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Triority(トライオリティ)

四十にして惑う、それがトリニータ。

完勝で首位浮上(9節山口戦)

2023-04-13 02:03:11 | マッチレポート23'

1年半ぶりのホーム参戦でした。今シーズンはここまでホーム全勝だったので自分が来た時だけ負けるのはちょっと嫌だなとか試合前は思ってたりもしたんだけど、そんな心配は全くの杞憂に終るくらいの完勝だった。今シーズンの勝利の中でも最も力の差を見せつけた試合だったんじゃないだろうか。1失点はしたものの終始危なげない試合運びだった。





山口が最も見誤ったのは守備が本職ではない吉岡で藤本が抑えられる思っていたことだろう。もう少し山口に寄り添って言えば藤本よりももっと先に抑えなければならないところがあるし、背に腹は代えられないといったところだったのかもしれないけど。この写真のシーンもそうだし、藤本のゴールの直前で入れ替わられたところもそうだけど、サイドバックの前貴之じゃなくて吉岡をぶつけ続けてくる布陣に藤本もなめられたもんだなと、やり返したれやと思っていたところでのこれ以上ないまでの個でのゴール。ターン、ドリブル、コントロールショット、全てがパーフェクトなゴールだった。









野村直輝が止まらない。わずか5日間で2ゴール3アシスト。今の大分トリニータにとってノムが痛んだシーン以上の恐怖映像があるだろうか(いやない、反語)。







成豪が元気に動き回る姿を見られて嬉しかった。恩返し弾を食らわずに済んだからこんなのん気なこと言ってられるけど、試合中はとんでもないスーペルゴラッソが飛び出すんじゃないかとけっこうドキドキしてた。とにかくケガなく、オレたちを魅了してくれたように山口サポにも成豪の右足のポテンシャルを見せつけてあげてほしい。



試合終了と同時にぶっ倒れた中川。本当によく走ってた。中川や伊佐の献身性がチームの好調を呼び込んでいるのは間違いない。正しい貢献に正しい評価を。















アウェイが主戦場になるとそもそも大分の選手が青いユニを着て試合をしているところを見ること自体が新鮮に映ってしまうから、今日はシャッターを切る回数が多くてちゃんと試合を観られていないので写真多めの文章ちょろりで構成しています。つまり中身はあまりないです。




山口のNo.10池上丈二がルーキーイヤーだった2017年からずっと伊佐耕平&池上丈二兄弟説をひそかに唱え続けてきたわけだけど、今日ついに撮れたぜ!


兄弟の2ショット。いやしかしマジで似てるわ。



渡部さん、あなたは背広組に回っている場合じゃないですよ。昨シーズン、そのビルドアップの巧みさから個人的なJ2ベストイレブンにノミネートしようと思ったくらいの選手が引退→即社長就任というのには驚いた。


あなたがやるべきは山口の宝どころか、日本の宝にだってなりうるくらいのポテンシャルを秘めた生駒仁にビルドアップの極意を落とし込んでいくことだ。ビルドアップの能力が備わった生駒仁を育てる義務があなたにはあるでしょう。あなたなら出来ると思う。コーチ兼社長も面白いと思うよ。



長沢さんの交友関係の広さには毎度驚かされるばかり。選手名鑑で確認すると大槻とは2018シーズンに神戸で一緒だったみたいだね。



成豪のこんな笑顔を引き出せる吉坂さんのコミュニケーション能力の高さよ。





ボトル投げ選手権。上夷克典選手は山なり派、弓場将輝選手は逆スナップ派。



試合後は相変わらずの駐車場渋滞にハマり都町にたどり着いた頃にはごはん食べられるところが軒のみ閉まっていて、何とか見つけたお寿司屋さんにイン。飛び込みで入ってこんな美味いお寿司に巡りあえるんだからホント大分侮れないよ。


大宮での惨敗から見事に立ち直り3連勝で9節にしてついに首位に立った。そして次節はその町田。高体連の監督からJ2クラブの監督という異例の移籍をした黒田監督がどんなサッカーをするのかまだちゃんと見られていないので、日曜日までに予習をしてから臨みたいね。この試合の結果がシーズンの何かを決めるものではないけど、まずはシーズンの序盤にしびれるシチュエーションで試合が出来ることは嬉しいし、楽しみだ。
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野村直輝が別格すぎて(8節いわき戦)

2023-04-09 22:06:05 | マッチレポート23'
大分トリニータとして初の対戦となったいわきFC。初対戦のさらにアウェイゲームとなれば万難排して駆けつけたいところだけど、今月だけはどうしても休みが取れずに魂は息子に預けて大人しく仕事をしていました。来シーズンこそはいわきのアウェイゲームに行ってみたいけど、現状を考えたら来シーズンはいわきと違うディヴィジョンであるようにシーズンを進めていかないとね。


いわきについては開幕節の藤枝戦と前節の岡山戦を観た。地域リーグの頃からフィジカル強化の部分がクローズアップされることが多く特殊なチームっぽく思われがちだけどやってるサッカーはいたってシンプルでよくあるタイプのサッカーなんだよね。いわきの特徴は高いプレスじゃなくて強いプレス。高い位置からやみくもに追いかけるのではなくてサイドに追い込んでから複数人で囲んで意図的にカオス状態を作り出す。で、こういう局面でのデュエルでは絶対負けないみたいなところがチームのフィロソフィーなんじゃないかなと思う。それ以外はいたって普通のチーム。この試合でうちが優位に進めることが出来たのはこのサイドでのカオス状態を作らせなかったことによると見ている。


前半は藤本vs嵯峨、茂vs辻岡の1対1の局面が多くあった。これはつまりいわきが作り出したいサイドのカオス状態を既に突破しているということ。これを可能にしたのはセンターボックスの4人(ノム、中川、将輝、野嶽)の賢いポジショニングにあると思う。第1プレッシャーラインであるいわきの2トップの間にポジショニングした将輝もしくは野嶽にスパスパと縦パスが入っていたけど、本来であればああいうパスは通されたくないから修正して閉めると思うんだけど、いわきはそこの修正はしなかった。ここからは想像でしかないけど、いわきはまだ自分たちのやり方を突き詰めている途中で相手の動き方に対する修正よりは自分たちのやり方の純度を高めることを優先させているんじゃないかなと思った。さらにノムや中川が相手ボランチの横や後ろで絶妙にボールを受けることが出来たので攻撃の回数は多かった。


この試合のノムは本当にすごかった。1G2Aという記録に残る活躍ももちろんなんだけど、相手の間で受ける、ターンしてディフェンスを引きつける、思わずうなってしまうようなラストパスを出すとちょっと別格だった。いわきFCもこのレベルの選手との対戦はちょっと驚きだったんじゃないだろうか。これまでもノムのすごいプレーは何度も見てきたけど、それでも今シーズンが過去最高だと思える。それくらいのキレっぷり。


大宮戦の記事でいわき戦はサイドチェンジがキープレーになると書いた。グッとボールサイドに寄せたいいわきに対して密集を抜けてスペースのある逆サイドへ展開することは定石とも言える。開幕戦の対戦相手だった藤枝はこれをうまく使ってあっという間に3点差まで広げていた。ただ今シーズンここまであまり長いサイドチェンジのパスを使ってきてなかったので少し不安だったけど、いわきに押し返され始めた後半に何度か出てたので安心したし、やはり効果的だった。14分ペレイラ→藤本、53分藤本→茂平、57分西川→茂平、83分奎汰(これは通らず)、85分司→宇津元あたりかな。


前節いわきと対戦した岡山は対いわき用に通常の4バックから3バックに切り替えていた。オーソドックスな4-4-2の立ち位置から球際勝負に持ち込みたいいわきに対してズレが作りやすい3-4-3は相性が良いというのは誰もが考えることなんでしょう。そういう意味では1年以上この布陣でやってきている我々にとっては相性の良い相手であったということは言えると思うのでこの結果に過信することは危険だと思う。また前半で途中交代した嵯峨理久こそサイドバックにいながらもこのチームのキープレーヤーなので申し訳ないが交代はラッキーだった。試合終盤でもエネルギッシュに最前線まで飛び出してきて、球際も巧みな嵯峨理久は本当に良い選手。おそらく多くのクラブが彼を既にピックアップしていると思う。


仙台大時代の嵯峨理久。


青森山田時代の嵯峨理久。マッチアップは市船の杉岡。かなりたくさんの育成年代の試合を観てきている自負があるんだけど、確か2016年のプレミアリーグのこの一戦は未だに結構印象に残る一戦として記憶している。世代別代表やJクラブ内定者がたくさんいるピッチの中で小さいながらもひと際まばゆい存在感を放っていたのが嵯峨理久だった。



2トップの一角で先発した谷村海那。彼も大学時代に印象的な試合があって、当時国士舘大の絶対的なエースだった明本(浦和)が早々に退場すると早稲田相手に劣勢の展開が長く試合も敗戦濃厚だった。大学時代はボランチだった谷村は終盤にセンターサークル付近からドリブルを開始して寄せてくる相手選手をルーレットターンで振り切るとそのままミドルでゴールを叩き込んだ。このスケール感のあふれるプレーが忘れられずその後も彼の動向を追っていて今回やっと対戦することとなった。まさかプロでセンターフォワードをやっているとは思わなかったけど、そのスケール感は本当に魅力。大学時代に物理的にだけじゃなく雰囲気的にも「デカいな」という印象を持ったのはこの谷村と伊藤敦樹(流経大→浦和)の2人かな。




マッチアップする早稲田の9番は武田太一(FC大阪)。


この試合のスタメンボード。住吉(水戸→広島)、明本(浦和)、谷村、高橋(熊本→浦和)とセンターラインの骨太っぷりが2部チームの陣容じゃないよね。



相手チームのことばかりで興味ない方は読み飛ばしちゃってください。育成年代の試合をたくさん観てるとこういうのが楽しいんですよ。自己満足なのでどんどん読み飛ばしてください。で、いわきで一番楽しみにしていたのがボランチの山下優人。大学サッカーを一番どっぶりと観ていた5年ほど前、#哲平さんに推薦したいシリーズ として気になった選手をツイートしている時期があってその時に取り上げた選手が4人。上夷克典(新卒じゃなかったけど実際に入団してくるんだからねホント信じられないよ)、中原輝(熊本→山形→セレッソ)、常本佳吾(鹿島)、そして山下優人の4人。この中で唯一新卒時にJクラブ入り出来なかったのが山下。でも当時まだ地域リーグだったいわきに入団してそこからコツコツと積み上げた。JFLのMVPを獲得してJリーグ昇格、昨シーズンはチーム唯一のフルタイム出場でJ3ベスト11にも輝いた。自分の目が間違いじゃなかったという思いとともに相変わらずの正確な左足は脅威だったなと。コツコツと積み上げたステップアップももうあと一段。山下には今後も頑張ってほしい。


ベンチメンバーの構成を見ても現在一番unchangeableな選手が茂平だろうけど、その茂平を75分で下げることが出来たのはここから始まる連戦において非常に大きかったんじゃないだろうか。2部リーグのフットボールカレンダーに余裕のある今シーズンは週中リーグ戦があるのが3試合。少ないとはいえここで勝ち点を積み上げられないとあっという間に順位を落とすことも考えられる。次節はスーペルゴラッソ小林成豪の大分帰還が楽しみな一戦。チーム力が均衡したJ2は気の休まるタイミングがない戦国リーグだよ、まったく。
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バウンスバック(7節磐田戦)

2023-04-02 00:06:53 | マッチレポート23'
バウンスバックとはゴルフでボギー以下をたたいてしまった直後のホールでバーティー以上のスコアで上がること。悪い結果が出てしまった時にそこからズルズル下がっていってしまうのか、逆にそれを発奮材料にはね返せるのかでは最終的なスコアに大きな違いが出てくる。メンタル面の要素がとても強いゴルフにおいてバウンスバックが出来ることは一流選手の証と言ってもいいと思う。サッカー界においてもヨーロッパのトップ選手がしばしばバウンスバックという言葉を使うのを見かける。大宮戦で0-3の完敗を喫した直後の試合で結果はともかくとして球際で負けない、走り負けないというところを見せることが大事だったわけで、選手たちは満点回答のバウンスバックを見せてくれた。


第4節清水戦
第5節千葉戦
第6節大宮戦
第7節磐田戦

10年前なら「おいおいふざけた日程だな、日程くんよ」と愚痴の一つでもこぼしたくなるような試合の並びだけどここを2勝1分1敗で切り抜けたのは10年後の現在においてもデカいよね。時の流れとともにリーグ戦も変わっていくよね。栄枯盛衰。


