マッサージを目的とした低周波治療器というのはかなり昔からあって、パナソニック(当時は松下電工扱い)の携帯用治療器を買って試してみたこともあるのですが、何だかぴりぴりと効いているような気はするものの、終わってみるとたいして効果を感じない製品でした。密着用のゲルパッドも使っているうちに劣化するし、数回使って飽きてしまいました。
最近は同じ原理ながら、肩凝りの解消ではなく、トレーニングやシェイプアップを目的としたEMS製品が出回っており、テレビや新聞でも広告をよく見ます。昔の失敗経験があるものですから、あんなもので効果があるのかなと思っていたのですが、ネットでは安価な製品が多数流通しており、コメントも高い評価のものが多いようです。ここはひとつ試してやれ、と導入したのがこれ。中国製品の場合、同じ製品をいろいろな会社で、いろいろな名称で販売しているようなので混乱しますが、これもいくつかの会社で販売されていて、それぞれ標準以上の評価を受けているものです。
EMSの場合、大まかに言えば腹部に使う6本あるいは8本腕の大型パッドが主役で、製品によっては小型のパッドが付属することがあります。このパッドは薄くて柔らかく、機能としては単なる電極です。これに電源部と、皮膚と密着させるゲルパッドを組み合わせて使います。パッド部分が密着しやすく、ゲルパッドも昔の製品より薄くて、装着による異物感は最小限だと思います。かなり進化していますね。電源部は乾電池を使うものと、USBで充電するものに大別されます。ドローンでも使われる小型軽量のリチウムポリマー電池が安くなったので、こんな製品でも採用できるのでしょう。
実際に通電した感覚はAmazonのレビューにも多数あるように、筋肉が運動しているのがよくわかります。刺激を強くするほど筋肉の収縮も強くなりますので、無理をすると痛いし、筋肉を損傷しますので注意しましょう。説明書にあるような「水泳XXXmの運動と同等」というのは、かなり強度を上げた時の数値だと思われますので、話半分で聞いておいた方が賢明です。使い始めたばかりで、客観的な効果については不明ですが、装着していることをほとんど意識せずにいられるため、手軽にどこでも運動効果が得られるのはとてもいいと思います。特に小さいパッドの方は使いやすいですね。本当に脂肪が減るかどうかは未検証ながら、刺激で筋肉が引き締まってくる自覚は得られるので、電車で居眠りしていても、何だか達成感が得られるのは結構なことです。
後の効能は目覚ましと体温上昇です。刺激があるので眠気防止に使えると思います。自動車運転や会議中に装着して、眠くなったら刺激を強くしてやればスマートな眠気覚ましになります。この使い方は眠気防止と運動不足解消の一石二鳥なので、受験生に受けるんじゃないでしょうか。それから、この季節にはカイロ代わりに冷え対策にも使えます。曲がりなりにも運動しているわけですから、寒さが体幹に染み込むような嫌な感じは軽減できると感じました。カイロほどは温かくないですが、自分の体脂肪で暖が取れるなら痛快じゃないですか。