いーなごや極楽日記

極楽(名古屋市名東区)に住みながら、当分悟りの開けそうにない一家の毎日を綴ります。
専門である病理学の啓蒙活動も。

マツダビアンテにスカイアクティブ

2013年05月29日 | 自動車
 マツダの新型高効率ガソリンエンジンとトランスミッションが、プレマシーに引き続きビアンテに搭載されるとのことです。ミニバンには少し興味があるので、簡単に調べてみました。

 ビアンテは5ナンバー枠をわずかに越える大きさのトールワゴンで、プレマシーより一回り大きなボディを装備します。重量はほぼ1割増し。1.6t以上あるので、できればエスティマのように2.4Lクラスのエンジンを載せたいところですが、燃費と税金を意識したのか、今回は2Lエンジンのみになっています。カタログを見る限りエンジンの仕様はプレマシーと同じ。トランスミッションの減速比も共通です。スポーティーなCX-5よりファイナルが高いので、いずれも加速力より燃費を重視していることがわかります。

 このクラスのベストセラーである日産セレナと比較してみましょう。セレナのMR20DD型エンジンはSKYACTIV-Gほど話題にはなりませんでしたが、直噴、11.2の高圧縮比、ロングストロークによる低速トルクの重視と、国産エンジンの潮流には沿っています。最大トルクなど2Lながら210Nm(21.4kgm)もあり、一昔前の2.4Lに遜色ありません。トルクではSKYACTIV-Gより強力だと見ていいでしょう。これに1.8kWの小型モーターのアシストが加わりますので、動力性能は2.4L並と考えられます。いかにビアンテが圧縮比12.0と言っても、動力性能での逆転は難しいです。

 JC08モードの燃費を見ると、ビアンテの14.8km/Lに対しセレナは15.2km/Lと僅差でセレナの勝ち。実際の路上で公式数値レベルの燃費はまず出せないので細かい数値にまで意味はありませんが、少なくともビアンテが燃費でセレナを圧倒するのは困難と見ます。日産独自の簡易ハイブリッドであるS-HYBRIDシステムが、小型で安価な割によく働いていると言えそうです。

 ビアンテとセレナの全長、高さはほぼ同じ。ホイールベースはどちらも2,850mm。幅はビアンテが少し広いので、室内空間にも反映されているでしょう。3列シートのミニバンもこのクラスになると室内はかなり余裕がありますが、そのしわ寄せで荷室があまり残りません。そこで床下などの活用で差が付くわけです。ビアンテが床下には小物入れしかないのに対して、セレナは小型のベビーカーが収納できる空間があります。これはセレナがスペアタイヤを廃止したからでしょうね。

 ということで、カタログを見る限り、一般的な使い方ではセレナのほうが少しずつ有利なように思われます。今回のマイナーチェンジで大幅に販売力が増したビアンテにとっても、セレナはまだまだ強敵のようです。後は実際に試乗してみて、スペックを逆転するほどの魅力がビアンテにあるかどうかですね。
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