明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(1305)原発と戦争からの命の守り方をともに考えよう!(講演スケジュールのお知らせ)

2016年09月23日 01時30分00秒 | 講演予定一覧

守田です。(20160923 01:30)

前回に続いて9月25日以降の講演スケジュールをお知らせします。

9月25日滋賀県大津市雄琴、10月4日滋賀県大津市膳所、10月8日鳥取県境港市、10月9日京都府京都市、10月15日滋賀県米原市とうかがいます!

*****

 

9月25日 滋賀県大津市雄琴

第108回山猫軒シンポ

 

危ない!デタラメ安倍政権 どうして止める?

フリーライター守田敏也さんと大いに語ろう

https://www.facebook.com/k9mp.kyoto/

 

草の根市民運動こと力 その輪をもっと広げ未来世代へ「平和」にバトンタッチを!

戦後71年、日本が再び戦争への道を突き進もうとしている危険な状況をどうして食い止めるか、みなさんと一緒に語り合いたいと思います。

9月25日(日)午後1時30分

ところ 柴野徹夫宅

大津市仰木の里グランドメゾン7C-106

 

主催 憲法9条メッセージプロジェクト

 

*****

 

10月4日 滋賀県大津市 

くらしとせいじカフェ 平和と憲法 守田敏也さんをお迎えして

https://www.facebook.com/events/608105656016370/

 

10月4日 10:30~12:30

コープぜぜ(JR膳所駅そば)

 

【大津市開催】

講演会に引っ張りだこのジャーナリスト守田さんをお招きして、憲法についてやさしく解説していただきます(^-^)

お話を聞いて、お茶を飲みながら気軽にお話しませんか?\(^o^)/

しかも、参加費も託児費もママに優しくなっております。

この機会にぜひ❤

♪ーーーーー♪ーーーーーー♪

憲法って何かご存知ですか?

憲法とは政府という暴走しうる権力者から、私たち国民の自由を守ってくれている大切なものです。

戦後70余年、平和を守ってきた日本。

今、国民投票による改憲の可能性があります。

そもそも、今の憲法は古いの?変える方がいいの?

様々な現場を見てこられたジャーナリスト守田さんのお話から、あなたと大切な人の未来のことを考えてみませんか?

♪ーーーーー♪ーーーーーー♪

【参加費】 500円

【託児費】 子ども1人200円

【持ち物】 筆記具

【お申し込みはこちらから】

https://ws.formzu.net/dist/S63797116/

(携帯電話の方はこちらから)

https://ws.formzu.net/mfgen/S63797116/

または、

kokokarairoha@gmail.com

まで、お名前、託児の有無、連絡先を記載の上お申し込みください。

 

【締め切り】

9月23日(金)

(締め切りを過ぎても連絡してみてください-守田)

 

*****

 

10月8日 鳥取県境港市

講演会 「原発からの命の守り方」を考える

自然災害から原発事故時の対応まで、市民の視点から避難について考えてみよう

http://midori-eneren.com/wp/wp-content/uploads/2016/09/62ab71bcefa640262968365403162794.pdf

 

とき: 10月8日(土) 午後2時~4時30分(開場1時30分)

ところ 境港市民会館・大会議室

講師 守田敏也 氏 (兵庫県篠山市原子力災害対策検討委員会委員)

主催 原子力防災を考える県民の会(鳥取県)

 

講演内容

 ①自然災害と原子力災害とのつながり

 ②「とっとと逃げろ!」

 ③行政の役割り

 ④被爆の避け方

 

*****

 

10月9日 京都府京都市

アーサ・ビナードさんと守田敏也さんに聞いてみよう!憲法・原発

https://www.facebook.com/events/1698179730506956/

 

「ビナードさんと守田さんにきいてみよう!憲法・原発」と題して講演会を行います。

アーサービナードさんに一時間講演していただいた後、守田敏也さんと対談しながら皆さんの質問にも答えていただきます。

10月9日

開場14:30 開始15:00~18:00 参加費1000円(学生500円)

場所 ひとまち交流館第5会議室 (講演後交流会有り)

 

憲法改悪が狙われている 原発再稼働が進められている

参院選では改憲勢力が3分の2議席を取ってしまった

熊本・九州地震でも 

川内原発は停まらず 

中央構造上の伊方原発が動き出した 

この状況どないしたらひっくり返せんの?

 

*****

 

10月15日 滋賀県米原市 

くらしとせいじカフェ@まいばら

https://www.facebook.com/events/674484006040077/

 

「いまさら聞けないセイジゴト!」

 

渡部建具店は、くらしとせいじカフェ@まいばらを「離れてしまった暮らしと政治を結び直す場所にしたい」と思っています。

「政治に関心がないわけではないけれど、なんだか二の次、三の次になっている。」

「くらしとせいじカフェも気になっているけど、詳しい人ばかりだと思うので、行きづらい。」

そんな風に思っている人が来やすい場所にしたいです。

 

聞くだけで良いです。

来てください。

////////////////////////////

内容は企画中でーす

 

質疑応答も設けてはいますが、話しの最中にもどんどん質問していく形式をとります!

「こんなこと質問したら他の人に迷惑かも。。。」なんてまーったく思う必要ないでーす!

なにせ主催者の渡部が政治に無知なのでご安心を!!

 

10:00 ゲストのおはなし

   質疑応答

10:40 田島一成さんのおはなし

   質疑応答

11:20 守田敏也さんのおはなし

   質疑応答

 

とき:2016年10月15日(土) 10:00-12:00

ところ:渡部建具店(滋賀県米原市柏原871)

参加費:500円

 

*****

 

連載1300回越えに際して、カンパを訴えています。 

今回はこのような各地をかけめぐる講演活動を支えるものとしての資金提供をお願いしたいと思います。

こうした講演小旅行は各地での調査、とくにさまざまな人士との出会いと学びの場でもあります。

基本的にはそれぞれで講演料や旅費はいただいていますが、毎回の講演の度にかなりの労力をかけて準備し、パワポもカスタマイズしてのぞんでいます。

ともあれこうした活動へのご支援をお願いしたいです。

 

今回も振り込み先を記しておきます。よろしくお願いします。

振込先 郵貯ぎんこう なまえ モリタトシヤ 記号14490 番号22666151

他の金融機関からのお振り込みの場合は

店名 四四八(ヨンヨンハチ) 店番448 預金種目 普通預金

口座番号 2266615

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明日に向けて(1304)原発と戦争からの命の守り方を高めよう!(講演小旅行中です)

2016年09月22日 23時30分30秒 | 明日に向けて(130...

守田です。(20160922 23:30)

愛媛県松山市のホテルからです。

今日は高知市で講演してきました。再びコープ自然派しこくの高知センターさんのお招きでした。

今日もたくさんの方が参加してくださいました。コープ自然派さんの講演会はどこでもそうなのですが、なかでも子育て世代の女性たちの参加が多いです。

その中に必ずといって良いほど、東日本からの避難移住者が混じっています。避難者が理事になっている場合も多い。

ある意味でコープ自然派さんは、福島原発事故以降、急速に下から変わりつつあるこの国の変革の流れに棹さしているようにも見えます。素晴しいことです。

 

このため今日も参加者がとても熱心で、話しながら、何かが僕のうち側から引き出されるのを感じていました。

まあこれはこの間、どの会場でも感じていることでもあるのですが。

ともあれ素敵な場をあたえていただき感謝です。

 

ところで僕は、高松市と徳島市では「原発と平和」というタイトルをいただき、原発のことに加えて、安保のこと、沖縄海兵隊のことなどもお話ししました。

それもまた僕がどうしても伝えたいことです。

それでも今日の高知と、明日の松山は少し構成を変えています。

なぜなら高知市からは伊方約114キロ、松山市からは約57キロ(いずれも市役所から)とより稼働中の原発に近いからです。

そのためどうしても原発災害対策をあつくした医いからです。

 

では「原発と平和」ということではどうなのかという点で言えば、僕は四国の講演で共通して、原発がもともとはプルトニウムを生み出し、原爆をつくるための装置であった原子炉の副産物として生まれたことを強調しています。

同時に放射線防護学が、広島・長崎への原爆投下後の被爆者調査データをもとに成り立ってきたこと、そのため内部被曝の脅威が隠されてきた事も僕は強調しています。

 

原爆の製造と投下も、放射線防護学の樹立も、携わったのはこれまで戦争でさまざまな大量虐殺を行いながら一度もその反省をしたことのないアメリカ軍でした。

とくに放射線防護学は加害者による被害者の調査という絶対にあってはならない調査の上に、核戦略を延命させる使命をもってつくられてきました。

だからこそ、被曝影響が極めて過小に見積もられたのです。そのためのテクニックが内部被曝の影響の無視でした。

このことが今日まで続いており、さまざまな問題の根幹を形成しています。

 

このような問題の捉え方は、いま、現在を、歴史生成的に捉える視点に基づくものです。だから「基礎」という時に僕は必ずこの歴史を持ち出します。

そのものが何であるのかはそのものの始原にこそある。そのものの形成史にこそ、本質があるのだからです。(哲学者のヘーゲルの言葉です)

実はこの視点で捉えることが物事をもっともわかりやすく把握する道でもあります。

歴史生成的に捉えることでいわばそのものを頭の中で再創造することが可能になるからです。

 

さて講演小旅行はまだ続きます。

明日は午前中に松山市内で講演です。

 

その後、京都市にいったん帰りますが、翌日24日は滋賀県長浜市で尊敬する小出裕章さんとジョイントで講演します。

この企画で特筆すべき事は、実行委の方達が積極的に滋賀の行政にアプローチをしていること。

長浜市長、米原市長とあって、支持を取り付け、また消防団の方たちなどにも話を持っていって、関心を持ってもらえているそうです。

そんな中で企画紹介が長浜市のホームページにも載りました。素晴しいです。

 

翌25日は滋賀県大津市雄琴の個人宅で「戦争からの命の守り方」についてお話しします。

企画タイトルは「危ない!デタラメ安倍政権 どうして止める?フリーライター守田敏也さんと大いに語ろう」です。

 

さてここまでの4日連続講演を終えた後は、10月4日に再び滋賀県大津市膳所で「くらしとせいじカフェ」で平和と憲法についてお話しします。

10月8日は島根原発のごく近くの鳥取県境港市で「原発からの命の守り方」についてお話しします。

10月9日は京都市に戻ってきて詩人のアーサー・ビナードさんとのジョイント企画に参加します。ビナードさんの講演のあと、対談させていただきます。

10月15日は「くらしとせいじカフェ@まいばら」でお話しします。 

なお情報量があまりにも多くなるので今回は明日の松山と翌日の長浜の講演情報のみ貼付けます。

それ以外の企画案内の紹介は記事を改めます。

ともあれぜひお近くの会場に起こし下さい! 

