崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

ある女子学生の感想文

2014年07月30日 05時13分47秒 | 旅行
東亜大学に赴任したのは2005年、留学生が全くおらず、アジアへの玄関口という下関において不思議なことと思った。教授会などで積極的に留学生を受け入れるよう発言しても、当時の学長をはじめ役職の人に提言しても全く聞く耳もたずだった。教育体制になっていないとか反対された。数年前新しく学長になった櫛田氏と韓国旅行する機会があって詳しく提言をして、留学生を受け入れることとなった。3年余で主に韓国からの留学生など100人近くなった。それからは留学生を交えての教育はどうすべきか、問題であった。授業の場面を覗いてみたり学生たちに聞いたりして把握してきた。
 私自身の留学の体験を生かして、講義を聞きながら電子辞書を使うことや隣の学生との私語(通訳?)も許して、日本人の学生と留学生が互いに知ってもらうために名前を憶えること、自己紹介などをさせながら考えて聞き、話、読み、書くを中心に講義した。学生たちが感想文を書いた。ここでその状況を分かりやすく書いた4年生の女子学生の文を一例として紹介する。

 私はこの授業を受けてから韓国人の友たちがいっぱいできました。これは4年生になって初めてのことでした。以前も韓国人の学生と一緒に授業を受けたことはありましたが、全く話すことはなく、挨拶することもありませんでした。話してみたいとは思っていましたがそれは何となく壁があると思い、日本人は嫌いなのだと私は思っていたからです。でもチエ先生の授業はとても楽しくて、韓国、中国、ネパールなどいろんな国の人の意見や考え方を聞くことができ、実際に聞いてみると日本を良くも悪くも評価することができ、自分でも気づいていなかった日本がそこにはありました。みんな優しくて、日本が好きなんだなと思いました。そのことがだんだんわかってからはこの授業を受けることがとても楽しみになりました。授業の雰囲気がとても良くて自分の意見を発表することが楽しかったです。正直この授業を受けるまでの私はニュースやネットなどの情報で、韓国、韓国人を誤解していたことが多々ありました。でもこの3カ月で全くイメージがガラッと変わりました。大好きになりました。このことから私は相手のことをよく知らず、聞かず、見ず自分の考え、思いだけで成り立っている偏見というものはとても怖いものだと思いました。まずはちゃんと話しあい、相手をよく知り、思いやって自分の意見も分かりやすいように相手に伝える。まずはその一人、一人が大事だと思います。そういった人がどんどん増えて、それが広がって、国、世界を動かせたらなと思います。それが私の理想です。国や育った環境は違っても私たちはみんな人間です。私はきっとわかりあえることと信じています。人間は変われると思います。

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