崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

『映像が語る植民地朝鮮』

2020年05月31日 06時25分47秒 | 日記

 コロナも終息へ向かうかと思ったら海峡の向かい側に感染者が発生、再び危機感が迫ってくる。そのニュースを聞いて中国の大連理工大学の林楽青氏から安否の電話があった。遠隔授業対応をし、学生たちから操作トラブルがあり、対応に悩まされていると話した。大連では別状はないという。
 林氏は嬉しい話をしてくれた。拙著『映像が語る植民地朝鮮』を中国語で翻訳完了。これから出版向けの作業が始まる。嬉しい。もう一冊、「韓国の巫堂」をある韓国研究者が翻訳中であり、出版実現に向けて進行中。嬉しい。コロナ不安の中、感謝の多い日々である。

 


自分史的な植民地研究史

2020年05月30日 06時09分02秒 | 研究業績

 カミュの「ペスト」終りに近い。死との戦い、人生に触れている。深く考えさせられる。今、80余年の自分の人生を振り返って考えている。戦争や伝染病などで多くの人の死を見てきた。自分史的に、分からないうちにドラマのようなストーリーが出来上がる。なぜこのような人生になったのか。その中で一つは学問という一抹の出来事を考える。
 私の母の巫俗信仰、中学生になって迷信と思い、遠ざけようとしたが大学の初年次の頃、任皙宰・李杜鉉の先生から、私の生れ故郷の楊州が秋葉隆博士の調査地であることを知らされた。その縁で巫俗研究、泉靖一先生にもお会いして、1970年10月には楊州の我が家の先祖代々のお抱えシャーマンの趙英子が行うクッに先生を案内した 。その時、私の日本留学が決まった。反日から親日(?)へ道のりであった。悲劇か喜劇か、その話を含め自分史的な植民地研究史を綴った。一読を願う。*写真『植野弘子・上水流久彦編『帝国日本における越境・断絶・残像』風響社への寄稿論文
 


感謝

2020年05月29日 06時00分20秒 | 日記

 今まで長く書いていたブログが突然投稿できなくなり、大変困っていました。多くの読者から問い合わせやご心配をいただき、また、いろいろご助言などをいただきました。特に堀まどか、大川、田中の諸氏からの情報提供に感謝します。昨日名古屋の南山大学の上田君との通話でブログを復帰させることが出来ました。万歳と叫んで喜びました。今日から平常通りに書けます。有難うございました。
 帰宅したら風響社から本『帝国日本における越境・断絶・残像』が届いていました。長い間、科研による共同研究の成果です。植野弘子先生と上水流久彦氏の編集、長い間細かい校正などの過程を経て、さらに出版社で時間をかけてやっと本が出ました。感謝です。
 私は植民地時代の京城帝国大学の秋葉隆教授がわが家の得意先シャーマンを研究、そして秋葉先生の弟子の、私の恩師二人任晳宰・李杜鉉両先生、そして私の日本留学、私の植民地史研究、反日に非難されながらも研究を続けてきた苦労話、恵まれた話を綴っています。その内容は明日に続けたい。


ブログ再開

2020年05月28日 15時06分53秒 | 日記

20年ほど書き続けているgooblogが数日前から書けず、いろいろ問い合わせをしても治らない。読者から体調を崩していないか電話、投稿などがあった。
毎日、先生の記事を楽しみにしております。ここのところ、更新がされていないので先生のお身体が心配です。また、元気に投稿されることを楽しみにしておりますので、お時間が許される時がきたら投稿をお願いいたします。
無理をなさらないで下さいね。先生もブログを書きたいと思った時に書いた方がいいと思います。個人的には韓国戦争以降から高度成長期における韓国の人々の生活や意識といったことを知りたいです。でも、くれぐれも無理をなさらないで下さいね。等、ご心配いただき、感謝。そして恐縮している。
 
遠隔授業で多くの学生がPPTが読めないとか機械的に対応すべく、昨日平沢准教授に教わった。学生の中には名前が二つあったりで調べても分からない。姓と名が複雑で本人に確認して分かった。ネットの時代、ほぼ毎日がPCでの生活である。その合間には読書もしている。カミュの「ペスト」、季節が変わり秋になり、峠を越えた隔離収容所で何もしないで、だまっている人間たちの生活ぶりが気になる。私はコロナと寿命の戦いをしながら、PCとニラメッコの生活である。

 