*****

9月23日 愛媛県松山市

『原発からの命の守り方』守田敏也氏講演会

伊方原発3号基再稼働の現実に、ある意味、覚悟して生きていないと!とも思うのです。

「見ざる 聞かざる 言わざる」では守れません。

日時 平成28年9月23日(金)10:00~12:00

場所 コムズ会議室2 住所:松山市三番町6丁目4-20

定員 36名

参加費 組合員300円 組合員外450円

申し込み期限が過ぎています。当日申し込みの方は明日23日午前9時過ぎに守田まで電話を下さい。(09050155862)

 

*****

9月24日 滋賀県長浜市

【原発のうそ・ほんと】

小出裕章氏・守田敏也氏講演会

https://www.facebook.com/events/311241642549079/

http://www.city.nagahama.shiga.jp/events/index.cfm/detail.1.50711.html

 

日時 : 9月24日(土) 13:00~16:00

場所 : 臨湖(長浜市港町4番9号)

料金 : ドネーションシステム

※託児はありませんが親子連れ歓迎です。

 お申込方法

1、イベントページの参加ボタンをタップ

(お連れ様がおられる場合は人数をイベントページに投稿又は村山さおりにメッセージをお願いします)

2、代表者様のお名前と参加人数をdaidai.risa@gmail.comまでメール

3、090-4038-8899(村山) 

講演者のご紹介

小出裕章氏

日本の工学者。元京都大学原子炉実験所助教。京都大学大学院工学研究科都市環境工学専攻助教。評論家。所属学会は日本保健物理学会、エントロピー学会。研究分野は環境動態解析、原子力安全、放射性物質の環境動態。東京都台東区上野出身。

守田敏也氏

センター客員フェローなどを経て、現在フリーライターとして取材活動を続けながら、社会的共通資本に関する研究を進めている。

311以降は原発事故問題をおいかけている。

2012年3月に物理学者の矢ヶ﨑克馬氏とともに岩波ブックレットから『内部被曝』を上梓。

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連載1300回越えに際して、カンパを訴えています。

今回はこのような各地をかけめぐる講演活動を支えるものとしての資金提供をお願いしたいと思います。

こうした講演小旅行は各地での調査、とくにさまざまな人士との出会いと学びの場でもあります。

基本的にはそれぞれで講演料や旅費はいただいていますが、毎回の講演の度にかなりの労力をかけて準備し、パワポもカスタマイズしてのぞんでいます。

ともあれこうした活動へのご支援をお願いしたいです。

 

今回も振り込み先を記しておきます。よろしくお願いします。

振込先 郵貯ぎんこう なまえ モリタトシヤ 記号14490 番号22666151

他の金融機関からのお振り込みの場合は

店名 四四八(ヨンヨンハチ) 店番448 預金種目 普通預金

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明日に向けて(1303)川内原発にもろい鉄材が使われている可能性が浮上!ただちに運転停止すべきだ!

2016年09月16日 23時30分00秒 | 明日に向けて(130...

守田です。(20160916 23:30)

原発の危険性をめぐる新たな可能性が浮上しています。
問題が明らかになったのはフランスでのことでした。2014年、フランスのアレバ社が建設中のフラマンビル3号機と同型の原子炉圧力容器の上蓋に「炭素偏析」があることを確認しました。
「炭素偏析」とは鋼材中に含まれる炭素の濃度が局所的に高い部分のことです。鉄には幾つかの元素が混じりやすいのですが、とくに性質に大きな影響を与えるのが炭素で、その濃度によって少ない方から「純鉄」「鋼」「鋳鉄」と分類されます。
この際、さらに濃度が高くなると、材料が硬くなる一方、脆くなる性質があり、機械的強度が低下するおそれがあるのですが、この炭素濃度が基準以上に高い部分が見つかり、強度が疑われる事態が見つかったということです。

この事態を受けて、フランス原子力安全局(ASN)が調査を開始しましたが、本年2016年6月23日に、フランスで運転中の58基の加圧水型原発のうち、18基で問題があると発表しました。
これらの原発の蒸気発生器の水室の機械的強度が想定よりも低い可能性があるとされたのですが、問題はこの部分の製造を、フランスのクルゾ・フォルジュ社と日本の日本鋳鍛鋼株式会社(以下JCFCと略)が担っていたことが明らかになったことでした。
脆い可能性が指摘された鉄材を日本のメーカーが製造していたわけですから、当然にもそれが国内でも使用されている可能性が出てきたわけです。
このため原子力規制庁が8月24日に以下の文章を発し、全国の電力会社の原発でこのJCFCの製品が使われていないかどうかが調査され、9月2日に報告書が提出されました。
 
 仏国原子力安全局で確認された原子炉容器等における炭素偏析の可能性に係る調査の実施について(案)
 https://www.nsr.go.jp/data/000161479.pdf

 発電用原子炉設置者から仏国原子力安全局で確認された原子炉容器等における炭素偏析の可能性に係る調査に関する報告書を受領
 https://www.nsr.go.jp/disclosure/law/NRP/00000005.html

この9月2日の報告書で極めて重要なことが明らかになりました。強度の脆い鉄材を供給した恐れのあるJCFCの製品が、日本でも9原発17基に使用されていることが明らかになったのです。
以下、どの原発のどの部署に問題の鉄材が使われているのか、報告書からまとめた内容を列挙します。

北海道電力
 泊原発1号機、2号機
  蒸気発生器一次側鏡板

東京電力
 福島第二原発2号機、4号機
  原子炉圧力容器上蓋と下鏡

北陸電力
 志賀原発1号機
  原子炉圧力容器上蓋と下鏡

関西電力
 高浜原発2号機
  原子炉上蓋
 高浜原発3号機、4号機
  蒸気発生器一次側鏡板
 大飯原発1号機、2号機
  原子炉上蓋

四国電力
 伊方原発2号機
  原子炉上蓋

九州電力
 玄海原発2号機
  原子炉上蓋
 玄海原発3号機、4号機
  原子炉上蓋と胴部
 川内原発1号機
  原子炉胴部
 川内原発2号機
  原子炉胴部と蒸気発生器一次側鏡板

日本原子力発電
 敦賀原発2号機
  原子炉胴部と蒸気発生器一次側鏡板

ちなみに言葉の説明を行っておきます。
ここで原子炉と言われているのは核分裂が行われている炉心を中に収めている原子炉圧力容器のこと。
その上部に「上蓋」があり、「胴部」があり、下部に「下鏡」があります。原子力百科事典ATOMICAより当該部分の図を示しておきます。
 
 BWR原子炉容器 (02-03-03-01)
 http://www.rist.or.jp/atomica/data/pict/02/02030301/03.gif

蒸気発生器一次側鏡板とは原子炉容器の下鏡に相当する部分です。「鏡板」と明示されていませんが、同じくATOMICAより当該部分の図を示しておきます。

 PWRの蒸気発生器 (02-08-01-03)
 http://www.rist.or.jp/atomica/data/pict/02/02080103/02.gif

これらの部分に脆い鉄材が使わている可能性があるわけですが、実に日本の原発の4割に相当する9原発17基で同じJCFCの製品が使われているのです。
中でも注目すべきなのは川内原発1号機2号機がこの中に含まれていることです。設計上、必要とされる機械的強度が出ていない可能性が浮上しているのですからただちに稼働を停止すべきです。
また再稼働の審査に入っている玄海原発も含まれていますし、新規制基準に合格し、稼働したものの大津地裁の命令で停止している高浜原発3、4号機も含まれています。

さらに9月14日には原子力規制委員会より、フランス当局からの報告として、やはりJCFCが納入した鋼材の不純物濃度が基準を超えていたことが明らかにされました。
ますます9原発17基も同じく脆弱な鋼材で作られている可能性が高まったと言えます。
 
 鋼材不純物が基準超え、仏原発 日本製設備、強度不足疑いで調査
 東京新聞 2016年9月14日 13時47分
 http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016091401001234.html

ここで少しくこの東京新聞掲載の共同通信の記事に補足を行います。記事には以下のように書かれています。
「同社は日本国内で、稼働中の九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県)を含む8原発13基の原子炉圧力容器を製造しており、電力各社が現在、調査を続けている。」

これでは問題は13基でしか起こっていないかのように見えますが、実は「原子炉圧力容器を製造しており」というところにトリックがあります。
これ以外に4基の原発の蒸気発生器一次側鏡板にも同社の鋼材が使ってあるのに、原子力規制委員会が「原子炉圧力容器」だけを強調しているのです。
9月14日にリリースされた以下の資料の26ページ目をご覧になってください。同社製の原子炉圧力容器の当該箇所が青でマークされていますが、蒸気発生器が無視されています。鍛造と鋳造を分けたのかもですが、それにしてもなんとも姑息な発表です。

 第4回日仏規制当局間会合の結果報告
 https://www.nsr.go.jp/data/000163716.pdf

さて今回は発表された資料の解析はこれぐらいにしておきたいと思いますが、問題は加圧水型原発でより深刻であることを指摘しておきたいと思います。
なぜなら加圧水型原発は、その名のごとく炉心を流れる一次冷却水を150気圧に加圧しているからです。
このことで一次冷却水の温度を300℃まであげて蒸気発生器に誘い、ここで二次冷却水と細管で接して熱を二次系に移し、蒸気を発生させてタービンを回して発電しているわけです。
このため原子炉圧力容器に、沸騰水型原発よりも大きな圧力がかかり続けています。この圧力に耐えて一次冷却水を封じ込めている容器の鋼材が設定した強度を持っていない可能性があるのですからとても恐ろしいです。

またこれまで繰り返し述べてきたように、この加圧水型原発は、この蒸気発生器に致命的な欠陥を抱えています。
細管の中を300度の熱湯が150気圧もの力で周って、熱を伝えているのですが、圧力に耐えるためにはパイプの肉厚が大きいほどよく、熱伝導のためには肉厚が小さい方がいいという矛盾構造を抱えています。
このため圧力に十分に耐えるだけ厚くすることができないがために、度々、ピンホールが空いてしまい、定期点検で見つけるたびに穴のあいた細管に栓をして稼動しているありさまです。
それも間に合えばよいものの、かつて美浜原発で細管が完全破断するギロチン切断事故も起こってしまい、メルトダウン寸前にすら陥ってしまいました。

