崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

コロナウィルス肺炎

2020年01月31日 06時29分33秒 | 研究業績

 読書会では医師の倉光氏からコロナウィルスによる新型肺炎の話題提供があった。日本では人権やプライバシーの規制が厳しく、実験や診療さえ難しい。新型肺炎患者でも強制収容は難しい。戦中の人体実験やハンセン氏病者収容がいまだに人権問題になっている。動物保護ということでモルモットさえ利用が制約される。
 私は文化人類学の危機を例にした。個人にインタビューすること、写真、録音さえ難しくなって人間理解の文化人類学が難しい。人を観察することもできず個人に迫ったインタビュー調査研究が難しく、よい研究が出来ず観光旅行のような偽学問になる。人権、生命観、プライバシー云々、極端に強調するとブーメランになって戻ってくる。法治主義には程度がある。人本主義に戻せと言いたい。


最終回の講義

2020年01月31日 06時03分03秒 | 講義

文化人類学の講義15回遅れることや休講も無く、来週は試験で終わり。昨日最終回の講義はどうするか考えた。まずスマートフォンなどで文化人類学は何か、定義を調べさせた。最初のイントロのような講義を最後にしたことになる。そして以下のような全講義のまとめを紹介した。
1. 他者、他者は敵か、味方か
2. 斎学から野外学へfieldwork 社会に滞在(1年間)「参与観察」
4. 客観的な見方:ニュートラル 脱価値観、中立的、そのまま見るfact as fact
5. ブロニスロウ・マリノフスキーのパプア調査 
6. 「性差」Sexology:生物上の雌雄, 性行動を研究する学問
8. 「ジェンダー」gender:社会的、「男らしさ、女らしさ」
9. 「成人式initiation」社会的変化 責任ある
10. 結婚とは何か:儀礼婚、事実婚、法律婚
11. 核家族、夫婦と未婚の子供
12. 一夫多妻婚、一妻多夫婚、一夫一妻婚
13.外婚と内婚、カーストCaste
14. 世襲、継承
15. クラスClassは収入が身分を決める
16. 差別:偏見や先入観に基づいて他者を阻止する行為
17. 性差別、老人差別、民族差別
18. 宗教と政治:シャーマンは神懸り
 講義に関する感想発表する(写真)。


영감미술(아르뷔르)

2020年01月31日 05時42分45秒 | 日記

새로운 페친 Elyon Park화백이 자기 소개, 영감미술(아르뷔르) 로 예술가의 길을 걷고 있습니다라고 소개하였습니다. 그리고 만나지 않은 나의 영감 표상을 보내 주었습니다. 아마 <한국의 무당> 저자로서 영감일지 모르겠습니다. 좀더 많은 정보를 보내 드리고, 또 다른 그림도 부탁하고 싶군요. 아무튼 소중한 표상입니다. 잘 간직하겠습니다.


友情

2020年01月30日 05時23分47秒 | エッセイ

日韓関係の悪化は小康状況に入った感がする。韓国のKBSニュースで汚染対策、PM2.5問題の成功例として日本の北九州市の例を紹介した。また、昨夜は災害の多い日本のコロナウィルス対策が紹介された。私事の年賀状の件、二人の韓国大学の総長の話。一人は昨年私の招請講演の破棄のことについて謝りの文、私から水に流すこととし、喜びの反応があった。今年音信がなかったある総長が気になっていた。大学校の経営権が無くなったと人づてに聞いた。これから慰労の手紙を書こうとしている。10数年隣家だった石井家が引っ越して、寂しくなって通話。新しい住所の伊賀城と忍者の絵葉書が届いた。


ワンアジア・コンベンション

2020年01月29日 05時55分59秒 | エッセイ

 昨日ワンアジア・コンベンションのお誘いのメールが早めに届いた。タイのバンコクで8月初め頃に行う。新年始まりの実感がする。以前北部阿片三角地、ミャンマーの調査旅行したことを思い出す。バンコクへ行くならインドまでの長い調査旅行を考えている。ガンディーを中心に記念館などを見て来たい。またハワイのパールハーバーの記念館などが加われば新年計画の夢が膨らむ。新年度のシラバス、市民向けの文化論の講座、寄稿文など本当の新年が始まった。佐野賢治氏が年賀状に書いてくださったように「モデル老人」になりたい。


