崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

「個人情報」

2014年07月14日 05時27分06秒 | 旅行
 このところ毎日のように個人情報流出問題が大きく報道されている。犯罪の経歴などは本人が思い出したくないものであり、人に知られたくないものであろう。そのような情報の流出はあってはならない。流出自体が問題になっているのはなぜであろうか、それが犯罪のように語られているのでなせだろうか。その法律によると、個人情報の適正な取扱いに関しては国及び地方公共団体、取り扱う事業者に定められている。法律による「個人情報」とは、「生存する個人に関する情報」つまり「氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの」と定義している。法律をどんな人が作り、その過程はさまざまであり、私は法律が必ずしも真理とは思えない。悪法も多くあって人を苦しめてきた歴史を知っている。個人情報を使って徴兵法を施行している国は正義であろうか。国民が考えてほしい。
 極端にいうと出生届をすることもなく、自然に人間として戸籍もなく生きられる動物的社会が理想かもしれない。個人情報だけをきちんと守り、無味乾燥した社会を作っていくだろう。個人情報を国などに独占させることも不安である。しかし個人はこの世で自分の生存の徴を残したい。個人情報を犯罪などに利用した時に厳しい法律で対応してほしい。中国や韓国では数千年間「族譜」をもって個人の生存を記録し自分の存在を確かめている。社会生活の重要な局面は情報の交換、交流しているのはなぜだろう。おそらく日本などの先進国では個人情報保護が過剰になり人間関係の少ない孤独な人の生存を強いれていくだろう。我々は戸籍ではなくとも、生きている人間同士が出会う時、年齢、性別、服装、表情などの貴重な個人情報を知っている。人は大事な情報を露出していて、お互いに共有することによって情のある人間関係を作っている。
 個人情報は「生存者」に限るというが、死者の子孫が死者以上に個人情報云々する人も多い。今死者の日記やはがきを扱っている。それは本人の名誉を懸賞するためである。