名古屋駅の名鉄ホールで、「ポケットモンスター ダイヤモンド&パール 幻影の覇者 ゾロアーク」の試写会がありました。映画を見たのは極楽息子(大)(小)です。
名鉄百貨店に入って案内図を見ると、ホールは10階。そこで10回に上がると、「今日は特別試写会でこちらからは入れない。9階に回って下さい。」と(ホールの係員ではなく)呉服売り場の店員に言われました。
それじゃ、と9階に下りると長蛇の列が階段に沿って下へ下へと続いています。仕方がないので8階、7階、6階と下りてもまだまだ。狭くて急な階段を息子の手を引いて慌てて下り、途中で極楽息子(小)が転んで泣き出すおまけ付き。2階まで下りたところでやっと列の最後尾に並べました。だったら「下から階段を上がって並んで下さい」と最初に言ってくれればいいのに。他の劇場やデパート、ホテルでは考えられない誘導ですね。何年かぶりに名鉄クオリティを思い出しました。
分煙できてないから禁煙のはずなのにロビーの一角に灰皿があり、次々にそこで煙草を吸う人がいます。暇そうなホール係員が何人もいるのにこれは黙認。建物が古くて換気が悪いから、並んでいる子どもたちに配慮して欲しいところです。
名古屋に住んでいて名鉄グループを利用しないわけにはいかないのですが、名鉄のサービス感覚って本当に独特で、「座席特急」と称して座れもしないのに特急料金取るし、デパートも病院も建て増しを繰り返した迷路みたいな構造で防災が不安だし、スキー場とか海水浴場でもトイレが狭くて汚かったり、ロッカーとシャワーが別料金になってたりでとにかく貧乏臭い。同じ鉄道系でも西武や東急のサービスなら、例えばスキー場だってホテルさえ取れば何も細かいこと考えなくていいのに、名鉄だと小銭の計算ばっかりしてないといけない。
我が家の場合は40年近く前に名鉄レストランで食事をしたら料理に蛆が混入していて、激怒した親父が保健所を呼んで騒然となった出来事があり、それ以来同等のサービスがあれば名鉄系を避けていたように思います。その名鉄レストランは厨房を立ち入り検査されて営業停止処分になったので、保健所の記録に残っているはずです。
でもそんな昭和レトロのサービスなんて、さすがの名鉄でも改善していると思ってましたよ。それなのにこの名鉄ホールの運営振りはすごい。苦情とかじゃなくて心から感心しますね。よくこれで21世紀までやってこられたな、と。
最近、名鉄病院が経営不振により済生会に譲渡を検討中との新聞記事がありましたが、顧客の立場から言えば、名鉄グループ全体を売却するぐらいの抜本的な改革がないと、膨大な資産に頼るだけのぬるま湯体質は改善されないのではないでしょうか。今回の名鉄ホール運営が典型的だと思いますが、何とか食っていけるから今のままでいいや、という個人商店みたいな体質が蔓延して、時代に即したサービスを提供する意欲がないのですよ。200を越えるグループ企業の多くがぱっとしない経営状態で、本丸から天下りの社長を受け入れてコントロールされるだけ、というのも前時代的です。もっと現場や外部の意欲ある人材を生かそうとしないのでしょうか?
名鉄の下では赤字でも、他の企業がやれば十分に収益が上がる事業はたくさんあるように思います。東海地方の代表的な企業グループである名鉄ですが、日本と東海地方の経済再生のため、発展的解体をするぐらいの改革はできないものでしょうか。名鉄と同じくこの地方の顔だった松坂屋も今や大丸グループの一員ですし、トヨタのようなお手本もあると思うのですが。