崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

招待された研究者

2008年02月29日 06時53分36秒 | エッセイ
 教え子の2人が新学期から日本の研究機関に研究者として招待されて来ていて、私はその嬉ばしい知らせをうけて喜んだ。しかし私の心には心配が生じた。なぜかというと良い研究環境が与えられたら、それを研究に生させず生活を楽しんで、満足して怠けた生活をして、そのまま帰る人が多いからである。私が推薦したある人は高価な研究費をもらって日本におらず外の国へ行ったり帰国して時間を過ごし、研究に集中せず他の生活した人もいて、私が大いに怒ったことがある。このような良い環境は彼らにとって試金石である。大事な日本国民の税金を大切にして、よい研究をして、活力をつけて立派な学者になっていくことを本当に心から祈っている。
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日記の死後対策

2008年02月28日 07時07分04秒 | エッセイ
 米子で故板祐生のコレクションの絵葉書の中から朝鮮に関係のあるものを中心に一日かけて見て帰宅した。板氏の夫人の日記は死後全部燃やされたという。それを傍で聞いていた人たちがもったないと嘆き出した。私はむしろその聞き手の嘆きの反応に驚いた。私は40年以上日記を書いている。一部を紛失してしまい、古本屋で見たという話を聞いたこともあり、いつも心残りである。嘘をつこうとは思わないがプライバシーが知られることを考えると死後でも嫌だと思う。そんなことを気にしながらも今も習慣的に日記を書いている。それが人に読まれることは嫌である。当然いつか燃やすつもりである。日記の死後対策が必要である。
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雪舟庭園

2008年02月27日 07時22分13秒 | エッセイ
 鳥取県の米子へ行く途中に島根県の益田に下りて雪舟庭園を訪ねた。雪舟は高麗末期に当たる時期に活躍した僧侶であり、画家であった。日本にも古くからこのような画家がいたことはすばらしいことである。各地方にある芸術品や文化財に触れることは幸せである。日本では多くの外国人が古くから各地を訪ねて日本文化を鑑賞し、愛したことは知られている。この意味では「親日」と言われて良い。私も日本文化が好きで、現在大学で日本文化論を担当している。米子では日本海に面したホテルで雪景を見ている。この海の向こう側の北朝鮮の平壌でアメリカ交響団が公演したということが朝のニュースで報じられている。日本も早く日本海をとっぱらって美しく、有効な東アジア関係の時期を迎えることを心から願っている。
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「親日政府」を望む人

2008年02月26日 06時39分05秒 | エッセイ
 昨日コーヒーショップで待合わせをしている時であった。そこのコーナーにどこかで会った覚えがあるような正装をしている紳士がいるので私は何度も顔を見た。しかし彼の反応はない。私は気になって近かづいて声をかけた。やはり知った人であった。彼は植民地朝鮮で生まれた引揚者であり、以前拙宅に他の方々と招待したこともあったので覚えていたのである。年をとり互いに忘れが酷い。終戦時に彼は大きい財産を韓国に残して引揚げてきて苦労した。その苦労の暗い影が表情に表れている。彼は個人の能力や運命を超えて悪い時代が彼の人生を犠牲にしたような言葉を口にしていた。ただ韓国の盧大統領が「反日大統領」であったのに比して、李明博新大統領は「親日大統領」のようだというような話には明るい表情を見せた。私も日韓関係がよくなることを期待し、祈る気持になった。
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韓国李明博大統領就任

2008年02月25日 06時42分32秒 | エッセイ
 今日2008年2月25日韓国に新しく李明博大統領が就任する。私は戦後李承晩大統領の独裁政権に反対して民主化を望んだ。選挙中に辛翼煕候補が死亡したニュースを聞いたときは泣きそうになった。朴正煕の軍事クーデターによる独裁は酷いものであった。しかし私は陸軍士官学校の教官などをし、その中に生きた。激しい民主化過程を経て、金大中大統領によって民主化は安定した。「民心が天心」のように民主化が進んだ。今日新しく迎える新大統領への期待は大きい。それは現在の大統領の不人気によるところが多い。その大統領には私は直接影響を受けてはいない。「ノ」大統領は「NO」であったようである。彼は民主化にはプラスになったかもしれないが、「歴史清算」などを名分に外交では大きく失敗した。
 また新大統領にも「民心が天心」という期待が外れるかも知れない。それでも民主主義以上の良い制度がない限り繰り返すしかない。失敗を通して進歩するだろう。新大統領へお祝いの言葉とエールを送る。
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オバマ氏の剽窃スキャンダル

