安全問題研究会~鉄道を中心とした公共交通を通じて社会を考える~

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私たちは根室線をなくしてはならないと考えます
国は今こそ貨物列車迂回対策を!

気仙沼線~石巻線乗りつぶしの旅(2)

2009-08-27 23:37:55 | 鉄道・公共交通/趣味の話題
旅行2日目。この日は列車本数の少ない石巻線ダイヤに合わせ遅めの出発である。朝風呂として3たび露天風呂に浸かった後、朝食。驚くことにマグロの刺身が小皿に入って取り放題となっていた。もちろん、「づけ丼」に使われる落し身ではあるが、私の知る限り、マグロの刺身がバイキングで取り放題というのは初めてである。さすがは名にし負う漁港だ。

9時半頃、ホテルをチェックアウトして漁港の散策をする。気仙沼リアスシャークミュージアムを観た後、魚市場へ行ってみる。東京・築地などでは考えられないことだが、ここ気仙沼港ではセリや魚の体重測定などの作業を2階の見学用通路から自由に観られるようになっていたので、遠慮なく2階に上がる。ちょうど水揚げされたマグロが体重測定されているところで、飲食店主などが買い付けに来ていた。(水揚げされたマグロの写真

魚市場見学通路から戻ったところ、時計は午前11時。少し早いが、列車のダイヤもありここで昼食を摂る。気仙沼といえばやはりフカヒレということで、かねてから計画していたとおり、フカヒレラーメンを注文。初めて食べるフカヒレは、独特のコリコリした食感だった。

食後は南気仙沼駅まで徒歩で行く。11時35分、気仙沼線2938Dで、海の幸三昧を尽くした気仙沼を後にする。13時16分、前谷地に到着。13時31分発石巻線1639Dで14時45分、女川に着く。

女川では約1時間の休憩の後、15時40分発1640Dで折り返す。16時41分、列車の終点の前谷地に戻る。17時06分発の快速「南三陸4号」を待っていると、DE10型牽引のコンテナ貨物列車が通過していった。ここ石巻線は、ローカル線としては珍しい1日10往復(曜日によっては4往復)の貨物列車が走る。DE10型が入換以外でコンテナ貨物列車を牽引するのも大変珍しく、ここ以外では敦賀港線(JR貨物の第1種区間)など数ヶ所があるのみだ。

DE10貨物と入れ違うように「南三陸4号」が到着。普通列車はキハ48系なのに、「南三陸」はキハ110系が使用されている。車内もボックスシートでなくロマンスシートだが、一部が指定席扱いとなる関係上このほうが望ましい。

小牛田から「南三陸4号」は夕暮れ時の東北本線に入る。「架線下DC」となったキハ110系は、ご自慢の加速力でどんどん飛ばす。18時05分、「南三陸4号」は仙台に滑り込んだ。

昼食が早めだったせいか、仙台に着いたところで空腹感を覚える。仙台駅ビル内の牛タン店で名物の牛タンを食す。本当に今回の旅はグルメ尽くしだ。

いよいよ旅も終わりに近づいた。最後の列車となるのは仙台19時05分発、黒磯行き2156M。新白河~黒磯では最終列車となる。22時08分、無事新白河に到着した。

ちなみに、青春18きっぷを使用しなければ、新白河~気仙沼の片道だけで5,250円だから、半分以下の安値で行けたことになる。やはり青春18きっぷはありがたい。

【完乗達成】石巻線
これで、JR東日本の未乗車は以下の3路線・区間となった。

大湊線 全線
津軽線 全線
中央本線 岡谷~塩尻(みどり湖経由)

また、JR東日本エリア内にある第三セクター線の未乗車区間は、秋田内陸縦貫鉄道のみ。

ちなみに、東北地区の3線については、2010年12月の東北新幹線新青森開業時に乗りに行く計画である。これにより、中央本線だけが残ることになるが、みどり湖経由は特急「あずさ」が走る区間であり、乗車はそれほど難しくない。

2001年、長野県を中央本線で訪れた際、時間の都合で辰野経由、みどり湖経由のどちらか一方しか乗ることができず、選択の必要に迫られた。このとき、普通列車しかないため乗りにくい岡谷~塩尻感(辰野経由)を意識的に優先、「あずさ」の通るみどり湖経由はまたいずれ乗車するチャンスが来ると思って先送りしたのだが、結果的にこの判断は正しかったと思っている。

