いーなごや極楽日記

極楽(名古屋市名東区)に住みながら、当分悟りの開けそうにない一家の毎日を綴ります。
専門である病理学の啓蒙活動も。

間違いだらけのクルマ選び2015年

2016年05月13日 | 極楽日記(読書、各種鑑賞)

 BOOKOFFで入手。新鮮な情報はネットで入手できるので、この手の本は情報のまとめに参考にするだけで、速報性を求めていませんので。

 「モーターファン」などの雑誌も、この「間違いだらけ」も若い頃は新本で買って、受験参考書みたいに読み込みましたが、続けて読んでみると、ある年で絶賛した車種が次の年には全く評価されてなかったり、逆に「変わりたくないBMWを象徴」などと酷評されてたのが次の年に埋め合わせの高評価になったりでガイドブックとしての評価基準に疑問が生じました。また途中から「自動車文化論」みたいな方向に走り出して、当初の「運転好きの普通の人のためのベスト・バイ」から外れだしたこともあって、長らく新本では買っていません。徳大寺さんは奥様との二人暮らしだったので、市場の動向がミニバン一色に変わってからも、なかなかミニバンを評価していませんでした。

 あと、趣味性のあるクルマを評価されたのは当然ですが、趣味が一般人にわかりにくいものだったのは不運でした。フェラーリやポルシェなどのスーパースポーツは多くの評論家が支持するからいいとして、徳大寺さんの独自の趣味と言えば、「一番好き」と公言してた古い英国車で、信頼性の点などでサラリーマンがとても維持できない12気筒ジャガーやオースチンなど、読者が接点を持てないクルマが多くて、支持が広がらなかったのは残念です。小林彰太郎さんの(ランチア・ラムダは無理にしても)エグザンティアとか、笹目二郎さんのムルティプラやパンダが、ちょっと思い切れば手が届くところにあるのに比べれば、徳大寺さんの趣味は貴族的で共有しにくいものだったかもしれません。

 それにしても徳大寺さんが、それまで資産家の高級外車趣味とか、逆に若い走り屋の自己満足と思われていた自動車趣味を大衆に紹介した功績は大きなもので、晩年は紙面に登場する回数も減っていたとはいえ亡くなられたのは寂しいことです。代表的な業績である本書が、島下さんの筆により受け継がれるのは有難い事と思いますけど、背負ってる物の中身も重さも違うのに、そのままのスタイルを踏襲しようとしているのはどうでしょうかね。徳大寺さんが若ければ、むしろ大胆に評価の仕方を変えていたんじゃないかと思います。同じ書名であっても、時代が違えば社会から求められる役割は違うでしょう。例えば40年前と違って自動車の買い替えサイクルが長くなったのですから、長期評価や中古の評価をネタにしてもいいんじゃないかと思います。2016年版からは単独執筆になるので、実質的に島下さんが言われるように本当のスタートになりますね。
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