崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

間引

2014年07月11日 05時16分27秒 | 旅行
オーストラリアのFB友のSeiin Pak氏の広い家庭菜園を写真で見て、私もベランダで鉢にレタスの種を播いてから1週間後、密集して芽が出てきたので間引きをして食卓に上げた。これからも数回間引きをしなければならない。間引きは農業の技術であるが、社会的にも行われている。作家金在国氏が書いたエッセーには日本社会では「しっかりしないと間引きされる」と日本留学中に娘に教えたということに思いが留まった。日本民俗としては子供が多く生まれすぎると生まれた子供の中から間引き(殺す)をしたといわれている。これは古い伝統であり、今は少子化、人権を尊重する先進国に代わったといえる。
 日本など先進国では人権思想が高く、障害を持っているとしても差別せず平等に生きられるように、否、優遇されるようになっている。しかし会社など構造再調整のリストラでは多くの社員が間引かれる。大学は間引きが少なく、安定している職場と言える。したがって経営が苦しいところも多い。それは能率主義だけではなく、一緒に共同体のメンバーとして生きる「和」の社会であるからであり、大げさに言うと社会福祉的な意味が大きい。しかしその制度の中でメンバーが隠れ、腐り、怠け者になりうる、人権を楯にして悪賢くたちまわる奴もいる。
 日本でも妊娠のとき問題がある胎児を中絶したという話を聞いたことがある。生まれる生存権さえはく奪されたり、いろいろな意味も含めて生き残るのも難しい。