この試合の勝敗を決めたポイントは55分頃から伊佐のゴールまでの数分間の攻防にあったと思う。ビハインドとなったスコアを追いつくために後半からギアを上げてプレッシャーをかける位置もグッと上げた磐田。55分に西川から野嶽へパスが渡ったところで引っかけることに成功した磐田はここからさらにプレッシャーの強度を上げてくる。直後の57分に同じボランチの将輝に猛然と3人でプレッシャーに来るも明らかに前がかり過ぎたため将輝のワンタッチパスで完全にプレッシャーラインを突破した。いわゆるひっくり返すという現象。この流れのまま伊佐が決めきれればベストだったけど、この完璧なまでの突破で磐田の「プレッシャーに行くぞ!」という気持ちはくじかれたはず。おそらく体力的にも厳しかったであろう磐田にとってわずかでも「行ったらかわされる」の気持ちが芽生えた時点で一体感を出すことは難しかったと思う。ビッグチャンスを逃した後は主導権が映りがちだけど、そこからわずか1分足らずで決勝ゴールが生まれたところからそんな微妙なメンタルの揺れ動きが垣間見えたような気がした。大分サイドから見ればあの突破がリアクションによるものなのか、相手の強度が上がったことを敏感に察知しての狙った上での突破なのかによって大きく変わるとは思うけど、ああいうプレーが本来狙っているやりたいプレーなんだろうなと思う。


ただやはりラッキーだった感は否めない。水曜日にリーグ戦を戦って中2日でアウェイ九州の地まで乗り込んできた磐田の選手たちの体は確実に重かった。ルヴァンカップの罰ゲームなら我々も昨年やったと言いたいところだけど、週末にルヴァンカップをやって週中にルヴァン組だけ未消化のリーグ戦をやらされる日程は去年はなかった。週中に組まれるルヴァンは捨てればいいだけだけど、週中にルヴァン組だけリーグ戦を組まれると捨てられる試合がなくてただ不利なだけだ。恩恵を受けたチームのサポーターが言うのも何だかおかしいけど、これはさすがにかわいそう。かわいそうに追い打ちをかけるようで申し訳ないが、7月1日の磐田ホームで対戦する時も3日前(中2日)にルヴァン組の未消化リーグ戦が組まれている。これはちょっとさすがに不公平すぎないか、というよりうちが恵まれすぎてないか。そもそもJ2クラブをルヴァンに入れるなというところが一番の問題点だと思うけど、週末にルヴァンをやらせるなというのは清水と磐田の関係者は文句言っていいと思うよ。さすがにこれはかわいそう。


伊佐のゴールは嬉しいねぇ。もう大分でのキャリアが10年になる伊佐。たくさんのゴールを決めてきたけど、その中でもキャリアベストゴール級に素晴らしいゴールだった。こぼれたボールに触りにいきたくなるところでしっかりと相手に体を当ててバランスを崩させてからボールを確保。2タッチ持ち出してコースを作ってここしかないコースにズドン。FWである以上、ゴール数が少ないことに忸怩たる思いもあるだろうけど、この10年の間ずっと大分が伊佐を必要としてきたのはゴール数だけでは分からない貢献をみんな分かってるから。だから伊佐がゴールを決めると嬉しい。今日の実況と解説だった永田さんと前田さんはずっと大分の試合を追っているわけではないだろうけど、そんな伊佐の良いところをしっかりと分かってくれていて聞いてて気持ちが良かった。スタッツに現れない部分にこそサッカーの深さがあると思う。




3試合連続スタメン、そしてここまでリーグ戦全試合出場の後藤啓介。大変なチーム事情があっての起用とは思うけどここまで3ゴールは本当に立派。昨年夏のSBSカップで見て一番気になった選手。おそらくこの大会を見た人ならみんな彼が気になったと思う。試合を見ていた時は3年生だと思っていたけど、帰宅してクラ選のプログラムでプロフィールを確認したらまだ2年生で本当に驚いたのをよく覚えている。SBSカップはU-18日本代表と静岡県選抜が出場するんだけど、日本代表の誰よりも静岡県選抜の先輩たちよりも一番インパクトを残していたからさすがにこんなに早くにプロ初ゴールを決めるとは思っていなかったけど、この活躍は納得なんだよね。あまりクラブを背負いすぎないように成長してほしいと思う。ただ今日は仕方ない部分があるとは言え、ほとんどボールに関われなかったね。


5勝1分1敗で勝ち点16。昨シーズンを思えば大成功のシーズン序盤。次は初対戦のいわき。ここも気になる選手が多く対戦が楽しみだ。
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ネガティブてんこ盛りの初黒星(6節大宮戦)

2023-03-27 00:13:13 | マッチレポート23'

ずっと勝ち続けることなんて出来ないわけでどこかで敗戦はやってくる。ただその敗戦の内容があまりにも悪く、隠れていた膿が一気に噴出したような試合だった。


まず前節の記事で「開幕戦をピークにファイナルサードへの侵入回数が減っているように感じる」と印象論で書いたけど、その後色々と調べたらfootballLABにデータがあった。データは第5節終了時点。

30mライン進入回数 1試合平均30.4回 リーグ順位16位
ペナルティエリア進入回数 8.6回 リーグ順位19位



印象よりもデータの方が遥かに悪かった。やっぱりビルドアップの仕込みがまだまだ全然足りないなと思う。今はまだプレス回避に精一杯で前進するためのビルドアップになっていない。そんなタイミングで対戦した「前から来ない」大宮。このブログでも何度か書いてるけど、5人交代が正式ルールとなって前プレを強化するチームは明らかに増えた。今シーズンここまでの5試合全て前から来るチームだった。でも大宮は構えて前には出てこない。不運だったのは、序盤に納得感のない失点を喫してしまったため大宮はより前から来なくなったように感じたこと。相馬監督のチームらしい縦横コンパクトで中に差しこみづらく攻めあぐねる中で、パスがズレる、タッチが大きくなるとミスミスミスだらけの前半だった。雨が降ってボールが走りやすかったと思うからボール保持型のチームには良いコンディションだったと思うけど、それであれだけミスを連発するのはチーム内の連携が未成熟というのだけが要因ではないような気もするがどうだろうか。相手が前から来てくれて少々雑な展開も許容されるような試合なら隠せていたけど、「さぁ、どうぞ!」と構えられると隠しきれない。内容が良いとか各所で持ち上げられてきたけど、自分はこの試合でけっこうバレてしまったように感じたな。


1失点目は近くで見ていても思ったし、帰ってから映像で確認してもオフサイドだとやっぱり思うよ。選手にセルフジャッジするのが悪いと言うのは簡単だけど、実際に自分も現地で「はい、オフサイドー」くらいに完全に気を抜いたし、アレはやっぱり納得感ないよ。だからアレを最後まで引きずっての敗戦でしたは十分に受け入れられる言い訳だと思うけど、この試合がまずいのはそこじゃない。0-3で負けているところだ。3失点に目をつむったとしても結局1ゴールも奪えていない。終盤は猛攻を仕掛けられたように見えるけど、3点差をセーフティリードと判断した大宮の重心が下がって譲ってもらった主導権なだけで自力で奪い返したものではない。ここまで勝ち点13に対して流れの中から奪ったゴールはわずか2つ。その奪った2つのゴールの対戦相手は千葉と徳島。千葉は20位、徳島は現在J2最下位だ。良くない中で勝ち点を最大効率で拾えているのはそれはそれで評価すべきだと思うけど、内容はハッキリと「悪い」と認識した方がいいという状況証拠が揃いつつあると思う。



相馬監督が作るチームに対する一番分かりやすい対策ってサイドチェンジだったと思うけど、そういうシーンが全くなかった。町田の時も、大宮でも似たような縦横コンパクトなチームを作っているので、片方で作って大きく逆に展開することで一気に局面を変えられる。そんなシーンを何度も見てきたんだけどな。ただそこはチャレンジしてほしかったと思う一方で、そう言えば今のチームに精度の高いサイドチェンジが出来る選手が全然いないことに気付いた。ちょっと前であれば智輝やハセ、最近だと北斗や坂あたりかな。サイドチェンジが対大宮用、対相馬さん用だけの対策ならそういう選手がいなくても大きな問題にはならないかなと思うけど、他でもない2週間後に対戦するいわきが素人でも分かるくらいにサイドチェンジが有効なチームなのでちょっと問題かなと思ってしまった。いわきは全力でボールサイドに寄せてくるため回避に苦労する一方で、回避出来た時は逆サイドに広大なスペースが存在する。改めて思い返してみると将輝も野嶽も使わないのか、使えないのか、使わせてもらえないのかは分からないけど、あまり長めのパスを出さないなという印象。まだ2週間あるけどどうなるか。


ここからビルドアップの練度を上げていかなければならない段階で、薄々感じていて前節の記事でも書いたけど、デルランはいったん外した方がいいかなと思う。おそらく共通理解の部分が不十分なことが要因だとは思うけど、明らかにぎこちない。ペレイラの初年度くらいだと思っておいた方がいいように思うな。強さやはね返しの部分では頼もしい面もあるんだけど、いまチームが優先すべきはそこじゃないと思う。



一方で上夷とペレイラは好調なので4バック試しても面白いんじゃないかと思うけど。明治大の同期である上夷克典と袴田裕太郎。上夷がCB、袴田は当時は左SBだった。







ノムの試合後コメントを読むととても6試合目にしてシーズン初黒星を喫したチームの選手が語っている内容には思えない。つまり選手たち(全員ではないと思うけど)の中でも結果先行と認識はしているんだろうなと推測する。


あと野嶽なぁ... 前節絶賛したとたんにこれだもんなぁ... ボランチになってすっかりイメージチェンジに成功したのですっかり忘れてたけどあっさりとフリーにしてしまった3失点目のシーンを見て思い出したよ。個人的には昨シーズンまで野嶽のことを全く評価していなくて、特にディフェンス面の時の淡白さが嫌だった。「あれ、集中してなかった?」と思うくらいに淡白なディフェンスがとてもサイドバックだとは思えなかった。プロの試合で久しぶりにあれだけフリーの選手を作っちゃうの見たよ。何も突然ブロックが来たわけじゃなく、どう考えてもブロックが来るタイミングなんだから振り払ってでも追いかけてくれよ。「あー野嶽ってこういうとこあったわ...」という嫌な記憶がよみがえってきた失点シーンだった。ボランチの序列が最上位なのは納得する出来なんだから、ああいうところでサボってほしくない。





笠原のキック精度がマジでヤバいなと思いながら撮ってた写真なんだけど、メインスタンドがガラガラ。天気が良くなかったとはいえ小雨程度。春休みの土曜日14時キックオフで自力で4千人しか動員出来なくなってしまったのか、大宮よ。近所に強大な商売敵がいるとはいえ、さいたま市だけで人口126万人だぞ。大分なんて県全体で113万人だからな。もっと頑張れよ。



J2のレフリーが下手すぎて涙が出てくる。吉田哲朗、先立圭吾、清水修平と覚えとかなきゃいけない名前が多すぎて大変だよ。





レフリーのジャッジにモヤモヤするのはサッカーにはつきものだからある程度流さざるを得ないけど、茂木力也のプレーはさすがに腹が立った。誰のために試合を止めてたと思う?フェアプレーって知ってる?もう26歳なんだから少しは考えようよ。









こうやって毎週のように横河アカデミー出身の選手を紹介出来るの何だかちょっと嬉しい。室井彗佑(横河武蔵野U-15→前橋育英→東洋大)。大学ラスト2年間全く見られていないので内容は分からないものの関東大学リーグ得点王、東洋大では確か2年生から10番付けてたはず。大宮は昨シーズンは柴山さえ抑えとけばみたいなところがあったけど、室井もそれくらいの恐さのある選手になっていくと思う。



試合後のサポーターの素晴らしいチャントもあり選手たちも切り替えられたでしょう。第6節にしてチーム未完成なんていうのは別に問題でもなくて上げてしまった目線をフラットに戻せばいいだけ。Winning team never change とは言うけども、Winning teamでも内容がno goodなら、always changeしていくべきだと思うぜ。勝っているチームの雰囲気が良いのは当り前。試されるのはここから。今シーズン磐田とはホームが第1四半期初日、アウェイが第2四半期初日。何だか定点観測するのにちょうどいいね。新年度好スタートを切るのはどちらか。


今のところ日本平とNACK5の2試合だけ観戦しているうちの息子が帰りに「結局ゴール見られなかった...」とポロっとこぼすもんだから、あまりにも不憫で「お母さんと2人で行ってきな」と今日いわき戦のチケットを送ってあげました。4月から中学生になる息子。部活だ友達だとおそらくここから急速にトリニータへの興味を失っていくと思ってる。いわき戦が入学式前最後のトリニータ観戦。ここで良い試合を見せとけば1人の少年サポーターの心を繋ぎ止められるかもしれませんよ、大分フットボールクラブさん、頑張って!!
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プロサッカー選手は自らの足でその道を拓くもの(5節千葉戦)

2023-03-20 23:49:52 | マッチレポート23'

先週日本平でこのシチュエーションになっても「奎汰が蹴るんだろうな」「奎汰に蹴ってほしい」と普通に思っていた。そして実際に奎汰が蹴った。去年までだったら考えられなかったと思う。おそらくFKのスポットには将輝が立ってただろうし、左右関係なくノムが蹴っただろうし。でも、開幕戦の決勝点の起点となるCKを蹴り、栃木戦の決勝ゴールとなるFKを蹴り、誰もが奎汰に蹴ってほしいと思わせるまでになった。奎汰が自らの足でその状況を作り出した。プロサッカー選手ってやっぱりプレーで周囲を納得させるしか自分の立場を確立することは出来ないと思うし、そうなりつつある奎汰を本当に頼もしく思う、そして本当に嬉しい。昨シーズン終盤に大学経由であれば今シーズンがルーキーイヤーになるわけで、もう期待込みでは見ないと書いた。そしてわずか5試合で期待込みどころではない活躍を見せる奎汰。この後にどんな成長曲線を描くのか楽しみで仕方ない。


