トヨタ博物館で自由に乗れるようになっていた展示車です。こういう素朴なクルマって、遊具としても面白いですし、実際に走らせてもなかなか楽しめるんじゃないかと思います。機械の性能を体力とテクニックで引き出す工夫こそがスポーツだからです。
人間の本能はスピードを追求するようにできていますから、より速く、より刺激を強くということで、世界レベルの超高級スポーツカーは400馬力、500馬力なんてのが当たり前になってしまいました。そこまでエンジンが強力になるとトラクションが確保できませんから、4WDとかトラクションコントロールを装備し、コーナーリングの事故を減らすために高度なスキッドコントロールも備えられています。
そんなスーパースポーツカーでは、下手なレーシングカー並のスピードでサーキットを駆け抜けることができるそうです。でも、精密なプログラムにドライブしてもらっているだけのスポーツ走行なんて楽しいでしょうか?何だかゲームと変わりないような気がするんですが。
誰もがレーシングドライバーになれるわけではありませんから、安全のためにはコンピューター制御の介入は必然だと思います。しかしそのために未熟なドライバーがいきなり高性能のスポーツカーに乗っても、自分のテクニックとプログラムのレベルが違いすぎて、単なるお客様になってしまうでしょう。
今のクルマはどれも楽しみのためには良くなり過ぎてしまいました。初代ロードスターやビートのような、思い切った(割り切った)発想でクルマ作りをしてくれれば、また今の時代には脚光を浴びるように感じますが、どうでしょうか。