日本のMSNは多くのポータルサイトの中に埋没した、あまり目立たないサイトだと思っているのですが、アメリカのMSN Autosに興味深い情報がありました。Reliability Ratingsつまり自動車の故障情報です。
MSN Autosの膨大な情報の中でも、新車の試乗記事やクラッシュテストなどは日本でも自動車雑誌や各種サイトで充実しているもので、そう目新しいものではありません。しかし故障に関する調査は、信頼できるデータがディーラーや修理工場にでも行かないと手に入らないことが多いので、消費者が欲しいと思っていても得られない特級の情報です。もちろん日本でも個人のブログや掲示板では故障情報が見られますよ。でもサンプルが少なくて統計的なことまでわからないし、任意の車種の年次のデータが自在に検索できるのは極めて有用だと思います。
早速見てみましょう。極楽家の2002年製ウィンダムとほぼ同じ2002 Lexus ES300を見ると、エンジンの項にSignificant Problems(著明な問題)のペケ印が!空燃比センサーとエアフローセンサーのトラブルがちょくちょく報告されており、また所定のオイル交換時期が守られていない場合にオイルがゲル状に固まる(oil gelling)ことによってオイル消費が激しくなったり、青みを帯びた煙が出ることがある、とあります。実はこれが極楽家のクルマにぴったり。
これを手掛かりに調べてみると、かなりの事例があり、しかも車種が偏っていることから整備不良ではなく欠陥だとして行動を呼び掛けるサイトまであります。アメリカのトヨタは不適切なオイル交換が最大の原因としており、リコールにならなかったものの、無償修理になったみたいです。日本で問題にならなかったのは、買い替えサイクルが短いからでしょうか。
実家で長らくトヨタ車に乗っていますので、往年のトヨタエンジンの潤滑系がやや弱いのは何度も経験しています。少なくともM系の6気筒である4M-U, 5M-EUについてはオイル下がりの症状に悩まされていますし、ウィンダムの1MZ-FEもそうです。単にトヨタの限界設計のためと思っていたのですが、今回の情報からはoil gellingが起きた可能性がありますね。このようなオイルの固化は(1)オイル交換サイクルが長い(2)短時間、頻回の運転が多い(3)気温が低い、という条件下で発生しやすいとされています。
極楽家のウィンダムに関しては(1)(2)が該当します。水分がオイルに混入することでoil gellingが起こりやすくなるとのことなので、頻回に交換していれば防げるでしょうし、エンジンの磨耗はコールドスタートの回数で決まると聞いたこともあります。エンジンが暖まって燃焼が安定するまでの間に、不完全燃焼によって酸化性のアルデヒドなどが発生しやすいからです。シリンダーやバルブシートの磨耗が進むことで、排気ガス中の水蒸気がオイルに混入しやすくなる傾向は十分に考えられることです。特にoil gellingが発生しやすいエンジンの場合、水蒸気がオイルに接しやすい構造的な特徴があるのでしょう。水分によるoil gellingを防ぐためには、一般のオイルより更に水との親和性が低い完全化学合成オイルを使うのも良い、とありました。
幸いなことに、トヨタ車でoil gellingを指摘されているのは2002年製までに限られているようで、MSN Autosの統計でも2003年のES300からはSignificant ProblemsからMinimal Problemsになり、これがずっと続いています。トヨタ本社で対策が進んだと判断していいでしょう。まあ、古くならないと症状が出ないのかもしれませんので、2008年製以降の統計が出るのを楽しみに待つことにします。
工業製品なので新しい物ほど故障が少ないのは当然と言えますが、同様な改善の傾向が読み取れるのがベンツCクラスで、残念ながら2007年までの統計しかありませんので現行のW204については不明ですが、前期モデルでエアフローセンサーの故障が指摘されているのが、後期モデルでは記載がなくなっています。日本の掲示板でもこの旧Cクラス(W203)は「新車なのにガソリン臭がする」などのトラブル報告が散見されますが、少しずつ改良されているんでしょうか。エンジン形式をほぼ踏襲したW204の前期型では、この改良されたW203後期型がベースになっているはずなので、ヤナセのセールスから聞いた、「現行モデルのトラブルは非常に少ない」というのも納得できます。
