沖縄タイムスもか









社説の見出しが「政治利用に見識を疑う」である。つまりアメリカ軍は震災支援を政治に利用していると断言しているのだ。

沖縄タイムスは、在沖海兵隊が、「普天間飛行場の死活的重要性が証明された」とアピールしたということを根拠にして、震災支援を政治利用していると主張している。しかし、沖縄タイムスの社説は、「普天間飛行場の死活的重要性が証明された」というアピールを、在沖海兵隊がいつ、誰に向かってやったかを明確にはしていない。

在沖海兵隊が沖縄のマスコミにアピールしたのか、それとも日本国民にアピールしたのか。それとも日本政府にアピールしたのか。それがはっきりしていない。
沖縄の新聞には、「普天間飛行場の死活的重要性が証明された」と在沖海兵隊がアピールした内容の記事は掲載されていない。それは在沖海兵隊はアピールしたが新聞社が掲載しなかったということか。それとも、在沖海兵隊が政府にアピールしたが新聞には掲載されなかったということか。

在沖海兵隊が、「普天間飛行場の死活的重要性が証明された」とアピールした状況が沖縄タイムスの社説では分からない。引用するなら取材した状況を明確にするべきである。

アメリカほど軍の文民統制が徹底している国はない。オバマ大統領がリビアのカダフィ政権攻撃を米軍に命令したことを以下のようにアメリカの議員は批判している。

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米国のオバマ大統領が米議会と協議せず中南米訪問中に米軍のリビア攻撃の命令を発したことが21日、議会の民主、共和両党議員から激しい批判を浴びた。

国連安保理決議に沿ったリビアのカダフィ政権攻撃を米軍に命令したことを発表した。米国大統領が米軍への戦闘命令を出す場合、近年はまず議会と協議し、命令自体は大統領自身がホワイトハウスの執務室から全米向け発表という形をとることが慣例となってきた。

オバマ大統領はこの2つの慣例を破ったことになるが、大統領側近は今回のリビア攻撃では米国は主導権を握らず、国連主体のフランスやイギリスに同調したため、こういう形式となったと説明した。

 しかし米国議会では21日、与党の民主党の大統領候補となったこともあるデニス・クシニッチ下院議員が「米軍の若い男女を危険にさらす決定を議会にはからずに実行したことは違憲であり、弾劾に値する」と激しく非難した。同じ民主党のマイク・ホンダ、エレノア・ノートン両下院議員も同大統領が議会に事前に同意を求めなかったことは不当だと言明した。

 共和党側では、上院外交委員会筆頭メンバーのリチャード・ルーガー議員が「大統領のリビア攻撃計画はカダフィ大佐の退陣を求めるだけでその後の政策目標がなく、そうした点を議会に示さず、しかもホワイトハウスから遠く離れた地点で米軍動員命令を発表することはあまりに支障が多い」と批判した。
 オバマ大統領の今回の中南米訪問に対しては、日本の大震災と放射能汚染やリビアの危機を目前にした非常事態に近い状況下で米国を離れることは好ましくないという声が共和党主体に広範に広がっていた。

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在沖海兵隊も文民統制が徹底しているし、在沖海兵隊の行動の有意義を判断するのは在沖海兵隊ではなく、政府や上・下院なのだ。
文民統制された在沖海兵隊が「政治利用を目的」に沖縄県民や日本国民にアピールするとは考えられない。米軍の行動は政府が決めるのだから、タイムス社説が疑念をもつような「米軍当局が震災の政治利用を画策する」ことはあり得ない。
なぜ沖縄タイムスは、出所を明確にしていない、「普天間飛行場の死活的重要性が証明された」という文章だけを引用して、文民統制を徹底しているアメリカ軍が文民統制をされていないような印象を持たそうとやるのか。

そもそも、「普天間飛行場の死活的重要性が証明された」の引用文が意味不明だ。東北大震災は偶然起こったことである。在沖海兵隊や普天間飛行場のヘリコプターが震災の援助に大きく貢献したが、どうしてそれが「死活的重要性が証明された」と言えるのか、この引用文では理解できない。前後の文章を読まないと、本当に在沖海兵隊が震災支援を政治利用しているのか分からない。もしかすると政治利用とは関係ない内容かもしれない。

今度の米軍の東北大震災の支援活動を見て、県民が、米軍は戦争を好む「殺人鬼」ではなく人道活動もやるのだとべ軍への印象を見直すことを恐れて、米軍のダメージを悪くする目的で、沖縄タイムスはこのような社説を書いたのではないだろうか。そうであればマスコミらしからぬ社説である。

ダニエル・イノウエ上院議員のインタビュー記事を掲載した。イノウエ氏は普天間飛行場と災害対策は別問題だと述べている。



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