やっぱり歪曲していた「琉球新報社説」



20日に下記の記事がネットに掲載されていた。18日の琉球新報の社説は下記の記事のいづれかを取り上げているのは確かである。

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東日本大震災

 【ワシントン=佐々木類】東日本大震災での被災地支援「トモダチ」作戦を遂行中の在沖縄米軍の前方展開能力に、米国内でも注目が集まっている。支援活動の中核部隊が、日本国内で沖縄への駐留に反対論が多い米海兵隊だからだ。

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在日米軍の救援活動は「トモダチ作戦」日米史上最大態勢 自衛隊の物資輸送本…記事本文の続き 米軍発表によると、19日時点で、三陸沖と日本海に分かれて計15隻の艦船が展開。海軍将兵とともに海兵隊員らがヘリコプターに同乗するなどして、物資を被災地に届けている。

一、 米海兵隊のアモス総司令官は16日の上院歳出委員会小委員会の公聴会で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)やキャンプ・ハンセン(同県名護市など)を拠点とする海兵隊が迅速に対応できたと語った。

アモス総司令官は、「普天間飛行場からは地震発生から数時間以内で人道物資などの輸送に着手した」と指摘。その上で、
「第31海兵遠征部隊(MEU)を被災地に派遣し、迅速に対応できた」と述べ、普天間飛行場の重要性を訴えた。MEUは敵前上陸や緊急事態対応を得意とする。

 海兵隊によると、出動命令から12時間以内に、C130輸送機とCH46輸送ヘリコプター各8機が普天間飛行場を飛び立った。

二、 米海軍のラフェッド作戦部長も同じ公聴会で、三陸沖で被災地支援にあたっている原子力空母「ロナルド・レーガン」について活動意義を強調。ラフェッド部長は「アフガニスタンでの戦闘に参加予定だったが、人道支援に切り替えた。米軍の前方展開だけでなく、地球規模で活動する米海軍の柔軟性を示した」と述べた。
 下院軍事委員会でもシファー国防次官補代理(東アジア担当)が、15日の同小委員会の公聴会で、在日米軍の支援活動について「アジア太平洋地域に前方展開兵力を持つことを示すとともに、日米間の絆を強めることに役立っている」と指摘した。

三、 米大手シンクタンク「ヘリテージ財団」のクリングナー上級研究委員もロイター通信に対し、「海兵隊がグアム基地にいたら距離が遠く、迅速な救助活動に入れなかった。在沖縄米軍の存在は、人命救助に時間をかけてはいけないという教訓になった」と述べ、沖縄での米軍駐留に対する反対論を牽制(けんせい)した。
四、



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在沖海兵隊の「地理的優位性」や普天間飛行場の重要性のことを、米海兵隊のアモス総司令官、米海軍のラフェッド作戦部長は上院歳出委員会小委員会の公聴会で述べたのであり、一般に向けて宣伝をしたのではない。アメリカ軍の幹部が公聴会で普天間基地や海兵隊の行動や存在価値を主張するのは当然である。

ところが、琉球新報の社説では、「東日本大震災への米軍災害支援に絡めて、在日米軍が普天間飛行場の『地理的優位性』や在沖海兵隊の存在意識などをアピールしている。強い違和感を覚える」と述べている。琉球新報の社説は、「アピール」した人物も明らかにしないし、上院歳出委員会小委員会の公聴会で述べられたということも明らかにしない。情報の出所や発言した状況を読者に明らかにしないで、アメリカ軍幹部の発言を自分にとって都合のいい部分を切り取って琉球新報社説は一方的に批判している。

琉球新報の社説は、「普天間基地の位置が、第3海兵遠征軍の災害活動に極めて重要」「普天間基地は本土に近いことは極めて重要」とアメリカの小委員会でアメリカ軍の幹部が述べたことを、あたかも在沖米軍が日本の国民にアピールしたように見せかけている。

そして、「米軍の説明は、独りよがりで筋が通らない」と断じている。「アフガニスタンでの戦闘に参加予定だったが、人道支援に切り替えた。米軍の前方展開だけでなく、地球規模で活動する米海軍の柔軟性を示した」と米海軍のラフェッド作戦部長も同じ公聴会述べているが、ちゃんと筋が通っている話である。

公聴会でアメリカ軍幹部が述べたことを「政治的打算に基づく言動」と琉球新報社説では分析しているが、アメリカ軍幹部は政治家ではない。彼らはアメリカ軍の活動と意義を上・下院議員に述べたのであって、政治家ではない彼らが「政治的打算」で主張するはずがない。

アメリカの上・下院小委員会におけるアメリカ軍幹部の議員に対しての発言であるのに、まるで在沖海兵隊が日本でアピールしたようにみせかけて「政治的打算に基づく言動は、県民、国民の米外交に対する信頼関係にとって、かえってマイナスだろう」と新聞の社説で主張するのは「新聞の情報は公平である」と信じている読者の信頼を巧妙に利用して、アメリカ軍への不信感を高めるための陰湿な行為である。その行為は普天間基地がどうのこうのという以前のマスコミの倫理のありかたの問題である。
「これでも普天間はいらない」と主張するのはいい。しかし、新聞の情報は公平であるべきであり、都合の悪いことは隠し、都合のいい箇所を自分の主張のために利用するというのは公平性を欠く。新聞のあるべき姿ではない。

「はっきりさせよう。米軍がどのようなレトリックを使おうとも」と書いても、書いた本人が歪曲テクニックを使ったのでは、その主張もむなしい響きがするだけだ。



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多国籍軍が軍事施設を空爆





カダフィ派の車両を狙って行われた多国籍軍の空爆=ロイター 【パリ=林路郎】最高指導者カダフィ氏が反体制派への攻撃を続けるリビア情勢を受け、米英仏を中心とする多国籍軍は19日夕(日本時間20日未明)、カダフィ派が支配する複数の軍事施設を空爆した。

 住民保護のための武力行使を容認した国連安全保障理事会決議1973に基づく軍事行動で、作戦は「新たな旅立ち」と名付けられた。リビア内乱を巡る国際社会の軍事介入は初めて。カダフィ氏は徹底抗戦を宣言し、作戦は長期化する可能性が高い。

 仏軍などによると、仏空軍のラファール戦闘機約20機が19日夕から、リビア東部の反体制派の拠点ベンガジ周辺で、カダフィ派の戦車や装甲車にミサイル攻撃を4波にわたって行った。空爆にはその後、英軍機も加わった。カダフィ派はここ数日、ベンガジ制圧に向けた攻勢を強めていた。

(2011年3月21日00時23分 読売新聞)
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