崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

外国で落第生、本国で優等生

2014年07月04日 04時59分45秒 | 旅行
最近韓国のドラマや日常会話の中で韓国社会が変化していると感じている。今楽しんでいるドラマでは「アメリカ留学」という言葉である。恋愛中の息子と彼女の結婚を反対するために「アメリカ留学」を強要した場面があった。もう一つのドラマでは息子のレストラン経営が上手くいかなかったらアメリカへ追い出すという場面である。アメリカ留学のイメージが極めてダウンしたことを感ずる。日本留学はそれ以上になっているであろう。このドラマだけではなく、アメリカ留学のイメージはかなり変わったことが十分キャッチできる。19世紀末から20世紀にかけて韓国で海外留学は憧れの対象であって、ソウル大学の教員の半分が「アメリカ留学」体験者であり、日本留学者は2%しかいないという。韓国が小国でありながら大国の中国へ圧倒的な影響力を発揮していることから考えると韓国の国内教育に自信があるということであろう。この現象も日本が先行している。今安倍政権は教育改革を打ち出している。歓迎する。
 ロシア出身韓国人のノルウェイのオスロ大学の朴O子氏はハンギョレイコラムに面白い文を書いた。韓国人が多く海外へ出て、その留学先の大学や学会では発言力がなく、劣等生が韓国に帰って偉くなっているという。つまり外国で落第生、本国で優等生だとう論旨である。結局優秀な研究者や教員は海外で職を求め活動している。つまり韓国の欧米留学生の質が良くないという指摘である。恐縮ではあるが私が日本留学当時を知っているある人は日本での留学生活に適応できず効果的な留学生活ができなかったが帰国して長官になった人もいる。優秀な人はその国に残るか、帰国しても研究環境が悪く再度海外へ出た人も多い。朴氏の意見に賛成できる。