MSN Autosの膨大な情報の中でも、新車の試乗記事やクラッシュテストなどは日本でも自動車雑誌や各種サイトで充実しているもので、そう目新しいものではありません。しかし故障に関する調査は、信頼できるデータがディーラーや修理工場にでも行かないと手に入らないことが多いので、消費者が欲しいと思っていても得られない特級の情報です。もちろん日本でも個人のブログや掲示板では故障情報が見られますよ。でもサンプルが少なくて統計的なことまでわからないし、任意の車種の年次のデータが自在に検索できるのは極めて有用だと思います。
早速見てみましょう。極楽家の2002年製ウィンダムとほぼ同じ2002 Lexus ES300を見ると、エンジンの項にSignificant Problems(著明な問題)のペケ印が!空燃比センサーとエアフローセンサーのトラブルがちょくちょく報告されており、また所定のオイル交換時期が守られていない場合にオイルがゲル状に固まる(oil gelling)ことによってオイル消費が激しくなったり、青みを帯びた煙が出ることがある、とあります。実はこれが極楽家のクルマにぴったり。
これを手掛かりに調べてみると、かなりの事例があり、しかも車種が偏っていることから整備不良ではなく欠陥だとして行動を呼び掛けるサイトまであります。アメリカのトヨタは不適切なオイル交換が最大の原因としており、リコールにならなかったものの、無償修理になったみたいです。日本で問題にならなかったのは、買い替えサイクルが短いからでしょうか。
実家で長らくトヨタ車に乗っていますので、往年のトヨタエンジンの潤滑系がやや弱いのは何度も経験しています。少なくともM系の6気筒である4M-U, 5M-EUについてはオイル下がりの症状に悩まされていますし、ウィンダムの1MZ-FEもそうです。単にトヨタの限界設計のためと思っていたのですが、今回の情報からはoil gellingが起きた可能性がありますね。このようなオイルの固化は(1)オイル交換サイクルが長い(2)短時間、頻回の運転が多い(3)気温が低い、という条件下で発生しやすいとされています。
極楽家のウィンダムに関しては(1)(2)が該当します。水分がオイルに混入することでoil gellingが起こりやすくなるとのことなので、頻回に交換していれば防げるでしょうし、エンジンの磨耗はコールドスタートの回数で決まると聞いたこともあります。エンジンが暖まって燃焼が安定するまでの間に、不完全燃焼によって酸化性のアルデヒドなどが発生しやすいからです。シリンダーやバルブシートの磨耗が進むことで、排気ガス中の水蒸気がオイルに混入しやすくなる傾向は十分に考えられることです。特にoil gellingが発生しやすいエンジンの場合、水蒸気がオイルに接しやすい構造的な特徴があるのでしょう。水分によるoil gellingを防ぐためには、一般のオイルより更に水との親和性が低い完全化学合成オイルを使うのも良い、とありました。
幸いなことに、トヨタ車でoil gellingを指摘されているのは2002年製までに限られているようで、MSN Autosの統計でも2003年のES300からはSignificant ProblemsからMinimal Problemsになり、これがずっと続いています。トヨタ本社で対策が進んだと判断していいでしょう。まあ、古くならないと症状が出ないのかもしれませんので、2008年製以降の統計が出るのを楽しみに待つことにします。
工業製品なので新しい物ほど故障が少ないのは当然と言えますが、同様な改善の傾向が読み取れるのがベンツCクラスで、残念ながら2007年までの統計しかありませんので現行のW204については不明ですが、前期モデルでエアフローセンサーの故障が指摘されているのが、後期モデルでは記載がなくなっています。日本の掲示板でもこの旧Cクラス(W203)は「新車なのにガソリン臭がする」などのトラブル報告が散見されますが、少しずつ改良されているんでしょうか。エンジン形式をほぼ踏襲したW204の前期型では、この改良されたW203後期型がベースになっているはずなので、ヤナセのセールスから聞いた、「現行モデルのトラブルは非常に少ない」というのも納得できます。