崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

韓国語で訳書

2014年07月12日 05時33分06秒 | 旅行
 毎週水曜日の読書会は続いている。最初は朝鮮総督府の機関紙の『朝鮮』を読むことからはじまり、つい先日「慰安所帳場人の日記」を読み終えた。政治的な状況から関心がないわけではないが、戦前戦後の20年以上の日記を書いた韓国人がいて、どう生活してきたか、それ自体に関心が大きく、読み始めた。2年間分の2冊を読み終えた。その間には所蔵者、研究者、日韓のそれぞれの訳文などを参考にしてきた。26冊全部を読み続ける大型プロジェクトが必要であろう。この調子では20年はかかり、私にはとても無理である。しかし研究は続くよう希望している。東京のある有名な雑誌社の方が参加してみたいという。感想を聞きたい。
 執筆中の自著も進めてきたが、大部遅れている。幸い、韓国語の訳書村山智順の『朝鮮の巫覡』がようやく出るようになり、発行のための「序文」を書くことになった。1980年半ばから読書会で植民地研究会を立ち上げて、村山智順の『朝鮮の風水』を民音社から発行するようになった。当時反日的民族主義者たちに非難されながらも植民地史料でも翻訳はすべきだという信念をもって研究を続けてきた。その直後から植民地統治資料が多く出版されるようになり、韓国学の方向転換があったことは今は激世之感がする。日韓関係も好調、そして悪化を繰り返している。来週、再来週と日韓関係に関して講演が決まっている。世間に対して私の信念を貫く話をしたい。