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気仙沼線~石巻線乗りつぶしの旅(1)

2009-08-26 23:38:02 | 鉄道・公共交通/趣味の話題
今日から30日までの5日間はやや遅めの夏休みということで、今日から1泊2日の日程で宮城県の未乗車区間である気仙沼線~石巻線の乗りつぶしに出かける。今回の旅は青春18きっぷを使うため、すべて普通~快速列車利用だ。

新白河を6時09分発の2121Mで出発、9時28分仙台着。仙台では妻のためにショッピングタイムとする。仙台からは11時27分発仙石線1141Sに乗り、12時06分、本塩釜で下車。

塩竃は東北きっての港町だ。駅から10分ほど歩いたところにある船着き場、マリンゲート塩竃内にある海鮮料理店、「魚長亭」で海鮮丼を食す。これで税込み1,575円だが、値段以上のボリューム感でまずまずの出だしである。

昼食後は13時00分発のニュー松島観光船で松島湾内を周遊。松尾芭蕉も感嘆の声を上げたという松島湾の眺めはやはりすばらしい。

その後は塩釜駅(東北本線)へ移動し、14時36分発1557Mで小牛田へ移動。15時05分、小牛田着。小牛田15時34分発石巻~気仙沼線2945Dでいよいよ未乗車区間へ踏み出す。気仙沼線は今でもほとんどがキハ48系(サムネイル写真)だ。

気仙沼線は東北本線筋から三陸沿岸に出る路線だから、当然ながら山越えを伴うが、エンジンを換装したキハ48にとってそれほど苦ではないようで、着実な足取りで上っていく。三陸海岸に出ると車窓に海も見えるようになった。列車は17時36分、気仙沼に到着。気仙沼線の完乗を達成した。

この日の泊まりは気仙沼ホテル観洋。気仙沼で最も有名な観光ホテルである。テーブルからはみ出そうなほどたくさんの海の幸に舌鼓を打つ。

温泉は露天風呂付きで、泉質は塩辛い味のするナトリウム泉だった。チェックイン直後と寝る前、計2回入浴できた。

【完乗達成】気仙沼線

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第91回高校野球を振り返る

2009-08-25 20:23:58 | 芸能・スポーツ
中京、7度目の全国制覇…日本文理の猛追かわす(読売新聞) - goo ニュース

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 第91回全国高校野球選手権大会(日本高校野球連盟など主催)は24日、兵庫県西宮市の甲子園球場で決勝戦が行われ、中京大中京(愛知)が10―9で日本文理(新潟)との打撃戦を制し、春夏連覇した1966年(第48回大会)以来となる43年ぶり7度目の優勝を決めた。

 優勝7度は、広島商(広島)の6度を上回る史上最多。初の決勝進出を果たした日本文理は、新潟県勢初の全国制覇はならなかった。

 中京大中京は一回、堂林翔太(3年)の2点本塁打で先制。六回には堂林が勝ち越しの2点適時打を放つなど、一挙6点を奪いリードを広げた。九回二死走者なしから5点を返す日本文理の猛追にあったが、辛くも振りきった。
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チーム打率が4割2分を超えるという日本文理。雪国のハンディなど微塵も感じさせないその強打で、日本文理が誰も予想だにしなかった準優勝をたぐり寄せた。その日本文理を突き放した中京大中京(旧中京高校)の打撃力も見事だった。

とはいえ、今大会を振り返ってみると、例年に比べて投手優位の大会だったように思う。2桁得点の試合が例年に比べ少ないように感じた。花巻東の菊池雄星はじめ高校生とは思えないレベルの投手も見受けられた。甲子園は「春は投手力、夏は打撃力」と言われるだけに、例年と比べて投手力の高さが際立っていた。

夏の大会は、猛暑に耐え、コンディションを維持できた投手のいる学校が生き残ることが多いが、今年の夏は例年に比べて圧倒的に涼しく、1回戦では同一カード2日連続降雨ノーゲームという甲子園始まって以来の珍記録も生まれた。初めのうちは、夏休みのうちに大会が終わるだろうかと心配になるほどの悪天候だったが、その後の日程は順調に進んだ。投手優位の大会となった背景に、投手がコンディションを維持しやすい「冷夏」という事情があったことも見逃せない。