このような構造的欠陥を持っているがために、蒸気発生器は古くなると新品に交換されてきました。これはもともとも設計仕様にはないことです。
原子炉圧力容器と蒸気発生器の周りにはこれらをおさめた原子炉格納容器があります。この容器の役目は万が一の事故のときに放射能を閉じこめること。
そのため堅牢さが求められるわけですが、もともとの設計仕様にはなかった蒸気発生器の交換は、この堅牢さが求められる格納容器に大きな穴をあけて行われているのです。
本来の設計思想から言えば、加圧水型原発はこの点からだけでも設計をやり直さなければならないのです。

しかし蒸気発生器の交換というもともとは想定していなかった「反則技」を使って延命してきたのが加圧水型原発なのですが、実は今、大きな行き詰まりにぶつかりつつあります。
この原発の日本のメーカーは三菱重工であり、同社がJCFCが納入した鋼材を使ったこの部品を組み立てているわけですが、同社がアメリカのサンオノフレ原発に輸出した同部品が致命的な事故を起こし、同原発が廃炉になってしまったからです。
このため三菱重工は9300億円の損害請求裁判を起こされていますが、より問題なのは最新型の蒸気発生器にしてこの事故を起こしてしまったことです。要するに技術として確立できていないのです。

その上に今回のこの蒸気発生器の下部、一次冷却水側の水質を覆っている鏡板が脆弱な可能性があることが浮上してきたのです。
ここもまた150気圧の水圧に激しく晒されている場所であり、鋼材の脆弱性は極めて危険であると言えます。

さらにさらにもう一つ、この150気圧で周っている一次冷却水の配管に差し込まれた「一次冷却材ポンプ」にも構造的欠陥があることを「明日に向けて」で明らかにしてきました。
流れを促進するために回しているプロペラのモータの軸部分に150気圧の水圧がかかるため、故障を度々起こしてきた問題です。

以上から川内原発1号機、2号機をただちに停止させるべきことを訴えます!
そもそもこうした問題が次々と出てくることそのものに、原子力発電の安全な展開の不可能性が表れているのです。
全原発を廃炉にし、原子力行政を最後的に閉ざすことを求めます。

==========

連載1300回越えに際して、カンパを訴えています。
今回はこのように原発の構造的分析、事故等々のリアルな解析活動を支えるものとしての資金提供をお願いしたいと思います。
かなり時間のかかる作業です。ぜひお力をお貸しください。

今回も振り込み先を記しておきます。よろしくお願いします。

振込先 郵貯ぎんこう なまえ モリタトシヤ 記号14490 番号22666151
他の金融機関からのお振り込みの場合は
店名 四四八(ヨンヨンハチ) 店番448 預金種目 普通預金
口座番号 2266615

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明日に向けて(1302)制御棒処分、国の管理10万年?・・・そんなものは未来世代への暴力だ!

2016年09月07日 23時30分00秒 | 明日に向けて(130...

守田です。(20160907 23:30)

またしてもとんでもない決定が原子力規制委員会によって下されました。

原発の廃炉ででる放射性廃棄物のうち、原子炉の炉心に差し込まれる制御棒など、放射能レベルが「極めて高い」廃棄物の処分方針が決められたと言うのですが、なんとなんと国が10万年管理するというのです。
そもそも日本国がこの先10万年の続くのでしょうか?そんなことどうして保障できるのでしょうか。2000年という年月にすら持ちこたえた政府など世界のどこにもないのに。
いやそもそも人類の歴史そのものが数千年のおぼろげな記憶しか残されていません。それらから、10万年、国が管理するなどというのはまったくの暴論です。

もう少し詳しく見ていくと、今回の決定で廃棄物はL1、L2、L3と分けられています。
使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃棄物がL1、原子炉圧力容器の一部などレベルが比較的低い廃棄物がL2、周辺の配管などレベルがもっと低い廃棄物がL3です。
このうちのL1を70メートルより深い地中に埋めた上で、電力会社に300~400年管理させるのだそうです。しかし電力会社が「数万年とするのは現実的ではない」ので、国が管理すると言うのです。

誰もが分かるようにこの決定は突込みどころ満載すぎます。
そもそも電力会社が300~400年持つと言う保障などどこにあるのでしょうか?ほとんど現実性などありません。この会社は電力というテクノロジーのあり方いかんに規定されもする会社なのでもあって、この先、どうなるかなど誰にも見通せません。
その上、もはや滑稽すぎるのは、先にも述べた如く、国家が10万年持つ保障など、電力会社が300~400年持つことよりももっともっと可能性が少ないことです。
どうして原子力規制委員会は、こんなできもしないことを「決定」だとか言って持ちまわることができるのでしょうか。この一点だけでも科学から完全に逸脱していると言わざるを得ません。

ただし私たちはここでこの「決定」の荒唐無稽さを嘲笑してすましていてはなりません。
ここには原発の、あるいは原子力エネルギー体系のきわめて根深い犯罪性が明らかになっているからです。特に重大なのは、ここに私たちの世代による未来世代への重大犯罪が含まれていることです。
なぜならわずか40年、エネルギーを取り出したために、その後に10万年もの管理を強いてしまうからです。しかも強いられる未来世代には、そこからエネルギーを取り出せないばかりか、膨大な年月の管理の手間と、事故の危険性だけが背負わされます。

あまりに酷い。こんなものは未来世代への暴力です。こんなこと、到底許せるものではありません。
ここには現代民主主義の限界が色濃く表れてもいます。なぜならこれらのことが「民主主義」の名のもとに「多数決制度」で決められてきてしまっているからです。しかしこの多数決に未来世代はまったく参加していません。
それで未来世代にとってこれほどに決定的なことを決めてしまっていいのでしょうか。もちろん良いはずなどまったくありません。

私たちがここから確認しなければならないのは、使用済み燃料などの高レベル廃棄物は、10万年も管理しなければならないものであるがゆえにこそ、もはやほんの少しでも増やしてはならないのだということです。
未来世代への倫理にかけて、使用済み燃料を少しでも増やす一切の稼働は許されてはなりません。

同時に私たちは原子力エネルギーが化石燃料に比べて安価だというデタラメも、この決定で完全に終止符が打たれたことを確認すべきです。
何せ廃棄物を10万年も管理しなければならないのです。維持・管理費を考えただけでも天文学的な数字になります。ここから明らかなのは、原発で作られる電気の値段からこの天文学的な数字が隠されてきたことです。

その点からももはや私たちはいかなる意味でも原発の稼働を許してはなりません。採算をとるどころの話ではないからです。
原発の私たちにとっての危険性に加えて、未来世代への放射能の影響と、廃棄物とその管理の押しつけという、二重三重の暴力を停めるためにも、私たちは、世界中の原発の即時廃炉を目指して歩みを強める必要があります。
この声をこそ大きくしていきましょう。
原子力規制委員会の荒唐無稽で無責任極まりないこの「決定」は、私たちにそのことをこそ問いかけている、と僕は思うのです。

なお重要な「決定」なので、朝日新聞の記事を末尾に貼り付けておきます。

*****

制御棒処分、70m以深 国の管理10万年 規制委方針
朝日新聞 杉本崇 2016年9月1日03時41分
http://digital.asahi.com/articles/ASJ807DWVJ80ULBJ017.html?rm=620
   
原子力規制委員会は31日、原発の廃炉で出る放射性廃棄物のうち、原子炉の制御棒など放射能レベルが比較的高い廃棄物(L1)の処分の基本方針を決定した。
地震や火山の影響を受けにくい場所で70メートルより深い地中に埋め、電力会社に300~400年間管理させる。その後は国が引きつぎ、10万年間、掘削を制限する。
これで、放射能レベルの高いものから低いものまで放射性廃棄物の処分方針が出そろった。

原発の廃炉で出る放射性廃棄物は、使用済み核燃料から出る放射能レベルが極めて高い高レベル放射性廃棄物と、L1、原子炉圧力容器の一部などレベルが比較的低い廃棄物(L2)、周辺の配管などレベルが極めて低い廃棄物(L3)に大きく分けられる。
埋める深さは放射能レベルによって変わる。高レベル放射性廃棄物は地下300メートルより深くに10万年、L2は地下十数メートル、L3は地下数メートルとの処分方針がすでに決まっていたが、L1は議論が続いていた。
大手電力会社でつくる電気事業連合会は、国内の原発57基が廃炉になれば、L1だけで約8千トンの廃棄物が出ると試算している。

規制委はL1について、コンクリートなどで覆って70メートルより深い岩盤内に少なくとも10万年間は埋める必要があると結論づけた。電力会社が管理する期間については「数万年とするのは現実的でない」として、300~400年間とした。
その後は、国が立ち入りや掘削がされないように対策を取るとした。

処分地はL1~L3とも、電力会社が確保する必要があるが、候補地選びは難航しそうだ。すでに廃炉作業が始まっている日本原子力発電東海原発(茨城県)では、最も放射能レベルの低いL3に限って原発の敷地内に埋めることを今年1月、地元が容認した。
しかし、これが受け入れが決まった全国で唯一の例で、L2やL1の受け入れを容認した自治体はない。
一方、高レベル放射性廃棄物の処分地は、火山や活断層から離れた場所で、運搬しやすいように海岸から20キロ以内が「適性が高い」などとする条件が検討されている。国は年内にも候補となる「科学的有望地」の地図を示す方針だ。(杉本崇)

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連載1300回越えに際して、カンパを訴えています。
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明日に向けて(1301)災害対策の強化のために(連載1300回越えにあたりカンパを訴えます)

2016年09月03日 23時30分00秒 | 連載の節目に・・・カンパのお願い

守田です。(20160903 23:30)


信州大鹿村からの発信です。

今回で「明日に向けて」は1301回目を迎えました。

このタイトルにする前に「地震情報」の名で46本の記事を出しましたので実質的には1347本目になります。

ずいぶんたくさんのことを論じてきましたが、まだまだ足りない。もっともっとみなさんにとって必要で大事な論稿を紡ぎ出せるように精進を続けます。

 

