管理人よりお知らせです。
すでに、gooブログ運営者の間で話題になっていますが、gooブログ運営元であるNTTドコモ社から、gooブログサービスを今年11月18日限りで終了するとの発表がありました。これに先立って、新規投稿は10月1日以降、できなくなるとアナウンスされています。
当ブログを今後、どうするかの参考とするため、この数日間、現在も更新が続いているいくつかのgooブログさんを拝見させていただきました。突然の発表だったため、多くのgooブログさんが今後の方針を決めかねている一方で、今回のgooブログサービスの終了を機に、ブログをやめる方も散見されるようです。
しかし、当ブログに関しては、安全問題研究会の諸活動、また「汽車旅と温泉を愛する会」名目で行っている全国鉄道全線完乗の活動を記録するという重要な役割を持っており、ブログからの全面撤退という選択肢はありません。
いろいろ検討した結果、当ブログはgooが「お勧め移行先」に位置付けている「はてなブログ」に移行する方向がほぼ固まりました。すでに、データ移行作業は終えており、閲覧可能な状態になっています。名称は引き続き「安全問題研究会」とし、仮オープンさせています。
今後しばらくは、両方のブログに記事投稿を続けますが、たまにしかここを訪れない読者の方にも移行を知ってもらえるだけの周知期間を設定する必要があることも考えると、早期に「はてな」一本にするかもしれません。正式な移行時期が決まりましたら改めてお知らせいたします。
以下、移行に当たっての基本的な考え方を述べたいと思います。
1.移行先に「はてな」を選んだ理由について
(1)はてなのカラーが当ブログに合っていること
gooブログ運営が「お勧め移行先」としているのが「はてな」「Ameba」の両ブログです。どちらもネット黎明期から長く運営を続け、ユーザーも多く、操作性にも優れ、バグらしいバグもほとんどないため性能面では遜色がないと判断しています。
しかし、決定的に違うのは「カラー」です。Amebaブログは芸能関係者など有名人の利用が多く、ただでさえ華やかな日常を「盛って」華々しく見せる社交場というイメージがあります。リア充と呼ばれる人たちのパーティーのようなイメージです。さすがに自分のイメージではないな、と思いました。
一方、「はてな」はどちらかというと「非リア」の人々が、理屈を述べたり屈折した心情を吐露したりしながら交流する「コミケ」のようなイメージでしょうか。
私は現在、安定した正規職に就き、パートナーにも恵まれ、「リア充」にはほど遠いものの、「非リア」と自称するほどの状況にも置かれていません。しかし、半世紀を過ぎた人生を振り返ってみると、特に結婚前のかなりの時期を「非リア」として自覚的に生きてきたと思っています。一方で、自分を「リア充」だと思ったことは一度もありません。
このような自分の人生の思いを綴るには、「はてな」のほうが向いていそうだと思ったことが大きな理由です。
(2)「はてな」のほうに愛読ブログが多いこと
それほど頻繁にではありませんが、週1回程度は巡回しているブログのうち「はてな」を使っているものとして「シロクマの屑籠」「いつか電池がきれるまで」「紙屋研究所」「企業法務戦士の雑感」があります。前2者はいずれも深い洞察力を持ったブログとして、また後2者は元日本共産党員/企業法務担当者という、それぞれ立場は異なりますが高い専門性を持ったブログとして、私としてもいろいろな示唆を得てきたブログです。
また、最近はほとんど/まったく更新が行われなくなりましたが、「Chikirinの日記」「風観羽 情報空間を羽のように舞い本質を観る」もかつては毎日のように巡回した思い出があります。「風観羽」は2018年10月25日を最後に、突然、更新が終了してしまったのですが、管理人の方は今、どうしていらっしゃるのか気になります。
一方、Amebaブログで私が定期巡回しているのは農業ジャーナリスト小谷あゆみさんの「ベジアナの農ライフ研究所」だけです。私が過去、出向していた団体の非常勤役員をお務めになった関係で、人柄は存じ上げています。
愛読しているブログが「はてな」に多いことも決め手のひとつです。
(3)データ移行が驚くほどスムーズだったこと
私としては当初、Amebaとはてなの両方にデータ移行をしてみて、スムーズに行った方/使い勝手のいい方を残し、もう一方は削除する方針でした。しかし、はてなへのデータ移行が、自分でも驚くほどスムーズに行きました。カテゴリーも画像データもそのまま移行できたため、Amebaへのデータ移行は結局、実施すらしていません。
