カットモデルです。NS-600AとNS-800Aはウーファーと箱の大きさが違うだけで、ネットワークの部品は同じグレードだと説明がありました。ピアノブラックの美しい仕上がりも、さすがヤマハだと感心します。スピーカーコーンは軽くて強靭なザイロン繊維をバインダーと混ぜたもので、ウーファーとトゥイーター共通。このためクロスオーバー周波数付近の繋がりが自然になったことは、楽器メーカーでもあるヤマハとしてのこだわりである、と説明がありました。軽くて丈夫なザイロンに、ネオジウムマグネットなどの強力な磁気回路を組み合わせることで、上が40kHzまで伸びているそうなので、リボントゥイーターに近いところまで再生できるということですね。
最近はグラスウールなどの吸音材をできるだけ減らして、共鳴管や位相ずらしなどの手法で定在波を処理するメーカーが増えています。
NS-800Aのデモもソースはすべてアナログレコード。
Sinne Eeg(シーネ・エイ)Spring Waltz (from "Staying in Touch")
Yo Yo Ma, Fugata (from "Soul of Tango, Astor Piazzolla")
Count Basie, Corner Pocket
Stokowski, Tannhäuser Overture
NS-600Aに比べて少しずつ大きな楽器や編成の大きな演奏を持ってきたところは、さすが聴かせどころをわかっています。ヤマハのピュアオーディオ部隊が視聴に大変な労力を注ぎ込んで、新製品の魅力を伝えようとしているのがよくわかります。古いモノラルのストコフスキーが新しいカッティングで見事に蘇ったのも凄い。こういう発表会では、プロが使うソースも吟味されていることが多いので、大変参考になります。