地域格差の縮小、東北・北陸・北海道など従来弱いと言われてきた地域のレベルアップはここ10年ほど明らかな傾向となっているが、今回ほどそれがはっきり出た大会はなかったのではないか。ベスト8に花巻東(岩手)、立正大淞南(島根)、日本文理(新潟)など従来の常識では考えられない県の代表校が勝ち残る戦国大会だった。岩手、新潟、島根県の人たちは、代表校が甲子園で上位に進出することの喜びを知ったのではないか。九州勢も明豊(大分)、都城商(宮崎)の2校がベスト8に残った。東海勢も中京大中京のほか県岐阜商が残った。関東勢は帝京がベスト8に進出した。

対照的に、近畿勢はベスト8に1校も残れなかった。これは近年、例がないと思われ、近畿勢の地盤沈下を強く印象づけた。昨年こそ大阪桐蔭が優勝したものの、ここ10年ほど、甲子園で安定した戦いぶりをしている近畿勢は智弁和歌山くらいになっており、かつて甲子園を席巻した近畿勢の黄金時代を知る者にとっては寂しさを禁じ得ない。ただ、これは高校野球だけの問題でなく、関西の地域全体に元気がないことと関係しているように思う。近畿勢は、そろそろテコ入れをしないと今後ますますの地盤沈下は避けられないのではないか。

今回、出場校の中で一番印象に残った学校は、なんと言っても立正大淞南である。18人までベンチ入りが許されている甲子園で、4人も少ない14人でベスト8まで勝ち抜いた。その戦いぶりは、かつてベンチ入り15人制時代の甲子園で、11人で戦い抜いて優勝し、「さわやかイレブン」と言われたかの池田高校を思い出させるものだった。過去、島根県勢が1回戦さえ突破できず苦しむ中で、14人の選手しかベンチにいない学校がベスト8入りしたのだ。人数が多ければ勝てるというものではない、文字通り野球というスポーツの醍醐味と不思議さを教えてくれたチームとして、長い球史に名を残す快挙である。当ブログは、改めて14人の選手たちの健闘を称えたい。

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郵便局長8割「民営化後にお客減った」

2009-08-24 22:35:48 | その他社会・時事
「民営化後にお客減った」郵便局長8割 全特アンケート(朝日新聞)

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 全国郵便局長会(全特)のアンケートによると、07年10月の郵政民営化前より客数が減ったと感じる郵便局長が回答者の8割弱に達した。全特では、民営・分社化で郵便局員の業務が複雑になり、待ち時間が長くなったことなどが敬遠されたとみている。

 アンケートは昨年に続いて2回目。全特の会員2万人弱を対象に、5~7月に郵送で調べた。回収率は89.4%。

 客数についての回答では、「少し減った」「大幅に減った」の合計が78.3%。「少し増えた」「大幅に増えた」は3.5%だけだった。「減った」と答えた割合は前回より約18ポイント増えた。

 客の苦情や不満を複数回答可で尋ねたところ、「求められる証明や書類が煩雑」が92.5%で最も多く、「郵便物の誤配・遅配」「手数料の値上げ」「待ち時間の長さ」の順で続いた。郵便局の将来(複数回答可)については「合理化が進み、サービスと営業力が低下するのではないか」との答えが78.8%。「完全民営化されると地方の郵便局が廃局されるのではないか」が74.8%に達した。
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それはそうだろう。現実に郵便局に行っても民営化前のような活気がないし、明らかに客は減ったと思う。それは都心の大規模局、地方の中小局ともに同じだ。地域の人々のコミュニケーションの場としての機能は明らかに失われつつある。

郵便物の遅配も増えた。民営化前に比べ、郵便物が届くのが1日は遅くなった感がある。仕事で差し出した郵便物(それもかなり重要書類)が先方に届かないという郵便事故も1度経験した。

郵便局の移転も増え、旅行先でちょっと郵便局に立ち寄りたいときなど「以前はここにあったのに」と戸惑うことが多くなった。ようやくたどり着いた郵便局でも、目立つのは季節物のゆうパックのパンフレットばかり。利用客が求めるサービスよりも自分たちがいかに儲けるかを優先する企業体質に変わってしまった。

かんぽの宿売却問題を巡る醜態、西川社長の恥知らずとも言える居座りなどは言うまでもない。小泉・竹中出てこい。郵政事業をこんなに破壊したお前らに、俺が小一時間説教してやる。

