王様の耳はロバの耳

横浜在住の偏屈爺が世の出来事、時折の事件、日々の話、読書や映画等に感想をもらし心の憂さを晴らす場所です

「終戦のローレライ」を読む その4

2007-03-15 07:05:23 | 本を読む
「終戦のローレライ」を読む 第3巻大4章2P172から続きです
8月10日 午前六時半 イ507は昨日16時以降途絶えた軍令部の定時連絡を気にしながらウエーク島を目指す 先の光線と併せ「例の爆弾が日本に使われたのでないか」と憶測もでる ほどなくウエーク島を視認
午前八時哨戒艇に先導されウエーク島の港湾施設に向う 同九時接岸と同時に土谷技術中佐以下5名が「ローレライ検分」で乗り込んでくる 絹見艦長とのひと悶着
絹見は浅倉大佐がここウエーク島に居る事を知り直ちに面会に走る

司令部で朝倉との面会 驚くべき命令を受けます 「イ507は明日未明ウエーク島を出撃 残存艦艇と合流 米西海岸に奇襲攻撃を敢行せよ」

絹見の疑念に朝倉は答えます 内地の事情が逼迫している 「ポツダム宣言の条件付く受諾 つまり国体の護持だ 連合軍は認めないであろう しかし無条件降伏は断じて承服できない その為それを認めさせる力が必要である 原爆二発でも降伏せず米本土が攻撃されれば帝国海軍の底力を知る 条件付受諾を認めるか否か再考せざるを得ない程度には」「随伴する艦船は補給・護衛に万全を尽くすが全滅だろう イ507もいずれは(弾尽き矢折れる)」
絹見は悟る「ローレライをして米本土に奇襲攻撃をかけ、帝国海軍の健全を知らしめる. 陛下のご在位を死守し、国体を護持して降伏する.----それが大佐の望まれる終戦の形ですか?」「そうだ」

同日正午、出港まで後16時間 艦載砲の砲口蓋の修理も目鼻が付いた 根拠地の兵と一緒に魚雷・燃料の積み込みが熱を帯びる
夕刻折笠と清永は絹見より退艦を命じられる 思ったより少ない燃料の補給、送別会での思いがけない食料の放出 二人は瞬時に「イ507が特攻作戦に従事する事を感じる」

8月11日未明 朝倉大佐の出撃の訓示 出港のどさくさにまぎれパウラ会いたさにイ507に紛れ込む折笠、パウラに会えたのもつかの間土谷中佐に見つかり追い出される その際土谷に触れたパウラが折笠を「ジャップ」と言ったと告げる
同じ頃清永は飛行機の残骸の中で酔いつぶれた為密かに話す基地司令と参謀の話を聞く「イ507が米艦隊に捕捉されれば」「イ507は朝倉の説得に応じる」等など
同日4時 総員「帽ふれー!」の号令の中、イ507が出撃します 見送りの兵に紛れて再会する折笠と清永 「イ507は朝倉大佐により米国に売られた 島の連中も騙されている」「土谷もグルで12日の朝米艦隊は待ち伏せしている」 折笠は納得します 目の前の木造小型艇に清永共々飛び乗った

根拠地よりイ507に「間諜(スパイ)がランチ(小型艇)で特攻の恐れ」と無線連絡があります
絹見は「ローレライ」起動と機銃のでの応戦を命じる 何とパウラは追って来る者が折笠である事を感知する パウラの制止と絹見の打ち方やめを無視する土谷と田口 折り良くランチより発光信号「作戦は罠 土谷中佐はスパイの疑い」と

イ507艦橋では土谷がパウラを人質に絹見に背きますがパウラを案じていたエブナー少尉に拘束されてしまいます 急ぎ折笠達の回収を命令には高須先任将校が答えるには「本艦は朝倉大佐の指揮下である」として無視します そして田口が又パウラに拳銃を突きつけ土谷を解放し甲板上を制しました 

追いついたランチから乗艦する折笠と清永、田口に土谷をスパイだと告げる清永(田口が味方と思い込んでいる)、怒りを抑えきれない清永は土谷に掴み掛かり射殺されます
第3巻第四章2終わり 
次へ続く
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする