いーなごや極楽日記

極楽(名古屋市名東区)に住みながら、当分悟りの開けそうにない一家の毎日を綴ります。
専門である病理学の啓蒙活動も。

コロナプレミオ再び

2012年03月13日 | 自動車

 ウィンダムを車検に出したら、代車が2年前と同じコロナプレミオでした。オドメーターが47,000kmから63,000kmに増えていますが、印象は以前と変わりません。低速トルクのないエンジンをスロットル特性とトルコンのスリップでごまかして、出足の良さを演出する古い手法は健在。却って走りにくいと思います。

 室内を広く見せるために小さく作ったシートに腰掛け、軽くて感触のないステアリングをくるくる回すと、目を閉じていてもわかるトヨタワールド。運転の嫌いな人はこれが安楽でいいんでしょうね。

 タイヤも相変わらず韓国のクムホ。プレミオのような古典的なトヨタ車では操縦性があまりに曖昧なので、タイヤの違いは非常にわかりにくいと思われます。どんな路面をどんな状態で、どのラインを走っているのか、という基本情報が希薄で、意図した通りにクルマを走らせるのがとても難しく感じます。

 路面なら目で見れば大丈夫だろうって?いやいや、人間は運動や作業をする時に、視覚以外の聴覚や触覚、平衡感覚などを有効に利用しています。例えばピアノを弾く人はいちいち鍵盤なんか見ていたら弾けませんし、弦楽器だって目で見ながら押さえるのは初心者だけでしょう。そこまで高度な話じゃなくても、キーボードのブラインドタッチが出来る人ならわかる話で、視覚情報は全体を総合的に判断したり、複雑な情報を処理するには適しているが、単純で瞬間的な情報処理には向いていないんです。

 キーボードを打つとか、クルマのステアリングを切る、アクセルを踏む、ブレーキを踏む、という操作は単純作業の繰り返しであり、いちいち目で見て判断するよりも手や足に伝わるフィードバックを主体に判断した方がずっとスムーズに操作できます。視覚は総合的にクルマの動きを見たり、道路標識を読み取るために使うのが適材適所というものでしょう。

 楽器でもクルマでも、上達して操作の速度や精度が上がるほどそういう傾向にあると言えます。入門用のピアノ曲なら何とか目で見ながら弾けるかもしれませんが、プロの演奏なんて、傍で見ていても指の動きがほとんど見えないほどスムーズで速いでしょう。あれはクルマで言えばレーシングドライバーのレベルとしても、多少とも運転に慣れた人なら、きちんと触覚でフィードバックを感じられる操作系の方が扱いやすいはず。視覚以外の情報をほとんどカットしたトヨタ車では、感触のない液晶タッチ型のキーボードと同じように、スムーズな操作ができないのが当たり前です。

 後方視界を改善するリアワイパーや、トランク容量と空力を両立する高いトランクなど、合理的な部分もありますが、やはり昔からのトヨタのお客様専用車です。私が乗用車に求めている方向とは違いすぎて、接点がほとんどありません。最新のトヨタやレクサスはドイツ車をターゲットにしているので操縦性がかなり近付いているようですが、近年はトヨタ車の値段もドイツ車と接近しているので、それなら私はオリジナルの方を選ぶだろうな、と思います。
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