去年もまとめて取り上げましたが、今年はもう少し拡大して掲載します。新清酒というのは要するに合成酒。事情は1936年の新聞記事に詳しいです。発明者はオリザニン(ビタミンB1)の発見で有名な鈴木梅太郎博士。米不足の時代には清酒の基準が緩められ、後に需要の減退を招く水増し、調味、アルコール添加などの改悪が行われるのと平行して、米以外の原料から類似品が作られるようになりました。これが新清酒で、当初の名称は理研酒。理化学研究所もこんなことをやっていたんです。ここから分かれたビタミンメーカーが、「ふえるわかめちゃん」の理研ビタミン。
菅公(かんこう)とは学問の神様、菅原道真。今はこの由緒ある字ではなくて、片仮名の「カンコー学生服」になっています。これじゃ意味わからないのにね。ちなみに下着とかで有名なグンゼは、創業時の名前が郡是製絲。
キンチョールは今も健在です。「強力殺虫液」とあるので、今のような簡便なスプレーではなくて、手動式のポンプに入れる薬剤のことではないでしょうか。
若い人には写真フィルムそのものがわからないでしょうが、フィルムのトップメーカーが今の富士フィルムで、次がサクラカラー(コニカ)でした。世界最大手のコダックは日本市場では三番手。コニカは明治時代創業の小西六写真館から世界有数の写真機材メーカーになり、デジタル時代になって業種転換し、現在はコニカミノルタ株式会社としてコピー機などを製造販売しています。エンドユーザー向けの商売を止めてしまったので知名度は低下しましたが、駅伝などでは今でも存在感を示しています。