いーなごや極楽日記

極楽(名古屋市名東区)に住みながら、当分悟りの開けそうにない一家の毎日を綴ります。
専門である病理学の啓蒙活動も。

ヨドコウ迎賓館(後)

2021年11月15日 | 極楽日記(日帰り)

ライトの室内設計の一つの特徴は、小ぢんまりした空間を巧みに使って、広がりを見せることにあると思います。複雑な内装ですが、一種の折上げ天井で、天井への照明を落としていることもあって、実際よりも天井が高く感じられるはず。

アルコーブを利用して、視線を奥に、更には室外に誘導するテクニックは、今でこそ一般的でしょうが、例えばアメリカの伝統的な豪壮なコロニアル様式に対するアンチテーゼとして、当時は斬新なものとして迎えられたのではないでしょうか。

建物の模型を見ると、やはり斜面を巧みに利用しているのがわかります。

天窓ですね。建築家が意匠を凝らした建物は確かに美しいのですが、実際に住んでみると住みにくい、と言われます。天窓の採光効果は良くも悪くも普通雨の窓の3倍。夏の暑さや雨漏りを考えると、自分の家では採用したくならないアイテムです。

テラスからの眺め。来賓の目を楽しませたことは間違いありません。

凝った形状の屋根。防水処理とかの保守は大変だと思います。一般の住宅では真似しない方がいいです。

外の石垣も相当な規模ですね。建築した櫻正宗の財力が偲ばれます。菊正宗も白鶴も櫻正宗も豊かだったから灘校が作れたんでしょう。

この巨木の手入れだけでも大変ですよ。やはり庶民にとって、別荘は夢に見るだけが無難です。

 

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