの基準地震動を引き上げることを求めました。この引き揚げ方自身にもさまざまな問題が指摘できるのですが、それはおくとしても、その新規制基準でも現に起きている地震に十分対応できていないのです。
というのは川内原発の基準地震動は620ガルですが、今回の熊本・九州地震では14日の益城市の地震で1580ガルが計測されました。ただしこの時の揺れではデータが正しくとれておらず、もっと大きな数値だった可能性もあります。
基準地震動を超える地震に襲われることは「想定外」で、設計思想の崩壊を意味し、そこからはもうどうなるか分からないのですが、現に今の連続地震がこれまでの想定を超えているのですから、「想定外」の揺れに襲われる可能性は十分にあります。

川内原発の危険性は制御棒スクラムが失敗する可能性だけにあるのではありません。そもそもたくさんある配管が、揺れに耐えられるのかという問題もあります。
とくに蒸気発生器という加圧水型原発のアキレス腱とも言うべき箇所で配管破断が起こって、一気にメルトダウンに進んでしまう可能性が懸念されています。これとスクラムの失敗が同時に起これば、破局までの時間は沸騰水型よりも圧倒的に短くなる。
あっという間に原子炉が破綻してしまう可能性があります。だからこそ川内原発は、即刻停める必要があるのです。たかだか湯沸かし器に命などかけていてはいけないのです!

続く

次回はこういう誤情報に接したときに、どのようにして信ぴょう性を確認するのか、またいかに対処するのかを考察する予定です。

------------------------
守田敏也 MORITA Toshiya
[blog] http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011
[website] http://toshikyoto.com/
[twitter] https://twitter.com/toshikyoto
[facebook] https://www.facebook.com/toshiya.morita.90

[著書]『原発からの命の守り方』(海象社)
http://www.kaizosha.co.jp/HTML/DEKaizo58.html
[共著]『内部被曝』(岩波ブックレット)
https://www.iwanami.co.jp/cgi-bin/isearch?isbn=ISBN978-4-00-270832-4

ブログ内容をメルマガで受け取ることもできます。
お申し込みはブログからのメールかFacebookでのメッセージにて。

コメント
この記事をはてなブックマークに追加