ファーウェーイ

2020年01月28日 06時02分55秒 | 講義

 一週間で病院を建てている中国、コロナウィルス騒動の中、鵜澤教授が杭州に現地調査に行かれて、急に建てられた5つ星ホテルをの話、独裁開発の大国の急進状況をアジア共同体論講義で生々しく語った。漢時代から商業が盛んな中国から今のファーウェーイ時代に至るまでの話だった。私は中国に商業主義と企業精神のバランスが取れることを願うとコメントし、最後に100余人中Ⅰ0人に奨学金を出した。支援して下さったワンアジア財団に感謝である。下関に来て最も親しい仲間、石本、友松、伊藤の日韓親善会協会の指導者たち3人からご招待、平家茶屋での晩餐会。「楽しい韓国文化論」「東アジア文化研究所」の10周年創立記念の話でわくわく、早くも韓国探訪旅行が楽しみ、日韓関係の悪さを飛ばし、楽しい時間が続いた。


アジア共同体論

2020年01月27日 07時15分55秒 | 講義

要約:アジア共同体論
全回の講義を要約すると「私」は無数に遡って拡大する。愛し合って「人類集団」となる。人類は遺伝子、病、癌と闘いながら革命、発展してきている。社会主義から資本主義へ、資本主義から社会主義へ、国家権力による独裁開発と民主化への道のりである。植民地言語から国際語となった英語や、エスペラントがある。シンガポールのような英語化にナショナリズムの国語化が対抗する。日本語により物語りが創られる。中国では日本語からの外来語「殺西米」「米西米西」が使われている。アジアらしい美、ファッションがある。日本の木造建築、開放的な構造が目立つ。そして幸福な「長生き」を目指している。


자연미

2020年01月27日 05時45分38秒 | エッセイ

매년 창가에서 란이 핍니다. 자연미입니다. 인간이 그 아름다움을 인식하기 이전부터 있습니다. 무서운 불길 속에도 아름다움이 있습니다. 잔인함과 아름다움이 자연입니다. 삶의 아름다움과 죽움이 함께 있습니다. 보다 진지하게 자연미를 생각해야 됩니다. 한 꽃잎을 접시에 놓았습니다. 신기한 모습입니다. 자연에 겸허하게 됩니다.

 


「冬栢アガシ」

2020年01月26日 05時19分56秒 | エッセイ

 昨日は陰暦のお正月、ネットで多くの方から新年の挨拶を受けた。ソウルの姉は両親の墓参りの写真を送ってきた。旧正月、偶然とはいえ、在日2世の蘆明秀夫婦と河村氏を招待し、家内の韓国料理でのランチ(点心)の談話は楽しかった。お客さんを迎えるために応接間の掃除と環境美化をした。彼らは室内には注目せず海岸の景観と大型テレビに驚いておられた。北朝鮮に行ったことがある方たちなので私が撮影したアリラン祝祭2003年の映像を見せた。蘆氏夫婦は総連系から韓国民団へ、しかし現在両側から離れ客観的な立場を持つという。その点は私と似ている。

 ニュースは中国武漢発祥の肺炎の広がり、病気の国際化、先日のゴーン氏の犯罪の国際化を実感する。年越し、新年は一つで十分、新旧の二回、年を重ねる負担が二重になる感である。なんとなく演歌番組を観ている時、東洋経済日報のコラムに寄稿した、「冬栢アガシ」が掲載された新聞が届いた。先日本欄で友人でもある小林孝行氏著『日韓大衆音楽の社会史』(現代人文社)の感想を書いたものである。私は音楽つまり文字通りに「音を楽しむ」。と言えばクラシック、歌詞は二の次であった。しかし歌詞をめぐって「日帝残滓」云々とした過去の過ちは稚拙とみている。