2008年02月24日 07時45分39秒 | エッセイ
 クリントン氏からオバマ氏の「剽窃」を挙げて非難した。それはいわばプラギアリズムスキャンダルである。両方の演説を聴いてみるとオバマ氏のその言葉は確かにパチリック氏の演説そのものである。彼は友人の了解と信頼を得て使ったと、それは大きい問題ではないという。リンカンの名演説の「国民のために」とはケネディによって繰り返されても疑念を持たない。しかしオバマのその言葉はまだ共有されていないものである。私は3回ほど大きく剽窃されたものとしてそれを認めるわけにいかない。友人の言葉としてとか入れて使って皆に共有させてから省略しても良かったと思う。しかしあまりそれを強く主張すると一般の会話ができないような不調になる。マスコミの多くのコメンテーターは研究者のものを引用せず語るのが平気である。政治上正直が問われるアメリカ選挙戦でもある。
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民主党大統領立候補者のディベート

2008年02月23日 06時18分19秒 | エッセイ
 主に形式的な会話としてディスカッション(discussion)とディベート(debate)がある。ディスカッションはある主題に意見、異見などを合わせていく形式であるが、ディベートは相手の意見とは違ったところを強調しながら聴者にとって全体が分かりやすいようにしていく形式である。日本人は前者が一般的な形式であるが、アメリカ大統領選ではディベートが有名である。昨日オースティン大学でアメリカ民主党のオバマ氏とクリントン氏のディベートの生中継を視聴した。相手の良さを認めながら差をつけることのうまさには感動した。多くのディベートは口喧嘩のようになり、幼稚な感を持つ場合が多かった。二人のエチケットとジェントルマンシップを守りながら防衛と攻撃の話術は世界的にトップであった。最後にクリントン氏は二人のこのような競争やディベートなどの選挙戦はアメリカ民主主義にも有意義であろうといって聴衆全員が立って拍手をして座らなかった。まるでシンフォニーの光景であり、うらやましいアメリカそのものであった。
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授業に携帯電話を

2008年02月22日 07時12分29秒 | エッセイ
 学生たちがなかなか本を読まないが携帯の文章はよく読む。私はそれを授業に利用することができないかと思い、コンピューター関係の商社に相談した。私はホームページに資料を出して学生の携帯に車内の電子案内のように「今日の授業のポイント」を送り刺激するなどができるのではないかと考えたのである。この意見に教員からは「本を読ませないといけない」と反対する人もいる。私は新学期から携帯を利用して授業と読書へ誘発してみる方法を考究している。新しい授業の方法に挑戦してみたい。もうすでに取り込んでいる大学もあるという話も聞いたが、どのような反応があるのか知りたい。
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海上の船舶衝突

2008年02月21日 06時38分37秒 | エッセイ
 関門海峡を見下ろしながら住むようになってから多くの外国籍の船舶を含めてたくさんの船の往来を日常的に見ている。ある日は百隻ほどの漁船が視野に入る。そして大きい船舶などは煩く汽笛を鳴らす。排気ガスも酷い。海上には汚染、密入国や海賊などの問題が多い。車の排気ガスを厳しく制限しながら船舶に関してはどうなっているのだろうかと思われる。漁師にとって海は漁場であり、農民の農場のように英語ではfarmという。陸地に比べて海上には国境が明確に認識しにくく問題が多い。その海で漁船が海軍のイージスイカンによって破壊された。この事故で救出作戦が遅れたことの責任問題、これを契機に海への認識が高まることを期待する。
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『サハリンに生きた朝鮮人』

2008年02月20日 06時19分32秒 | エッセイ
 李恢成氏から送られてきた李炳律著『サハリンに生きた朝鮮人』を読み終えた。この本は李恢成氏の推薦によって北海道新聞社が発行したものである。李炳律氏が日本に生まれてサハリンで生活してきたことを記憶と調査によって書いたものである。日本時代に現在マカロプと呼ばれる知取に近い村で農業をし、戦後ソ連時代、そしてロシア時代、それぞれに適応して真面目に生きてきたことが平凡といえば平凡でありながら現在に至っている。いわゆる強制動員されたケースとは異なる生活が描写されている。今まであまりにも「強制」中心の書物の中にこのような人生もあったということが証明できる。読み始めて記憶力が抜群であることに驚いたが徐々にノンフィクションか小説かが分かりにくくなった。大部分は自分の経験や証言と調べられたものとの区別ができず曖昧なジャンルのように思われた。
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コソボの独立

