Triority(トライオリティ)

四十にして惑う、それがトリニータ。

取り返す力強さ(17節熊本戦)

2018-06-04 00:06:48 | マッチレポート18’
試合前は実はけっこう心配していた。前節の失敗を取り返したいという気持ちはあるものの、うまくいかない局面が出てきた時にその気持ちが空回りして、悪い方向に転がるんじゃないかなという想定をしていた。しかし、蓋を開けてみれば、2−0の快勝。8戦負けなしが止まった大宮戦の後の新潟戦の時も同じように心配してたけど、今年のチームは頼もしく力強い。


強い気持ちはキックオフしてわずか数分で明確に分かった。前半4分にデュエルの局面を迎えた宮阪がゴリゴリに体を入れてボールを奪いにいったシーンを見て、「今日は違う」と感じた。前線から運動量多めに、球際厳しくがずっと徹底されてたから前半はほぼパーフェクトな試合運び。確かにハンドっぽかったけど、見事な先制点も決め、文句のつけようのない内容だった。しかし甲府戦をチェックしていたとは思えない試合の入りをしてきた熊本も前半は熟睡していただけに、後半は元気一杯。15分耐えて選手交代で流れひっくり返せば楽勝でこの試合いただきくらいに見てたけど、なかなかペースを奪い返せない。黒木さんちの晃平くんの方のヘッダーがクロスバーを叩いた時は口から心臓が飛び出そうになった。ただアディショナルタイムに突入してからだったけど、待望の追加点も理想的な形で仕留めた。文字にしてしまうと理想的な試合運びにしか見えてこないんだけど、実際は後半の耐える時間が長かったからそこまでの楽勝ではなかったけど、この試合に臨む状況を勘案すればこういう試合がきっちりと出来たチームを賞賛したい。最後はヘロヘロだったかもしれないけど、それはこの試合にかける気持ちの強さの裏返しとプラスに捉えておきたい。


シーズン序盤でまだフワフワしてた時期を除くと負けたのは大宮と甲府。大宮と甲府がどういうサッカーでうちとの対戦に臨んだかを思い返せば、もう明確すぎるほどに明確。大宮と甲府が前年J1クラブとかは関係ない。むしろ新潟がどういうサッカーをしてうちに負けたかを加味すればより明確になる。もう隠したってどうしようもないから堂々と言い切ってやる。「前から来いや!死ぬ気で前から来いや!」もうこれだよ。うちに勝ちたきゃ前から来い。温存じゃなくシモビッチを下げて、富山を鉄砲玉として使った石井監督の采配は思い返すとやっぱり素晴らしかった。そして甲府戦はもう言うに及ばず。うちもそういう戦い方をしてくるチームを乗り越えていかなきゃ昇格が掴めないことは十分に分かってるからもう堂々と言っとくわ。前から来い。大変失礼な言い方になっちゃうかもしれないけど、今まで積み上げてきたサッカーをいったん横に置いて付け焼き刃でいいので、とりあえず前からガンガンいくサッカーでいった方が勝ち点3を取れる可能性は1%でも上がると思うよ。表現(#TashimaOut)はふざけてるけど、本気でそう思ってる。相手チームの徹底度が上回るか、我々の熟成させるスピードが上回るか。そんなシーズンの進め方が出来たら面白いなと本気で思う。


今日はフクについて書きたい。今日の試合の最後に少し足に違和感を感じてたようで心配だったんだけど、イサスタグラムでの明るい表情を見てると大丈夫そうだね。今季のフクの成長は見逃せない。チームとしての失点が少ないわけではないからDFとしては手放しでは喜びにくい状況かもしれないけど、随所に見られる成長の跡が今の大分の好調さを支えてると思ってる。今季は特に左足から放たれるフィードで幾度となくチャンスメイクをしている。新潟戦(フク→伸太郎→林シュート)、岐阜戦(フク→伊佐ゴール)、甲府戦(フク→馬場ゴール)、熊本戦(フク→ごっちゃん→馬場シュート)と思いつく限りでもこれだけフクの斜めに入れるフィードからチャンス(もしくはゴール)シーンを作り出している。去年あたりからかなりチャレンジはしてたと思うけど、今季からは精度が伴いつつあったり、受け手側に認識されてたりと、武器に変わってきた印象。縦方向への鋭いパスを見せておけば、ボランチや星にも付けやすくなるし、去年のようにプレスの狙いどころとされるようなこともなくなった。何よりも本人が自信を付けてるのがよく分かるし、その象徴のようなプレーが古橋を股抜きでかわした遊び心なのかもしれないね。ディフェンス面ではとにかくよく声を出してるシーンを目にする。今日も一気にラインを上げたい時に大きな声を出しながらチーム全体を押し上げてたし、セットプレーの直前にも周囲に注意を促すように声をかけてた。力みがなく落ち着いてることにも成長の跡が窺える。今日もあったけど、クロスで放り込まれたボールのクリア一つとっても、大きくクリアしたいがために頭を振り過ぎて失敗することもなく、真後ろに詰めてるであろう相手選手の頭を越せばいいだけという冷静な判断が出来てるからバックヘッドで軽く突き上げるだけで事なきを得る。見ていて安心感がある。フクとノリ。入団初年度がいきなり修羅場でたくさんの経験を積んできた大卒4年目コンビが大分の最終ラインを支えている。


今日は直接的には熊本戦と関係のないことばかりを書いてしまったけど、とにかく一番に思っている感想は、難しい状況で迎えたこの試合を見事にクリアしたチームのたくましさに感動しているということ。フラフラとしながらもこれで7節連続首位の座を守った。首位の座に相応しいサッカーが出来てるわけじゃないし、いつでもこの座はくれてやるなんて思ってたけど、ちょっと明確に折り返しまでは首位の座を守りたいなと今日の試合後ふと思ってしまった。折り返しの21節まで愛媛、松本、福岡、徳島の4試合。なかなかの難敵を残してるわけで、ここまで守り通すのは難しいとは思ってる。ただ何となくこの難しい局面を乗り切ったこのチームならやれるんじゃないかとも思い始めてる。


そしてその前にミッドウィークには天皇杯・山口戦がある。片野坂さんの手腕の確かさを物語るのに、個人的には天皇杯でいい試合が出来るというのがある。一昨年の甲府戦、清水戦、昨年の町田戦とリーグ戦からメンバーをほぼ全取っ替えしながらも面白い試合をし、そして結果も出す。これは日頃からレギュラークラスに入れていないメンバーたちのモチベーションを落とさずにやらせている何よりの証明だと思うし、特に今季頻繁に使う「30人全員で」というフレーズを何よりも裏付けしている。近場であれば、平日でも何とかして現地に行きたかったけど、さすがに山口は無理なんで職場で吉報を待つ。そしてフクの言うように勝ち上がって昌也と試合がしたい!
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