総選挙後は郵政事業見直しは避けられないだろう。少なくとも、このような事態を招いた原因が分社化にあることははっきりしている。郵政事業会社が持つ株式売却を中止し、郵政3事業は一体運営に戻すべきだ。

将来的に、郵政事業は再国有化も考えなければならない。3事業一体運営に戻したとしても、民営である限り、地方局の廃止に歯止めをかけるのは困難だからである。せめて郵政事業くらいは、疲弊の極致に達し、自公政権によって生命さえ脅かされている地方の救世主であってほしい。

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「脱線、歴代経営者に責任」説明会で山崎社長

2009-08-23 21:33:59 | 鉄道・公共交通/安全問題
「脱線、歴代経営者に責任」 JR西社長、検証委に前向き(産経新聞) - goo ニュース

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 JR西日本は22日、JR福知山線脱線事故の被害者を対象にした事故説明会を大阪市内のホテルで開き、山崎正夫社長(66)が「責任はこれまでの経営者にあり、その任を引き継いだ現在の経営者も重く受け止めなければならない」と企業体質をつくった歴代経営者の責任を明言した。終了後の会見では被害者と共同で真相を究明する「事故検証委員会」の設立に前向きな姿勢を示した。

 山崎社長が起訴後、公の場で被害者に直接話すのは初めて。説明会は非公開で、同社によると、山崎社長は事故要因が日勤教育や余裕のないダイヤ編成に加え、風通しが悪くミスを報告しにくい雰囲気など企業体質にあったと説明。

 その上で、事故当時相談役だった井手正敬氏(74)、会長だった南谷昌二郎氏(68)、前社長の垣内剛氏(65)ら歴代経営者の責任を明言した。3氏については遺族35人が不起訴を不服として、神戸第一検察審査会に審査を申し立てている。
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山崎社長の態度を見ていると、「何で俺だけ起訴なんだ。井手や南谷や垣内のほうが悪いじゃないか」と思っているように見えなくもない。もっとも、遺族も関係者もそう思っているし、当ブログもそう思っているから間違いではないが…

山崎社長が、あれだけ渋っていた事故検証委員会の設置に取り組む意向を示したのは歓迎すべきことである。遺族の長年の要求が実った形だ。JR西日本が「俺はこう思う」的な独りよがりの安全対策でなく、遺族とともに考え、歩きながら安全対策を改善していくことが今求められている。

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【尼崎事故】歴代3社長の起訴求め遺族が審査申し立て

2009-08-21 23:13:23 | 鉄道・公共交通/安全問題
遺族が検審申し立て JR西旧経営陣3人起訴求め(神戸新聞) - goo ニュース

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 2005年4月、乗客ら107人が死亡した尼崎JR脱線事故で、JR西日本の元会長井手正敬氏(74)、前会長南谷昌二郎氏(68)、前社長垣内剛氏(65)の3人について、遺族20家族35人が21日、神戸地検が不起訴処分としたことを不服とし、神戸検察審査会に審査を申し立てた。


 今後、市民11人で構成する検察審査会が旧経営トップ3人の刑事責任の有無を判断する。5月の法改正で、検察審査会が2度起訴相当を議決すると、自動的に起訴される。

 3人は1992年以降の歴代会長や社長。申立書によると、井手氏らが高速化、事業合理化、経費徹底削減の3点を経営戦略とし、上意下達の組織運営方針を固めたことが事故の背景にあると主張。余裕のないダイヤ編成や極端な人員削減、懲罰的な日勤教育などが「居眠りやブレーキ操作の遅れなど、運転士によるミス発生の危険を高めた」と指摘した。

 3人は、安全対策の根幹にかかわる部分については厳正な監督責任を負う地位にありながら順守するべき安全体制を確立する義務を怠り、高速化を進めた過失があるとしている。

 神戸地検は今年7月、安全対策を統括する鉄道本部長を務めていた山崎正夫社長(66)が、事故を予見できる立場にありながら自動列車停止装置(ATS)の設置を怠ったとして業務上過失致死傷罪で在宅起訴。井手氏らについては「危険性を予見できるだけの情報を知らなかった」として、不起訴にした。

