メア発言・ダグラス氏に反論


ダクラス氏はアメリカ人である。アメリカ人であるダクラス氏がメア氏をどのように批判するか。私の意見を交えて検討する。

メア氏は、ダグラス氏が指摘しているような「沖縄人はゴーヤーを栽培していない」というようは発言していない。メア氏は、「沖縄の人たちはゴーヤーを栽培しているが、他県の栽培量の方か多い。沖縄の人は怠惰すぎて栽培できないからだ」と発言している。沖縄県のゴーユー栽培は30数パーセントであり、70パーセント近くは他県が栽培している。県別には沖縄がトップであるからメア発言は間違っているとメア発言に反論している識者が居たが、ゴーヤーが全国的に有名になる前は、ゴーヤーは沖縄だけで栽培していた。ところがゴーヤーが有名になってからは他県でゴーヤーを栽培するようになり、沖縄の生産率が30数パーセントであることは驚きだ。ゴーヤーは亜熱帯の野菜であり、本土での栽培は難しいと思っていたが、本土ではゴーヤー栽培を研究して急激に生産を伸ばしたのだ。
メア氏はその事実に沖縄が全然問題にしていなかったことを明らかにした。70パーセント近くのゴーヤーを他県が栽培している事実に沖縄は危機意識を持つべきである。メア氏は「沖縄の人は怠惰」であると批判に単純に反発するのではなく、他県に負けずにゴーヤー栽培を増やして沖縄農業の発展を目指すべきではないだろうか。

マンゴーも同じように沖縄の名産であったのにいつの間にか宮崎名産となり、東国原前宮崎知事が全国的に有名にした。
八重山の「食べるラー油」が有名になった。すると、あっと言う間に全国に「食べるラー油」が広がり、多くの県で名物ラー油が生み出された。しかし、沖縄では新たに「食べるラー油」をつくる人はいない。

沖縄の人が怠惰というより本土の人が勤勉であり積極的に商品開発をしているとことは否定できない。

沖縄の場合は県外市場は本土であり、距離的に不利であることだ。沖縄で生産を増やしても県外で売りさばくことは困難であり、生産をどんどん増やすことはできないというハンディーがある。

本土の農家が勤勉であること、沖縄は本土市場から遠いということの二点が沖縄の抱えている問題だ。メア氏の「沖縄の人は怠惰」であるという批判は正しい面もあるし正しくない面もある。ただ、メア氏のように厳しい視点から沖縄農業を牽引する人物は沖縄の政治・経済界に必要だ。

ダグラス氏はメア氏は差別主義だというが、私はメア氏が差別主義であるかどうかを彼の発言からは判断することはできない。ただ、彼の沖縄への判断はおおざっぱであり、表現がストレートすぎる。

ダグラス氏はメア氏の「本音と建前」論を逆手にとってメア氏のオフレコの話が本音で、その後の米政府それぞれの謝罪が建前であると述べている。それはそうであるかもしれないが、メア氏は自分の体験を元にして沖縄について述べてい。日本や沖縄の政治家が本音と建前を使い分けているのは彼の実感だろう。

メア氏の本音と建物論に私は賛成しかねるが、宜野湾市は、「普天間基地は世界一危険」といいながら、1969年創立の普天間第二小学校をまだ移転していない。本当に危険と思うのなら、普天間第二小学校を移転させるのが当然である。しかし、移転させていないのは、「普天間基地は世界一危険」とは本気では思っていないか子供の命は大切に思っていないからだ言われても仕方がないことだ。

ダグラス氏は「米政府の政策の基本は沖縄を植民地として扱うことだ」と述べている。沖縄が植民地であると理解するのには反対だ。ダグラス氏の定義する植民地とはどんなものなのか。植民地の定義を明確にする責任がある。
沖縄は日本の法律が適用されていて、アメリカ軍が直接沖縄を支配しているのでもないし、日本政府が肩代わをしているが軍用地料も給料もちゃんと払われている。沖縄だけ特別に人種差別をされるような法律になっているわけでもない。沖縄にアメリカ軍の基地が多いという理由だけで沖縄が植民地であるというのは安易な判断だ。

アメリカ軍が沖縄に軍事基地を置いているのは、中国や北朝鮮に対する抑止力のためであり、「米政府の政策の基本は沖縄を植民地として扱うことだ」という判断は現実にそった判断ではない。ダグラス氏はアジアにおけるアメリカ軍に中国や北朝鮮への抑止力はなく、アジアにアメリカ軍は必要ないというのだろうか。そうであれば、アメリカ軍はアジアに駐留する必要がないと明言してから、沖縄植民地論を展開するべきだ。

沖縄に米軍基地があるのは太平洋戦争時から戦後の東西の冷たい戦争、朝鮮戦争、ベトナム戦争という歴史と深く関係している。メア氏の「基地は既に沖縄にある」という説明は歴史を無視した乱暴な説明だ。軍事基地の移設には莫大な費用がかかるから簡単に移せるものではない。それに、中国、北朝鮮、アジアに存在するイスラム原理主義に対する警戒としては沖縄が立地条件としていい。アジアの社会主義国家の危険が低くなるにつれて、アジアからアメリカ軍は引き上げている。

今回も一万人近い海兵隊はグアムに移転する計画である。ベトナム戦争が終結してからは沖縄のアメリカ軍は徐々に減っているのは確かである。ダグラス氏は戦中戦後の沖縄の歴史やアジア情勢を軽視している。

ダグラス氏はメア氏の『おかげ』で、「普天間基地を沖縄から追い出す仕事は」少しやりやすくなったかもしれないと述べているが、メア氏を首にしたように、普天間基地の継続はアメリカ政府にとっては重要であり、メア氏が非難されようとされまいと普天間基地撤去とは関係ない。

普天間基地を沖縄から追い出す仕事は」少しやりやすくなったかもしれない」はアジア情勢を無視した軽率な発言である。


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