崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

「臨終」

2017年02月28日 06時17分11秒 | 日記

 この頃よく耳にするのは人事異動のニュースである。昨晩は毎日新聞西部本社勤務 となった元下関支局長の三嶋祐一郎氏と現支局長の反田氏にご馳走になった。元下関記者であった西嶋氏が大分から福岡へ異動のニュースも耳にした。話題は放談であり、職業色は全く感じなかった。ただ話題は多くあって、レストランでは最後の客になった。新聞も読者が減り、予算も減る一方の話、そのような話はどこでも聞ける話で別に話題性はない。何より今関心のあるところは韓国の朴クネ大統領、マレーシア金正男暗殺などが話題になった。まだ金正男の本人確定アイデンティティになっていない。マレーシア政府ののんびりした対処は慎重さよりはのんびりに感じられる東南アジア文化、それが暗殺劇性を高めているのではないだろうか。
 伝統的には「臨終」という死の確認の過程があった。家族や近い親族が死者を見送る。それはあの世に送る別れの挨拶であり、死の確認であった。しかし死ぬ場面は多くの人に見せたくない、医療的に死を確認するということで病院での臨終、密葬傾向になっている。西洋の密葬文化とはキリスト教の神様の存在がある。今日本の密葬は孤独な死の場面になっている。その点でいうなら正男氏は悲劇ではあっても空港の広場で映像を残した騒ぎ確かな臨終ともいえる。しかし死者確定はできていないという皮肉な話である。


흥부전

2017年02月27日 06時01分53秒 | エッセイ

  韓国はサムスン電子副会長連日呼び出して調査している。私は 李朝時代の有名な古典小説の「興夫伝」の現代版のように感じている。安い値段の大衆小説である。それは「古典小説」と呼ばれるがクラシックの意味ではない。金持ちの兄、貧困な弟の話である。「金持ちは悪い」という話しである。韓国だけの話ではない。格差社会への批判もそうであろう。日本天皇は、最高の環境と尊敬される良い位置にいおられるのではないか、と本欄で触れたら自由な生活ができないかわいそうな人だと擁護するコメントが入って来た。ある日本人の評論家金正恩氏それなりに北朝鮮を指導するのに苦労しているのではないかという。幸せを求め成功した人が逆に不幸になるという皮肉な社会であろうか。今韓国では国民がお金持ち富豪苦しめている。まるで金持ちの兄「ノルブ」苦しめる現代版「興夫伝」である。それを人々はただ羨望嫉妬怒り、非難、戦い現実を見ていることに、私は唖然としている。


 


エンディング

2017年02月26日 06時03分30秒 | 研究業績

 昨日終日白成烈君とわが夫婦が映像編集の最終作業を行った。主に字幕入れ、エンディングにキャスト、協力者たちの名前と音楽を入れた。30分弱の映像、講義の全体が分かりやすく見られるように工夫した。来週中に試写会をしてから完成終了させるつもりである。それを挿入装丁の本の出版へ進む。まだ作業は終わっていない。今執筆中の科研報告書(論文)を終え、映像本への執筆に進む。必死の3月になりそうである。
 林楽青氏は義理の父の死亡、中国へ緊急帰国。メールボックスには富士ゼロックス2016年レポートがあり、林氏の寄稿文「映像から探る満洲国の実態」を読んだ。旧満州時代の日本語、戦後の日本語教育、その日本語専攻への経緯、そして満洲映画研究への転換が書かれている。私は彼の撮影、編集の実力を認め、さらなる研究に助力している。


ウズラ文化

2017年02月25日 05時42分09秒 | エッセイ

 大学からの帰宅は夜の9時少し前、8時半で終わる韓国のドラマは終わっていた。残念とは感じなかった。準ドラマのようなマレーシアでの金正男暗殺事件を9時のニュースで見れるからである。VX毒物によると死因がやっと明らかになった。まだ死者の(金正男?)特定はできていない。ストーリは終わっていない。クライマックスはどうだろう。悲劇の事件をドラマに比喩するのはよくないが多くの人も劇性に引かれると思う。トップニュースになり、トランプ劇場や小池劇場も二の次になっている。
 鳥インフルもなかなか映像化が難しい。先週の読書会で私が話したことを思い出す。人間の普遍的な幸せの目標とは長寿long life、命への尊厳は人類に共通する文化であり、日本独自の文化の一つはウズラ文化であろうと話した。メンバーは失望(?)驚き(?)のような表情であった。日本が4代古代文明の発祥地ではないという失望であったのか。研究によれば日本が発祥地であり、日本にしかない文化に野生のウズラ(Japanese quail, Coturnix japonica)を家禽化して、鳴き声を競 い合う「鳴き合わせ会」が盛んに催され、それを楽しみ、さらにその卵を食用としたのは素晴らしいことだと紹介をしたことである。


