元沖縄県知事太田昌秀氏批判 17





「こんな沖縄に誰がした」太田昌秀著

五 沖縄の自立と軍事基地ー沖縄の諸問題と解決

基地返還前後の経済変動 1

沖縄では、南部は那覇市から南側をいう。中部は浦添あたりから恩納村あたりまで、北部は名護市辺りから北側をいう。
那覇市から南側には山が少なく平野が広がっていて畑に適している。それに那覇市には港と空港と県庁があり一番便利であり、南部は経済が発展する要素が集中していて、沖縄の経済は那覇市を中心に発展した。

沖縄の米軍地図を見れば南部には基地がないことがわかる。太田氏は中南部のもっとも便利な場所を基地に取られているというが、もっとも便利な場所は平野が広がる南部であり、米軍基地はない。浦添市から那覇市、そして那覇市から南部は住宅密集地であり、東京都と同じ人口密度である。太田氏は失業問題の解決が困難であるのは中南部のもっとも便利な場所を基地に取られているせいにしているが中南部のもっとも便利な場所のほとんどに基地はない。
普天間飛行場や嘉手納飛行場は便利な場所にあるといえる。

太田氏は、「米軍基地は中南部にある」そして「朝から晩まで実弾を使って演習ばかりしている」と述べて南部で演習をしているようにイメージさせているが、南部にはアメリカ軍基地はほとんどないから、演習はやっていない。
演習をやっているのはキャンプハンセンであり、演習のほとんどは北部の方でやっている。キャンプハンセンと北部訓練場は山岳地帯であり、街をつくるのにも、畑をやるにも適さない。太田氏は海兵隊は「演習ばかりやっているので雇用の場にはふさわしくない」というがキャンプハンセンや訓練場は山岳地帯であり、開放されたとしても、「雇用の場」にはふさわしくない。

太田氏は軍用地が返されれば約十倍の雇用が確保できると断言しているが、その理論にはとんでもない問題がある。
     つづく
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普天間基地のグアム移設問題について




「戦前、米軍がグアムにいたから日本軍の侵略を招いたのであり、また日本軍がグアムを占領していたからグアムは戦場となったのである」という発言は日本だけでなく沖縄の人間にとっても痛烈な発言である。
沖縄はサイパンなどの南方の諸島に移民した。南方への移民は現地の人間を日本軍が排除し、島々を植民地にしたところに沖縄の人々が移民したのだ。
「戦時中に日本軍人がチェロモ人を虐殺した」ように、日本軍はフィリピン、サイパンなどの南方の島々でも現地人を虐殺しただろう。私の父は南方に出兵した。多くの沖縄人も南方に出兵している。そのときには沖縄の人間も日本軍のひとりである。沖縄の人も日本軍として現地人を虐殺しただろう。沖縄も南方の人々に謝罪をしなければならない立場にあるが、それをやっていない。


松島氏はチャモロ人と沖縄人は同じ状況に置かれているというが、それは微妙に違う。沖縄人は普天間ヘリコプター基地をグアムの状況を無視してグアムに移転するのを主張している。沖縄人にとってグアムの人たちがアメリカ軍基地の被害を受けても平気である。沖縄人にとってグアムはアメリカ軍基地の移転のために存在する地理的な存在なのであって、グアムに人間が住んでいるか住んでいないかは関係のないことである。

ナティビダド氏のよう思想を持つ団体と協力関係を結ぶと、普天間ヘリコプター基地のグアム移転に反対しなくてはならない。沖縄の基地撤去を主張する人間たちは普天間ヘリコプター基地のグアム移転を望んでいるのだから<ナティビダド氏と協力関係を結ぶわけにはいかないだろう。

松島氏は「チャモロ人は沖縄人と同じように、「日本軍による虐殺、多くの住民の死傷」という経験をしたと述べているがチェモロ人と沖縄人の立場は違う。沖縄は沖縄県として日本の一部であった。沖縄人は法的には日本人であった。多くの沖縄人が日本のために戦い戦死した。そして、天皇陛下ばんざいと叫んで集団自決もした。集団自決が日本軍の強制であったと主張している多くの人々がいるが、もし集団自決が日本軍の強制だとしても集団自決は日本人としての沖縄の人々に強制したものであり、虐殺とは内容が違う。沖縄で日本軍によって虐殺されたのは、アメリカのスパイとして疑われた性であった。だから、沖縄ではグアムのような虐殺は起こっていないといえる。

グアムなどの南方での現地人虐殺の場合は、沖縄人は日本軍の一員として加害者の立場になってしまう。松島氏は沖縄に同情したために加害者としての沖縄を見逃してしまっている。

松島氏は「沖縄もグアムと同じように、住民の意思に反して基地が押し付けられている」から、沖縄とグアムは脱植民地を目指して一緒に闘えると思っているが、それは難しいのではないか。
沖縄の軍事基地撤去運動は普天間ヘリコプター基地の「県外移設」か「グアム移転」を目指している。それが基地撤去を求めている沖縄人の悲願である。沖縄の軍事基地撤去・反戦平和運動は沖縄たけを平和にするというものであり、口では世界平和をめざしているように言うが、実際は世界平和をめざしているものではない。「県外移設」と「グアム移設」を主張している沖縄の基地撤去運動は「世界の民主化の動きと連動」することはない。沖縄の共産党、社大党、社民党などの左翼系政党にとって松島氏の主張はむしろ困った主張である。
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夕暮れの・・・アートはいく 百三十三句~百三十六句

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