2点目の野嶽の一連のプレーがスーパーだった。ディフェンスラインやボランチのビルドアップの質を見る時にドライブ、いわゆる運ぶドリブルの選択肢があるのかないのかで大きく評価を分けて見ている。最近だと三竿さんが運ぶドリブルの使い方、タイミングがとてもうまかったと思う。ビルドアップの質を向上しようとするとどうしてもパス、パスと考えて視野が狭くなりがちだけど、何のためにビルドアップをするのかをちゃんと理解出来ている選手はドリブルが使える。結局は相手のプレッシャーラインを突破してマイボールのまま敵陣深くに侵入したいわけで、相手を崩すのに選択肢が多い方がいいに決まっている。また運ぶドリブルの選択肢を見せるだけで相手は早くにプレッシャーに行かなくてはならなくなりそうすれば自ずとパスコースも増えてくる。野嶽がボールを保持した時点で周囲には3人の相手選手がいたけど、ちょっとエアポケット的に寄せるのが遅いと見るやドリブル開始、そして動き出しの時点で勝負ありだった。常にドリブルという選択肢を持ちながらプレーをしているからこそ相手より早く判断が出来たんじゃないだろうか。そして伊佐とのワンツーで最終ライン突破。本当のクロスの意図がどこにあったかまでは分からないけど、あそこまで独力で深く侵入してくれれば中の選択肢は増える。ノム、伊佐、奎汰のどこかに合えばいいわけで結果として一番外の奎汰に合った。この一連のプレーは本職サイドの選手っぽい動きでもあるから、そこが活きたのかもしれないけど、個人的には開幕からここまで5試合の中でも最も好きなプレーだった。


完封したかったけど1失点は仕方ない。あれは宏矢のクロスがスーパーだった。悔しいけど、相変わらずの宏矢らしい良いキックで少し嬉しくもあり。宏矢のチャントけっこう好きだったな。


開幕から5戦4勝1分。出来過ぎな感じもあるけど、各種メディアで悔しさを表に出す選手も多く課題を認識しながらなら問題はないかなと思っておきたい。課題を解決するのが早いか、問題が表面化するのが早いかこれからはそこが注目点かな。データがないから印象論になってしまうんだけど、開幕戦をピークにファイナルサードへの侵入回数が減っているように感じるし、侵入の質も下がっていると思う。5試合で6ゴール、うち流れの中から2ゴールは明らかに少ないし内容は伴ってないと言える。昨今のJ2は選手の量や質よりもチームの完成度が重要であると思う。それは各クラブの戦力が拮抗していてこのチームには勝てるだろうみたいなクラブがほとんどないからだと思う。つまり小手先の戦術、戦略が通用せずチームの幹の部分が試されるリーグだからだと思う。だからこそ大事なのはここから。勝ち点を伴わせながらもチームが改善しているのかは注意深く見守りたい。


対千葉5連勝。かつてのことを思い返すと信じられない数字だ。本当に何をやっても勝てなかった千葉。選手は変わり続けるのでこんなことを気にしているのは古参のサポーターくらいなんだろうけど、もう負ける気がしないし勝ち続けてた頃の千葉の関係者ってこんな感じだったんだろうなと思う。いまの千葉は正直特徴がなく、対戦相手として与しやすいなという印象。今シーズンから就任した小林慶行監督は秋田の吉田謙監督を彷彿とさせる独特の雰囲気をまとった監督だけど、チーム作りはまだ半ばというところかな。小林監督の実弟が大分に所属していたことを知るサポーターももう少なくなってきたのかもしれないね。

千葉は最近「横河」色を急速に強めていてとても気になる。自分は心のクラブが大分、海外のクラブがスパーズで、近所のクラブが横河なので横河にはこっそりと思いを寄せているわけだけど、10番を背負う見木友哉、今シーズンからレンタル加入した椿直起、そして昨シーズン高2でデビューした谷田壮志朗とみんな横河のアカデミー育ち。現在関東学院大に在籍する長澤シヴァタファリくんという大型右SBがいるんだけど彼も横河のアカデミー育ちで個人的に来シーズンどこに加入するか一番気になっている選手。この流れだと千葉に加入しそうだなと思ってるんだけど、デンチャレにも選出されたし何とか哲平さん、大海さんの琴線に触れてないかなとこっそり期待している。




あまり明るい話題がない千葉だけど、大卒ルーキーの小森飛絢は3戦連発で孤軍奮闘中。富山第一から新潟医療福祉大を経由して今シーズン千葉入り。高校時代からけっこう有名だったけど、高3夏のインターハイで初めて小森のプレーを見た。けっこう印象に残ったんだけど、この試合は桐光学園に0-5で惨敗してエースの西川潤の躍動に全て持っていかれた試合だった。大学経由でしっかりと成長してきた小森がまた西川潤に追いつく時が来るかもしれないから注目して見ておきたい。

もう一人左サイドで先発した日高大も大学時代に印象的だったから書きたいんだけど千葉の選手ばかりになってしまうのでまたアウェイの時の記事に。


藤本→奎汰の先発変更については色々と考えられる部分があると思っている。前節清水戦でデルランと藤本のユニットのところがボロボロだったので手を入れたかった、得点が少ない中で前気味の藤本から後ろ気味の奎汰への交代は合理的でない等々。負けなしが続いているとは言え、決して内容はよくないのでメンバーを変更することにためらいは必要ないと思っている。特にデルランははね返しの部分を除いて特にビルドアップへの関与の部分でかなりよくないと感じていて香川に戻してもいいんじゃないかなと思っている。負けていないだけにこの辺りのマネジメントは難しくなってくるけど、さてさてどうなるでしょうか。


次節大宮戦は日帰りで参戦予定。今度こそオレンジ退治!!
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ニュートラルな勝ち点1(4節清水戦)

2023-03-13 00:54:41 | マッチレポート23'

寒くもなく、暑くもなく、花粉もそれほどでもなく、快適な観戦でした。残念だったのは富士山が見えなかったことくらいかな。





まあ分かってはいたんだよ、ここまで決して良いサッカーが出来ていたわけじゃないってことは。うまく物事が進んで勝ち取れた3連勝だってことは薄々は分かっていたんだよ。ただ去年の序盤はそれすらも出来なかったんだから、それと比べたら十分に素晴らしい状況だと言えると思うんだよ。去年の第4節ってあの絶望のアウェイ長崎戦だからね。十分に素晴らしいよ。試合内容は後半に圧倒されてネガティブなものだったけど、そんな中でもキッチリと勝ち点を拾えている渋とさはポジティブに捉えていいと思う。なのでこの勝ち点1は「ニュートラル」と表現しておきます。


ここまでの4試合全ての対戦相手が同じようなアプローチで突撃ハイプレスで試合に入ってくる。冷静にいなしてはいたものの、やはり最後は逃げるように大きく蹴るしかなかった。その大きなボールに対して伊佐も栃木戦のような躍動感はなく、ノリさんと高橋祐治の2CBにキッチリと封じ込まれることが多かったためなかなか良い形の攻撃が作れなかった。ビルドアップにおいて特にモロかったのは左サイド。デルランと藤本のところが完全に寸断されており、無理矢理パスを付けにいってロストするというシーンが前半から散見された。数本続いたところでもう清水側にはバレていたと思う。だからそこから徐々に清水側に主導権が移っていったのは必然かなと思う。ただ清水も攻撃の整理がされておらず適当なセンタリングが多かったので跳ね返し要員としてデルランの存在感は絶大だったけど、果たして香川からわざわざ変える必要があったのかというところは少し疑問に思う。


今日の勝ち点1は西川に救われたね。毎試合必ずキックミスがあってヒヤッとするけど、今日はセーブで大活躍。藤枝凱旋は本人も楽しみにしてるだろうし、そこまで絶対にポジション手放すなよ。



このオフはおそらくJ1からもオファーがあったであろう山原怜音。アカ福の頃から注目してたけど、筑波大ではもう抜群の存在感だったからこの活躍は納得。今日は90分通して茂平が沈黙させられたのは対面が山原怜音だったからだろうと思う。利き足の右足からのクロス精度がイマイチだったので助かったけど、前への推進力と球際の強さやうまさは際立っていた。



山原とは反対の右SBで先発した岸本武流。彼とは本当によく対戦する。ただ対戦するだけじゃなく毎回着ているユニフォームが違うことがまたすごい。

2016シーズン セレッソ大阪U-23
2018シーズン 水戸ホーリーホック
2021シーズン 徳島ヴォルティス
2023シーズン 清水エスパルス

25歳にしてもう4クラブ目での対戦となかなかこんな選手いないんじゃないかなと思う。セレッソアカデミー時代(庄司朋乃也が同期)はバリバリのセンターフォワードだったけど、ポジションを変えながらも出場試合数を増やし続けているのは素晴らしいね。今日も途中から1列上げてさらに恐い雰囲気を醸し出していたのでとても嫌だった。



北川航也さんはどうしちゃったんですかね。欧州移籍前は代表でも一定のポジションを確保してたような記憶があるけど、J2でそこそこのアタッカーくらいの存在感しかないような選手になってしまっていたように見えた。まだそんな老け込むような年齢じゃないと思うけど。





ノリさんも清水3年目。あれだけ信頼してそして本当に感謝しているノリさんでさえオレンジのユニ着て審判に異議を唱えている姿を見るとイラっとするので、自分は選手の移籍に対して自然体でいられているなと少し安心したりもした。


ノリさん、あなたは本当に素晴らしい選手だったけど、でもいまオレたちが信頼を寄せているディフェンスリーダーは上夷克典だから。ケガなく頑張ってね、ホームの時は絶対負けないよ。



試合後、ディサロから哲平さんのところに寄ってきて握手をしていた。この感じからするとおそらくどこかのタイミングで声をかけたことがあるんだろうな。


こちらは北九州つながり。


うちのブラジリアンたちが試合後にこぞって挨拶に出向いたゼ・リカルド監督。もしかして大物?



今日の主審の先立圭吾さん。あんなに分かりやすいプレーでファールを取る方を間違えてさらには被ファール側にイエローまで出してしまうのはシンプルにヤバい。あんなお粗末なジャッジを見せられてしまうと、その前の司のハンドも副審の方がちゃんと見えてたんじゃないのと勘ぐりたくなってしまう。J2に降格してVARもないし、そもそもレフリーの質自体も落ちるしと一定までは覚悟してたけど、今シーズンは開幕戦とこの試合とレフリーのレベルが残念すぎる。



清水は強かったと感じたけど、それでもゴールは奪われず。開幕から早1ヶ月が過ぎようとしているわけだけど、清水エスパルスさんリーグ戦で未だホームノーゴール。地元メディアからも痛烈メッセージで急かされる始末。そもそも開幕から4試合でディサロのスーパーゴール1つのみってマジでヤバくない?少ない枠を争う立場としては有難いけど。


まずは謙虚にね。静岡最強は藤枝さんだから。J2の14位と15位が争うダービーはただのローカルダービー。





清水も新スタジアムの議論が活発化している。今日は試合前に候補地で最有力らしい清水駅東口の製油所跡地を見てきた。まだ建物も残ってたし、詳しくは知らないんだけど製油所跡地とかって土壌汚染の処理とかが面倒くさいんじゃなかったけな。現在の日本平でも十分に素晴らしいスタジアムだと思うけど、アクセス的にはここに移せたら最高だろうね。海沿いすぎて津波のリスクとかもあるみたいだけど。今日は特段遅くまでスタンドに残っていたわけじゃないんだけど、シャトルバスの大行列に巻き込まれて清水駅にたどり着いたのが試合終了から1時間45分後。今まで便利ではないにしろそこまで時間がかかっていたイメージはなかったんだけど、大分をはるかに上回る時間のかかり方でこれでは新スタの議論が活発化するのもうなずけるとバスの中で感じた。
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原大悟さんと大分アカデミー(3節栃木戦)

2023-03-06 00:08:52 | マッチレポート23'
個人の記憶の範囲なので間違っていたらご容赦いただきたいが、今日のDAZN実況だった原大悟さん。父は言わずと知れた原博実氏。彼が大分の試合を実況するのはこれで3回目だと記憶している。1回目は昨シーズンのアウェイ千葉戦。奎汰の地をはうようなスーパーミドルで勝った試合。2回目は同じく昨シーズンのホーム長崎戦。開始わずか27秒で将輝が決めたゴールから快勝した試合。そして3回目が今日。相性の良い主審とか、相性の良いスタジアムとか、相性の良い実況ってけっこうあると思うんだけど、大分アカデミー出身者が躍動する試合にことごとく立ち会っている原大悟さんには何か運命めいたものすら感じるようになってしまった。



そしてこのブログでは2度目の引用となるけど、その原大悟さんは千葉戦の直後にこのツイート。千葉戦の頃の将輝はまだ試合出場時間も少なかった。クラブ関係者を除けばまず間違いなく世界最速で弓場将輝を見つけてしまったのも原大悟さんだ。次に原大悟さんに担当してもらえる試合で司や茂平が活躍したらと思うと楽しみで仕方ない。先週の西さんもすごく良かったし、もうサッカー実況は完全なる専門職。局アナが本業と並行して出来る業務ではない。これからも色々な実況の人に来てもらって色々な観点の話が聞いてみたい。解説は、、まあその何だ、、最近ちょっと良くなってきてるよね、ちょっとだけ....