遠隔授業

2020年05月27日 21時54分19秒 | 講義

日本語の先生の前での発表か。家内を聞き手として遠隔授業で日本文化論を講義した。教室の代わりに私の部屋の一角である。日本人の真面目性が技術発展にどう繋がるか、エズラ・ヴォーゲルの『ジャパンアズNO.1』について講義した。真面目な人間、表に現れず影で存在することが多い。国際的にもPRがうまくいかず損をしているようである。日本人はただ上官に従うようであるが、評価される点に絞って短く語った。日本人の手洗い習慣についてコラムを書いた。それを参考資料に付けたい。学生たちのコメントに期待する。


慰安婦の李容洙

2020年05月26日 22時15分44秒 | エッセイ

「ペスト」小説で、ある少年の死について医師のリウが悲しむのに、パヌル神父は「祝礼」という相反する態度が書かれている。死をどう受け取るべきか。今マスクと手洗いは教養レベルを超えて死との戦いである。「世界一衛生的」と思われる日本も非常宣言を解除した。KBSニュースではまだ憂いの中の宣言だと非難、なぜそうなのなのだろうか。韓国と同様日本も自画自賛、韓国は政治家を、日本は国民を褒めているのが異なる。
 昨日午後、元慰安婦の李容洙さん(91)が記者会見、尹美香氏は「慰安婦を利用した」「私利私欲」で出馬したと非難した。私は彼女の発言内容が文部大臣らが語るべき教育的な言及に感動した。デモなどの社会運動では日韓関係はよくならないと述べておられた。


「絶縁」

2020年05月25日 22時20分46秒 | エッセイ

昨日戦後の日韓関係を生きてきた私として「善隣友好」は無理、「絶縁」と書いた。国家の政策からではなく、人と人の関係から考えてみたことである。人間関係を拡げて生きるのは誰しも同様。しかし中にはいろいろ、遠避け、絶縁、あるいは消えていった関係も多い。友人、同僚、隣人などの関係でも不便な関係を避けて、切ったものも多い。切っても切れないのが血縁と思われる。
 民族も国家もそうである。日本と韓国は、隣国でありながら互いに信頼しない。私はサハリン瑞穂で日本人の朝鮮人虐殺事件を知って「民族」というものに不信感を持つようになった。植民地帝国とはいえ、同じ国民であったのに殺し合うという民族とは何か、人間の本質に疑問を持った。単一民族国家の民族を本格的に考えなければならない。


申維翰『海游録』

2020年05月24日 22時25分10秒 | 研究業績

コロナで日韓関係が小康状況と思ったのに韓国で慰安婦問題がまた浮上している。日韓関係にも影響せざるを得ない。韓国は良くても悪くても日本を意識して政策を取る。今私は江戸時代の3人の日記を読んでいる。雨森芳洲が「言いたいと思っていた所懐がある」と前置きし、日本と朝鮮は、海を隔てて隣国である。信義相変らず日本には必ず、倭賊、蛮酋と醜蔑する。通信使一行も日本人を「倭人」といい、「望むところにあらず」(申維翰『海游録』)と、著名な歴史学者故李進煕氏は「これは今日のわれわれにも通じる」と述べている。私も同感である。さらに今の私の認識では日韓の今の状況では「善隣友好」は無理、絶縁の時期が必要であると思ってしまう。


大川 純一氏

2020年05月23日 08時49分16秒 | 講義

最近スズメなどを見て楽しむ時間がある中、昨日鳩が大学2号館に入っているのを見つけ、階段を登りながら追って9階の最上階まで追ってまた5階、7階、6階などへ、家内窓を開けて私が傘を開いて外に出すことが出来た。元気よく飛んで行った。疲れてしまった。海岸では烏が鷲を追い出す、縄張り意識かな。人も縄張りは強い。
 今遠隔授業の総司令塔役の鵜澤副学長からその現状、ネパールから留学生たちがチャーター便で戻ったという話は劇的である。私は執筆の話を披露した。
 今学期から大学院社会人学生になった大川 純一氏(写真)と歓談、彼は下関出身、私の講義を受講したいという。コンピューターと出版の会社の社長、心強い、話は盛り上がり長くなった。


「親日賛美禁止法」

2020年05月22日 08時53分16秒 | エッセイ

大学は変わりなく静か、キャンパスで広島大学を定年して本学に来られた岡元教授と立ち話、また新しい学期の出会いである。ある地域新聞の記者とオンライン授業などについて放談した。彼は高齢者であるが記事を書く現役の記者、仕事を続けておられる。
 この世にはあまりにも情報が氾濫して戸惑う。日韓だけでも似てるニュースが飛び回る。韓国では大統領を法律的守る法務長官の人事、日本では総理を守る検事総長の人事が話題になっており、似て異なる。また、韓国では「親日賛美禁止法」法案が成立するか、否か注視したい。韓国や中国では自由な言論や客観的な研究は難しい。