 事故当時、井手氏は同社相談役、南谷氏は会長、垣内氏は社長。井手氏は事故後務めた子会社顧問の契約期間が終了し、南谷、垣内両氏は顧問だったが、現在は嘱託社員になっている。
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歴代3社長の起訴求め遺族が審査申し立て JR脱線事故(朝日新聞)

 107人が死亡した05年4月のJR宝塚線(福知山線)脱線事故で、遺族35人が21日、業務上過失致死傷容疑で告訴されたJR西日本の井手正敬(まさたか)・元会長(74)と南谷(なんや)昌二郎・前会長(68)、垣内剛(たけし)・前社長(65)の歴代社長3人を不起訴(嫌疑不十分)とした神戸地検の処分を不当として、神戸検察審査会に審査を申し立てた。地検が立件を断念した「過密ダイヤ」や「日勤教育」などの問題点を挙げ、これらを実行、放置した歴代社長に刑事責任があると主張している。

 事故は運転士(死亡)が制限速度を超えて急カーブに進入したことが直接的な原因とされる。神戸地検は7月8日、96年の現場カーブつけ替え時に自動列車停止装置(ATS)の設置を怠ったとして、当時の鉄道本部長だった山崎正夫社長(66)1人を業務上過失致死傷罪で在宅起訴。当時の社長だった井手氏ら3人については「山崎氏に安全対策の業務執行権限を委任していた」などとして起訴しなかった。

 これに対し申立書は、3人が社長任期中、社内の総合安全推進委の委員長だったことに言及し、「安全対策の根幹については厳正な監督責任を負う」と指摘。事故の背景に、収益拡大のため安全対策よりスピードアップや経費削減を優先させたJR西の企業風土があったとし、こうした経営方針は井手氏が打ち立て、南谷、垣内両氏が継承したとした。

 3人の具体的な行為として、時間を短縮した余裕のないダイヤで列車を運行させた▽ミスをした乗務員に課せられる懲罰的な日勤教育を放置した▽約2万人の人員削減で世代間の技術継承を困難にした――ことなどを挙げた。

 そのうえで、運転士のミスや脱線事故の危険性を予見できたのに急カーブにつけ替えられた事故現場でATS整備を怠ったと指摘。「3人が行き過ぎた利益重視の戦略を推し進めた結果、事故を発生させた」と主張している。
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すでに言い尽くしてきたが、尼崎事故の背景にはJR西日本の利益最優先、安全軽視の企業体質がある。

「同業他社を凌ぐ強い体質づくり 私たちは、常に創意工夫に努め、同業他社を凌ぐ強い体質づくりに、持てる力の全てを発揮します」というJR西日本の「経営理念」は、1987年のJR西日本発足当時に定められたものだが、井手氏はこのとき副社長の立場にあった。井手氏がこの企業理念の策定に大きな影響力を発揮したのは明らかである。井手氏に「安全軽視、利益最優先の企業体質と自分とは関係ない」などとは絶対に言わせない。

井手氏に関しては、こんな証言もある。『国鉄改革の真実』(葛西敬之・JR東海会長著)によれば、国鉄「改革」当時、「国鉄改革三羽ガラス」(井手氏、葛西氏、松田昌士・JR東日本元社長)で最年長だった井手氏は自分がJR東日本に行けると信じていたそうだ。だが、運輸省(当時)の思惑でJR東日本初代社長が住田正二・元運輸事務次官に内定したとき、彼らと杉浦喬也・国鉄総裁は「次期あるを期する」と誓い合い、その次を狙っていたという。

多数の国鉄職員を首切りし、残った者にも故郷を捨てさせる広域配転を強いながら、自分たちは会社の垣根を越えた幹部ポストのたらい回しを狙っていたというのだ。

しかも、会社間の垣根を越えた幹部ポストのたらい回しが叶わないとわかると、井手氏は方針を変え、JR西日本をJR東日本や東海並みに利益の上がる企業にするため、その体質を強引に変えようとした。垣内氏や南谷氏はそうした実態を知りながらそれに協力した。

しかし、利益を上げられるのは新幹線と関西周辺の幹線のみで、旧特定地方交通線(廃止対象路線)とほとんど変わらないほどの経営成績でしかないローカル線を中国地方に多く抱えるJR西日本が、東海や東日本のような利益を上げることはもとより不可能だった。そこで、利益を上げるために安全投資が削られることになった。尼崎事故はこのような経過をたどって起きたのである。

