佐藤優「ウチナー評論」批判




佐藤優氏は、「沖縄の政治力は強くなっている」と言い、米国政府も日本政府も、沖縄の力を恐れているとだ断言している。
 ケビン・メア氏の更迭、田中沖縄防衛局長の更迭、40日の定職、中江防衛事務次官の減給などを根拠にして佐藤氏は沖縄の政治力が強くなっていると述べている。本当に沖縄の政治力は強くなったのだろうか。

 佐藤優氏は、28日の未明、沖縄防衛局の真部局長等がアセスメントの評価書を県庁の守衛室に運び込ぶような作戦で勝利するようなことはできないと述べている。評価書の入った箱を全部は運びいれていないが、運んでいるのを反対派に見つかり阻止されたので残りの箱は運べなかったらしい。深夜の反対派は少人数であり、強引に運べば運ぶことができたかもしれない。しかし、沖縄防衛局の人間は運ぶのをやめてすごすごと退散をした。

 事実を見れば佐藤氏のいうように沖縄の政治力が強くなったように見える。しかし、沖縄の政治力が特に強くなったようには見えない。鳩山元首相が県外移設を約束し、県民に期待させながらずっこけて辺野古移設になったことが原因で、政府が弱気になっている。かってに政府がずっこけ、それに短命政権が続いたので、政府は弱気になりできるだけ波風を立てないようにしているだけだ。政府ができるだけ波風を立てないように行動しているのが佐藤氏には沖縄の政治力が強くなったように見えるのだけだ。
 
 佐藤氏は元外務官僚だった経験から、普天間問題に従事する官僚たちの発想は分かるといい、田中聡氏の暴言で、辺野古移設が決定的に不可能になったことを外務官僚、防衛官僚は十分認識していると確信している。

 官僚出身は官僚が政治を動かしていると過信しているようなところがある。確かに官僚が政治を動かすこともあるだろうが、政治家が積極的に動いたときには官僚ではどうにもならないこともある。小泉首相時代にひどい目にあった佐藤氏は身を持って知っていると思う。

 辺野古移設は日本政府とアメリカ政府が積極的に動いている。沖縄にヘリコプター基地が必要であるのはアジア情勢と密接に関係しているのであって、辺野古移設は軍事戦略上実現させなければならない重要な課題である。ちっぽけな沖縄の政治力で辺野古移設を止めることはできない。ケビン・メア氏の更迭、田中沖縄防衛局長の更迭は沖縄の政治力が強くなったからではない。政府はどうしても辺野古移設を実現したいから波風を立てないために、県民に反感を買った官僚は速やかに処理するのだ。

 革新系政治家や団体は頑固であり話し合いで解決するのは不可能であるから、できるだけ彼らが騒ぐきっかけをつくらないようにしている。

 もし、沖縄防衛局が昼間堂々と運び込もうとしたらどうなっていただろうか。激しい揉み合いが起こり、騒ぎは大きくなっていただろう。反対派はますます大騒ぎする。警察にガードをさせても大騒ぎになる。沖縄防衛庁が強引に運ぶことは簡単だ。しかし、それでは反対派の宣伝に利用されるだけだ。佐藤氏は未明に評価書を運んだ理由を理解していない。
 
 佐藤氏は「沖縄の状況に鑑み、辺野古移設は不可能になりました」日本政府が米国政府に伝えることになると予想しているが、佐藤氏の読みは甘すぎる。官僚出身であるなら裏の世界をもっとシビアな目でみてほしい。
 交付金が500億円も多く特別に増やしたということは辺野古移設の段取りが終わったということだ。これからは反対派が盛り上がらないように姑息な手段も使いながらひとつひとつ積み上げていくだけだ。
 辺野古移設を実現するために政府は動いているのであり、辺野古移設を政府が断念するというのはあり得ないことだ。
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