毎日新聞の朝刊に中村哲氏の講演映像上映会の記事

2020年01月25日 06時36分24秒 | 日記

 今朝の毎日新聞の朝刊に、中村哲氏の講演映像上映会が東亜大学で行われるという記事が地域版トップで掲載された。問い合わせ直後の記事であり、新鮮である。感謝である。日刊ではない長周新聞には文化短信として載っている。電子新聞など6つの新聞を比べて読んでいる。読者、記者、編集者の意図、偏向などが見えてくる。2冊の最新拙著が沖縄、島根、山梨など他の地域の新聞には紹介されているが下関ではほぼ紹介されていない。なぜだろうか。地元出身ではないことから、排他的な扱いを受けているのかもしれない。ローカルからグローバルへを目指している私の望みは、無理だろうか。


월간조선 시모노세키

2020年01月24日 06時16分50秒 | エッセイ

私が住んでいる日本の下関写真が<月刊朝鮮>新年号早々に載っている。部屋から見下ろす関門海峡の景色の写真と一緒に近所の都市<萩>写真が載っている。日本の近代化の源であり、総理大臣だ産地としても有名な下関である。韓国では侵略の源という人もいる。
 私は吉田松陰という近代教育者として注目している。小倉教授と学会主催の対談で、私が<吉田先生>と呼称したら韓国出身の私が<先生>という敬称を使ったことに質問を受けた。親日か。韓国代表的な月刊雑誌、冒頭ページに紹介するのは、今の反日韓国としては疑わしい。ムン・ジェインが嫌いではなく、本当に日本を理解すると、注目としたい。反日から親日・知日の精神的革命が必要である。

지금 내가 살고 있는 시모노세키가 2020년 1월호 <월간 조선> 첫 페이지를 장식했다. 그 기사 일본의 근대혁명 메이지 유신의 근원지라는 점에서 주목되었다. 유신으로 근대화되어 조선을 침략하였다는 근원적 원한의 땅으로 여겨지는 이 곳을 대보 사진 특보의 소개이다. 조그마한 사랑방에서 많은 인재를 길러낸 요시다를 한국 지식인 교육자들에게 <하기>를 안내하였다. 유명한 오구라씨와 대담을 한 곳, 하기에서 대담 첫머리에 내가 < 요시다 쇼인 선생님>이라고 호칭한 것이 이례라는 것으로 화제가 되었다. 
 

 오늘날 하기와 시모노세키는 ‘유신’으로 먹고산다. 하기의 시립병원에는 ‘건강유신’, 토종닭 전문음식점 앞에는 ‘지계(地鷄)유신’이라는 배너가 걸려 있을 정도다. 시모노세키의 다카스기 신사쿠 사망지 인근에 있는 허름한 불고깃집의 이름은 ‘신사쿠’였다.
   시모노세키는 아베 신조(安倍晉三) 일본 총리의 지역구이기도 하다. 아베 신조의 ‘신(晉)’은 다카스기 신사쿠에게서 따온 것이다. 그가 가장 존경하는 인물이 요시다 쇼인이다. 2015년 7월 아베 총리는 오랜 노력 끝에 쇼카손주쿠를 ‘메이지 일본의 산업혁명 문화유산’의 하나로 유네스코 세계문화유산으로 등재하는 데 성공했다.⊙

 


『民話に魅せられて』

2020年01月23日 05時19分37秒 | エッセイ

 「ある田舎教師の歩み」というある民俗学者の本『民話に魅せられて』を読んだ。著者酒井董美氏は1935年生まれ、私より数年上の方、しかし生きてきた時代は共有するところが多い。子供時代には一人ぼっち、ラジオ、防空壕、焼夷弾、「こわいけど美しなあ」との戦争体験などが実感同感の綴りである。彼は教育学部の国語(日本語)学科へ、私は師範学部の国語(韓国語)へ、さらに民俗学へ、教師と教授への道のりも共通し似ている。クラシック音楽の趣味、国立音大の内田るりこ先生について長く書かれている。私は1973年夏に内田先生の配慮で小島美子先生と田植え祭りに参加したことがあり、牛尾先生(?)とは私が日本語が出来ずとても残念だった。伝統的な高級民家に留まらせてくださった思い出が浮かんできた。まだお会おい出来ていない酒井先生とぜひお会いして、ロングロングストリーを語りたい。