2008年02月19日 06時56分52秒 | エッセイ
 民族紛争でユーゴスラビアが分裂して、またセルビア南部コソボ自治州が2008年2月17日に人口230万くらいの小国として独立を宣言した。宗教や文化などが違ったことで隣とも交際をせず、結局分離するようになった。しかしそこにはまだ少数民族の問題が残る。その分裂の論理でいうならば極端的にいうと国家は存在できない。私はただ小国として社会福祉のよい国、反大国主義の国家として繁栄することを期待する。中国は内部の民主化と程遠く、大国主義と開発独裁を続ける。オリンピックを契機に大国を誇ろうとして、逆に環境問題などで恥をさらす好機(?)にしている。極端な分裂主義も問題であるが無謀な大国主義はもっと困った問題である。
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甘いもの好きな糖尿病の婦人

2008年02月18日 06時37分53秒 | エッセイ
糖尿病を持病としているある高齢で元気なバイタリティーのある婦人がバレンタインのチョコレートをばりばりと食べるのを傍でみて笑ったら「(糖尿を)気にしない」という。私の親友の名言(?)を思いだす。彼は大きい会社の社長であったが、40代で脳梗塞になって半身不随のまま70歳近くまで長生きをした。彼は「医者の言葉を真面目に聞いていたら早く死んだはずである」と言った。彼はタバコはやめなかった。そして私もタバコをお土産にした。彼はタバコをすっても肺が清いとニコニコした。このように私は近いところの二人の例をみて長生は「楽天的な性格」、また命は個人がもっているバイタリティーでできると思っている。
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在日の国籍問題

2008年02月17日 06時50分29秒 | エッセイ
鍬野氏から送られてきた情報によると自民党の国籍問題プロジェクトティーム(河野太郎座長)が「特別永住者等の国籍取得特例法案」つまり日本に住み続けてきた「在日」に限って、届け出だけで国籍取得が出来るという法案を上程するという。普通国籍とは簡単に変えるものではない。「届出だけで取得」とは簡単すぎかもしれない。しかし在日についてはそうすべきだと思い、賛成する。在日の圧倒的多数は朝鮮語・韓国語もできず文化的に朝鮮文化も身についていないし、また日常の生活では日本式の名前でその国籍を見えないようにしながら,単に国籍を持ってアイデンティティを主張する人もいる。私から見ると文化的に「日本人」であるのに在日の団体の中では本名を使い、国籍を強く主張する人がいる。中には民族主義者が多い。一般の在日は国籍は簡単に変えるものではないと思っている。この機会に多くの人が国籍をとって選挙などに影響し、在日への関心を高めることも賢明であろう。
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海底トンネルの夢

2008年02月16日 07時03分10秒 | エッセイ
 日本で海底トンネルの夢を実現しようとする動きがある。私は大賛成である。大陸と繋がって国境往来を日常化するのは真の国際化である。現代の技術ではトンネル工事は経済的にもそれほど難しくは無いはずである。それより政治、文化的な問題があるかもしれない。日本は今北朝鮮と一方的に敵対政策をとっている。国交正常化を含めて隣国へのもっと友好的な政策を優先すべきであろう。日本で海底トンネルの話について韓国のネチゾンたちは日本の侵略であり、朝鮮半島をただの通過ルートに過ぎないなどと否定的な意見も多い。民主党の議員の中から朝鮮半島の問題を友好的に対応する議員会が設立するという嬉しいニュースがある。政治、文化、経済などの調和のある海底トンネルを抜けていろいろな風景を見ながらヨーロッパまで走りたい。それは私が生きている間にはできなくとも後代の人が楽しむことを願っている。
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「先生孝行」

2008年02月15日 06時33分02秒 | エッセイ
 恩師李杜鉉先生に時々お茶を送ってあげるがしばらく返事が無かったので心配していたが、昨夜ソウルに住んでおられる先生から電話があった。目が痛いとおっしゃりながら、それでも天然痘神に関する論文を書いている最中であり、定価4950円+郵便?円の参考書『日本痘瘡史』を送ってほしいというのだ。先年拙宅にいらっしゃったとき家内が素敵なステッキを差し上げた時の先生の喜ばれた姿が嬉しく、懐かしく思い浮かぶ。昨夜の電話も嬉しかった。先生は83歳でもまず元気で、論文を書いていらっしゃる。去年先生から頼まれた日本語の論文をようやくある雑誌に掲載していただき、先生が満足されたが、また今度の原稿も日本で発表できたらと思っているとのことである。「先生孝行」ができるのが幸せである。私にとって先生は単にソウル大学の名誉教授ではなく、常に現役の先生である。
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