この連載の大きな節目にみなさんにこの活動へのカンパを心より訴えます。

みなさんのお力でさらに活動領域をひろげ、もっと豊かな内容の発信を続けたいと思います。

なんのためのカンパをお願いするのか。今回は何回かにわけてお話ししたいですが、さしあたっては防災の日の9月1日もちなんで、災害対策のための活動の強化のためのご協力をお願いしたいです。

 

本日(3日)午前中に篠山市で消防団研修会に参加し講演させていただきました。毎年恒例の防災の日を前後した研修会で、このところ、毎年講演させていただいているのですが、今年は300人超の団員さんが集まってくださいました。

今日はいつもの「原発からの命の守り方」の内容に加えて、熊本九州地震と川内原発のこと、篠山の断層帯のこと、故障事故を繰り返している伊方原発の問題、さらに台風10号の被害に見られる水防への取り組みの強化の重要性、消防団活動を全国的にレベルアップすべきことなどをお話ししました。

 

研修会が朝9時半からだったため、前夜から篠山入りしたのですが、篠山市消防団の団長さんと筆頭副団長がご接待くださり、食事をご馳走になりながら歓談しました。

さまざまなことをお話ししましたが、重要なこととして、もともと消防団のメイン活動は消防ですから水防はメインではないこと、それでも篠山では団長さんの下で「やらねばあかん」と水防活動も強めてきたことなどを教わりました。

ある川と田んぼを水門で仕切っている場所でその水門が全部で4つあるところがあるのですが、水門の扱いがなかなか難しい。それで全部に土木工事経験者などの団員を張り付かせ、なおかつ4つが連携して上流から見事に連続して閉じて水害を防止するノウハウを「完全につかんだ」話等をうかがいました。水防のリアリティや極意をかいま見たような気がして興奮しました。

 

今日は団員の皆さんにも、本来、日本には水防団を作る必要があること、しかしそれがない現状では消防団が水防活動を強めていくことが必要で、そのためには消防団活動の予算と人員の拡大、とくに団員への手当のアップが必要であること、今後僕も各地でそれを訴えていくつもりであることなどをお話ししました。

実際、命を守る民衆的な力を強めるために、消防団の拡充、水防への取り組みの強化は必須です。みなさんにもぜひ着目していただきたいと思います。

 

とくに今回、台風が初めて東北に上陸して岩手で多数の方が亡くなられたこと、またその前に北海道に1週間で3つもの台風が上陸し(これも観測史上初)、その上に今回は上陸はしなくとも、大変な暴風雨が襲って数名の方が亡くなられたこと、さらに事前の3つの台風をあわせてなんと16228ヘクタールもの農地が被災し、影響が全国に及ぶ可能性があることなども考え合わせた時、この相次ぐ「観測史上初の事態」のオンパレードに全面的に立ち向かっていくことは必須の課題なのです。

現在(3日午後11時)、流れている情報によれば亡くなられた方の数は岩手県14人、北海道2人ですが、まだ行方不明の方がおられ、犠牲者数が増える可能性があるとのことです。また岩手でまだ800人の方が孤立状態にあるそうです。

 

北海道の農業被害をもう少し詳しくみると台風10号によって被災した農地は4134ヘクタールでした。この中には北海道の中でもとくに肥沃な大地が広がり、「食料基地」と呼ばれる十勝平野2370ヘクタールが含まれています。

破壊された農業施設も1471、しかも被害の大きな南富良野町などはまだとてもではないですが被害総数を調べられる段階にないので、今後、この数値は確実に増えます。

これ一つみても人的被害以外にもさまざま被害が出ていることが分かります。

 

しかも今はまだ9月の初め。台風はまだこの先もやってくるかもしれない。

雨をたくさん含み、地盤の緩んだ地帯にさらなる豪雨が重なる可能性もあります。私たちは腹を固めてこの危機に立ち向かわなくてはなりません。

 

いやもちろんそれは東日本だけのことだけではありません。台風12号が九州に接近してきています。

すでに鹿児島県十島村で、50年に一度という猛烈な雨が降ってしまいました。1時間の降水量が129.5ミリを記録したそうです。

これがどれほど凄いことかというと、雨の多い鹿児島県の年間降水量は約2200ミリ。なんとその20分の1以上がわずか1時間に降ってしまっているのです。1年間が約8760時間であることを考えるとどんなに凄いことか見えてくると思います。

ちなみにヨーロッパは日本よりも降水量がずっと少ないのですが、例えばポーランドのプラハの年間降水量の平均は500ミリです。十島村ではその四分の1が1時間で降ってしまった。驚愕すべきことです。

 

台風は4,5日にかけて九州に上陸し、北東に進路を変えて中国、関西にも接近する可能性があります。その後、日本海に抜けることも考えられますが、それで安全になるのでもない。これまで日本海を北東に進む台風は大量の雨を降らしているからです。今回の北海道の事態が示しているように、台風の被害は上陸地点ばかりでなく進路の東の地域で大きく広がる可能性をみておく必要があります。

しかも熊本・九州は4月からの大地震の連続で地盤が揺すぶられています。そんな中で8月末にまたも震度5弱の地震も起こっている。本当に自然災害が何度も襲ってきているのです。

 

こういう状態、明らかにここ数十年の気候の観測からは考えられない「観測史上初」のことが立て続けに起こっていることをみるとき、私たちがもっともっと社会的に災害対策を進めればならない必然の中にあることは明らかです。

私たちが知っておくべき事は、スイスの保険会社のスイスリーが、世界の660都市を水害の観点から比較し、危険度ランキングをつくったときに、なんとワースト1に東京・横浜圏があがっていることです。

大阪・神戸がワースト4、名古屋がワースト6です。スイスリーはワースト10の都市には「けして移住してはならない」との勧告まで発しています。

 

こうした迫り来る災害への対応のために、「自衛隊を災害救助隊に変えよ!」というのが僕がこの間、繰り返し主張していることですが、同時に、行政任せでない下からの災害対策の強化の必要性を訴えたいです。災害対策への民衆の能動的な取り組みが必要なのです。

中でも原子力災害対策への取り組みは最も重要です。なぜか。原子力災害こそ最も危険だからですが、同時にこの対策こそ、もっとも国や政府、官庁等を当てにできず、民衆が自らイニシアチブをとって進めなければならないものだからです。

まさに民衆の能動性の発揮が問われます。そしてそうであるがゆえに、この取り組みは災害全般への能動性の強化、発展にも必ずつながっていくのです。

 

今のこの国に迫り来る災害の危険性を考えるならば、この国には、尖閣諸島などにかまっている暇などまったくなければ、東京オリンピックをやっている余裕もないことは明らかです。

そもそもオリンピック中に大きな台風が来たらどうするのか。万が一、利根川が決壊したらどうなるのか。そんなところでオリンピックなどやっている場合かなどと考えれば、自ずから答えが出てくることです。

そのためにもさまざまな災害対策の飛躍的な強化を図ることをみなさんとともに行っていきたいと思います。

 

さてそのためには僕自身、もっと災害現場を取材し、研究し、多くのことを学んで災害対策の知見を増やしていきたいと思うのですが、これらはほとんど大学の研究機関などのみにまかされてしまっています。

そこで積極的に災害現場を歩く事をしたいのです。

さらに篠山市で行っている安定ヨウ素剤自主配布の意義をもっと多くの地域に広げたい。そのために各地の行政への説得の旅にも行きたいのですが、そのためには多くの調査費と研究費、旅費などが必要です。

ぜひ原子力災害対策を含む、あらゆる災害対策の民衆の側からの強化のために、お力をお貸しください!

 

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なお今宵僕は大鹿村のある方の家に泊めていただいています。

篠山を午後に発ち、JR特急こうのとりと新幹線、高速バスを乗り継いで信州までやってきました。

ここの大鹿村で行われている「お山の上でどんじゃらホイ」に合流するためです。明日の午前中に「戦争、原発、憲法・・・平和の可能性はどこに?」のタイトルで心を込めてお話しします。

頑張ります。

このお話の後、それぞれの活動への取り組みへのご支援の訴えもまた書かさせていただきます。

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明日に向けて(1300)法実証主義の祖としてのベンサム(功利主義の世紀を越えるために-2)

2016年09月02日 09時00分00秒 | 明日に向けて(1201~1300)

守田です。(20160902 09:00)

功利主義の捉え返しをジェレミー・ベンサムの思想の考察から行っていく試みの第二回目です。

2、法実証主義の祖、ベンサム

第1回目の考察(明日に向けて(1292)ベンサムのパラドックス)を踏まえて、今回は西洋思想史の中におけるベンサムの位置性を見定めてみましょう。
ベンサムは日本ではあまり評判がよろしくないので、その積極的な側面に光を当てていきたいと思うのですが、それは哲学史よりも法理論史の中にあるようです。
なぜならベンサムは法理論に言う「法実証主義」の祖だからであり、近代法の主要な概念を提起したのだからです。実は私たちもまたベンサムの提起にけっこうあやかっています。

この点について現代自由主義法理論の第一人者であったイギリスのH・L・A・ハート(1907-1992)は次のようにベンサムを評しています。
「功利主義者ほど偏見のない公正さで、法に関する改革の情熱と、そして、権力が改革者の手の中にある時でさえ権力の濫用を制御する必要性があるという正当な認識を合わせ持った者はいない。
ベンサムの著作の中に、法治国家の要素を、また、私たちの時代において自然法の用語を使って擁護されている原理のすべてを、逐一認識していくことができる。
表現の自由、出版の自由、団体をつくる精神、法は執行される前に公表され広く知られなければならないという要求、行政官を制御する必要性、責任がなければ刑事罰は問われるべきではないという主張、そして法律がなければ刑罰はいらないという合法性の原則の重要な主張がそこにみられる」(『法学・哲学論集』みすず書房 p61)

どうでしょうか?私たちの人権を守ってくれている憲法の中に盛り込まれた多くの法思想が実にベンサムによって編み出されたことがみてとれるのではないでしょうか。私たちは明らかにベンサムの恩恵を受けているのです。
ここで言う法実証主義とは、これまで論じてきたイギリス経験論に脈打つ神学的世界観の否定と、現実の人間の積極的肯定が、法理論という形であらわれた一つの帰結であるということもできます。
つまり、法とは神に与えられたものではなく、人間が自分たちで社会的に決めたものだという「実定法」の立場を主張するものです。それはホッブスやロック以来の社会契約論に対する批判の系譜に立つものでもあります。

