いーなごや極楽日記

極楽(名古屋市名東区)に住みながら、当分悟りの開けそうにない一家の毎日を綴ります。
専門である病理学の啓蒙活動も。

献血不足の原因は

2007年10月09日 | 医療、健康
 この数年、血液製剤に使われる献血量の減少が続いています。特に若年層の関心低下が問題とされており、広報活動には力が入れられているものの回復の兆しがありません。去年は献血者(延べ人数か1回でも献血した人の数なのかは記載なし)が29年ぶりに500万人を割ったそうです。

 この減少について厚労省は、少子化を一因としながらも「それだけが理由とは考えにくい」と困惑を隠しません。景気が回復に向かっていると言われながら賃金水準は据え置かれ、賃金以外の待遇でも非正規雇用の増加により環境が厳しくなるなど、若い世代に余裕がなくなっていると言われて久しいですが、何か関係があるのでしょうか。

 バブル崩壊から日本経済が立ち上がる過程において、「自己責任」だとか「受益者負担」「成果主義」、挙句は「勝ち組」「負け組」などのキャッチフレーズが飛び交いました。旧来、血液製剤を必要とする弱い立場の人を、社会全体として柔らかく支えていた曖昧なボランティア構造が壊れてきて、利益にならないことなど手を出さない、興味もないという経営分析みたいな割り切りが個人にも浸透してきた、いや浸透せざるを得なかったとしたら、今までの路線でボランティア精神に訴えても成果は望み薄かも知れません。

 こうなると有効なのは売血制度の復活でしょうか。医療現場も業務の多様化と人員不足で負担が大きくなり、雰囲気が殺伐としてきました。血液収納業務も一種の営利事業として、民営化により「効率」が厳しく求められる時代になるのでしょうか。
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