昨日 11/25は憂国忌。大阪万博のあった 1970=昭和45年のこの日、東京・市ヶ谷の陸自駐屯地にて 作家・三島由紀夫さんと国粋運動家・森田必勝さんが自刃された出来事は、今も拙記憶に突き刺さっている。両氏のご行動の全てを肯定できる訳でないのは承知しているが、決して健全とはいえなかった戦後日本の歩みにおいて 我国の正道を追い求めた思考は、一定は尊重されるべきと 拙者は考えるものだ。
一面では その事と向き合わなかった為に、我国内に様々な歪みを生じたのも事実だからだ。勿論、これからも正答は永きに亘って出る事はないだろうが、折々に少しでも 我々国民市民が考えるべき事共であるのも事実。その実行が、亡くなられた両氏への 良き供養ともなる事だろう。
本題です。或いは、我国のこれからの命運にも関わりかねない台湾の政局。西暦 2020年予定の 次期総統選の前哨戦とも位置付けられる、一昨日の台湾統一地方選で 蔡 英文(つぁい・いんうぇん)総統率いる与党・民進党の敗北は、同政権が実施した年金制度改革など一連の内政策に対し 有権者間で反発が広がった事が、大きな一因とされる。以下、昨日付の拙地元紙 C新聞記事を引用して、少し見て参ろうと思う。
「台湾与党・統一選敗北→蔡氏改革路線に反発~中国大陸の圧力も影響」
見出しの事項に加え、中国大陸政府との関係も大きく影響。民進党は独立志向が強く、対中融和路線を進めてきた国民党政権から 2016=平成28年に交代して以来、蔡政権も中国大陸と距離を置く姿勢を貫いてきた。これに対し、同大陸政府は圧力を強め、経済面などの悪影響を嫌う市民が不安感を抱いたことが、現野党・国民党への支持に繋がった可能性がある。
更に 中国大陸政府は否定しているが、同大陸側が国民党に有利になる様 選挙介入したのでは?との疑惑もある。選挙中 会員制交流サイト SNSなどを使って民進党を批判する「偽(フェイク)ニュースが大量に流れた。捜査当局は「発信源の多くは 上海(しゃんはい)発だ」としており、蔡政権はこうした状況に「台湾の民主主義を傷つけるものだ」と批判していた。
今回選挙では、民進党の強固な地盤だった南部・高雄(こうしゅん)市の市長選でも、国民党に敗北。蔡氏は 党主席の辞任表明に追い込まれ、次期総統選に向け 大きな痛手となった。将来的に「中台統一」を視野に入れる習 近平(しー・じんぴん)中国大陸指導部が 今後も更に蔡政権への攻勢を強め、台湾を国際的な孤立化に追い込んでいくのは確実だ。
中国大陸政府は 蔡政権発足後、台湾と外交関係を持つ国に外交攻勢をかけ、2年半で 5カ国が台湾と断交。更に中台関係の悪化で、中国大陸から台湾を訪れる観光客も激減している。台湾への締め付けを徹底する一方で、中国大陸政府は 同国内で活動する台湾人に、各種社会サービスが受けられる「居住証」の発行を 9月から開始。アメとムチを使い分けた政策で、台湾の民意を民進党から引きはがすことに腐心しており、今回選挙にも少なからぬ影響を与えたとみられる。(引用ここまで)
中国大陸の視点では、台湾は独立国でないと言われる。国際的には「チャイニーズ・タイペイ」の呼称も存在する様だ。ただ、我々の視点からすると、台湾は明らかな独立国であり、地震など大きな災害などの折には、互いに助け合って来た 感謝すべき関係でもある。中国大陸に一定の配慮は必要かも知れぬだろうが、台湾の尊厳を守るべきは当然だろう。仮に、今回統一地方選向けの 大陸からの圧力や工作が事実だったとしても。
今回の統一地方選の結果と、続く総統選での民意も当然尊重すべきは分かるが、一方で「台湾は日本の生命線」との見方も大きく重いものがあろう。台湾の内情を尊ぶ一方で、やはり我国も 周辺情勢が変わった場合に備え 自国の独立と尊厳を守る為、自衛隊をメインに一定の身構えは必要だろう。これからの日台関係は、そうした所の高次元のバランスも見極めながら 見て参る必要があると心得るものだ。今回画像は 先年訪れた、伊勢神宮を近くに仰ぐ志摩半島は三重・鳥羽市付近の様子。通る線路は JR参宮線。