乳癌になる前と後では感じ方、価値観、ものの見方が変わりました。いままで大事だと思っていたものが価値のないものに思われてきました。
いままでずいぶん無意味なことをしてきたものです。
若いとかふけているといわれて一喜一憂したり、太った、痩せたで心を騒がせていましたが、もし残りの命が短いのだとしたら、そんなたわいのないことで悩んでいる暇はありません。
子供の成績、進路のことで悩んでいたことも無駄なことでした。わたしが今、召されたとしても、二人の子供たちはしっかりと生きていける。大丈夫。それより、子供たちに大切なことを伝えていこうと思っています。
乳癌になってから、ポジティブになりました。聖書の学び会のとき、今までは疑問に思うことがあってもなかなか質問できないでいましたが、いま聞かないと一生聞く機会がないかもしれないと思って質問するようになりました。
また乳癌になって涙もろくなりました。聖書を読むとき、祈るとき、賛美するとき、感動して涙が出ます。だから礼拝のときは大変です。ハンカチとティッシュは手放せません。
癌になって、当たり前のことですが、人は必ず死ぬのだということを実感しました。同じような日々が繰り返されているけれど、必ず終わりがあるということ。そして過ぎ去った日は戻ってこないこと。
生から死を見るのではなく、死から生をみると一日が、いっときいっときが、とほうもなく尊いものに感じられます。
それは神様から与えられた『生かされている時間』だからです。
死を身近に感じるようになって、永遠への思いが強くなりました。乳癌になる前は、目先のことばかり考えていて、永遠へ思いをはせることが少なかったように思います。
再臨(イエスさまが再び地上に来て下さること)のことも、ずうっと先のことに感じていました。でも、今は再臨を待ち望み、永遠の命がいただけることに希望をいだいています。
先日、本を読んでいて、永遠という神様の視点で物をみるということを教えられました。永遠の視点で物をみると、ほとんどの悩み、問題はなくなると書いてありました。
たしかに、永遠の視点からみれば、地上での命が2.30年長くても短くても同じです。
地上での命の長さがどれくらいかを考えるより、一日、一日生かされている日々を大切にして、与えられている時間を無駄にしないように使っていきたいと思います。