いーなごや極楽日記

極楽(名古屋市名東区)に住みながら、当分悟りの開けそうにない一家の毎日を綴ります。
専門である病理学の啓蒙活動も。

ミニトマトと超伝導モーター

2006年09月06日 | 極楽日記

 ようやく実を付けた極楽家のミニトマト。よく繁っているのに実はこれだけ。何か大きな間違いをしているような気がします。

 紅一点、というところでしょうか。たった1個でも料理が引き立ちます。

 さて、トマトと全然関係がないんですが、サイトをあれこれ見ていて感動した技術が電気推進式CNGタンカーの開発です。特にコアになる高温超伝導モーターの開発が見事。石川島播磨、住友電気工業、日立製作所などのオール日本体制での開発は、何が何でも次世代の基幹技術を日本人の手で作り上げるんだという強い意志の表れです。少し前なら、「プロジェクトX」ものの快挙ですね。

 もう10年以上も前に、常温超伝導が実現される可能性あり、ということで一般人も巻き込んだブームになりましたが、胡散臭いデータもあって、せっかくのブームも立ち消えになってしまいました。その後、高温(液体ヘリウムなどに比べれば)超伝導を研究する技術者が表に出ることはあまりありませんでしたが、こつこつと実用化に向けて研究を続けていたのです。

 商船のシェアは韓国に1位の座を譲り、また現在の基幹技術である船舶用のディーゼルエンジンはスイスやスウェーデンの会社にほとんど特許を押さえられていて、日本から革新的な技術は生まれにくいのかと思っていましたが、別の手があったということですね。液体窒素で冷却したビスマス系高温超伝導モーターを利用することによって、船舶の推進機関は大幅に小型化することが可能だそうです。

 電気推進船そのものは昔から客船などで実用化されており、音と振動を低減できるというメリットがありました。モーターで使う電気はディーゼルエンジンで発電するため、エネルギー効率としては無駄が多くなるんじゃないかとも思いますが、発電用のエンジンは回転数を急激に変える必要がないため、高い効率で運転しやすくなります。またモーターを利用することで変速機がいらなくなるので、複雑なシステムにもかかわらず根強い需要がありました。

 これに加えて、超伝導モーターでは機関が小さいため、同じ大きさの船体でも多くの荷物を積むことが可能です。計画が順調に進めば、1万トン水準の商船で十分に採算が合うものが建造できるそうなので楽しみです。ただ、穏やかではない話になりますが、この技術をすぐにでも欲しいのが軍事産業でしょう。船体の容積に制約の大きい潜水艦など、機関が小型化できるなら劇的に機能が向上するはずですから。

 モーターなどの基幹技術は、応用範囲が広いので用途を考えてみると面白いです。新幹線などにはすぐに応用できそうですね。高価な液体ヘリウムを使うことがコスト面の大きな障害になっていたリニアモーターカーも、液体窒素ならかなり安くできます。これで実現に近付いたのではないでしょうか。
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