学問の自由

2020年05月21日 08時46分57秒 | 日記

大学は変わりなく静か、キャンパスで広島大学を定年して本学に来られた岡元教授と立ち話、また新しい学期の出会いである。ある地域新聞の記者とオンライン授業などについて放談した。彼は高齢者であるが記事を書く現役の記者、仕事を続けておられる。
 この世にはあまりにも情報が氾濫して戸惑う。日韓だけでも似てるニュースが飛び回る。韓国では大統領を法律的守る法務長官の人事、日本では総理を守る検事総長の人事が話題になっており、似て異なる。また、韓国では「親日賛美禁止法」法案が成立するか、否か注視したい。韓国や中国では自由な言論や客観的な研究は難しい。


マスクとお面

2020年05月21日 05時33分41秒 | エッセイ

マスクとお面は異なる。マスクのデザインや模様の美化、鬼化している。カミュの「ペスト」に「がーぜのマスクは膨らんで、口に当たるところが湿りを帯びた。それがまるで彫像同士の対話のような、多少非現実的な会話の趣をなしていた」(新潮文庫、306ページ)。お面によりキャラが変わる、劇などにならないで。冗談ぽく言うとテドロス、ト、小・・・は大きいマスクをした方が良い。西村氏はしない方が良い。早くマスクが取れた顔になって欲しい。

2020年02月01日 06時12分17秒 | 病床日記

 私は高齢であり個人的な病歴から肺炎の脅威を強く感じている。特に新型ウィルス肺炎に脅威、集会参加などを控えている。2月8日予定の中村哲氏の映像上映会開催も気になっている。この脅威の根源地は経済大国主義の中国である。世界保健機構WHOが早期に宣言するかと思っていたが、蔓延してから追認するような宣言が発表された。アフリカ・エチオピア出身の政治家のテドロス局長が中国習近平主席と会って「称賛」したことが非難されている。私もそれを読んで彼の教育背景を疑いたくなった。政治家としては優れているかもしれないが客観的な姿勢が欠如していると感じた。昨夜のプライムニュースでも彼を非難はしはていない。客観的ではないと感じた。病気と戦うには医学の力がより必要であろう。
Tedros said it is admirable that the Chinese government has shown its solid political resolve and taken timely and effective measures in dealing with the epidemic.


悲報

2020年05月20日 06時07分36秒 | 日記

 研究所に本が溢れて整理すべく、本棚を別棟5階から7階まで家内と一緒に静かにに、うす暗いローカから運ぶ作業中、突然現れた理事の徳永氏が助けてくれた。所長室も高級椅子が揃えた。もうそれ以上動けない、疲れた。
 ある教会の牧師が危篤と聞いて気になるところ、研究室で同僚のデールスティール氏の急逝を聞いた。彼はニューヨーク出身、ステンド・ガラス芸術をされる方である。キャンバス内で偶然出会ったりすると軽いジョークを楽しみ、彼の展示会の日を待っていると、手を振って微笑を交わした方の突然の逝去に驚き、心痛む。ご冥福を祈る。

 


慰安婦像

2020年05月19日 05時55分22秒 | エッセイ

昨夜のKBS9時ニュースは5.18記念特集で光州から放送された。その時間帯に日本ではBSニュース1930でソウルから黒田勝弘氏が李溶洙発言について触れて韓国が日本理解に好転するかも知れないと期待感のある話があった。大使館前での「水曜集会」は小中学生の教育に良くないという李氏の発言には私も大きく賛同しているが、メディアが金銭問題の政治化としていて残念である。私としては親日・反日を超え、教育上慰安婦像には否定的である。


韓国KBS終末ドラマ

2020年05月17日 23時04分47秒 | 旅行

今見ている日韓のドラマの感想である。日本のNHK朝ドラは成功物語り式が多い。先が見える。有名な音楽家になっていく成功する先が見える。伝記式教科書のようなパターンである。韓国KBS終末ドラマ「愛はビューティフル、人生はワンダフル」はそれとは相反する。ある娘を自殺ほう助犯にするという刑事物語りのようでそうではない。脚本と演技も勉強になる。先が見えないように進む。文章を書く時も参考になる。辞書を書くように生年月日から伝記式でコピー&ペスト式での作品は読みたくない。そのようには書きたくない。