このような経過を考えれば、尼崎事故のA級戦犯が井手氏であることは間違いない。「同業他社を凌ぐ強い体質づくり」の経営理念策定に中心的に関わりながらJR会社間の垣根を越えた幹部ポストのたらい回しをはかり、それが実現しないとわかると今度は安全投資を削ってまで利益を上げようとした井手氏、その取り巻きとして協力し、みずからも日勤教育を強力に推進した南谷・垣内両氏の罪は、いくら強調しても決してし過ぎることはない。

このような堕落と腐敗の限りを尽くした経営陣のせいで愛する人を殺された遺族が怒るのは当然だ。当ブログは遺族の行動を全面的に支持する。彼らを裁くことのできる法律がないなら作ればいい。いつまでも法の不備をいいことに、多くの人を死に至らしめた公共交通の事故の責任が問われないとするならば、それはもはや文明国ではない。

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カテゴリ名称変更&追加

2009-08-19 22:13:51 | 運営方針・お知らせ
管理人よりお知らせです。

1.カテゴリの名称を一部変更しました。

「鉄道・旅行(趣味)」を「鉄道(趣味)」に、「鉄道安全・総合交通問題」を「鉄道(安全・交通政策)」に、「運営方針」を「運営方針・お知らせ」に、それぞれ変更しました。

実質的な内容にほぼ変更はありませんが、こちらのほうが表現としてスマートかな、という気がするので、変えてみました。2つの鉄道カテゴリでは、これまで同様、鉄道以外の公共交通機関も取り扱います。

「運営方針」カテゴリは、当ブログの親サイト「罪団法人 汽車旅と温泉を愛する会」の掲示板閉鎖に伴い、サイトの更新情報等、運営方針と言うほどでもない軽微な連絡事項をここで扱うケースが増えました。

特に近年は、当ブログに運営方針の変更がほとんどないため、「運営方針」カテゴリで取り扱う内容が単なるお知らせや連絡事項中心に変化してきています。こうした実態に合わせての見直しです。

これに伴って、所属カテゴリが変更となる記事はありません。


2.「モブログ(携帯投稿)」カテゴリを設置しました。

かつて、当ブログには携帯電話からの投稿に備えて「モブログ(携帯投稿)」というカテゴリを設置していた時期がありました。gooブログの仕様上、携帯電話から投稿したエントリはカテゴリを選択できず、自動的に最上位カテゴリに振り分けられるようになっていたため、重要性のないカテゴリでありながら最上位に設置していたのです。

その後、gooブログの仕様が変更され、携帯電話からの投稿時にメールアドレスを使い分けることによってカテゴリを選択できるようになったことから、「モブログ(携帯投稿)」カテゴリを廃止した経緯があります。

しかし、携帯電話に対するスパムメール激増に対処するため、当ブログ管理人は現在、指定したアドレス以外からのメール着信をすべて不可とする厳重な管理体制を敷いており、この影響でカテゴリごとの投稿先メールアドレスの一覧をgooからメールで取得することもできなくなってしまいました。

携帯電話にスパムメールを1日10通、20通と送ってくる会社のせいで不便を強いられ、本当に腹が立ちます(とくに某パチスロ会社、鬱陶しいんだよ!)。

そういうわけで、携帯電話から記事を投稿段階でカテゴリに振り分けることが当面、不可能となったため、以前と同じように携帯電話から投稿した記事を一時的に処理するためのカテゴリが必要になりました。このため「モブログ(携帯投稿)」カテゴリを復活させます。

ただし、このカテゴリ内への記事の常駐は行わないことを原則とします。携帯電話から投稿した記事は、時間の余裕を見て適切なカテゴリへ移動させる考えです。

これにより、当ブログのカテゴリ数は1つ増加し、10となります。

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いざ、決戦の時来る~総選挙公示

2009-08-18 22:45:46 | その他社会・時事
二大政党化鮮明 総選挙公示、主要政党候補者絞り込む(朝日新聞)

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 自民、民主の二大政党を軸に「政権選択」をかけた第45回総選挙が18日、公示され、12日間にわたる選挙戦が始まった。麻生首相(自民党総裁)は「引き続き活力ある日本にしていく責任は、我々にある」と強調。一方、民主党の鳩山由紀夫代表は「惰性の政治に終止符を」と訴えた。「継続」か、「交代」か――。日本の将来を託す投票は30日で、即日開票される。