社会契約論というのは社会の始原的な成り立ちを人々が相互にかわした社会的契約におくものでトマス・ホッブス(1588-1679)を出発点としています。
そのホッブスは、ありのままの人間を、相互に生命と財産の保全を求めて相争う存在であり、社会契約によって政府を形成し、権力を譲渡して治めてもらわなければ互いの安全を保障しえない存在として捉えたのでした。
ホッブスは、人間の「利己心」を事実として、現にあるあるものとして認識したものの、きわめて否定的な評価を与えていたのです。

イギリス思想史におけるジョン・ロック(1632-1704)以降の流れは、このホッブスのペシミスティックな人間観を克服し、相互に利己的な人間が、他方で相互を尊重しうる根拠を探るものとなりました。
ホッブスが考えたように原始的な契約など持ち出さなくとも、現実に存在する人間の考察の中から、社会の存続の根拠を唱えられるはずだという観点がさまざまに考察されました。
これを受けて人間は快楽(喜び)を追及し、苦痛を避けようとすることを行動原理にしている、それならば人々の喜びが最大化することを目指すことこそが社会的善だとする「最大多数の最大幸福」の考え方が唱えられるにいたるのです。

このスローガンを初めに唱えたのはフランシス・ハチソン(1694‐1746)だと言われています。人は他者の喜びや悲しみに共感できる、そこに道徳の基礎があるとする「道徳感覚理論(モラルセンス理論)」に立ってのことでした。
さらにこの発想をより深めて主著『人性論』にまとめたのがデイヴィッド・ヒューム(1711-1776)でした。
そこではイギリス社会に極めて強い影響を与えていた「現世はただ神の千年王国の実現のために費やすべきもの」というカルヴァン主義の教義を逆転させ、現世における幸福の追及こそが人間の生であるという主張が意気軒高に打ち出されたのでした。

なおハチソンを始め、これらモラルセンス派の人々にスコットランドの人々が多かったことから、この一連の思想は「スコットランド啓蒙思想」と総称されます。
僕はちょうど昨年の夏にその詳しい解説を行いました。以下の記事などを参照していただけると嬉しいです。

 明日に向けて(1137)スコットランドにおけ独自の人間観の形成(スコットランド啓蒙思想に学ぶ-4)
 2015年8月30日
 http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/465647b8d1287421cb141d8dab8ba36b/?st=1

さてそもそも功利主義とは、快楽を追及し苦痛を避けることを人間の本性をとらえ、最大多数の最大幸福をめざす思想であり、今回の連載の主役であるジェレミー・ベンサムによって体系化されたとされています。
それで間違いはないのですが、功利主義とはもともとスコットランド啓蒙派の中で形成され、ヒュームなどによって確立されてきた思想です。
ヒュームらが主張したのは、人間は他者を理解しうる存在なのであり、だからこそ一方で利己的であっても社会がうまく存続できるということ、絶対的な神の助けなどがいるわけではないということでした、
そこに込められたのは、人間の自然状態を限りない愛を込めて肯定していくことでした。

これに対してベンサムがより良き社会の実現のために最も追い求めたのは立法の諸原理でした。しかもベンサムは功利主義の問題意識性を継承しつつも、「道徳感覚理論」を社会の存続の根拠と考えるのは脆弱だと考えました。
そしてこれを超えるものとして、他者と共存しうる人間のあり方をもっぱら法的に作りだせうとするシステマチックな観点を打ち出すにいたったのです。
なぜなら立法の観点に立つならば、「共感」とは一方で「反感」とも裏腹な情動であり、共感を社会の存立根拠にするならば、必然的に反感が人間の争いの根拠としても存立してしまうことになると考えたからでした。

このためベンサムは「人間存在は利己的であるのか否か、その場合、共感とはどのような役割を果たすのか」というそれまでの問題意識性=プロブレマティークそのものを法においては不要だと考えていきます。
そうして、もっぱら人間を正しい方向に導くものとしての法のあり方を問題にしていき、社会的快楽を増やすことは善、減らすことは悪、苦痛を増やすことは悪、減らすことは善という原理に基づいた法の体系化を目指したのでした。

それは、後に功利主義を現代自由主義社会の中心思想にまで高め上げたジョン・スチュワート・ミル(1806-1873)が、論文『ベンサム』(1838年)において酷評したごとく、「少年のままに生涯を過ごした」ベンサムによって初めてできたことでした。
ベンサムは人間存在の洞察においてあまりに単純であったがゆえに、かえって人間を「快楽」「苦痛」という二つのファクターから分析できるとこれまた単純に考えることができたからです。
このもとにベンサムは人々を最大多数の最大幸福をめざす方向へと導いていくことができると考えたのでした。

このようにしてベンサムは、社会の存立根拠を「共感」という情動ではなく、人間の社会的な価値判断力に委ね、それを法律として示すことに力を注ぎました。
そのもとでベンサムは、冒頭にハートが述べたような現代法学の基礎となる考えを次々と打ち出し、現代の法理論に大きな貢献をなすことになったのです。

続く

補足
なお功利主義は「快楽」「苦痛」原則に基づくものと長らく訳されてきましたが、この日本語の「快楽」という言葉には、初めから否定的な意味も含まれていることに注意が必要です。「快楽をむさぼる」と使われる如くです。
ではこの言葉は英語ではなんと書かれているのかというとpleasuruです。一般には「快楽」とは訳されず、「喜び」「歓喜」などと訳され、否定的な響きはほとんどありません。
このように日本では功利主義は、初めから批判的意味合いの入り込んだ言語に訳され、解釈されてきたこと、それもあって日本社会に浸透しにくかったこともおさえておくべきです。

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明日に向けて(1299)一次冷却材ポンプ、再循環ポンプは原発のアキレス腱!川内、伊方原発をただちに停止すべきだ!

2016年09月01日 11時30分00秒 | 明日に向けて(1201~1300)

守田です。(20160901 11:30)

7月17日に伊方原発3号機で一次冷却材ポンプの故障事故が起こりました。
四電は予定されていた7月末の再稼働を断念、部品の取り換えなど大掛かりな修理を行い、8月12日に再稼働を強行しました。
しかし細かく調べてみるとこの一次冷却水ポンプはこれまでも繰り返し事故を起こしてきたことが分かりました。
また四電の事故に関する発表を分析してみると、格納容器の耐圧試験で壊れてしまったこと、にもかかわらず再び予備部品への交換だけで対処に代えられたことが分かりました。

僕はこれらの事態から、そもそもこの一次冷却材ポンプには構造的欠陥があり、だから事故を繰り返してきたのではないかと推論しました。
この点に関して専門の技術者からの助言を得たいと考えて、元東芝の技術者の小倉志郎さんにお尋ねしました。
小倉さんは『元原発技術者が伝えたいほんとうの怖さ』(彩流社)を書かれた方で、同じく元東芝の格納容器設計者だった後藤政志さんの先輩にあたります。「原子力プラントに誰よりも精通した方」と後藤さんよりご紹介いただきました。

小倉さんはこのように指摘してくださいました。
「問題の伊方原発3号機ポンプ故障についてですが、守田さんのご指摘の通り、この軸シール=軸封装置=こそ、原子炉システムの「アキレス腱」です。そして、この装置については政府=原子力規制庁=の技術基準はありません。
原子炉圧力バウンダリーを構成する箇所でありながら、「溶接部」「フランジ部」とは異なり、圧力に耐えている部品同志が相対的に移動しあっているのですから、内部から液体が漏れるのを防ぐのは至難です。
とりわけ、原子炉の高圧がかかるのですから、その部品の設計はメーカーの設計、製造技術、経験のノウハウ固まりのようなものです。」

僕なりに読み解いていきたいと思います。
まず一次冷却材ポンプは「原子炉冷却材圧力バウンダリ」を構成する箇所です。この用語は以下のように定義されています。

「「原子炉冷却材圧力バウンダリ」とは、原子炉の通常運転時に、原子炉冷却材(加圧水型軽水炉においては一次冷却材)を内包して原子炉と同じ圧力条件となり、運転時の異常な過渡変化時及び設計基準事故時において圧力障壁を形成するものであって、それが破壊すると原子炉冷却材喪失となる範囲の施設をいう」

引用は以下の文章からです。

 原子炉冷却材圧力バウンダリの考え方について
 https://www.nsr.go.jp/data/000050332.pdf

ここは原子炉内と同じ圧力に耐えていて、冷却材を封じ込めているのですから、ここが突破されれば最も恐ろしい冷却材喪失事故が起こり、メルトダウンが発生しかねない核心部分だということです。
しかし溶接でがっちりと接合してあるところや、配管を周りに貼り出した帽子のふちのようなところでボルト締めしている「フランジ部」と違って、このポンプの中の冷却材のシール部は、部品同士が相対的に動きあっている。
なかなかこの部分の構造が理解しにくいのですが、四国電力が発表した以下の故障原因の説明の図をみると概略が分かると思います。

 伊方発電所3号機 1次冷却材ポンプ3B第3シールの点検結果等について
 四国電力 2016年7月25日
 http://www.yonden.co.jp/press/re1607/data/pr005.pdf

小倉さんは次のように続けられています。
「ケーシングに固定された固定リングと軸に固定されたリングの接触面は水分子程度の微小な隙間を介して、こすれあっています。その隙間から「なぜ水が漏れないのか?」の理由さえよくわからないのです。
ですから、ある時漏れたとしても「なぜ漏れたか?」がわかるわけがありません。それで、7月25日に四国電力がプレスリリースしたような「一方のリングが傾いた」などという苦し紛れの理由を挙げるのです。
しかし、その傾きは光の1~2波長程度の傾きであっても漏洩の原因になるのですから、傾いた証拠など測定できるわけがありません。」

理解を進めるために、ここでポンプ一般(渦巻きポンプ)の構造を捉えておきたいと思います。以下をご覧下さい。

 ポンプのお話
 三和ハイドロテック株式会社
 http://www.sanwapump.co.jp/special/story/01_08.html

ケーシングとはいわばポンプの外枠です。この中に羽根車が入っていて回ります。このとき羽根車がまわる部分には液体が入っているわけで、これが羽根車の軸受け部に侵入してこないように「軸シール」が付けられます。
原発の場合、ここに原子炉内の高圧がかかってしまうのでやっかいなわけです。それでここに純水を回す、液体によってシールをするという特別な方法をとっているわけですが、ここが技術的な難所であるわけです。
このポンプの軸受け部のシール方法に技術的困難を抱えているのは実は加圧水型原発だけではないそうです。沸騰水型原発も同様の部品を抱えているからです。沸騰水型では「再循環ポンプ」と呼ばれています。

小倉さんは次のように続けられました。
「私がBWRの原子炉再循環ポンプをはじめ各種のポンプでのシール部漏洩を起こした場合に良く見たのは「シール面=こすれ合う面=に微細な異物が侵入した」という理由です。しかし、分解してみてもそんな微細な遺物が見つかったためしがないのです。
今回の伊方の場合もそうですが、本当は漏洩の原因は不明なのです。しかし、「原因不明」と公表してしまえば、「対策の妥当性」を説明できなくなります。そこで、苦し紛れの誰も確認できない理由を挙げざるを得ないのです。
シールの断面の構造をみるかぎり、原子炉格納容器の漏えいテストのために原子炉格納容器の内圧を挙げたところで、第3シールの固定リングが傾くとは考えられません。上記したように、傾きの存在を確かめられないし、Oリングの摩擦力が(不均一に)増えたことも確かめられないのですから、これは空想による「屁理屈」でしかありません。」

これはすごい指摘です。
実際に現場に携わってきた方にしか知り得ないことですが、実は各種のポンプでこうしたシール部の漏えいがこれまでも起こってきており、しかも「本当の原因は不明」なのだというのです。
小倉さんはここから、7月25日に発表された四国電力の報告をバッサリ切り捨てておられます。「これは空想による「屁理屈」でしかありません」と!