試写会

2017年02月24日 05時25分59秒 | 日記

 公開講座の記録映像編集の真最中、中間試写会を行った。まだ2年生である、韓国からの留学生の白君がムービメディアソフトを使い操作をし、内容を修正ながら進行中である。同時に出版も並行させていてとても忙しい。出版社からの大崎氏も参加した。映像は好評であった。それに読書会の前半が重なった。視られる映像、読まれる本を同時に作りたいという私の強い希望によるものである。一方社会劇の「金正男被殺」のニュースから目を離せない。
 昨日倉光氏から頂いた韓国語の「月刊朝鮮」3月号に「金正男暗殺特集」が乗っている。まだ真相は明らかにされていない事件である。週刊誌よりも早いのではないかと勘違いをするほどの早さに驚いた。また日本の日刊紙よりも告発性が強い。韓国は世襲制社会、正男氏は長男、その息子のハンソルが宗統の「宗孫」として注目される。その父子が亡命政府を作るのではないかと脅かされた北朝鮮の金ジョンウンが暗殺したという記事である。ドラマそのものである。多くの偽ニュースもたくさん飛んでいる。一番印象に残ったのは韓国の中央日報のもの、興味をひくニュースであった。それは正男氏が美女にマッサージを誘われて横になって顔マッサージ(被殺)を受けたもの。記事より小説的な偽りであった。この事件は小説化は要らない。


仕事の質

2017年02月23日 05時24分37秒 | 日記

 私のホームページをリニューアルした。十数年前広島大学奉職中に学生の協力を得ながら自力で作ったが数年後に操作ミスで消してしまって完全に自力で作り直し、最近下関でリニューアル、さらに基本構造を変えてリニューアルアップした。長く使い見慣れた表紙写真も私が撮った古い写真にした。変えることには抵抗を感じたが同僚や学生の意見などを参考にして新しく変える決心をした。保守(変えない)と進歩(変える)との対立を感じた。
 本欄の読者の中には私を「古い保守だ」などと非難する人もいるが、自分自身は変化が好きな者だと思う。変えること、スピディが好きなせっかちなところがある。自分の行動プロセスを反省的に考える。仕事がスピディであることはよいかもしれないが、そのプロセスにおいてどこかで焦りがあり、漏れることがある。例えば仕上げが粗末になったり、行動過程の小さい段階を欠落させたりすることがある。これは私の個人の欠点であるが、多くの人にもあるかと思う。数分内で顔を洗い、ワイシャツのボダンを締め…出勤する。速いか、性急かによって仕事の質も決まる。
 

 


新聞報道2017年2月16日長周新聞

2017年02月22日 06時46分33秒 | 研究業績

東亜大学東アジア文化研究所(崔吉城所長)は一六日、同大学で「慰安婦問題徹底討論」と題して研究会を開催した。本来、戦争中の女性の人権問題である朝鮮人従軍慰安婦問題が日本、韓国、さらにはアメリカから世界に広がり、大きく政治問題化している。今回は、朝鮮半島と日本の人民同士の不和・対立を煽る風潮を憂慮し、狭い民族主義を排して真の平和と正常な研究環境を願って人権活動家を招いて開催したもので、活発な論議がおこなわれた。

 初めに、崔吉城教授がこの間の研究室での読書会や、著書・『韓国の米軍慰安婦はなぜ生まれたのか』をめぐる韓国でのバッシングや下関でのマスコミの冷淡な反応から、従軍慰安婦問題について語りにくく、研究してもその事実を発表しにくい状況にあることを明らかにした。そのうえで、「人権問題を政治的に扱って別の方向にもっていくナショナリズム」を批判。この討議でそのようになる根源に迫りたいと訴えた。

 発議者として、山県順子氏(アムネスティ日本下関グループ運営担当)が、下関で判決が下った従軍慰安婦裁判(「関釜裁判」、一九九三年から九八年)にかかわり、朝鮮人従軍慰安婦の「過酷な性労働」の証言から学んだことや「加害責任に向きあうことが重要だ」と強調した。

