今日 11/23は「勤労感謝の日」。国民の祝日に関する法律によれば、この祝日の趣旨は「勤労を尊び 生産を祝い 国民互いに感謝し合う」日であるとされる。人が生きる上では、まず「自助」が大切だが、この祝日に表される「共助」は それに次ぐ大切なものという事だろう。最後の「公助」は、あくまでもやむを得ない場合の「最後の手段」たる拠り所と心得るべきだろう。この事は、ともすれば「自助」と「共助」が希薄になりがちな 日本国憲法の統治下にあっては、折々しっかりした復習が必要 と拙者は心得る。
「勤労感謝の日」の趣旨を踏まえた上で、この所 国会にては「働き方改革」関連の法制見直しの大きな一つ、外国人労働者の受け入れ緩和についての 出入国管理法制の見直し審議が行われている所。一つ間違えば、事実上緩い「移民受け入れ」となりかねない法制見直しには異論や反対意見も多く、拙速な審議進行に陥りかねない事態が懸念される政府与党は、一定は野党側の意向を容れ 慎重審議に当たって頂きたいものだ。対する野党側、特に立憲民主、国民々主の両党には「初めに対決ありき」の不良な強硬姿勢をそろそろ捨て、内容濃い対案を繰り出して 実のある審議にする様望みたい所だが「政治家よりも活動家」の方が多い現状では無理というものか。
その両党が旧民主党だった頃の失態が元で、我国の公的医療保険制度の存続が危ぶまれる事態に直面しつつある様だ。元々は、外国人観光客誘致の一環としての「医療ツーリズム構想」であった。2010=平成22年6月に閣議決定された由だから、当時の内閣総理大臣は 鳩山由紀夫元衆議である。第二次・第三次安部政権に移行した今もその印象が付き纏うのだが、時を経る毎にその深刻さが指摘される 外国人による我国医療保険制度悪用問題は、民主党政権下の頃から認識できた問題ではなかったのか。
この「医療ツーリズム構想」が持ち上がった当初から、日本医師会を初めとする医療現場の各位からは反対意見や違和感の表明が多くあった様だ。それは勿論、前述の 外国人による医療保険制度悪用の懸念があったからだ。具体的な手口に少し触れると、医療受診目的を伏せて来日し、ひとまず医療保険に加入。その上で、極めて高額な医療を 1~3割の自己負担で享受して 然るべき保険料を負担する事もなく帰国しているとされるもの。「このままでは、世界に冠たる日本の公的医療保険が、満足に保険料を納めない外国人のせいで 食い潰されてしまう」と、現場からは憤りの声が大きく上がっているという事だ。拙者も、この構想が持ち上がった時には 医師不足など医療危機が進む折「大丈夫か?」と漠然ながら思ったものである。
鳩山由紀夫・菅 直人の両元総理による旧民主党政権の時期が特にそうだったのではないかと思うが、所謂「医療ツーリズム」による来日時、診療費用は全額自己負担が原則とか。しかしながら、国保や協会健保への 保険証偽造などによる不正加入が多くある様で、酷い例では 実際には来日していない渡航者の家族が加入した事になっていた例もあるとか。各地の年金事務所などによる審査制度がありはするが、本人確認などのチェックは甘く 残念ながら保険証偽造、そして不正利用の例は少なくない様だ。又、保険証偽造や 保険加入などに関する不正を幇助する日本側勢力もいるらしい。
そも、我国の医療保険制度は 元々が国内向けで、外国人旅行者や渡航者の多数利用を想定したものでない事が、結局は制度のあり様を危うくしている様だ。鳩山民主党政権が「医療ツーリズム」の方向性を閣議決定した当時、経済産業省は推進、厚生労働省は 当然慎重な姿勢だったとされる。医療保険制度の不正利用は当時から想定されたはずであり、経産・厚労両省での問題点すり合わせと必要な情報共有が不十分だったのではないか。又、当時の民主党も 菅 直人、長妻 昭という厚労大臣経験者を擁しながら、こうした所の対応が「ザル」だったのは お粗末としか言い様がない。
記したくはないが「医療ツーリズム」の方向性を決めた鳩山由元総理は、政界を退いた後も 問題言動が多い様だ。最近でも、緊迫する日韓関係の火に油を注ぐ様な「朝鮮半島の南北分断のきっかけは 日本が作った」とか「日本は朝鮮半島に 無限の戦争責任がある」旨の言動をしたとされる。勿論これらは見当違いそのものである。現役の全国紙記者でもある著述家、阿比留瑠偉(あびる・るい)さんによれば、鳩山由元総理の一連の言動には、外患誘致容疑に当たる所があるとか。この事を、本人が全く自覚していないのは「遺憾」という言葉では表しきれない 深い罪業があるだろう。その様な輩が 関連個所への悪影響を検証もせず、一部の意向だけで安直に決めて行った可能性は 極めて大きいと申さざるを得ない。
ある医療関係の方は「一部の関係者の頑張りだけでは、この問題は解決しない」と訴えられた由。その通りだと 拙者も思う。医療関係と その監督に当たる厚生労働省とその関連機関のみならず、入国査証ビザなどを扱う法務省や 観光面からの後援をする経済産業省など、政府レベルで問題や情報をしっかりと共有し 一体となった解決への取り組みが必要だろう。この面でも、安倍政権の力量は問われていると思うと共に、旧民主党の残滓たる立憲民主・国民々主の両党も、他へ逃げる事なく この問題と真摯に向き合う必要がありはしないか。その意思がなければ、党の存亡に関わる事態が待ち受けると思うのだが。今回画像は、拙居所から遠くない 金山副都心の辺りを行く JR在来線試験列車「ドクター東海」の様子を。尚、以下に関連記事をリンク致します。 http://www.medical-confidential.com/2017/02/13/post-4082/