開幕3連勝。リーグ内で唯一というおまけ付き。3節にして勝ちっぱなしが他にいないところが戦国リーグを象徴していると思うけど、今後も激しい潰し合いが続いていく中で内容はどうあれ勝ち点を積み上げているのは素晴らしいこと。結果的に決勝点は3試合ともセットプレーから。流れの中からのゴールは270分で1ゴールのみと評価するか、セットプレーは重要な武器だから良しと評価するか。個人的には押し込んで数多く獲得しているCKやFKの中から決まっているので、ある程度は理にかなっているかなと思っている。今日も茂平の力強い突破から得たFKが決勝点の起点になったわけだから。


開幕から3試合にして初めて非保持指向のチームとの対戦となった。栃木は前節の仙台戦を見る限りにおいては昨シーズンと大きな変化のないチームという印象だった。時崎監督のもと一致団結してまずはディフェンスという印象。しかし今シーズンはマイナーチェンジを目指しているのか、時折ポゼッションしたそうな雰囲気も見せていた。ただ今日の試合はよりディフェンスに重きを置いていたのか、プレスの強度に全振りしているくらいに感じた。大分としてもこれだけボールを握る試合は今シーズン初めてなわけだけど、やはり最初は効果的なプレス回避や突破は少なかった。ただ我慢してボールを動かし続けて、時折長いボールでアクセントを付けるなどの工夫も見られて終始主導権は握り続けた。そうすると当然のことながら栃木の強度も落ちてくるわけで、そこから何度かチャンスメイクするもののゴールは割れずという展開。まあ、相手GKが前半から時間稼ぎをしてくるレベルでディフェンスに重きを置かれるとこじ開けることはそんなに簡単じゃない。だからある程度までは迫ってセットプレーに活路を見出すことは良い展開だったと言っていいんじゃないかな。


後半に右からのCKが続いた3本目あたりで、最初のポジショニングは相手GK付近だった伊佐がニアゾーンに戻るような形でフリックしてファーへ流したシーンがあった。最後は藤本が詰め切れずにゴールとはならなかったものの、色々な形を準備しているなということが感じられたシーン。昨シーズンまではペナルティアーク付近の密集からフライング気味にスタートした三竿がフリックする形ばかりでなかなかうまくいかなかったけど、今年は違うのかもしれない。狙ってセットプレーに活路を見出しているわけではないと思うけど、決め切れない展開の中でセットプレーの手札の数が多ければ多いほどいいに決まっている。ちなみに自分のもう一つの贔屓クラブであるスパーズは今シーズンから4830通りのセットプレーを持っているという触れ込みの専門コーチがチーム入りし、そして実際にセットプレーから勝ち点を稼ぎまくっている。


第1節 187.0cm(デルラン、安藤、ペレイラ)
第2節 184.3cm(デルラン、上夷、ペレイラ)
第3節 181.0cm(香川、上夷、ペレイラ)

開幕から毎試合変わる3バックのメンツ。スタメン3人の平均身長がどんどん下がっている。守る時間も少なめではあったけど、香川は良かった。これで開幕から2試合はメンバー入りすら出来なかったんだから相当ハイレベルなポジション争いが行われていると思われる。昨シーズンまでは三竿が鉄人だったため、あまり香川の左CBを見ることはなかったけど、素晴らしい出来だった。これだけ高いレベルで左CB&左WB兼用でいける選手がいるとチームとしてメンバー選考の幅も広がる。


ノム、伊佐のベテラン勢が絶好調。ただ伊佐もまだ太ももに大きなサポーターを巻いてるし、好事魔多しだよ。とにかくケガなく。茂平、野嶽の新戦力も引き続き躍動中。特に茂平はこの3試合ですっかり魅了された。本当に良い選手だなぁ。前節の記事でゲーム体力が、、みたいなこと書いたけど、出産に立ち会った翌日の試合だったんだね。今日は最後までフルパワーでボールホルダーを追い回してたし、ますます頼もしくなってきた。ただ背番号と背格好から後ろ姿がまだどうしても最初に新太かなと思ってしまうので、もっともっと目立って大分の16番を茂平のものにしてほしい。


栃木のGK藤田和輝は新潟アカデミー出身で新潟からの期限付き移籍中。栃木はオビ・パウエル・オビンナをマリノスから複数回にわたりレンタルする等、GKを自前で育てようという狙いは全くないようだ。藤田は高卒5年目で本間至恩と同期、5年目なので今日ゴールを決められた奎汰とも同い年になる。
2018 Jユースカップ 時之栖セントラル開催 - Triority(トライオリティ)

2018 Jユースカップ 時之栖セントラル開催 - Triority(トライオリティ)

個人的にユース年代の大会がセントラル開催されるのがたまらなく好き。全国大会感があって好き。だからクラ選が好きだし、Jユースカップも3回戦まで上がってくると毎年時之...

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アカデミー時代は大分アカデミーとも対戦があり、この時は大分が負けている。トップ昇格が決まった直後の奎汰は欠場だったけど、この試合で本間至恩以上に印象に残ったのが藤田和輝だった。昨シーズンの岩手の野澤大志ブランドンもそうだけどGKが経験積みに下部リーグに流れていくのは必然だと思うけど、そんな中で高卒3年目で入団したクラブの定位置を掴みつつある西川幸之介は本当に素晴らしい。今日も9分に引っかけられそうなところで蹴り出すのではなく意地でも繋いだところにその気概を見たよ。


今日の試合で藤本のディフェンス能力がかなり向上していることにふと気が付いてしまった。昨シーズンはケガで離脱するまでは大分のストロングサイドは藤本のサイドだった。ただそのまばゆいばかりの攻撃力のトレードオフとしてディフェンスのザルっぷりは目を覆いたくなるようなものばかりだった。一生懸命にやっていることを伝わってくるもののなかなか改善しないうちにケガで離脱。そして大分のストロングサイドは健太のいる右サイドに移っていき今にいたる。抜群とまでは言わないものの少なくとも穴になるようなことはなく、昨シーズンよりは安心して見ていられる。奎汰も香川も良いプレーを見せている現状、藤本のポジションだって安泰じゃない。結果だ、結果。頼むぞ藤本。


昨年、23年シーズンのJ2クラブ全てが確定した時点でおそらく一番難しい試合になるだろうと予想したのがアウェイ清水戦だったんじゃないかな。その試合がまさかこちらが勝ちっ放しの首位で、清水が14位とは想像もしなかっただろうな。ただ14位とはいえ、まだ負けなしで失点もわずかに1。選手の能力を考えても簡単な試合になることはない。久しぶりに楽しみな日本平になることだけは間違いないし、早速順位を争っているヒリヒリ感を感じられる試合になるでしょう。
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開幕連勝スタート(2節東京V戦)

2023-02-27 23:10:48 | マッチレポート23'
開幕連勝スタート。何と甘美な響き。苦しい展開ながらもまたもしぶとく勝ち点3をモノにした。


まずは対戦相手のヴェルディから。開幕節はホームで金沢に勝利。1-0ながらも昨シーズン終盤の好調を裏付けるような内容だった。千葉や京都の陰に隠れがちだけど、ヴェルディもJ2歴が本当に長くなった。「首都東京に本拠地を置く」「同エリアにライバルがFC東京しかいない(モタモタしてるから町田に抜かれちゃったけど)」「日本屈指のアカデミー組織」もうこれ並べるだけでなぜ強くならないのかがいつも疑問に思うクラブ。個人的にはまあまあ好きなクラブで、例えばチャントとかすごく好き(特にカモンヴェルディの中毒性がたまんない)。だけどなぜ強くならないのか?これはもうクラブに「野心」が足りない。これに尽きるんじゃないかなと思う。あれだけの才能を泉が湧くかのごとく輩出し続けるところだけは本当に尊敬する。




コロナ初年度でサッカー観戦がほとんど出来なかった2020年。そのわずか数試合の大学サッカー観戦の中で印象に残ったのが昨日の試合は右サイドで存在感を放っていた河村慶人だ。開幕節も1トップで先発、後半から右サイドに動くと見事なクロスで決勝点を演出。速さやキレよりは重厚な推進力が魅力だったので意外な起用法だとも思ったけど、サイドでもけっこうハマっていた。ヴェルディの大卒戦略もけっこういいなと思っていて、特Aクラスは狙わずも佐藤凌我(→福岡)や加藤蓮のような当たりを引いてきている。河村慶人にいたってはずっと2部だったしね。ケガで出遅れているけど、関西学院大から加入したルーキーの山田剛綺はかなりやると思っている。昨シーズンの関西大学リーグで一番強烈な存在感を放っていた。あと谷口栄斗もステップアップ移籍する可能性が高いと見ている。こうやって書いてるとホントに何でヴェルディって強くならないんだろうね....


対戦相手について書き過ぎたので試合本体に話を戻す。90点の前半、60点の後半。こんな感じの採点かな。大分もヴェルディもどちらも開幕節ほどは前からの圧力を出さなかった印象。ただこれは出せなかったのかもとも思っている。開幕節の記事でも触れたけど、徳島戦ではデルラン→司への良い縦パスが数本あった。そしてヴェルディ戦でもペレイラ→ノムの良い縦パスが同じく2〜3本通っていた。相手のプレッシャーラインをスパッと切り裂くように前線へと送られる縦パスは有効だった。ただゴールへ直結していたかというとそうでもないんだけど、少なくとも前プレ回避に対しては大きな効果があったと思う。そしてそれゆえの前半の優勢だったんじゃないかと考えている。


開幕節よりもさらに良かった茂平。徳島戦ではちょっと怪しいかなと思っていたクロスの精度もこの試合では抜群だった。特に11分の自陣でボール奪取→ドリブルで長い距離を上がって→ファーへ可能性のあるクロスを供給。このプレーは最高だった。今シーズンは藤本のサイドがストロングになるだろうと思っていたけど、これだけ茂平のサイドがやってくれたら対戦相手も藤本対策ばかりに労力を割いていられなくなるのでチームへの波及効果を考えても茂平の存在は大きい。ただ躍動した前半から一変、バテたところにエネルギッシュな加藤蓮をぶつけられてかなり苦労していた様子だったのでゲーム体力の向上もしくは分業制による90分を通しての質の向上はもう少し求めたい。


そして藤本一輝。ゴールに関してはよく詰めてたね程度の評価だけど、一番良かったのはやはり31分の決定機に繋がった仕掛けだ。右SBの6宮原とCBの3谷口の2人を引き出して中を手薄にさせてからの精度の高いクロス。これが藤本のサイドがストロングになるという期待に対する100%回答だし、昨シーズンの健太越えも期待させてくれるものだ。ゴールにならなかったのはマテウスをほめるしかないけど、ああいうプレーを1試合に何回出せるかが藤本の評価バロメーターだと思う。もっともっとやってほしいし、やれるはず。ちなみにJ2のすごい外国人GKは徳島のスアレスという先入観だったんだけど、2週連続で対戦して思ったけどマテウスの方が遥かにすごいな。ビッグセーブもだけど9分の鋭いフィード、47分の遠くへ大きいフィードどちらも素晴らしかった。CKであんなにドフリーにさせちゃうDF陣にマテウスはぶち切れてもいいんじゃないかな。31分の2本のセーブは実質マテウスが1点決めたようなもの。


開幕節で上々の動きを見せた安藤だったけど、どうやら直前でのケガということでメンバー外。開幕節でベンチだった上夷がそのまま3バックの真ん中に入った。上夷はとても良かった。開幕節の安藤よりも良かったかもしれない。今シーズンはペレイラを真ん中から右に動かしている。これは昨シーズンからずっとやってほしかった配置。ペレイラの良くないところを隠し、良さを存分に活かすには真ん中のディフェンスリーダー的な役割から解放してあげて自由にプレーさせた方がいいと思っていたけど、その通りになっている。デルランとペレイラがしっかりとはね返せるので真ん中に求められるのはラインコントロールなどの読みのセンスや能力、そしてカバーリングあたりになるかな。この2人に坂、刀根を加えた4人が候補となると思うけど、ポジション争いはまだまだ分からない。今シーズンヴェルディの補強の目玉らしいマリオ・エンゲルスの抜け出しに完璧に対応した73分の上夷のプレーはしびれた。速い縦パスをまたいで抜け出そうとするエンゲルスに食い付きすぎず、初速でも振り切られず抑え込んだ一連のプレーには上夷の良さが凝縮されていた。ケガでチャンスが回ってきた選手がさらに上のパフォーマンスを見せることこそ好循環の切磋琢磨。