 討議では、日本軍の慰安所(ビルマやシンガポール)の管理人が書いていた日記を読んできた読書会の研究者から、当時の状況について「マスコミなどでいわれていることがすべてではない。たくましく生きていることが隙間みられる」「日本にも元従軍慰安婦がおり、沖縄や満州からの引き上げの時に性暴行を受けいるが、それを証言できないのは”加害者“であったという抑圧感があるからだ」という発言もあった。

また、「沖縄での米兵による女性暴行事件もある。もっと問題を整理して、本質を見きわめていこうと思う」「人権派の人だちと対立して討論しなければならないものなのか。どこでもあったということで歩み寄れないものか」「こういう対立ではなく韓国の人ともっと仲良くしたい」と相次ぎ、訴える場面もあつた。

崔吉城教授は、「朝鮮戦争における米軍の性暴行の事実がなぜ批判されないのか」と問題を提議したところ「親日派」と攻撃を受けたことや、「戦争ちゅいうと言ってもすべての軍隊が性暴行を犯すわけではない。中国の人民軍はまったくしなかった」ことを明らかにした。さらに、人権はフランス革命でたたかいとられたものだが、「戦争における人権問題や被害補償は、女性の性をとりあげてやるのが一番だ」というアメリカ的な発想が、韓国の儒教的な貞操観を利用して政治的に煽られている状況にも注意を喚起した。

さらに、平和時には反戦や人権を叫ぶが、戦争が迫ると口をつぐんたという歴史の反面に学び、政治的な制約やナショナリズムをこえて、ありのままの事実を明らかにするという研究者の立場を貫くことの重要性を確認した。


肺気量検査

2017年02月21日 05時32分19秒 | 日記

  定期診療で行った肺気量検査は運動選手にでもなった気分で大きく吸ったり吹いたりを繰り替えしながらテストをした。結果は弱いといわれた。薬をもらいに行って薬局師さんからちょっと遅れのバレンタインチョコをいただいた。病院、薬局でも「顧客は王様」のように対応していただき嬉しい。病院はいつかかなり調子悪くなって訪ねる時が来るだろうと心準備は忘れてはいけない。
 今日は一昨日に港に着いた韓国からの46人(写真)の歓迎式に参加する。高校生たちになにを話すか、それも楽しいこと。私にも確かにその青少年時代があったが、今ではなかったかのように、現在の時点で話すことが多い。中学校合格以外にはほぼ悩みも多く、緊張して…生きていた感じがする。朝鮮戦争は私のトラウマ、その時代が生活の基準である。今経済が悪くなると聞いてもその時代を生き抜いてきたのでその時と比べて安心する。辛い過去はただの負の遺産ではない。生きる力でもある。


国境貿易

2017年02月20日 07時11分56秒 | 日記

 港で韓国からの留学生とそのご両親など46人を迎えた。先日韓国でお世話になった崔さん夫婦、久しぶりの校長先生などとも嬉しい再会であった。関釜フェリーは満室ということで、私が待つ団体は最後になり普段より1時間も遅かった。最初に下船する人たちはボッタリ商人たち、持ち帰るのはジジミの粉などが多い。小規模な関税なしの商売と言え、国境貿易ともいえる。商品を見て韓国の「味」が日本で売られていると思った。私の食卓には数日前いただいたジャンジョリンがおかれている。美味しい。小倉の海龍食品が開発したもので試食用である。
 これは朴仙容社長に韓国の両班家の料理として紹介し、勧めた。私の母がよく作ったものである。牛肉を醤油で煮るもので簡単とはいえ、つくるのは簡単ではない。肉の塊を食べるのでやや高いし、ソウル地方の富裕層が好む料理である。私は韓国の南部地方では見ることは稀であった。在日、あるいは中国朝鮮族やサハリンの朝鮮人の中では全く見ることはなかった。私はこのジャンジョリンの分布をみて韓国料理の広がりを見て来た。私が家内に伝授した両班料理の一つを在日の朴社長に勧めたものである。