この小倉さんのご指摘を読んで、とても納得するものがありました。
というのは四電は報告書の中で、格納容器の耐圧試験を行ったら、普段はこのシール部にかからない圧力がかかって第3シールの固定リングが傾き、隙間ができてしまってシール部の水が漏れたと説明しているのです。
しかしそれなら耐圧試験で壊れたことになるわけで、当たり前ですが、耐圧試験をクリアできる構造に変えないといけないわけです。
ところが四電はこの部品を予備品と変えることですませてしまったのですが、なんというか、どうしてそれで今回の漏えいの原因への対処を説明できたと四電の技術者が思えるのか分からなかったからです。

事実は小倉さんが指摘するようにそもそも原因が分かってないことにあるのでしょう。だから「屁理屈」で言い逃れようとしたわけですが、辻褄があわなくなってしまったのでしょう。
しかしこれは実にひどいことです。故障事故の原因が分かってないのです。当たり前ですがそれでは修理できません。それで新しい部品に代えてすましているわけなのです。しかし構造的欠陥が正されないのですから、再び故障事故が起こる可能性が極めて高い。
同時に大事なのは、この構造的欠陥は加圧水型原発だけのものではないということです。沸騰水型も同じ問題を抱えている。その意味で原発のアキレス腱そのものなのです。

小倉さんはこう結論付けています。
「シールの断面のポンチ絵を見れば第1シールの内側に「封水」、第3シールの内側に「パージ水」を注入しています。これらは常温の純水のはずです。
ですから、なんらかの原因で、「封水」「パージ水」が止まった場合には高温高圧の原子炉水がシール内部に侵入してきて、シール部品に使っているOリングやカーボンリングを破損させて、LOCA(原子炉冷却材喪失事故)の原因にもなりかねません。
ですから、PWR、BWRのどちらにおいても原子炉圧力バウンダリーでありながら、原発導入の最初から規制の「盲点」になっていたと言えるでしょう。
PWRは3段シール、BWRは2段シールと基本的な違いがありますが、原理的な弱点を持っていることは同様です。」

恐ろしいのはこの構造的欠陥、ポンプの軸受け部のシール技術の未確立から繰り返されてきた水漏れ故障事故が、冷却材喪失事故に直結する可能性があることです。まさに原子炉の核心部の構造的欠陥です。
この一点からだけでも、もはや日本中のすべての原発を動かしてはならないことは明らかです。

なお小倉さんは、他にも現場で作業に携わった方でしか知り得ないリアリティに基づきつつ、原発の「ほんとうの怖さ」を伝えて下さっています。
ぜひこの機会に小倉さんの著書、『元原発技術者が伝えたいほんとうの怖さ』(彩流社)をお読み下さい。
僕が書いた拙い書評も末尾にご紹介しておきます。

最後になりましたが丁寧にご説明くださった小倉さんに感謝を申し上げます。

*****

明日に向けて(1258)書評『元原発技術者が伝えたいほんとうの怖さ』(小倉志郎著)上
2016年5月5日
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/4d69f94211bb3211cd069067a5d12e45

明日に向けて(1259)原発の複雑さと被曝の恐ろしさ―書評『元原発技術者が伝えたいほんとうの怖さ』中
2016年5月7日
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/3ad835a9c25f35ad2ec51063e164ecd9

明日に向けて(1260)原発の危険性の核心―書評『元原発技術者が伝えたいほんとうの怖さ』下
2016年5月8日
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/58e006e2625b59e2151bb7218500c919

 

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明日に向けて(1298)なんと6400Bq以下が法的規制対象から除外されていた!(8000Bq以下再利用問題3)

2016年08月31日 23時30分00秒 | 明日に向けて(1201~1300)

守田です。(20160831 23:30)

福島県内の除染などによって生じた8000Bq/kg以下の放射能汚染土を公共事業で使ってしまえというとんでもない悪政に関する考察の続きを書きたいと思います。

すでに論じてきたように、この問題は2011年9月に制定され一部の施行が始まった「放射性物質汚染対処特措法」を前提としています。
もともと2011年の事故後の大混乱の中で作られたこの法律によって、8000Bq/kg以下の焼却灰を、一般の焼却灰と同じように処理してかまわないことが決められ、今回の処置もまたこの延長線上に考えられていると思われるからです。
再度、同法律をここに貼り付けておきます。(「放射性物質汚染対処特措法」という名は略称で、正式名称は以下のように長い)

「平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法」
 http://www.env.go.jp/jishin/rmp/attach/law_h23-110a.pdf

この法律は政府や関係省庁の側からいっても急ごしらえで作ったものであり、もともと3年経ったのちに振り返りを行うことが書きこまれていました。
このため施行から3年経って「放射性物質汚染対処特措法施行状況検討会」が始められました。第一回の会合は2015年3月31日に開かれ、9月24日に行われた第5回検討会で「放射性物質汚染対処特措法の施行状況に関する取りまとめ(案)」が承認されました。
なされたことは端的に言って同法律に孕まれた矛盾の是正ではなく拡大です。今回の再利用問題につながる布石もここで打たれました。

 放射性物質汚染対処特措法の施行状況に関する取りまとめ
 2015年9月
 http://www.env.go.jp/press/files/jp/28225.pdf

今回はこの文章を分析したいと思いますが、冒頭にこの法律の、というより日本の原子力行政の根本問題がさらりと書かれています。以下、引用します。

「事故発生当時、我が国では、原子力発電所から広範囲に放出された放射性物質による環境汚染への対処に関する法制度が存在しなかった。すなわち、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和32年法律第166号)では、原子力発電所を含む施設における原子力災害の防止は目的としていたものの実際に事故が発生して施設外に放射性物質が放出された場合の環境回復措置については規定しておらず、また環境基本法(平成5年法律第91号)を始めとする環境関連法では、放射性物質は規制の適用除外となっていた。」

引用はここまで

このため放射能による環境汚染に対する基本的な考え方や政府内の役割すら決まっておらず、それまで経験も権限も有してなかった環境省が取り組まなくてはならなかった・・・と続いていくのですが、ここに根本問題があることを何度も指摘しておきます。
そもそもこの国の政府も原子力村も、原発の敷地外を越える深刻な放射能汚染は絶対に起きないと豪語してきたのです。豪語するどころかそのために法律も政府内での役割分担も決めていなかった。そしてここが国民、住民との約束の線だったのです。
絶対に深刻な放射能漏れ事故は起こらないから、原発の運転を認めよという形でです。

ところが「絶対にない」と言っていた大事故が起き、政府や原子力村の政治的な威信も、科学的な信用性も完全に吹き飛んだのでした。この一点だけでもはや日本の原子力行政は閉じなければならないのです。
にもかかわらず政府は言うに事欠いて「絶対に起きないと言っていざという時の法律を作ってこなかったのが間違っていた」と言い出し、新たに法律を作ったというわけです。

こんなものは完全な居直りであり許されるものではありませんが、さらに許しがたいことは開き直りの上に作られた法律が、それまでの「原子炉の規制に関する法律」の無視の上に作られたことです。
例えばこの従来の法律の中で、100Bq/kg以上のものを放射性廃棄物として厳重管理することが決められていたのであり、本来、原発の外に漏れ出た放射能に対応するならば原発サイト内で適用されてきたこの法律を原発の外にまで拡大適用すべきでした。
ところがこれまでの規制値のもとではとても処理できないほどの膨大な放射能汚染物が出てしまったがゆえに、その事実を国民・住民に知らしめることなく、規制値を極端に下げて新たな法律を作ったのです。

ここまでがこの問題の前提にある根本矛盾ですが、私たちが踏まえるべきなのはこの悪法の3年後の見直しで矛盾のさらなる拡大がなされたことです。
とくに重要なことは先に6400Bq/kg以下の放射性廃棄物の処理が法的対処から除外されてしまったことです。

同時にこの矛盾を推し進めるために、放射能に対する人々の危機意識を解体すること、安全論を振りまくことがセットで強調されていることです。
というのは特措法の制定時、福島の除染について「3年程度の間に一通りの対応を行う」とされていたのですが、「当初の想定よりも大幅に遅れた」ことが反省点だとされています。その理由に以下の点があげられているからです。
「放射性物質に関する正しい情報が広くは知られていない中で、放射性物質に対する不安感や政府の説明・対応に対する信用の欠如といった面で、国が関係自治体や地域住民との間の信頼関係の構築に時間を要した」

さてこの捉え返しでは除染、中間貯蔵、汚染廃棄物の処理、横断的事項についての分析が行われていますが、問題の8000Bq/kgの汚染物については、3番目の「汚染廃棄物の処理」の中で扱われています。
より詳しくみると「汚染廃棄物」は、8000Bq/kg以上の「指定廃棄物」、原発周辺で指定された11市町村の「対策地域内廃棄物」、8000Bq/kg以下の「特定一般廃棄物・特定産業廃棄物」と分類されています。
その上で次のような記述が見られます。引用します。