東亜大学東アジア文化研究所

2020年01月22日 05時42分12秒 | 講義

皆様

お知らせです。
2019年11月16日中村哲氏が東亜大学で講義をしました。それが生前最終講演となりました。
その映像記録を市民の要請によって東亜大学東アジア文化研究所主催で上映会を行います。
ご参加お願いします。

東亜大学東アジア文化研究所所長 崔吉城

東亜大学東アジア文化研究所
中村哲氏講演映像上映会
2020年2月8日午後2-4時
東亜大学13号館
 

中村哲氏は2019年12月4日、アフガニスタンで銃撃され、死亡しました。アフガニスタン国民や難民のための医療活動、灌漑事業などで輝かしい業績を上げ、国際人道支援に多大な貢献をしました。その活動ぶりを生々しく語っておられました。政治的に不安な国で水との戦いの支援活動を本人が語る。医師として「ハンセン氏病と反戦」に奉仕、降水量年200ミリの山岳地帯の国、用水路をカレというがそれが枯れるのは困ると笑いを誘う話術で聴衆を魅了した。日本の古い斜め堰式を生かし日本からのセメントを入れて成功、65、000人の生活を安定させた成功物語りの現実を語りました。
永眠20日前の11月16日に東亜大学で講演しました。その映像は生前最終の講演として東亜大学が収録したものです。市民の要望によって視聴会を行います。参加無料です。 

* photo:Medical Dr. T. Nakamura  by© K.S.Choi,nov.16,2019 

 


日本ではキリスト教の信仰はなぜ受け入れ難いか

2020年01月21日 06時29分33秒 | 講義

 アジアのキリスト教の現在は、、、世界的に無宗教化・世俗化現象が著しい。教会がキャバレーに変っているところもある。信仰ではなくイベントや祭りとしては普及する。日本ではクリスマス、バレンタイン、サンタクロース、神戸イルミネーションは凄い。しかし、日本はキリスト教的な国ではない。キリスト教信者は非常に少い。韓国ではクリスチャンが多く、世界で最大の教会もある。キリスト教は植民地と宣教により世界宗教となった点がある。スペインがフィリピンを、ポルトガルがチモールを植民地化した例である。
 宗教とは教義、儀礼、組織、文化、日本ではその表面であるクリスマスなどの文化が入っている。人類愛の信仰として信仰はそれほど入っていない。生き方、生命倫理、人生観などはなかなか入り難い。
 キリスト教の発祥地であるイェルサレムという聖地をめぐる紛争、中近東のイスラエル、シリアなどの地域では戦争が多く、今も続いている。平和と愛の宗教による紛争は絶えないのはなぜだろうか。
 本ではキリスト教の信仰はなぜ受け入れ難いか(山折哲雄、仏教)。一方韓国では受け入れやすいか(崔吉城、シャーマニズム)の論文を改めて紹介した。(講義要旨から)


「アジアのキリスト教」

2020年01月20日 06時00分23秒 | 講義

 今日は「アジアのキリスト教」を講義する。大学では信仰の伝道・宣教は控えなければならない。民間信仰をはじめ世界宗教が多い。仏教、イスラム、ヒンズ教、キリスト教など。信仰は生死、救済など個人の人の生き方に大きく関わっているが、それが民族や国家の政治に関わり紛争・戦争も起こすようになっている。その現象も知らなければならない。この講義ではその知識としもキリスト教の本質を論じてみたい。日本はキリスト教が非常にマイノリティ、しかしキリスト教の影響は大きい。矢内原忠雄氏の例として挙げかと思っている。*写真は教会がキャバレーになったイギリスのリーズ