ブログというカルチャー自体、長期的には衰退トレンドにあり、今回、gooブログ運営がお勧め移行先に指定したこの2社にしても、いつまで持つか、先行きは不透明であり、2030年代にまで存在をつなげられるかはかなり微妙だと私は感じています。
文字数に事実上制限がなく、長文テキストを自由に投稿できるサイトとしては、比較的最近開設された「note」の他、「小説家になろう」や「エブリスタ」のような小説投稿サイトだけを残し、ブログに関してはその文化自体、2020年代のうちに消滅するのではないかと思っています。
そのような全体状況を考えると、あと何年、残れるかもわからない他ブログへの移行に巨大な労力をかけるのは得策ではありません。大きな労力をかけてデータ移行したのに、そこも数年後にまた閉鎖……という未来が、私にははっきりと見えているからです。
2.gooブログへの私の思い
2006年1月13日にこのブログを開設して以来、なんと19年にもわたって運営を続けてきました。人生の4割はこのブログとともにありました。妻と結婚したのが2006年10月なので、このブログとの付き合いは妻との結婚生活よりも長いです。それだけに、サービス終了がアナウンスされたときは心に巨大な穴が空いたような喪失感に襲われました。
多くのgooブログ管理人が、急な発表に驚きを表明しています。しかし、他人より観察眼が鋭いといわれることが多い私には、いくつかの「予兆」めいたものは見えていました。
(1)運営元の変更
このブログの運営が、以前のNTTレゾナント社からNTTドコモに移ったことです。同じNTTグループ内とはいえ、事業が他社に譲渡されるときは、たいていリストラの始まりであることが多いです。
(2)休眠ブログの整理が突然、アナウンスされたこと
今年に入ってからだと思いますが、休眠ブログを整理したいとの告知が、登録されているメールアドレス宛に一斉送信されてきました。私が開設したまま、団体の解散により10年以上更新していなかった「JR株主・市民の会」などいくつかのgooブログを整理しましたが、こんなことが告知されたのは初めてでした。休眠ブログを数万単位で維持しておくことはコストの無駄とはいえ、天下のNTTグループ企業がこのような形で経費節減に乗り出してきたことに、一抹の不安を感じたことを覚えています。
(3)ポイント付与制度が始まったものの、すぐに付与率が引き下げられた
NTTドコモにgooブログ運営権が移った直後、ドコモとの一体経営のメリットを活かすようにdポイント付与制度がスタートしました。dカード保有者が所定の手続でエントリーすれば、ブログの月間訪問者数が1000人を超えたブログに抽選で100ポイント、5000人を超えたブログには同様に抽選で500ポイントが付与されるというものです。
当ブログは、もう十年以上にわたって、月間訪問者数5000人以上を維持しており、開設数300万を超えるgooブログの中でもかなりの有力ブログでした。dポイント付与制度が始まった直後は、2~3か月に一度は500ポイントが付与されていましたが、昨年頃から付与率が下がり、最近は毎月5000人以上の来訪者をキープしているにもかかわらず、まったく付与されていません。
企業統合のメリットを活かす形で、新しい顧客サービスを始めながら、すぐにサービス水準を引き下げるのは、事業の状態が思わしくないか、一貫した事業方針を持っていないかのどちらかだとしか考えられません。そして、いずれの場合であっても良くない予兆であることは言うまでもありません。
このような事情から総合的に見て、長く続いてきたgooブログもそろそろ「潮時」が来るかもしれないと考え始めたのが、ちょうど今年に入る頃でした。しかし、もう少し時間の猶予があると思っていました。この結末自体に何となく予感めいたものはあったけれど、意外に早かったな、というのが正直なところです。しかし、他のgooブログ管理人と違って、上述したような「予兆」を捉えていただけに、私にはそれほどの驚きはありませんでした。
gooブログの運営に対しては、感謝しかありません。こんなに長く自由な発表の場を与えてくれたことに対し、お礼を申し上げたいと思います。はてなへの移行まであと少し、私のわがままをお許しいただければと思います。