「8000Bq/kg以下の廃棄物については、通常行われいてる処理方法(破砕・分別、焼却処理、埋立処分、再生利用)で、周辺住民及び作業者のいずれにとっても安全に処理可能であることが、処理プロセス全体についての放射性物質による影響評価を通じて確認されている。
その上で、特措法では、このような特定廃棄物以外の廃棄物であって、事故由来放射性物質により汚染され、又はそのおそれがある廃棄物のうち一定の要件に該当するものを「特定一般廃棄物・特定産業廃棄物」と位置づけ、当分の間の措置として、入念的に上乗せ基準及び当該廃棄物の処理施設における維持管理基準を規定し、安全側に立って、当該規制が広めに適用されてきた。
(これについて)平成24年8月に有識者による検討会(災害廃棄物安全評価検討会)が行われ、実態を踏まえ、対象範囲を縮小する形で要件の見直しを行い、同年12月から新たな要件が適用されている」

引用はここまで

言わんとしていることは、「本来、8000Bq/kg以下のものは、通常行われいてる処理をしても大丈夫なのだが、これまで安全側にたって規制してきた。しかし対象範囲の見直しを行ってきた」ということです。
では「災害廃棄物安全評価検討会」でいかなる討議されたのか、議事録を見てみると、かなり重大なことがことが書かれていることが分かりました。
なんと8000Bq/kg以下といっても福島県以外では6400Bq/kgを越えることはあまりなくなったのでそれ以下を規制の対象からはずすというのです。以下の文章に書かれています。当該箇所を抜粋します。

 特定一般廃棄物及び特定産業廃棄物の要件の見直しについて
 平成24年8月20日 第14回 災害廃棄物安全評価検討会 資料6
 http://www.env.go.jp/jishin/attach/haikihyouka_kentokai/14-mat_3.pdf

「事故由来放射性物質の放射能濃度が6400Bq/kgを超える廃棄物が排出されておらず、事故由来放射性物質により一定程度に汚染された廃棄物の多量排出が今後見込まれないと考えられる都道府県については、特定一般廃棄物・特定産業廃棄物の対象地域から外すことを基本として要件の見直しを行う」

引用はここまで

なんと2015年12月から、すでに6400Bq/kg以下の放射性廃棄物が「特定一般廃棄物・特定産業廃棄物」の中から除外されてしまったのです。6400Bq/kg以下の放射性廃棄物には何の法的規制もなくなってしまったことになります。
ここまで調べてくると私たちは「8000Bq/kg以下」という数値だけをみていてはならないこと、それでは騙されてしまうことが分かります。
現在の「8000Bq/kg以下の汚染土を公共事業で使っても良いことにする」という論議も、実はすでに6400~8000Bq/kgの汚染土の問題とされているのであって、先に6400Bq/kg以下のものの規制の排除が組み込まれているのです。
なんという狡猾さでしょうか。8000Bq/kgという数値に人々を引き付けておいて、6400Bq/k以下は法的規制から外してしまったのです。本当に卑劣です。

私たちは8000Bq/kg以下の汚染土を公共事業で使うな」だけでなく「6400Bq/kg以下の放射性廃棄物を法的規制から切り捨てるな」「100Bq/kg以上のものを放射性廃棄物として厳重管理してきた『原子炉等の規制に関する法律』を守れ」と言わねばなりません。
その上で「100Bq/kg」という規制基準のより厳しい見直しも含めた「放射能汚染防止法」の制定にこそ向かわなければならないのです。

続く

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明日に向けて(1297)台風10号東北初上陸の恐れあり!行政任せでない命を守る能動的な行動を!

2016年08月30日 00時30分00秒 | 明日に向けて(1201~1300)

守田です。(20160829 23:00)

大型の台風10号が太平洋上を記録にない形で迷走した上、日本列島に近づいてきています。
29日21時現在の位置は関東の南東沖数100キロの海上ですが、今後、進路を北西に変え、関東・東北に接近し、明日の午前中から午後にかけて東北地方に上陸する可能性があります。
東北への上陸は1951年の現在の体制での観測開始以来、初めてのことになるそうです。

この台風により記録的な暴風雨が各地を襲うことが懸念されています。
気象庁は8月一月分の雨が1日で降る可能性があるとしています。このため洪水や土砂災害の発生が強く懸念されています。
また今の時期は年間でも最も潮位の高い「大潮」の時期にあたっています。このため台風で高潮が発生し、海岸地帯で浸水被害が発生する可能性があります。

非常に懸念されるのは、東日本大震災から復興、ないし街の回復がまだきちんとなされていない東北の太平洋岸の町々にこの猛烈な台風が襲おうとしていることです。
これまでも指摘してきましたが、日本政府は東北沿岸部の復興をきちんと行わないままに東京オリンピックなどに取り組み始めてしまったため、今も沿岸部では町の再建が十分に進んでいるとはいえません。
2016年1月現在で仮設住宅に住まわれている方は約18万人。さらに激しく壊れた防波堤をどうするのか、高台移転をどう進めるのかなども含めて、さまざまなことが中途半端なままです。

ここに猛烈な台風が襲おうとしており、それに伴う高潮などが起きようとしています。とても心配です。
また初めての台風上陸ということで、東北の方々が、行政を含めて未経験な体験に晒されざるをえないことも大きな懸念材料です。
その上、すでに台風9月、11号でたくさん雨が降り、地盤が緩んでいる後ですので、土砂災害も発生しやすくなっています。

このような状態を前にして、今、提案できることはとにかく「念のため」の精神を大事にした「早目の避難」を広範に行っていただくことです。ぜひとも、とっとと逃げていただきたいです。
とくに大事なのは「行政任せでない命を守る能動的な行動」に出ることですが、このことはけして行政当局への批判、批難を意味しているのではありません。

そもそもこの間、地球的規模での気候や大地の変動が起こっていて、「観測史上初めて」のことが度々記録されています。
熊本・九州地震でもそうでした。4月14日に熊本県益城町でマグニチュード6.5、震度7の大地震が起こり、その2日後の16日に、マグニチュード7.3、震度7のさらなる大地震が起こりました。
マグニチュードは0.1上がるとエネルギーは倍違いますから、16日の地震は14日よりもエネルギーでは16倍も大きかったことになります。ちなみにこのため地震計が壊れてしまい、正確な値が測れませんでした。

これは観測史上、初めての事態でした。大きな地震のあとにそれをはるかにうわまわる地震が来ることなど、現代人は経験したことがなかったのです。
このためとくに熊本では、多くの方たちがさらに大きな地震が発生する可能性も考えざるをえず、家に戻れなくなってしまいました。
避難所はたちまち人が収容しきれなくなり、たくさんのテントが立ち並び、その周辺に多数の車が駐車して寝泊まりする人々が発生しましたが、その中かからエコノミー症候群で亡くなる方も多数出てしまいました。
これらのことに見られるのは、この地震災害があまりに行政の想定を超えてしまったために、対処が間に合わない事態でした。

いやそもそも気象庁は2013年8月末から、それまでの「注意報」「警報」に変えて「特別警報」の発令を始め、「ただちに命を守る行動を」と呼びかけてきました。
それまでのような危険性の告知では、事態に対応できないと判断したが故の措置でした。
しかしこの2013年に伊豆大島で発生した大規模な土砂災害のときも、翌年の2014年に発生した広島市での大規模な土砂災害の時も、特別警報は出されませんでした。いずれも気象庁の設定を越えて急速に災害が進展してしまったからでした。

このことが意味するのは、気象庁そのものが、未曽有の事態に度々襲われて、十分に危険情報が出せなかったり、人々の避難を有効に勧告できなかったりしていることです。
もちろん多くの方がこの限界を越えるために奮闘しておられるのですが、僕はこれは気象庁のせいと考えてはならず、地球規模での災害の変化がこれまでの私たちの科学的知見を上回っていることにこそ向かい合うべきだと思います。
だからこそ、行政に災害との格闘の努力を任せてばかりではいけないのです。何時、避難するのか、逃げ出すのかという判断を、受動的に出してもらうのではなく、自ら能動的に判断し、行動する必要があるのです。

とくに今回起ころうとしているのは、当然にも行政当局も経験のない初の台風の上陸です。
しかも二つの台風が雨を降らせて通り過ぎたあとの大型台風の直撃であり、年間で最も潮位の高い「大潮」の時期が重なっているのです。
さらには東日本大震災の爪痕もまだまだ癒えてないところがたくさんあるのですから、多くの方々に、ぜひとも早めに安全地帯に逃れる行動をとっていただき、むしろ行政を助けてあげて欲しいのです。

その際、非常に参考になるサイトをご紹介しておきます。災害対策のスペシャリスト、山村武彦さんが主宰する防災システム研究所HPに掲載されているものです。
避難や水害対策の手引きとして下さい。

 台風・ゲリラ豪雨・洪水・土砂災害・落雷・竜巻・特別警報対策
 http://www.bo-sai.co.jp/suigaitaisaku.htm

またこの記事の末尾にとくに重要だと思われる満潮情報や、大雨、風、高波、高潮の予想などを転載しておきます。
これらもあくまでも「予想」であることを踏まえつつ、より安全側にたった判断の上で行動してください。

なお東北への初の台風の上陸の可能性がある中、やはり福島第一原発サイトが被害を受けないか不安が募ります。
これに対してはとにかく現場の奮闘を祈るしかないですが、同時に何が起こっているのか、危険に見舞われていないか、避難の必要性が生じていないかなど、主に台風の影響を受けない地域の人々でウォッチし、情報を発信しましょう。
僕も今は京都にいますので、明日は台風情報全般をチェックしつつ、福島原発の状態のチェックを続けようと思います。

ともあれ東日本のみなさんの安全を心の底からお祈りします。必要がある時は、けして躊躇せず、とっととお逃げ下さい。
以下、必要情報などを貼り付けておきます。

*****

気象庁 台風情報
http://www.jma.go.jp/jp/typh/1610l.html

*****

高潮に警戒を 東北地方の満潮時刻は
NHK NEWSWEB 8月29日 15時59分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160829/k10010657991000.html?utm_int=word_contents_list-items_003&word_result=%E5%8F%B0%E9%A2%A8%EF%BC%91%EF%BC%90%E5%8F%B7%20%E6%B3%A8%E6%84%8F%E7%82%B9