開幕連勝は喜びたいところだけど、楽観出来るほど良い内容ではないところから目をそらしてはいけないと思う。78分にペナルティエリア付近で野嶽が引っかけられてバスケス・バイロンにシュートを撃たれたシーンはJ1では絶対に許してくれない類いのプレー。悪いなりに守れていたとは思うけど、狙った完封とは言いづらい。徳島戦では先制とかPK取り消しとか同点とか流れが変わりそうな局面でも主導権を手放さなかったのが好印象だったわけだけど、この試合はなかなか主導権を再奪取することは出来なかった。5人交代が正式ルールとなってサッカーは変化した。今はそれにチームとしてうまくアジャスト出来ていると思う。加入以来ピークを思わせるキレを見せているノム。ノムがこれくらい出来ることは誰もが分かっていて、それよりも課題は通年稼働なわけで大事に使っていきたい。チームのエネルギーを落とさないという観点から考えてもノムの交代は10分遅い。まあ、改善点を認識しながら勝ち点全取りは理想のシーズンの進め方とも言えるけどね。


昨シーズンは初めてホームで1試合も観なかったのでもうかなり長いことホームスタジアムには足を踏み入れていないわけだけど、ホーム参戦のことを思い返すとやはり印象的なのはディアマンテスの勝利のうただ。もしかするとどんなチャントよりも印象的かもしれない。試合の余韻にひたりながらスタジアムから出る時、背中の方でかかっているのが勝利のうた。そんなシーンが浮かんでくる。もうそれこそ20年くらい使われているんじゃないだろうか。試合後の勝利のうた生演奏は本当に楽しそうだったし、ああいう誰もが分かる嬉しい歌、楽しい歌っていいよね。あの映像を見て久しぶりにホームスタジアムに行きたくなった。
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劇的決勝ゴールで新シーズン開幕(1節徳島戦)

2023-02-19 22:34:38 | マッチレポート23'

あけましておめでとうございます。

アウェイで先制して、追いつかれて、ATにコーナーキックから決勝ゴール。まんま2017年の開幕戦@レベスタでしたな。





開幕戦の楽しみと言えばまずはメンバーが読めないところ。いつもよりも20分以上発表が遅延したのも含めてドキドキ、ワクワク感は増した。まずは西川幸之介のリーグ戦初先発。高木がサブに入っているところを見ると、代役ではなくポジション争いに勝ったと考えてよさそう。1失点はしたものの初先発で初勝利。おめでとう!少しバタつくシーンもあったけど、今日も鳴門はピッチを斜めに横切る強い風が吹いていて難しいコンディションだったからそこは考慮してあげないといけない。絶え間なくコーチングの声を響かせていて新しいDFラインを後ろからサポートした。テイシェイラも気になるところだけど、しばらくは結果を出した選手が使われるべき。失点シーンはかき出すのではなく上に逃げたかった。



三竿が抜けた穴を埋めることが期待されるデルラン。決勝点のヒールパスはおまけとして、デビュー戦としては無難にこなしたんじゃないだろうか。前半に何度か相手のボランチ脇に入り込んだ司に良い縦パスを通していたけど、縦パスの質は横からじゃなくて縦位置で見ないと分からないからまた今度確認したい。高さはやはり武器で森海渡にほとんど何も仕事させなかった。イエローもらったシーンのように行っちゃうとキャンセル出来ない感じはペレイラに通ずるものがあるけど、まずは期待が持てるという印象だった。



DFラインの真ん中を任されたのは同じく新加入の安藤智哉。こちらも大きな穴は開けず無難にこなした印象。今日はボールが外を回るポゼッションがほとんどだったのでボランチを絡めた厚みのある攻撃はあまり出来なかった。もっとボールを持ちたいゲームプランを選択した時にどうなるかはもう少し見てみないと分からないかな。



開幕戦で先発した新戦力最後の1人は10年以上の放流期間を経て、遂に母なる川・大分トリニータにカムバックサーモンした茂平。ポジションは井上健太の抜けた右WB。後半は目の前で見ていたんだけど、対面の選手のファールを何度も誘発させてうまいなという印象だった。ただ長めのクロスの精度には課題が残りそうで、スピードでぶち抜くタイプでもないからもっとシャドーやボランチの選手と連携して狭いエリアを打開するのに長けてそうだと思った。これも良い補強。



新シーズン驚きのコンバート筆頭は野嶽でしょう。健太が抜けたこともありそこのポジション争いを期待されているのかと思いきやまさかのボランチ起用。良いところも悪いところも両方出た感じ。野嶽についてはディフェンスに不安が残るものの縦に行く時の迫力は面白いものがあると思っていたので、このコンバートが果たしてベストな選択なのか。個人的にはボランチは将輝、保田、羽田の3枚を軸に回していってほしかったが、どうなるだろうか。



結果も内容も全てを背負える選手に。そこそこじゃなく、圧倒的であってほしい。



「ノムゾーン」と化しつつあるアーク付近。他でもないノムに決められてガックリきてる徳島サポーターを見て、「分かるよ、その気持ち」と声をかけてあげたかった。





メンバー表を見て、攻撃のカードが手薄だなと感じていたことをここに正直に懺悔いたします。大変失礼いたしました。リーグ戦初ゴールおめでとう。長沢やサムエル不在の理由は分からないけど、結果を出し続ければ必ず起用され続ける。素晴らしいゴールを決めた後だからこそあえて言っておきたい。前プレの迫力では伊佐先輩に圧倒的に負けている。スタメンを勝ち取りたいならあの伊佐の気迫を盗んでほしい。





見よ、この気迫。これが伊佐耕平だ。少しおっかなびっくりだった昨シーズンの姿はもうない。大分10年目。今シーズンも伊佐と戦えることが幸せ。


試合に関してはあまりポジティブな印象はなく、チームの方向性も感じ取ることは出来なかった。どちらかと言うと徳島がより自分たちのやりたいことを出せず、シンプルに強度を意識したうちが少しだけ上回ったのかなというレベル。ただ流れの中からも、セットプレーからもゴールが生まれていることは好材料だし、何よりも決して良い内容でないにも関わらず勝ち点3をアウェイから持ち帰ってくることが出来たのがとてつもなく大きい。



徳島のラバイン新監督。35歳で初めての日本、初めての監督業。クラブとしてのスペイン路線継続の強い気持ちが伝わってくるような人事だけど、少々ギャンブル感が強いような。今日は右サイドのオリオラ・サンデーが完全に穴だったわけだけど、あれを90分引っ張った新監督の意図はどこにあったのか。うちとしては整理されてくる前に勝ち点3をいただけてラッキーだったと言えると思う。





柿谷の徳島帰還初戦。やはり随所にうまいなというプレーを見せるものの、スペシャルなピースになるほどではないかなと感じた。


阿波踊りと柿谷曜一朗。



現地では当然のことながらハンドかどうかは分からないわけだけど、NHKの映像を見たら完全にハンドだった。これ相当まずいと思うよ。いったん自分で判断したジャッジを抗議されたことで覆した。VARのない試合なんだから見えたものでジャッジすればいい。抗議されたことで見えてない事象をジャッジしてしまったことは相当まずいと思うよ。抗議すれば何とかなるかもしれないという悪しき前例を作ってしまった罪は重いよ。勝ったからいいようなものの、レフリーのレベルの低さをまざまざと痛感した一件だった。主審を全員で取り囲んで抗議した徳島に対して、キャプテンのみが冷静に抗議した大分に「しつけーよ!」とメインスタンドから叫んだ徳島サポにはさすがに苦笑を禁じ得なかった。





後ろ姿しか撮れなかったけど、懐かしい面々と再会したハセです。


ということで開幕戦にして自宅から一番近い試合が終ってしまった。残り41試合全て自宅から200km以上離れたところで開催されるという絶望感。今日のような結果で少しでもこの絶望感を和らげてもらえると幸いです。今年も長いシーズンが始まった。
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去りゆく選手たちに感謝を〜2023〜

2023-02-15 20:30:07 | トリニータ
先週まで家族のクソデカライフイベントがあったためここ数ヶ月つぶさにサッカーが追えてなかったんだけど、そのライフイベントも無事に終わったためやっと生活も平常運転に。今シーズンの大分トリニータについてはプレシーズンを全く把握しておらず、いま必死に遡って諸々をチェックしている。ざっくり言うと予想していたよりも遥かに良いメンバーが残ったねという感想。開幕までにもう一記事くらい書きたいところだけど、今日は毎年の恒例で書いている昨シーズンで退団した選手への惜別記事。2ヶ月くらい遅いけど、ずっと継続しているので何としてもこれは書いておきたい。


背番号の若い順で。

三竿雄斗
入団初年度の序盤を除くと在籍4シーズンほぼフル稼働。ケガ持ちという触れ込みで入団してきた選手がまさかこれほどタフに稼働し続けるとはその頃は想像も出来なかった。人を使うのがうまく、人に使われるのもうまい。個人的にも文句なしで昨シーズンのシーズンMVPに挙げた通り、もううちでキープしておける選手ではなかったことは明らか。残念だけど、降格したし昇格にも失敗したんだから仕方ない。三竿自身が抜けてしまうのはもちろん痛いけど、その三竿から同サイドでサポートを受けていた選手、特に藤本と奎汰が今シーズンどう変わるかは密かに注目しているポイントだ。藤本はもっと前目に位置するかもしれないので少し外れるけど、奎汰については三竿から直接の「薫陶を受けた」と言ってもいい間柄だと思うので頑張ってほしい。三竿さんはコロナ前の2019年シーズンにおそらくトリニータの選手としては10年ぶりくらいに直接サインをもらった選手で勝手に親近感を持たせてもらっていた選手。同じく2019年シーズンのパナスタでのアウェイガンバ戦の試合前には三竿さんのシュートに自分の太ももを直撃してもらったり(変態の観点)と特別な選手だったので、覚悟はしていたけど本当に残念。ただ残りのキャリアを考えたら移籍するのは当然。サンガスタジアムは近いからスケジュールがあえば今シーズンは三竿さんを観に行ってみようかな。



小林裕紀
退団、そして引退となったわけだけど発表のタイミングを見ても本当は現役を続けたかったんじゃないのかな。大分サポーターの中でもけっこう評価が高いと感じていたけど、個人的にはいつもボランチの4番手くらいとして見ていた。試合の記事でも何度か触れたことがあるけど、個人的な印象としてこの頃のサッカーにおいて「うまい」という要素の重要性が下がっていると感じる。「速い」「強い」「高い」という要素の方が重要視され、「ファンタジスタ冬の時代」に突入していると思う。もちろん小林裕がファンタジスタというプレースタイルだったわけではいけど、「うまい」が特徴だった小林裕をチームの中に組み入れるほどの余裕がここ2年ほどの大分トリニータにはなかったというのが正直な感想だ。指導者の道に入るということだけど、こんな印象を一蹴するくらいのスーパーファンタジスタを育成してほしいと思う。



下田北斗
北斗移籍の報を聞いて伊藤大介が岡山に移籍した時のことを思い出した。シーズン終盤にチームが大目標を掴むためにスタイルを強度に全振りした影響で重要な試合でメンバー外。それだけが要因ではないんだろうけど、そのまま移籍してしまったかつてのボランチの決断と今回の移籍の印象は重なるところが多い。なお、伊藤大介に見限られたクラブの翌シーズンの結果はと言えば。。。 北斗の出来とチームの調子が連動していると思うことが多かった。だから北斗を中心に据えたチーム作りをしてもいいんじゃないかくらいに北斗のことは評価していたんだけど、なかなかうまくいかない時期が必ず訪れてそしてその時期が長いなというのがいつも気になった。降格のシーズンと昇格失敗のシーズンにしか在籍していなかったので、これから先あまり良い思い出として残る選手ではないんだろうけど、個人的には好きな選手だったし、もっともっとやれる選手だったと思う。試合前のピッチ内アップで1人だけ先にユニフォームに着替えているのと、全員が引き揚げても最後までコーチ相手にトラップのフィーリングを確かめている姿が印象的だった。1シーズンで直接FKを3本も決める選手なんてしばらく出てこないだろうね。今シーズンは重要な局面で対戦することもあるかもしれないけど、絶対に負けないぞ。




伊東幸敏
小林裕と同様に退団、引退となった模様でまだまだ全然出来そうだと思っていたけど何かやりたいこともあるみたいだね。伊東退団についてシーズン中にチームが4バックから3バックに変更したことの最大の被害者みたいな意見を多く見かけて同情的な雰囲気を感じたけど、それはちょっと待ってくれと言いたい。シーズン中はおろか試合中ですら「可変」が当たり前の現代のサッカー界においてスタートの布陣が変わったからポジションを失ってしまうような選手はハッキリ言ってそれまでの選手だよ。昨シーズン伊東がうまくいかなかったのはやはり何度もケガしてしまったことだと思うし、前述の意見って同情しているように見せかけて選手の能力を全く信頼していないと思うよ。入団前に千葉サポの兄にどんな選手か聞いたところ「(千葉在籍中は)ケガばっかだったからよく分からない」という答えだった。結局大分在籍中も似たような印象で、そういう意味では引退を早く決断したのも良い選択だったかもしれないね。