 立候補の届け出は18日午後5時に締め切られ、主要政党の候補者数は961人だった。これは、小選挙区比例代表並立制になった96年以降の5回で最も少ない。政権交代に向けて野党が競合を避けたことで、二大政党化が鮮明になっている。

 前回、共産党以外の野党候補同士が競合した選挙区は46。ここで与党に9勝37敗と大きく負け越した。ところが今回は、民主党が24の選挙区で無所属を含めて推薦した。民主党との連立を見据える社民、国民新の両党も擁立数を絞り込んだ。

 この結果、自公両党のいずれかの公認候補が立つ297選挙区では、「自公政権」か、「民主党中心の新政権」か、という対決構図になる。「自公政権の終結」で一致する共産党が、比例区を重視して小選挙区で123人も候補を減らしたことも、こうした構図を後押しした。

 最終的に、主要政党の擁立は、比例区(定数180)は前回より45人増えたが、小選挙区(同300)では140人少ない777人にとどまった。

 候補者の総数は計1374人。内訳は、選挙区(定数300)が1139人で比例区(同180)が888人。そのうち比例単独は235人だった。
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待ちに待った総選挙が公示された。多くの国民が、自公政権の「最後の審判」をしようと胸躍らせているはずだ。

それほどまでに、小泉政権以降4年間の政治は酷すぎた。医療も福祉も公共交通の安全も崩壊し、地方は息も絶え絶えで生きていくことさえ苦痛な社会が現出した。生きていくことが苦痛な社会の象徴が、今年で11年連続3万人を超えた自殺者だ。

3万人の自殺者が11年間続いたということは、合計で33万人だ。東京都の特別区がひとつ消えてなくなるほどたくさんの人が、愛する人を残してみずから命を絶ったことになる。これほどまでに国民を苦しめた自公政権の暴政にとどめを刺すことは、もはや日本国民の義務である。明日をより良く生きたいと願う人は誰でも、自公以外に自分の票を使うべきだ。

この1年間で世界はすっかり変わった。アメリカでさえ、野放図な競争一辺倒社会では立ちゆかないことを悟り、「チェンジ」の波に洗われ始めた。オバマ政権がグリーン・ニューディール政策を提唱するまでになった。その中でただ日本だけが、古くさい、干からびた新自由主義モデルに執着し、立ちゆかなくなった社会の危機をさらなる弱者切り捨てで切り抜けようとしている。小泉・竹中氏ら新自由主義グループの残党が「構造改革の徹底を」と叫んでいる。

冗談じゃない。その構造改革とやらが我々に何をもたらしたというのだ。4年前、「明るい未来のために、今は米百俵の精神で痛みに耐えよ」と偉い首相は宣ったが、百俵どころか一粒の米すら約束されはしなかった。その代わりに残されたのは、苦痛にうめき声を上げるお年寄り、勤労世帯、そして子どもたちだ。書店には今、「子どもの最貧国・日本」というタイトルの本が並んでいる。

日本社会を破壊し尽くしてなお悔い改めることを知らない悪魔どもに冥土の土産をくれてやろう。子どもとは未来社会のために送られる宝物だ。その宝物たちに愛を注ぐことの出来ない政権は必ず滅びる。そのことを今度の総選挙で思い知るがいい。

選挙後に政権与党となるであろう民主党への評価は割れている。民主党は、所詮は「第2自民党」であり自民党のエピゴーネンに過ぎないという左派からの批判は、おそらく正しい。

しかしそれでも日本国民は、淀みのたまった自民党という遺物を博物館に送り込む最大にして最後のチャンスを生かさなければならない。ここで自公政権を退治できなかったら、自公政権が滅びる前に我々が滅びることになるだろう。たとえ民主党が第2自民党であったとしても、国民不在の古い統治機構、時代遅れの意志決定システムが木っ端微塵に粉砕される意義は、とてつもなく大きい。

景気・株価の動向、政権交代の93年と類似(読売新聞) - goo ニュース

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 最近の景気回復や日経平均株価(225種)の動きが、自民党が下野して政権が交代した16年前の1993年と似ているとの指摘が民間エコノミストから相次いでいる。