マスク

2017年02月19日 06時33分32秒 | 旅行

 インフルエンザと花粉症のためにマスクした人が多い。ある女子学生は年中マスク姿であり顔はよくわからないので記憶に残りにくくなっている。卒業してジャイカでインドネシアに派遣されたという。そこでもマスクをするだろう。日本より空気が悪いからである。帽子を被ってマスクをした人は人相把握ができず、顔が見えにくくなる。最近特に日本では前髪が長く眉毛や目も見えない位にしている。額が全く見えない。韓国の諺で額は良心の表れというのに、顔を隠すことは良心をなくすこと、心を見せないことであろうか。
 マスクの代わりにベールやイスラムのチャドルなど顔を隠す風習は世界的に広い。近代化と同時に断髪、ヒッピーなどの乱れ長髪など流行は激しい。アラブのフセイン型の髭は男性の独占的美容や象徴的な文化である。その流行に抵抗のある人もいつの間にかそれを受容する。


映画か、実話か

2017年02月18日 05時51分16秒 | エッセイ

 映画そのものであるという。まだ映画は終わっていない。イントロ、挿話、ストーリー、クライマックス、結末がある。生の「声の文化」日常会話などが作品化されると芸術になる。クアラルンプールで起きている北朝鮮の金正男氏の被殺事件は映画かドラマのようである。作家や脚本は存在すると思われる。ニュースで流れる進行時状況はまさに映画を見るようである。舞台と人物構成のプロットが面白く、クアラルンプール国際空港を巡る情報発信はさまざまである。韓国中央日報は美女に誘われ目を閉じて殺されたという挿話もニュースとして流した。警察当局はいっぺんに捜査結果を出さず少しつつ漏らすようにニュースとして世界に流す。ゆっくり出した方が連続ドラマのような力となる。映画の結末は犯人像とは異なり意外な人物であるのが常、それがより劇的であり面白い。皆が北朝鮮による暗殺というが案外韓国、アメリカかもしれない。映画か、実話か、朦朧とする事件である。
  


敢えて危険な話

2017年02月17日 06時03分42秒 | 旅行

 敢えて危険な話をする時間であった。在日の韓国民団の団長の呉公太氏が釜山総領事館前の少女像撤去を韓国尹外務長官に申し入れた異例の行動に私と朴仙容氏は民団の初めての勇気ある言動を評価した。講師の山県順子氏は家父長や女性差別から人権意識、そして慰安婦裁判の傍聴を以て人権的な話をした。彼女は日本は戦争賠償をせず、謝罪もなく、慰安婦に一銭も払っていないという。田辺正樹氏らは戦争や植民地をした日本は反省すべきであり謝罪すべきだと言う。また日本人には加害意識はあるのかと言う。鍬野氏は下関で人権運動をしながら慰安婦裁判に協力し、弁護士になった人もおり、韓国側の協力を得ながらメディアに紹介され、今のように国際的に知られるようになった慰安婦問題の経緯を語った。
 倉光誠氏は日本人には加害意識がある、つまり性暴行された多数の女性が韓国のように表面に表らわさず黙っていることこそ加害意識があるからだと反論話し、西原経徳氏、田中順作氏らは日本は謝罪と賠償を行ってきたと反論した。私は平和反戦の平和主義的社会運動も必要ではあるが、実際戦争中に反戦運動をせず日本人は黙っていて、今のように言論が自由な平和の時の人権意識はそれと異なってより根本的な問題意識を持たなければならないといった。なぜ韓国が慰安婦、性を持って日韓関係の政治的カードにしているかの韓国社会の儒教的貞操観については説明足らず終わった。それでも本当に徹底討論となった感がした。


「四色党派」

2017年02月16日 05時29分51秒 | エッセイ

 このころ私はツイッターでニュースなどをキャッチすることが多い。トランプ氏など政治家の直接投稿を早く読めるのが楽しい。テレビや新聞などは旧聞になる気分である。ワシントンでは北朝鮮先制攻撃説がある中、金正男氏被殺ニュースが入る。金氏が韓国へ亡命することを憂い殺害されたという情報が今入っている。朝鮮半島の危機の中、特に政治家たちは「四色党派」(李王朝の時党派争い)だけを夢中にしている。それに国民は危険な集会を止められない。子供の火遊びを見る心情である。

요즘 나는 트위터에서 뉴스 등을 얻는 경우가 많다. 트럼프 대총령 등 정치인들의 직접 투고를 읽는 것이 즐겁다. TV 나 신문 등은 旧聞이 된다. 워싱턴의 북한 선제 공격설이 나도는 가운데 金정남 뉴스가 곧 들어왔다. 한국으로의 망명을 꺼려 살해되었다는 정보이다. 이러한 한반도의 위기 중에 있는 한국 정치인들은 에만 열중하고 있다. 국민은 위험한 집회를 하고 있다. 어린 아이의 불장난을 보는 심정이다.