崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

「絵はがきから見る近代山口」の準備を完了

2014年07月17日 04時28分22秒 | 旅行
 大雨の中「絵はがきから見る近代山口」の準備を完了した。この展示会の特異な点は何であろうかと記者に質問された。なにより絵はがきの原本はもちろん拡大コピーして美しく見せることであると答えた。展示室において美しく展示することができて大満足である。この度は初体験したことも多い。同僚の山本氏の車で美術館まで運び、川野教授画伯、清永美術評論家の二人が迎えてくれた。美術館の物運び専用の入り口にものを下ろして網戸のエレベーターで上がるのは初めてのこと、45メートルの展示壁に貼り付ける作業を行った。まず私がものを動線にそって並べてから、川野氏の指導によって押しピンで付ける作業が始まった。押しピンの押し方さえ初めて、メージャーを使いながら協力して作業が行われた。美術館の館長、事務の方、同僚や学生による作業、本場以上に準備過程を重要視する私として嬉しい時間であった。作業は展示物へ照明、展示室への誘導の案内板、受付のテーブルまで細かく進行した。
 今日から5日間、市民・県民の方々が来て観て感動があることと情報の分かち合いを願っている。今日の初日の午前中は私一人が受付け担当、テレビと新聞の取材が予定されて、一人芝居のようになりそうである。しかしこの体験は次のアジア向けの交換展示会などへと広げようとする話もあり、貴重なものと考えている。一人でお客さまを迎えることになるが、一人、ひとり嬉んで歓迎したいし、来て見ていただけるだけで感謝である。
 そもそもこの展示会は私の関心をキャッチした堀研画伯の寄贈により始まったことである。数年前から朝鮮に関する「写真葉書」(絵はがき)の数千枚を韓国で英語、日本語、韓国語でキャプションを書き、出版を準備している。それは私の研究からは日本帝国の二つの研究プロジェクト「帝国日本のものと人の移動(代表は植野弘子)」「セマウル運動と農村振興運動の研究(代表は崔吉城)」と関連があるテーマである。個人がカメラを持つことが難しい時代に主に日本人が帝国をどのように見たかという関心と視線と美の感覚などを見せてくれる。個人や家族のアルバム以前の公的なアルバム、それは美と歴史そのものである。白黒写真しかない時代にカーラー写真への念願であろうか。写真に色を塗った「着色写真」が盛況していた。それはカーラー写真ではない。白黒の樹の写真を花が満開にしり、紅葉にも着色できる。同じ自然なものとは色が異なるものが多い。写真から絵へ、写真葉書を「絵はがき」という意味が分かる。山口ものには着色が少ない、色の感覚が少なく、素朴な地方性を表すのではないだろうか。
写真は左から礒永、川野、山本、清永、家内、私、山中静
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