小出悠太
J1参入プレーオフ敗退からわずか2週間半での移籍発表。昇格出来なかったら移籍という前提でもう試合の時点では移籍交渉は始まってたんだろうなと思う。不器用ながらも力強い推進力を全面に押し出すプレースタイルは中毒性があった。大学時代に何度も見ていた選手だったので加入が決まった時は嬉しかったし、そして期待通りのプレーぶりだった。ただレギュラー張れるだけの力がありながら出場機会が十分じゃなかったのは不満だったかもしれないね。特に昨シーズンは必要以上に選手層が厚かったからね。プレー選択に迷いがなく、答えは早く出してダメなら何度でもやるというスタイルは見ていて分かりやすかった。最終ラインから何度も最前線まで顔を出したし、サイドからのアーリークロスの数も多かった。ボールを大事にしたい監督からすると少し使い勝手は悪かったのかもしれないけど、本当に良い選手だったと思う。千葉のジュニアユースから市船、明治大、そして移籍初年度から仙台のキャプテン就任とフットボールの経歴はスーパーエリート。今シーズンは間違いなく嫌な相手になりそうだ。



井上健太
智輝に続いて諸手を挙げて「いってらっしゃい!」と送り出せる気持ちの良い移籍。もどかしい時期があったことは間違いないけど、自らの努力でそこを乗り越えたのが手に取るように分かったからこの決断は心の底から応援したい。まだ特別指定の発表もなかった時期に突然さんぺーのインスタに登場した時は何事かと思ったけど、あれからあっという間だったね。大分も狙っていたと言われている藤井智也と井上健太の2人が21年入団注目の爆速サイドアタッカーだった。その2人がまた同じタイミングでステップアップ移籍(広島→鹿島がステップアップ移籍なのかという議論はいったん置いておいて)したのは現代のサッカー界がこのタイプの選手をより重宝するようになってきている何よりの証だと思う。ソン・フンミンや三笘薫がシンプルにスピードでプレミアリーグのDFたちを切り裂いていて、アジア人のスピードスターが注目されている昨今。健太にもまだその先があるぞと期待してしまう。勝てはしなかったけど、西部緑地で見た圧巻のパフォーマンスはずっと記憶に残り続けると思う。健太、そこで終るなよ!



エドゥアルド・ネット
大活躍することはないだろうけど、そこそこはやってくれるんだろうなというシーズン前の期待感そのままだったなという印象。仙台戦の直接FKがピークだろうなという予想もその通りすぎて少しつまらなくもあり、哲平さんの焦りも感じられるような移籍だったなと思う。入団時からあまりポジティブな印象が持てなかったのは「J経験が豊富なベテラン外国籍選手」って多分これからの大分トリニータには最も適していないカテゴリーの選手だと思うからなんだよな。確かに仙台戦の直接FKも町田戦や金沢戦の縦パスもすごかったんだけど、それを得るために犠牲にしている部分が多くて「そうじゃないでしょ」感が強かった。年齢を選手選考の基準にするとカズに怒られてしまうけど、ネットを使うなら弓場将輝だし保田堅心だ。奨励金が支給される今シーズンはなおのこと。昇格に本気だった哲平さんの気持ちも分からなくはないけど、今後はこの類いの移籍は控えめにしてほしいと思う。



小林成豪
19年シーズンの2ゴールがあまりにも鮮烈で、あまりにも印象的だったからいつまでもずっとその影を負ってしまったような感じかな。そして22年シーズン序盤はあの時の成豪の輝きを思い出させてくれるような躍動感だったんだけど。。。だからこそ何度も何度も成豪に立ちはだかったケガという壁が憎くて仕方ない。生粋のコミュニケーション下手というキャラクターがまた愛すべきポイントだったと思う。三竿さんと離ればなれになってしまって大丈夫なんだろうかと心配になってしまう。山口移籍は成豪の選手としての価値を考えたら当然だとは思うけど、また1人嫌な選手を同カテゴリーに放ってしまった感が強すぎるんだよ。






呉屋大翔
選手の順番は恣意的なものではなく背番号順なんだけど、ここでも成豪と呉屋の両雄並び立つ感なんなんだよ。呉屋の加入が決まってすぐに元徳島ヴォルティスの井筒さんによって明かされた流血喧嘩事件。もう笑って流せるだけの時間が経ったんだろうけど、その頃のことを考えたらこうやって成豪と呉屋が一緒にプレーするところを大分で見ることが出来て何だか得してしまったように感じるね。1年半の在籍で随所にそのポテンシャルの高さを見せてくれたけど、昨シーズンの使われ方なら移籍するだろうなと覚悟はしていたので驚きはない。エースストライカーとして辛抱も交えて使い続ければ絶対に結果は残すだろうなと確信しているので、シンプルに大分トリニータの呉屋の使い方が下手だったと思う。移籍先の千葉ではそういうような迎え方で9番を託され、早速ちばぎんカップでMOMを獲得した姿を見るにつけその思いは強くなるばかり。ルヴァンを見据えて2チーム編成にしなければならなかったという事情もあるのだろうけど。悔しさで唇を振るわせながら、「はいはい呉屋呉屋」と言わなければならないシチュエーションにならないように大分のDF、GK陣には頑張ってほしい。



増山朝陽
健太とは全く違うタイプながらも期待感のあるサイドアタッカーでこの先も一緒に戦いたい選手だっただけに残念。決してキレがあるわけではないので対峙するDFとボールを巡ってガチャガチャっとなることが多いけど、なぜかボールを持って前に出ているのは朝陽というシーンを何度も見た。ああいうのってDFからしたら本当に嫌だろうし、どんどん仕掛けるべきとずっと思ってた。朝陽の移籍が残念だと思う一方で何となく納得感があるのも事実。言葉にするのは難しいんだけど、一つの場所に留まらなそうというか、気の向くままに仕事場所を決めそうだなという印象を持っていたから今回だけでなく今後も転々と職場を変えそうだなとも思ってる。



金崎夢生
夢生の復帰の報を聞いた時は最初は信じられなかった。これまで数多くの復帰移籍があったけどそういうことを一番しなそうなタイプだと思っていたから。だから本当に嬉しかったし、これが昇格へ向けての最後のエンジンになるかもしれないと本気で思った。もう10年以上もブランクがあるはずなのに「そうそう、夢生ってこういうプレーするなー」と懐かしくなるようなことも多々あった。ただ冷静になるとなかなかチーム戦術にフィットしないなと感じることが多くなってきて、特に1トップで起用される時は明らかにハマっていなかった。長沢もサムエルもいない時にやむなく1トップで起用されるのであればまだ理解も出来たけど、そうでない場面でも1トップで起用され続ける状況を見て疑問に感じざるを得なくなってきた。個人的には移籍交渉の中に出場契約が盛り込まれていたんじゃないのかなと思ってる。実際に加入以降リーグ戦、参入プレーオフ全ての試合に出場した。期待にあふれた移籍だったはずだけど、参入プレーオフ熊本戦最終盤の乱闘騒ぎには心の底からガッカリしたし、こんな形になるのなら哲平さんも復帰にこだわることはないんじゃないかなと思う。直近なら周作とキヨ、少し先なら智輝と期待したい復帰はたくさんあるけど、「カムバックサーモン」ばかりがいいことではないと思い直すいいきっかけだったかもしれない。



吉田舜
クマガヤ→前橋育英→法政大と小出悠太に勝るとも劣らないくらいのフットボールエリート街道を歩んできた吉田舜がついに地元のビッククラブからオファーを受けるまでに成長した。育成年代でもずっと主力としてやってきてプロデビューの群馬でもルーキーイヤーに全試合出場。初めての挫折が大分だったんじゃないだろうか。大分加入3年目の昨シーズンついに出場機会を掴み、そしてチームを連勝街道に乗せた。ただそうは言っても結局出場したのは11試合のみ。J1のクラブが声をかけるだけの数字ではないわけで浦和が以前から注目していたであろうことは容易に想像がつく。立ちはだかるであろう壁が大きく高いことは分かりきった上での決断だろうし、その心意気やよし。改めてJ1でのレギュラー獲り、頑張れ!




怜さんはどうしようかな。レジェンド枠だし別記事でもいいけど、完全にクラブから離れるわけでもないし。まあ引退の時に10年分の思いを書こうかね。さあ、開幕まであと4日。今日は開幕直前恒例のお楽しみ・選手名鑑の読み込みでもするかね。
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2022年のサッカー

2023-01-05 18:56:57 | トリニータ



本当は毎年大晦日に書いている自分向けの備忘録的記事なんだけど、今年は単身赴任先から自宅へいつも観戦記録をつけているカレンダーを持って帰るのを忘れてしまったため年を越してから書くこととなってしまった。


現地(スタジアム等)観戦数 45試合(前年比+5試合)
映像(テレビ等)  観戦数 170試合(前年比+74試合)



観戦記録の中で今年のトピックと言えばやはりコロナ以降初のクラ選復活でしょう。U-18もU-15も今年は3年ぶりに観戦することが出来た。特に久しぶりの帯広で観るクラ選は感慨深さすらあった。プロ以外の大会や試合も徐々に制限がなくなってきて自由に観戦が出来るわけだけど、それよりも個人的な都合として土日休みじゃないためにかなり絞り込まないと観たい試合が観られないジレンマがある。一昨年、昨年と徐々に観戦数は増えてきてはいるけど、一番多かった頃と比較するとまだ3分の1程度。ずっとこの職場にいるわけじゃないので今は我慢だけど、早くコロナも終息して週末が休みの職場に戻って気兼ねなくサッカー観戦がしたいもんですな。


ちなみに大分トリニータトップチームの観戦数は13試合。リーグ戦に限定すると10試合と大分を応援し始めて20年になるけど多分最も少なかったシーズンじゃないかなと思う。理由はシンプルで近場で試合がなかったことと、時間をかけてまで観にいこうという気持ちにあまりならなかったこと。今シーズンはどうなるでしょうか。


【ベストゲーム】
昨シーズン現地で観た45試合の中からベストゲームを選出。

2022年11月13日 J1参入決定戦 京都サンガ(1-1)ロアッソ熊本

2段階昇格まであと一歩どころかあと10cmまで迫った熊本は間違いなく昨シーズンJ2の話題の中心だった。最後までやってきたサッカーを貫いてあと10cmまで迫ったことは本当に誇っていいと思うし、決定戦も最高に痺れる試合だった。ただその後予想されたほぼ最悪のシナリオと言っていいくらいに主力選手が流出した。自分のスマホに決定戦最終盤のCKからの一連の流れが映像として残っている。あのポストを叩いたシュートが吸い込まれていたらどうなっていたのだろうかということは熊本サポーターではない自分でも思う。熊本が本当に試されるのは今シーズンだね。次点は11月にパナスタで開催されたU-18大阪ダービー。両軍合わせて8ゴールが飛び交う大味な試合だったけど、試合を包み込む雰囲気が選手を限界以上に走らせるという最高の試合だった。


新シーズン開幕まであと50日ほど。高揚感はまだ皆無だけど、うだうだしてたら開幕もあっという間だ。次も恒例の惜別記事。

今年は久しぶりに海外遠征も行きたい。



※冒頭の写真は特に意味はなくて、何となく昨年撮った中でお気に入りの一枚。目線とか、ユニの配色とか、ピッチの向こう側の光景とか、育成年代の試合らしさが凝縮した一枚だと勝手に思ってる。
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2022年はトリニータ宇佐にとって記念すべき1年に

2022-12-11 00:33:11 | トリニータ

中学年代冬の全国大会である高円宮杯U-15に行ってきた。開催会場が群馬県、大阪府、山口県に分散するという日本でも屈指の観戦者の体力と財力を削りにくる大会だ。今年はめでたくトリニータ宇佐がクラブ初の全国大会出場を決め群馬会場に割り振られたので、7月のクラ選 U-18以来2度目の群馬遠征に行ってきた。関西から車で群馬入りのルートを調べると、名神と中央道で諏訪湖まで行ってそこから下道で旧中山道沿いに2つ峠を越えてまた佐久から上信越道、関越、北関東自動車道というルートが最短だと出てくる。確かに東京を経由したり長野市内を経由するよりは早いと思うんだけどこれがなかなか遠い。夏は泊まりで行ったからいいけど、今日は1日しか休みがないので朝の4時に出発してきっちり2試合だけ観戦してトンボ帰りで23時着。ひたすら運転しっぱなしのしんどいスケジュールだった。





夏のクラ選と比較すると順調に出場権を確保出来る大会ではあるものの戦績となるとなかなか厳しい。奎汰の代が1勝したのを最後にその後は全て1回戦敗退。今年は大分と宇佐の兄弟対決で勝った方が全国大会出場というしびれるシチュエーションとなり見事宇佐が設立以来初となる全国大会出場となったが、残念ながら勝つことは出来なかった。対戦相手のフェルボール愛知は近年メキメキと力をつけている街クラブの筆頭のような存在で難しい相手ではあったもののやはり試合は終始劣勢だった。トップチームの成績が伴わなくなってくると思い出したように「育成型クラブ」という都合の良いフレーズを使い始めるのが大分フットボールクラブの悪いところだけど、来年は本当にいいきっかけとなるシーズンだと思うのでもっともっとアカデミーに投資をしてほしいと思う。全国大会での成績が全てだとは思わないけど、やはり高いレベルの経験を積まないと質の高い選手は育ってこないと思う。今日は浮氣さんも哲平さんも来ていたけど、本当に頼みますよ。































