生かされて

乳癌闘病記、エッセイ、詩、童話、小説を通して生かされている喜びを綴っていきます。 by土筆文香(つくしふみか)

義父への手紙

2011-01-07 17:49:24 | 日記
無事葬儀が終わりました。息子一家も参列しました。息子たちの車に乗せてもらって帰ったので早く戻れ、感謝でした。

義父は91歳で召されたので、葬儀には悲壮感はありませんでした。でもお別れは、やはりつらいです。お元気なときの義父の姿を思い出して涙が出ました。棺には、孫たちとひ孫の書いた絵や手紙。義父の愛用していた絵筆を入れました。

昨年の12月21日にわたしが義父に書いた手紙を紹介させていただきます。(義父はクリスチャンではありませんので、クリスチャン用語は使っていません。)

前回書いた「予期せぬ出来事」をまだお読みでない方は、その記事を先にお読みください。


お父さん。
やけどされて救急車で運ばれたことを聞いたときは、とても驚き、心配しました。大事に至らなくてよかったですね。

病院生活は心落ち着かないことと思います。お父さんを一日も早く家にお連れして今までの通りの生活をしていただければ……と望んでいますが、現実にはそれが難しいのです。

これまでずっとお母さんがお父さんのお世話をしてきましたが、それが限界にきているのです。お母さんはお元気そうに見えますが、持病があり、少しも無理できない体です。病院の先生からも疲れるようなことをしてはいけないと言われています。かなりひどい腰痛もあるようです。年齢も84歳になりました。

わたしたちが話し合った結果、これまでの生活を続けていたら、お母さんが倒れてしまう危険が大きいので、お父さんには退院したらホームへ入っていただくのが最善だということになりました。ここの病院の先生も、ケアーマネージャーさんも、皆同じ意見です。

わたしは、お父さんがお母さんに腹を立てておられるのを見るととても辛く、自分を責めてしまいます。
もし、わたしが乳がんにならなければ、同居していたでしょう。そうしたら、お父さんにこんな思いをさせなくてすんだのにと思います。
                 (中略)

もしかしてお父さんは老人ホームを姥捨て山のように思っていらっしゃいませんか?
ホームに入れることは親を捨てることではありません。大切なお父さんを決して見捨てるわけではないのですよ。

お父さんが幸せな気持ちで毎日を過ごして欲しいと心から願っているのです。
むしろホームのほうが介護の専門の方がおられますし、リハビリもでき、食事の心配もなく、お風呂にも入れてもらえ、快適だと思うのですが・・・。

でも、以前ショートステイでホームに入ったとき、いやだったとおっしゃっていましたね。やりたくもない折り紙や風船つきをさせられて子ども扱いされたような気になられたのですよね。
高齢者だからといって十把一絡げにされるのはひどいですね。人格を尊重していないことですよね。
ひとりひとり違うのですから、それぞれ、自分のやりたいことができる施設をと考えています。

お父さんは91歳ですね。わたしが初めてお会いした時は、退職されたばかりだったように思いますが、絵を描くのがお好きで、お母さんとよく旅行されて写真を撮っておられましたよね。

脳梗塞になられたけれどリハビリで回復され、絵筆をにぎって素晴らしい絵をたくさん描かれましたね。そんなお父さんを尊敬しています。ヒックン(ひ孫)の絵を描いてくださったときは、感激しました。
90歳近くになって油絵を描いておられる人は少ないと思いますよ。また、描いてほしいです。

実家の父が亡くなってからは、お父さんを実の父親のように思っています。
お父さんがお元気で心穏やかな日々を過ごせますようにお祈りしています。



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