気象庁によりますと、台風が近づくと予想されている東北地方の太平洋側では、今は1年で最も潮位が高い大潮の時期にあたります。
台風の進路にあたる東北の沿岸では、5年前の巨大地震の影響で地盤が大きく沈下しているところがあり、気象庁は、台風が近づいたり満潮を迎えたりする時間帯を中心に、高潮に警戒するよう呼びかけています。

東北地方の太平洋側の30日午後から31日午前にかけての満潮時刻は次のとおりです。

福島県
いわき市の小名浜港
30日午後3時33分ごろと31日午前2時32分ごろ。
相馬港
30日午後3時24分ごろと31日午前2時19分ごろ。

宮城県
仙台新港
30日午後3時18分ごろと31日午前2時14分ごろ。
塩釜港
30日午後3時20分ごろと31日午前2時16分ごろ。
石巻港
30日午後3時19分ごろと31日午前2時11分ごろ。
石巻市の鮎川港
30日午後3時17分ごろと31日午前2時9分ごろ。

岩手県
大船渡港
30日午後3時8分ごろと31日午前2時ごろ。
釜石港
30日午後3時8分ごろと31日午前1時58分ごろ。
宮古港
30日午後3時9分ごろと31日午前1時49分ごろ。
久慈港
30日午後3時ごろと31日午前1時46分ごろ。

青森県
八戸港
30日午後2時54分ごろと31日午前1時48分ごろ。
むつ小川原港
30日午後3時1分ごろと31日午前1時44分ごろ。
青森港
30日午後2時20分ごろと31日午前2時17分ごろ。

高潮は、台風の接近に伴い、気圧が1ヘクトパスカル下がると海面が吸い上げられて1センチ高くなるほか、強い風が沖合から吹くと大量の海水が吹き寄せられてさらに潮位を押し上げます。
そして、海面全体が上昇し大量の海水が押し寄せ、沿岸の地域に浸水の被害が出ることがあります。
30日から31日にかけて、東北地方の太平洋沿岸など台風の進路にあたる地域では、台風が近づく時間帯や満潮の時間帯を中心に、高潮に警戒が必要です。

***

大雨や高波など 警戒必要な時間帯の目安
NHK NEWSWEB 8月29日 18時32分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160829/k10010657351000.html

大雨や高波など 警戒必要な時間帯の目安
気象庁によりますと、台風や上空の寒気による大雨と高波などに警戒が必要な時間帯の目安は次のとおりです。

大雨
まず、大雨が予想される時間帯です。
▽関東では30日の未明から夕方にかけて。
▽北陸では29日夜から30日夜にかけて。
▽東北では30日未明から31日昼ごろにかけて。
▽北海道では30日未明から31日昼すぎにかけて。


続いて暴風に警戒が必要な時間帯です。
▽関東では30日朝から昼すぎにかけて。
▽東北は30日昼前から31日朝にかけて。
▽北海道は30日夜から31日朝にかけて。

高波
続いて高波です。
▽東海と伊豆諸島、小笠原諸島では30日の朝にかけて。
▽関東では30日の夕方にかけて。
▽東北では29日夜から31日昼にかけて。
▽北海道では30日昼から31日昼にかけて。

高潮
このほか、東北では30日昼から31日朝にかけて、高潮に警戒が必要です。

今後の台風の進路や速度によっては、見通しが変わる可能性があり、気象庁は、最新の情報を確認するよう呼びかけています。

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明日に向けて(1296)伊方原発3号機1次冷却水ポンプは耐圧試験で壊れた!ただちに停止すべきだ!

2016年08月29日 18時30分00秒 | 明日に向けて(1201~1300)

守田です。(20160829 18:30)

前回の続きで伊方原発3号機の構造的欠陥と思われる一次冷却水ポンプ故障事故についてさらに解析していきたいと思います。
すでにこの点については「明日に向けて」(1282)(1283)で記事にしたのですが、これらを書いた翌日の7月25日に四国電力から報告書が出されました。以下の文章です。

 伊方発電所3号機 1次冷却材ポンプ3B第3シールの点検結果等について
 四国電力 2016年7月25日
 http://www.yonden.co.jp/press/re1607/data/pr005.pdf

ここで7月17日に起こった事故原因の解説がされているのですが、核心部分で述べているのは、なんと格納容器の耐圧試験を行ったときに、ポンプの軸受け部分のシールド箇所に大きな圧力がかかりシールドが効かなくなったということでした。
当該部分を以下に抜粋しておきます。

 「7月12日に実施した原子炉格納容器の耐圧検査時に、第3シールに通常より高い圧力がかかったことにより、シール構成部品であるOリングの噛み込み等が発生し、摩擦力が多きくくなり、シーリングの動きが悪くなったものです。
 このため1次冷却材ポンプ3B起動時に、シールリングが傾いた状態となり、シート面に隙間ができたことから、シールリークオフ流量が増加したものと推定しました。」

抜粋はここまで。

分かりやすいように解説します。そもそもこのポンプと言われる装置、150気圧300度で流れている一次冷却水の中にプロペラを仕込んで回し、水流を強める役割を果たしているものです。
プロペラを回すためにモーターが必要で、その軸が循環している一次冷却水の配管にいわば直角に差し込まれ、その先でプロペラが回されて冷却水が攪拌されているのですが、このモーターの軸の部分がシールド上の弱点になっているのです。

なぜかというとモーターの軸が回転可能なためには当たり前のことですが軸受け部に一定の隙間がなくてはなりません。しかし一次冷却水の圧力はなんと150気圧ですのでこのわずかな隙間に高圧の熱湯が押し寄せて、水漏れが起こりやすいのです。
このためここは3重ものシールドが施されており、主に放射能を大量に含んだ1次冷却水は第一、第二シールまでて侵入を阻止しようという構造になっています。
第3シールの役目はこの軸受けの隙間を埋めて循環しつつ、一次冷却水の侵入をシールドしている純水が漏れないよう封じることにあります。この純水はシール部分を洗浄する役目も負っているのですが、さらにそれを第3シールで封じているのです。

理解を容易にするためにこのポンプを図示している三菱重工のページをご紹介します。

 1次冷却材ポンプ 三菱重工HPより
 https://www.mhi.co.jp/products/detail/reactor_coolant_pump.html

さてこれまで僕はこのポンプが繰り返し同じような故障事故を繰り返しているので、構造的欠陥ではないかと論じてきたのですが、今回は図らずも四国電力の発表によってその一角が明らかになったのではないかと思います。
というのはこの故障事故は、格納容器の耐圧試験でこそ起こったからです。もちろんこの試験は直接にポンプの強度を試すものではなかったのでしょうが、しかし同ポンプが、格納容器が耐えるべき圧力に耐えられなかったのは確かです。
要するに同ポンプは試験に耐えられなかった。角度を変えて言えば、格納容器の強度を試験していたら違う部分が壊れることが判明したのでした。そんなポンプをそのまま使っての稼働などしてよいはずがない。

四電の発表によってもう少し詳しく見ていくと、このポンプには通常は1次冷却水側から強い圧力がかかっていることが説明されています。1番目のシールである第1シール側からです。
ところが試験によって格納容器内の圧力を高めたので、このときは第3シール側からより高い圧力を受けることになりました。このため第3シールの前後で「通常時とは逆向きの圧力が発生する」と説明されています。
このことがシールがずれて水漏れが発生した根拠に上げられているのですが、一読して開いた口がふさがりませんでした。

これではなんらかの事故が発生し、格納容器内の圧力が高まる事態が発生すると、どう考えたってこのポンプで同じ故障が発生する可能性が極めて高いからです。
耐圧試験によってそのことこそが明らかになったのではないでしょうか。というかこういう不慮の事態の発生の可能性を知ることにこそ、試験の意味があるのではないでしょうか。
となれば本来、このように格納容器側、つまり第3シール側の圧力が高まった時にシールがずれてしまう欠陥を解決しなければ再稼働してはならなかったはずです。

にもかかわらず以下のように対処することが発表されたのみでした。抜粋します。

 「今後、一次冷却材ポンプ3Bの第2および第3シールを予備品と取り替えるとともに、万全を期すため、同じ構造である3A、3Cのシールについても同様に取り替えます」

抜粋はここまで

万全を期すためとかいったって、故障事故を起こした肝心な部分の第2、3シールは予備品と変えられたのでしかない。
これは従来と同じ部品ですから、今回起こった事故に対応したことになっていません。つまり試験結果を反映した改良になっておらず、むしろ試験結果を無視したまま従来品と交換したことにしかなりません。
そもそも今回壊れたポンプそのものが、これまで繰り返し事故を起こしてきた箇所であるがゆえに、再稼働を前に新品を取り付けていたのにもかかわらず、7月に事故に見舞われたのです。それでなぜ予備品への交換ですませてしまうのか。

ここからも強く疑われるのは、三菱重工がこの一次冷却水ポンプの構造的欠陥に気が付きながら、抜本的な改良を行わずに、ないしは技術的に行えないままに、今日まで加圧水型原発を動かしてきたと思われることです。
そして壊れる度に、部品の交換などで弥縫してきた。蒸気発生器と同じようにです。
しかしこのポンプは150気圧でまわっている一次冷却水の配管の途中に設置されたものですから、この部分の故障が深刻化すると、冷却材の飛び出し=炉心の冷却材喪失=メルトダウンに直結する可能性があり、こんな対応は許されてはならないのです。

このことからも伊方原発3号機はただちに停めるべきです。

また現在稼働中の川内原発1号機、2号機も同じ三菱重工製の加圧水型原発であり、同じ部品が使われています。それどころか川内原発1号機でも2008年に同ポンプに取り付けられたプロペラの軸(モーターの軸)が折れてしまうという事故も起こっています。
伊方原発と川内原発は蒸気発生器とともに、同ポンプに同じ構造的欠陥を有しているのですから、こちらもまたただちに停めるべきです。
もちろん高浜原発も同じ型ですからやはり二度と稼動させてはならないのです。

なお伊方原発を動かしてはならない理由は他にもたくさんあります。
以下の記事も参照にしてください。

 明日に向けて(1288)伊方原発を動かしてはならない幾つもの理由-上 
 2016年8月15日
 http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/ac6e04f05f8f856793573e9be441cddc
 http://toshikyoto.com/press/2193

 明日に向けて(1289)伊方原発を動かしてはならない幾つもの理由-下 
 2016年8月16日
 http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/41d6ef9fd874dce9c96df803ffa6ef4a 
 http://toshikyoto.com/press/2195

この項の連載終わり

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