試合は1点差に詰め寄るゴールを2回決めて追いすがるも最後は個の質の高さに屈する形で2−4での敗戦となった。初の全国大会なので緊張するのはやむを得ないとは思うけど、キックオフから10分くらいは音が聞こえてくるくらいにガチガチで相手の速い動きに全くついていけず球際で競る状況すら作れなかった。ほぐれてきてからは随所に戦う良いプレーが見られただけにもう少し早い時間帯から試合に入りたかった。



一番印象に残ったのはボランチの13高橋七皆。ビルドアップ時はサリーダ的に最終ラインに入ることもあるんだけど、キックオフから2プレー目くらいで相手のプレッシングをルーレットでかわすシーンがあってとんでもない度胸だなと思った。右SBの8元木蓮は攻撃時に偽SB的にインサイドに絞って右SHを外にはらせたりと戦術的にも面白いところは見られた。


対戦相手の親御さんからは「宇佐ってどこ?」という案の定すぎるやりとりも聞こえてきたわけだけど本当にクソほどデカい声で「このクラブが今年のJリーグMVPを輩出したんですよ!!」と叫んでやりたい気分だった。まぁしないけど。クラブOBがJリーグMVP、そして初の全国大会出場とトリニータ宇佐にとって2022年は記念すべき1年となった。次は初の全国大会での勝利を目指して頑張ってほしい。コンサドーレ、モンテディオ、FC東京、アントラーズ、マリノス、ガンバ、セレッソ、ヴィッセル、サガンと思いつくだけでももうこれだけのクラブがU-15チームを複数抱えている。中学年代だとやはり近場にないと所属出来ないという選手も多いだろうしこの状況はさらに加速していくと思う。トリニータも大分と宇佐で切磋琢磨して力をつけていってほしい。


結果は残念だったけど、クラブ初の全国大会出場おめでとうございました、そしてお疲れさまでした。
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2022シーズンを振り返って

2022-11-04 23:13:45 | トリニータ
リーグ戦の振り返りとちょこっとだけアウォーズ的なことも。


17勝15分10敗 得点62(リーグ4位タイ) 失点52(リーグ12位)

最多得点者   長沢駿  8ゴール(リーグ21位タイ)
最多アシスト  下田北斗 井上健太 藤本一輝 5アシスト
最長時間出場者 三竿雄斗 3,719分(フルタイム出場39試合)

失点がリーグ中位にもかかわらずチーム得点王がリーグ21位タイというところにこのチームの課題が明確に表れていると思う。データにも表れている通り中途半端な印象だった感は否めず、昇格出来なかった結果は妥当だったということ。


J2リーグで5位という結果は今の大分FC(not大分トリニータ)のクラブ規模を考えると十分な成績だったと思う。ただ今シーズンの場合は色々な注釈を付けて評価しないといけないところが難しいところだ。まずはチームを切り離してクラブの評価。これから来シーズンに向けての新チームの構成が徐々に明らかにされてくると思うけど、果たして2022シーズンのチーム構成が背伸びをしたものだったのかどうかというところが評価を大きく分けるところだと思う。大分FCの財政規模と大分トリニータの目指すべきところを考えた時に常にこのレベルのチーム構成を準備出来る規模まで成長してきているのであれば2022シーズンの5位という結果は評価出来るものであり、受け入れられるものだと思う。焦る必要はないし、来シーズン以降にじっくりと昇格を目指せばいい。ただどうしても懐疑的に見てしまうのは昨シーズンの天皇杯決勝進出やJ1在籍時に結んだ長期契約の選手が多かった等、注釈を付けなければこのレベルのチーム構成を作れなかったのではないかということ。また2021、2022シーズンの2年連続で1億円規模のクラウドファンディング(以下CF)を実施してしまった事実も少し重くのしかかってくる。そしてもっと重くのしかかるのはCFという支援があったにもかかわらず2021、2022シーズンと2年連続で大目標の達成を逃しているということだ。CFがなければこのレベルのチームを維持することが出来なかったのか、それとももう当り前のようにこれだけの選手が呼べるようなクラブになったのか。その答え合わせはそろそろ始まり出す来シーズンのチーム作りに明確に表れてくると思う。だからクラブへの評価についてはいったん保留しておきたい。ちなみに大分サポーターの平均的な懐事情を知るすべなどないわけだけど、「1億円くらいなら毎年CFやろうよ」ということならこんなにも頼もしいことはないからクラブは手放しで頼ればいいと思うよ。






一方で大分トリニータというチームに対しての評価は厳しくならざるを得ない。何度も言ってきているので改めて書く必要もないけど、下平監督の続投は絶対反対

・過密日程
・コロナ
・ケガ人


大目標を逃したにも関わらず下平監督を続投させたい理由って主にこんなところかなと思う。この3つの理由でシーズン前に予想出来なかったことってあるかな?過密日程のシーズンであることはあらかじめ分かっていた。だからクラブはこれだけのスカッドを準備した。ルヴァンカップを捨ててとがめる人がいる?むしろ弓場将輝のような戦力を見つけ出したプラスの側面の方が大きいと思う。コロナは全てのクラブに影響する要因で言い訳にはならない。実際に我々だけ特別に影響を受けたわけではない。ケガ人は確かに多かったと思う。ただ例えばなかなか固定出来なかったポジションとしてセンターフォワードと右CBが挙げられると思うけど、本当に選手が足りないと思う局面ってシーズンの中であっただろうか。

〈センターフォワード〉
呉屋22試合 長沢14試合 サムエル12試合 夢生3試合 合計51試合

〈右CB〉
上夷21試合 坂13試合 小出7試合 合計41試合

それぞれのポジションで先発した試合数。センターフォワードについては1枚の時もあれば2枚の時もあったので合計51試合の占有率が1シーズンの中でどれだけだったかは正確には出せないけど、冒頭に書いたチーム得点王の長沢がリーグ21位タイにもかかわらずチームのゴール数だとリーグ4位タイなのはもうそれだけで選手層の厚さを証明している。さらに右CBについてはどこのJ2クラブだろうが欲しがるであろう上夷、坂、小出で42試合中41試合のスタメンがカバー出来ている。アウェイゲームの際の実況、解説、さらには対戦チームの監督から何度も発せられた「大分は選手層が厚い」というコメント。一番印象的だったのは最終節の琉球戦の実況だったあったゆういちさんが後半に話した「大分のサブメンバーは見ていてワクワクしますね」というコメント。新太、呉屋、夢生、ネットと続々と途中投入される豪華な面々を見て、いったん実況という立場は忘れていちサッカーファンとしての偽らざる気持ちだったと思う。もちろん下平監督自身が言っているわけではないけど、これだけのスカッドが準備されていて「ケガ人が多かったので目標達成出来ませんでした」なんてぬかそうもんなら本気でぶん殴りたい監督はJ2にはごまんといると思う。だからケガ人だってリーグ内で見れば恵まれていた方じゃないかな。


あらかじめ分かっていて準備も出来た過密日程やコロナなんてそもそも言い訳にならないし、唯一不測の事態と言ってもいいかもしれないケガ人の多発に対してもクラブは十分な準備をした。にも関わらずシーズンを通してただの1度も自動昇格争いに絡めなかった下平監督の手腕には疑うべきところがあまたとある。申し訳ないがこのスカッドを預けて5位フィニッシュでいいのであればやれる、やりたい監督なんていくらでもいると思う。クラブの評価の部分でも書いたけど、毎年安定的にこのレベルのスカッドが準備出来るのであればゆっくりとチーム作りをすればいいし下平監督でもいいと思う。ただ来シーズン以降そうでない可能性が高そうだと思うからこそ、下平監督のままでいいのかという評価になってしまう。

そう思う一方で残念ながらこのクラブが下平監督以外の選択を出来るほどしたたかでないことも経験上分かっているので諦めてはいる。来シーズンサクッと自動昇格するようなら土下座だってするし、下平監督が大分にいる限りは大分方面に足を向けて寝ないようにするよ、させてよ。


ここからは選手にフォーカスしてアウォーズ的なものを。大目標が達成出来なかったシーズンはあんまり気が乗らないわけだけど、素晴らしい働きだった選手もいるので。

Player of the Season 三竿雄斗
(もういるのが当り前であまり撮っておらず良い写真が見つからず。三竿さん、申し訳ない)

もうここは鉄板。シーズン後半の健太とかもまばゆい輝きだったけどやはりリーグ戦全試合スタメンは立派。ケガをしない体作りとプレースタイル、カードトラブルのないクリーンな姿勢、指揮官から勝ち取った信頼。簡単に出来ることじゃないよね。攻守にわたる個のレベルの高さは言うに及ばず、人の使い方と使われ方が抜群だと特に今シーズンは感じた。奎汰、藤本、香川、朝陽とケガがあったりでなかなか左WBが固まらなかった今シーズン。ただそれでも左サイドが穴にならなかったのは三竿の後方支援があったからだと思う。特に成長著しかった藤本については、おぼつかなかったディフェンスをカバーしてくれた三竿の存在があってこそだと思う。


Goal of the Season 高畑奎汰 第13節アウェイ千葉戦



あえて全てのゴールを見返さずに印象的に思い出したゴールから選んだ。町田戦のサムエルのロケットも横C戦のノムの弾丸も良かったけど、やっぱり生で見たということと奎汰が一皮むけた試合だったというポジティブな思いが乗っかるこのゴールになるかな。大学経由なら来シーズンが新卒1年目のシーズン。ここからは成長期待込みの評価はしない。誰もが認める大黒柱になってほしい、あんなに素晴らしいシュートが撃てるんだから。


Young Player of the Season 弓場将輝








初めて将輝を見た試合での涙と一番最近の試合での涙。育成年代大好きおじさんからするとこういう成長物語が本当にたまらない。一つのクラブを追いかける醍醐味はアカデミーにあると言い切っても過言じゃない。将輝の成長があったから今シーズンは不甲斐ない試合を見せられても耐えられたようなもん。本当に何度でも言うけど、「将輝はオレが育てた」し、絶対に「私をパリに連れてって」。



ということであと60日弱もあるけど今シーズンの大分トリニータに関する記事の投稿はこれで最後かな。アカデミー関係で何か試合があればまだ書くかも。個人的な感想としては2015年シーズンに匹敵するくらいつまらないシーズンだった。主な原因は下平監督。まあどうせ来シーズンも下平監督だろうけど、下平監督は自己プロデュースも含めて自己分析力を高めることをおすすめしますよ。冷静な分析が出来ていないから言葉が軽く感じるし、余計なことまでしゃべる印象がある。結果が伴えば何の問題もないレベルの話かもしれないけど、勝ち点が18も足りなかったことについてしっかりと考えて来シーズンの構想を練ってくださいよ。


おそらく大きな転換期を迎える来シーズンは難しいシーズンになる。予測しやすかった今シーズンよりも遥かに難しいシーズンになる。本当に下平監督でいいのか(しつこい)....
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終戦(J1参入プレーオフ1回戦熊本戦)

2022-10-31 02:06:30 | マッチレポート22’
4月30日にフクアリでの勝利以降、結局1回も現地で勝利を見ることなかったな。





プレーオフ初戦で敗退。今シーズン終了となった。





ゲームプランは自分が考えていたものとほとんど同じだったように思う。自分が予想していたよりも思いっきりそっち方面に振り切ったのとあとはちょっと暑かったのも影響があったかなと思う。





ロングボール中心にするのにあたって長沢かサムエルの先発は必須と書いた。しかしふたを開けてみたら先発は何と伊佐。確かによく考えてみれば高さでも勝負出来るし裏抜けも狙えることを考えればこの戦い方において適任である。さらにもう一つのポイントに挙げた守備時のハイプレスも考えれば今となっては伊佐しかいなかったと思えるけど、それでも伊佐が最後にリーグ戦で先発したのはもう半年以上前の第16節。さすがにこのサプライズを予想することは出来なかった。でも伊佐は奮闘した。伊佐らしいゴールは言わずもがな、60分とキッチリと時間は決められていたと思うけど、大相撲のようなポストプレー、ハイボールの競り合い、隙あらば裏抜けと期待された役割を全うし続けた。大一番での雰囲気作りまで含めて下平監督のこの起用は見事だったと思う。


試合前のアップが終ってロッカールームに戻る際に伊佐のチャントとメインスタンドから大きな拍手が送られると伊佐は泣いているように見えた。太陽がまぶしかっただけかもしれないけど、自分には昂る気持ちを抑えきれずに泣いているように見えた。苦しんだ一年だったけど、最後に伊佐らしいプレーが見られて嬉しかった。





その伊佐を押しのけて個人的にこの試合のMOMに推薦したいのは中川。とにかく走った、とにかく引っかけまくった。前半の終盤に立て続けに2回引っかけたところで決めきれていればきっと勝っていただろうなと思う。寄せるだけでない奪うプレッシングには本当に迫力があった。チーム戦術を理解して、熱い気持ちで限界までやり切る本当に良いプレーヤーだということにシーズン終盤になってやっと気付いたような気がする。下平監督が今シーズンした仕事の中で一番良かったのって中川を連れてきたことじゃないかなと本気で思うよ。