 93年はバブル崩壊で暴落した株価が一時的に反発した時期。景気悪化を背景に年初から1万7000円前後で推移していた株価は、当時の宮沢内閣が大型の景気対策を打ち出した効果もあって4月に約1年ぶりに2万円を回復。在庫調整の進展がみられたことから政府は6月、事実上の景気底入れ宣言を行った。

 ところが、冷夏・長雨の影響で個人消費が収縮し、円高の進行が企業収益を圧迫したため、景気回復は限定的な動きにとどまった。7月の衆院選で自民党の議席が過半数を大きく下回った結果、8月に細川連立政権が誕生。株価は9月に2万1148円まで上昇したものの、11月末には1万6000円台まで急落した。

 翻って2009年の株価は3月にバブル後最安値まで落ち込んだが、世界的な景気回復期待に支えられ、政府の月例経済報告で事実上の「底打ち宣言」を行った6月には、8か月ぶりに1万円台を回復。7月中旬以降も堅調に推移している。

 93年と09年の両年には株価以外にも共通点が多い。与党への信認が揺らぎ、政権交代の可能性が強まっているほか、冷夏や日照不足という天候不順、米国は新大統領誕生で年が明け、外交のスタンスが見極めづらい点なども相似している。

 市場には「総選挙後の政策が景気回復につながらなければ、投資家に失望が広がって株は売られる」(日興コーディアル証券の長谷川浩氏)との見通しが出ており、選挙後に株価が下落に転じる可能性を懸念する声も強まり始めている。
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09年が93年と似ているということは、当ブログも前から薄々感じていたが、そんなことを考えているのは自分だけだと思っていた。平成の大凶作を招いた93年の冷害と今年の天候不順までそっくりだ。

ただ当時と違っていることもある。あの時は、非自民政権が右から左まで8党の寄せ集めで瓦解も時間の問題だと思っていたら、予想通り、小沢新進党と社会党の対立で瓦解した。しかし、今回は曲がりなりにも結束した民主党が非自民政権の中心を担う。あの時のように、1年も経たずに非自民政権が崩壊ということにはならないだろう。

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石垣島沖の地震について

2009-08-17 23:08:05 | 気象・地震
2009年8月17日09時06分頃に石垣島近海で発生した地震について
2009年8月17日19時11分頃に石垣島近海で発生した地震について
(いずれも気象庁報道発表)

各地の震度は最大でも3で、本来なら気象庁が会見する内容ではないが、津波注意報が発令されたこともあって報道発表になったものと思われる。

震源地、震源深さがほぼ同じであることから、この2つの地震は本震-余震の関係にあるとみられる。

1回目の地震の発震機構解(地震のメカニズム)は横ずれ断層型で、津波が観測されなかったのはこれが原因と考えられる。断層を境に地殻が上下に移動する正断層型や逆断層型であれば海面変動は避けられなかっただろう。

駿河湾沖や八丈島近海で起きた地震との関連は、ほぼないと考えていい。

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夜空を焦がす夏の華

2009-08-14 22:00:54 | 日記
今日は朝から抜けるような晴天だった。このところの天候不順で、もう1ヶ月くらい太陽を見ていない気がしたから、今日の晴天が宝物をもらったように嬉しかった。ただ、空を見上げると、浮かんでいるのが積乱雲ではなく鰯雲だったことに驚かされた。鰯雲は秋の雲だ。天候不順で夏を待ちわびているうちに、季節ははや秋へ移ろいつつあるようだった。

久しぶりの晴天で嬉しかったのと、お盆のせいか本業も開店休業状態で定時退社できたので、妻とりんどう湖夏休み花火大会を見に行くことにした。場所は栃木県那須町で県境を越えるが、ここ白河からは車で20分ほどで、近い。

打ち上げ地点となるりんどう湖ファミリー牧場は、普段は入場料が1,500円だが、夜の花火客は500円と格安で入場できる。1ヶ月近く続いた不順な天候がうそのように満天の星をたたえた夏の夜空を大輪の花火たちが見事に焦がした。

このりんどう湖花火大会は、8月23日まで毎日行われる。夜7時30分から始まるが、時間は20分ほどで、規模としてはそれほど大きくない。

花火のおまけ写真

終了後は国道4号線沿いのレストラン、ファンタジアで遅めの夕食をした。ここのお店のハンバーグやシチューはかなりお勧め。

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