勝負を分けたのは小出のミスで間違いないわけだけど、片野坂さんも言っていた通りミスやセットプレーが勝負を分けるのなんてサッカーにおいては常だから仕方ないとは思う。ただそのミスが出た時間帯とそのミスを致命的なものとしてしまった試合運びの部分には後悔が残るなという感想。こういう戦い方に振り切った以上はエネルギーダウンはチーム戦術にとって致命的になることは容易に分かる。中川も朝陽ももう少し早く交代して良かったし、ノムに至っては10分遅いと思う。後半も半ばを過ぎると前からのプレッシャーがかからずに防戦一方になった。単純なエネルギー注入を目的とした交代でいいわけだからもっと早くに動くべきだった。


それともう一つ誤算だったのがハイボールの競り合いでペレイラが高橋利樹に全然勝てなかったこと。前半は熊本から見て右奥(三竿の横や裏)に落とすボールを多用してきたけど、後半になるとビルドアップでの優位性を確保するために14竹本が少し下り気味になってその代わりに手薄になった前線の高橋にダイレクトに狙うボールが増えた。これをキッチリとはね返せてたらここまで押し込まれることはなかったと思うけど、高橋が予想以上に競り合いが強くて基点を作られてしまい苦しくなった。とは言え出るべくして出たミスでもないので小出には何とかしてほしかったのが素直な気持ちだけど、まあなくはないよなとは思う。その後の出入りの激しさは終盤に現象として起きたことなので見たまんまかなと。この試合だけでなくシーズン終盤に坂が負傷して以降は小出が奮闘してくれたからこそのプレーオフ進出みたいなところもあるからハッキリと言うのは酷だけど、あのミスがなければ勝ち抜けていた試合だった。



この試合の勝敗を分けたと思うもう一つのポイントは金崎夢生。長沢のベンチ入りは相手へプレッシャーをかける意味もあったと思うけど多分10分くらいが限界ということだったんだと思う。だから明らかに機能しないことが分かっていて伊佐との交代でワントップに夢生を入れざるを得なかったんだと思う。シンプルに言って夢生じゃなくてサムエルがベンチに入っていれば勝てたんじゃないかと思っている。伊佐とやり合う熊本の3バックの強度を見ていて多分サムエルだったら全部収めたと思う。そしたらもっと押し返せた。大事な時間帯での子供じみた振る舞いには心の底からガッカリしたけど、それよりも前に戦力として今日は夢生よりも使ってほしい選手がいた。これで加入後全試合出場なわけだけど、あんまり勘ぐりたくないけど出場契約みたいなの結んでないよね?









敗退後の悔しい気持ちをさらに後味の悪いものにさせたゴール裏とのやり取り。これって昔から思うけど選手たちにとって立ち止まって聞かなきゃいけないもんなの?今日も挨拶終った後に夢生、新太、三竿あたりはもうメインスタンドに向かって歩き始めてたし、あの局面で何か前向きだったり生産性のあることが生じるとはとても思えないんだけど。この日キャプテンマークを巻いた高木が前に出てサポーターに寄り添うような素振りを見せるからこんなことが起こるんじゃないの?やりたきゃ高木一人でやってくれよ。そもそも高い位置から拡声器で怒鳴りつけてる時点でまともなコミュニケーションじゃないだろ。うちだけじゃないとは思うけど、日本サッカー界の悪しき習慣を大分から変えられないもんかね。



大木さん、あと2試合厳しいとは思うけど頑張ってね。うちとの差はベストメンバーが揃えられたかどうかの差しかなかったと思うから本当に薄幸そうなあなたにも運が向いてきているからこのチャンスしかないと思いますよ。もう一つの山では今回も木山さんが敗退。これで4度目のプレーオフ敗退、唯一のJ1挑戦となった20年シーズンの仙台も実質降格とさすがにもう縁起が悪すぎて木山さんとやりたいと思うクラブなくなるんじゃない?



サウルコス福井がかつて男女で分けるチャントをやってたのを地域決勝で見たことあるけど、男女でパートを分ける意味って何?デカいスタジアムで成立するの?



もし昇格出来たのならホームゲーム運用はもう少し頑張らないとJ1の大挙して訪れるサポーターをさばき切れないと思うぞ。スタジアムから最寄り駅までの臨時バスが全然臨時バスの働きをしてなかったよ。











シーズン総括については昇格出来ないことを前提にもう3割くらい書き始めているので今週中には早々に仕上げたい。昨シーズンよりも50日以上長いオフが始まる。
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拝啓 大木武様

2022-10-26 19:55:41 | トリニータ
「プレーオフなんてなけりゃオレは今ごろ代表監督やってたっておかしくないんだぞ」くらい言っても誰からも非難されないくらいにJ1昇格プレーオフに人生を狂わされた男。それが大木武。


2012年のプレーオフ制度創設から10年。これまでたくさんの監督がこの難しいレギュレーションに泣き笑いそしてドラマを創ってきた。これまでにプレーオフで複数回敗退を喫している監督はわずかに4人。大木武、ロティーナ、高木琢也、そして木山隆之だ。高木さんと木山さんは何と3度も敗退。来週岡山と対戦することになったら木山さんについても書きたい。大木さんはプレーオフ創設元年から2年連続でプレーオフ敗退。2度目のプレーオフ敗退と同時に京都の監督を退任。その後はプレーオフへの参戦を避けるかのようにJ2下位が定位置の岐阜やJ3の熊本の監督を務めた。ただその手腕に陰りはなく引き寄せられるようにまたもやJ1参入プレーオフの舞台へと引きずり出されてしまったことに運命めいたものを感じてしまう。それも10年前にこれ以上ない辛酸をなめさせられた大分トリニータが対戦相手だということに少なからず嫌な予感を覚えているのではないだろうか。


大木さんは今シーズンの熊本を見るまでもなく優秀な指揮官であることは疑いようがない。冒頭でも触れたけど代表監督の声がかかってもおかしくないくらいだとも思っている。ただその能力のわりにキャリアが今ひとつ光り輝いていないのには何か原因があるんじゃないかと思っている。もう大木さん時代の甲府がどんなチームだったかは忘れてしまったんだけど、京都、岐阜、熊本どこのクラブでも魅力的なチームを作り上げた。ただ個人的にどのチームでも大木さんに持つイメージは共通していて「流動的だけど柔軟性のないチーム」という印象。パスを多用して理詰めで崩す戦術を丁寧にチームに落とし込む手腕は見事だと思う。でもプレーオフ2年連続敗退が象徴するように一発勝負に勝てないのは、目の前の一戦に何をしてでも勝つというこだわりや柔軟性を極力排除しているからではないかと思っている。柔軟性を持ち合わせていないのではなく、自らのサッカー哲学として自分の信じたサッカーで勝ちたいという思いが強い人なんじゃないかと思っている。まあかといってそんな大それたもんがうちの指揮官にあるのかと問われたならば、口ごもってしまうくらいにはうちの指揮官のことを信頼しているわけじゃないんだけど。いずれにしてもそういう真っすぐでずっと過小評価されたままの人であってほしいという他サポの勝手な願いでしかないんだけどね。


大木さんのことをこんな風に考えているので戦術もそんなに難しく考える必要はないと思っている。ポイントと考えるのは2つ。①守備時はハイプレス②攻撃時はロングボール。まさに今シーズンのアウェイゲームそのまんまのサッカーをやれば勝てるんじゃないかな。そこで裏の裏を読んでくるようなことは大木さんには出来ないような気がする。いい意味で「自分たちのサッカー」をぶつけるだけ、マジでそれしか考えていないような気がする。ボールを握ってリズムを作り出したい熊本に主導権まで握らせないためにハイプレスでパスワークを寸断する。攻守が入れ替わると熊本も迷いなくハイプレスを敢行してくる。ここで後手を踏んだのがホームゲーム(1-2で敗戦)で、ロングボールではぐらかしたのがアウェイゲーム(2-1で勝利)。その再現を狙うだけ。そんな狙うゲーム展開にとても参考になるのが第41節仙台−熊本。そこまでロングボールを使っていたわけじゃないけど、ハイプレスでタフなゲームに持ち込み最後の最後にセットプレーで決勝点を奪って勝ち切った仙台。こんなゲーム展開にしたい。そして仙台になくうちにあるのが長沢の圧倒的な高さとサムエルの圧倒的な強さ。最低でもどちらかの先発は絶対条件だ。何が何でもハイプレスをかいくぐってやるなんて思わなくていい、ある程度前に食い付かせたらロングボールではぐらかしてやればいい。そのうち何本かでも収まればいい程度の割り切りが必要。幸いにも熊本の最終ライン3人に強さは見受けられない。どちらかと言うとサムエルの方がハマるんじゃないかと思っているから琉球戦で元気な姿を見せてくれたのはこれ以上ない朗報だ。



今シーズン2度の対戦を経て注意したい選手を何人かピックアップ。熊本の攻撃で一番恐いのはボールを握られて何となくボールサイドに寄せられてしまってからのサイドチェンジで逆サイドに1対1の局面を作られること。右の杉山直宏と左の坂本亘基のアタックはかなり強烈。特に坂本の縦への鋭さは要注意。対面は健太になると思うからここのマッチアップがキーになるかもしれないね。上の写真はどこかの記事で使ったような記憶があるんだけど、2018年のインカレでの福岡大。前列右から2番目が健太で左から2番目が今シーズンJ2のボランチの中でも一番株を上げたと言っても過言ではない河原創。昇格即4位躍進のクラブで42試合フルタイム出場という数字だけでその貢献度が分かる。ビルドアップ時のボールへの関与回数が多く間違いなく熊本のキーマン。河原が1学年上でさらに健太が1年からトップチームに絡んでいたので河原とは相当たくさんの試合に一緒に出ていると思われる。人間関係的にもここでも健太がキーとなるか。ちなみにこの試合には出場していないけど熊本の3バックのセンターに鎮座する菅田真啓も河原の同期だ。そしてレギュラーシーズンのチーム得点王は14ゴールで高橋利樹。うちは長沢が8ゴールでチーム得点王なので14ゴールは立派な数字。国士館大出身の3年目。自分が一番関東大学リーグを見ていた時期に在籍した選手なので学生時代に何度も見た選手だ。何度も見たけど正直に言ってこんなにJリーグでコンスタントに点を取れる選手になるとは微塵も思わなかった。最終学年の時に国士館大が2部だった(同期は浦和の明本)こともあってプロ入りが決まった時でさえ「へー」と思った記憶がある。前プレを頑張れてゴール前で泥臭く体を投げ出せる選手という印象だった。J2で得点を量産し始めてから高橋のプレーを見てみるとその印象とほとんど変わんないんだよね。自らのプレースタイルを磨き上げ続けてこの数字を残していることは素直に尊敬する。そのガツガツとしたところにうちのDFラインも負けないでほしい。ちなみに高校は埼玉栄高出身。サッカーでは全国的には強豪校ではない埼玉栄高だけど現役Jリーガーを4人輩出している。出世頭はもちろん町田也真人。もし也真人が間に合うのなら試合前に腹パンかまして耳元で「調子に乗んなよ」くらいのことをささやいてほしい。也真人は今シーズン熊本との対戦は2試合ともお休みしているので初対戦になるのであれば大先輩として先制攻撃をぶちかましてほしい。


決定戦は別にして、果たしてJ2の4クラブの中で勝ち上がれるのか。取り急ぎデータ。2012年に創設されたJ1昇格プレーオフ。2018年からはJ1参入プレーオフとして3回戦方式に変更。2020年と2021年は開催なし。J2クラブに限定するとこれまで行われた試合は全部で23試合。下位クラブ側から見た勝敗は以下のとおり。

10勝8分5敗

何となく分かってはいたけどいざ集計してみるとやはり下位クラブが圧倒的に勝ち越している。さらに5敗のうち2つは「お前、J2にいるのはいいにしても何でプレーオフ出てんだよ」と言ってやりたい名古屋とセレッソによるものなので、今シーズンのようにクラブの財政規模が同程度のクラブによる対戦の場合は明らかに上位クラブが不利なレギュレーションと言い切って間違いない。この数字が明らかにしたことは勝ち抜けは別にしたとして下位クラブがスコアで負けることは極めて稀であるということ。だからゴールを決めきることが出来るかというところが、試合のバランスよりも大事になってくるんだろうなと思う。もし先制点を許してしまったとしても本来なら圧倒的に優位なはずの上位クラブ側にこそ大きな隙が出来ているかもしれないという共通認識をチーム全体で持てるようにアグレッシブな姿勢を保ち続けてほしい。1点取られたとしても2点取るサッカー、2点取られたとしても3点取るサッカー。下平監督が本来目指すはずだったスタイルがここで花開くかもしれないという淡い期待は持ってもいいのかな。


クラブ創設以来プレーオフ全勝の大分(事実だけど誇大)とその監督キャリアにおいてプレーオフ全敗の大木武(事実、紛れもない事実)。次に進むのはどっちだ。
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